第62話 通信交換でニョロキング

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 ドククラゲの大群に襲われたマイとミト。自分達が作り出した波乗りとドククラゲが海中で暴れる所為で海は大荒れに。
 ゴールドは荒れ打つ波にドククラゲの影を見つけようやく状況を把握する。

「弱ったな、俺のポケモン達はみんな置いてきちまったし、マイのポケモンじゃあんな水中泳げるわけがねえ!」

 ゴールドが浜辺からポケモンセンターに走ろうとした時、イキのいい音を立てた船がアサギシティに向かっているのが見えた。
 あのままだと船もドククラゲ達に沈没させられてしまう。

「ギャラちゃん! 君に決めた!」

 一筋の光に見えたそれは、太陽に反射して鱗がキラキラと光るギャラドスだった。

「アヤノ!」
「マイ!? まあいいわ、何よこれ! ドククラゲだらけじゃないの!」

 ギャラドスの頭の上に乗っている漆黒の髪を持ったアヤノが怒号の声を上げている。思わず耳を塞いでしまうマイに命令を下す。

「マイ、そこのラプラス二頭と私のギャラちゃん、それからコウのシードラでドククラゲ撃退作戦をするわ!」
「待って! この海の中に人がいる……ドククラゲに捕まっちゃったんだよ!」
「ハァ!? んもう! コウ、頼むわ!」
「分かった」

 早口で説明するアヤノにマイの頭が追いつけない様子で待ったをもらう。ドククラゲより人命だとマイが言うとコウが船の上からシードラを繰り出してミトをすくい上げるように海上に頭を出した。

「ミトさんだいじょうぶ!? しっかりして!」
「ダメだ! 意識がない!」

 船上にいるコウに向かってマイが大声で叫ぶとコウが甲板の手すりから身体を乗り上げるように言葉を返す。
 ミトの手持ちのラプラスはミトを助けようと海に潜った時にドククラゲの毒に犯されまともに動けないでいる。ミトの海パンにつけていたモンスターボールにラプラスを戻すと、海上にいるポケモンはラプラス、ギャラドス、シードラの三体になってしまった。
 戦力としては申し分ないが少しばかり心配だ。

「どうやってこの大群乗り切る?」
「待って、今考えてるから!」

 コウがアヤノに問いかけるがいい案が思いつかないでいてじれったいという目つきになっている。

「そうだ! コウちゃん、シードラで竜巻を海の中で起こせないかな! 渦潮みたいな! そうしたらごちゃごちゃしてるドククラゲが一か所に固まってくれる! そしたらアヤノのギャラちゃんで竜の怒りをブチかまして空中に放り上げるの! 後は三人の冷凍ビームで大人しくさせよう!」
「そんなことしたらお前まで巻き込まれ……マイ、海の中に潜れ!」
「ラプラスは海上や地上より海中の方がずっと早く動けるわ! 竜巻に巻き込まれる可能性も低くなる! 早く!」

 マイの出した作戦に二人が準備に取りかかろうとしたが海上に漂っているマイとラプラスが危険だと判断したコウが海に潜るように言って、アヤノがラプラスの性質を説明。

「でも息が! ってわあ! アル……!」
「シードラ、海の中にお前も潜るんだ! 竜巻!」

 素早く潜りこむことができたが息ができない、しかしラプラスの「泡」によってマイの顔を包み込むような空間が出来た、これで酸素の問題は大丈夫だ。
 マイは目だけはいいので、シードラが海の中でぐるぐるとバレリーナのように同じ場所で回りつづけ、海の中に竜巻が誕生。その竜巻は同じ箇所で回っているのでドククラゲ達が洗濯機に投げられたようにドンドン吸い寄せられてきた。

「ギャラちゃん! 竜の怒り!」

 そして上の方ではギャラドスの目が赤く光り海に雷が落とされた。合図だ。
 竜巻の中心部に竜の怒りをありったけ注ぎ込みドククラゲ達を海から空中へ放り投げる、後は三人で一斉に技を放つ。

「「「 冷凍ビーム!! 」」」

 異口同音、まさにぴったり合う言葉だ。
 海の中からはシードラが、海上に顔を出してラプラスが、そして空中からはギャラドスが冷凍ビームを繰り出した。

「……た、助かったのかな」
「みたいね……疲れた」
「まったくだ……」

 三人の激闘を見ていた船乗りがマイを船内へと上げてくれると船は進路の通りアサギシティに到着。待っていたゴールドがマイを強く抱きしめてのお出迎えだ。

「今回はマイの作戦で助かったわ、ありがとう。だから見逃してあげるわね(髪も乱れているし恥ずかしいし)」

 それだけ言うとアヤノは濡れた髪や服も気にせずにアサギシティから去っていく。コウも同じくどこかへ行こうとした時に、ゴールドに肩を掴まれる。

「おいコウちょっと話しがあんだけどよォ」
「ななななんですか」
「なーに悪い話しじゃねえよ、ちょっとコレ、お前のシードラに持たせて俺のさっき進化したニョロゾと通信交換してくれねえか」

 先程の戦いをしたシードラに「竜の鱗」を持たせ、自分のニョロゾには「王者の印」を持たせる。
 それを見たコウはにやりと怪しくも笑うが嬉しそうにも見える。

「えー! ポケモンに道具を持たせたままボールに戻せちゃうの?」
「今更かよ! そーだよ、知らなかったのかよ」
「うん! 知らなかった! へえ~」

 マイのボケにゴールドがツッコム。コウはこの人大変そうだな、と憐みの顔を向けた。

「ほいほいっと通信交換~」
「ポケギアで交換できるんですね、知らなかったです」
「コウちゃん知らなかったんだ、へえー」
「うるさい」

 ポケギアを赤外線でつなぎ、お互いのモンスターボールのデータを送る。サント・アンヌ号で見た通信機がなくてもできるようだ。科学の力ってすげー!

「ねえゴールド、ニョロボン交換しちゃうの? コウちゃんもそれでいいの?」
「大丈夫さ、もう一度交換してっと……ほい! お帰りニョたろう!」
「あれ!? さっきと全然姿が違う! コウちゃんのシードラも! どういうこと?」

 マイが心配そうに二人の顔を交互に見る。ゴールドに無理やり交換をさせられたのではないかと思っているのだろう。
 しかし、またすぐに通信交換をして元の親に帰ってきたのだが、ボールから出てきた姿はまるで別人……いや、別モン。

「こういう進化もあるってこった! こいつはニョロトノでコウのがキングドラさ! いやーよかったよかった! 幽霊屋敷で落ちてたんで拾ったんだ!」
「もしかしていいのがあったってこの事ー!? どうりで助けが遅いわけだよ! もーっ!」

 トゲトゲのツンツンしたシードラから柔らかそうなひだを持つキングドラになった元シードラを眺めているコウは頬が落ちそうなくらいに柔らかい笑みを浮かべいる。

「コウちゃんもよかったね!」
「ああ、じゃあ俺行くから。またな」
「うん! またね! よーし! わたしもジムに挑戦だー!」

 「また」なんて言われて嬉しそうに手を振るマイ。後はジム戦が残っているだけだ、今のまま突き進め!
タイトルで全て察しがつきましたね…

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