第47話 豪華客船 サント・アンヌ号!

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「タンバシティはこの海を渡って行く先にある街よ」
「海を渡る?! わー! すごい! ゴールド行こうよ!」
「あのなぁ、海ってどのくらい広いか分かるか? 泳いでだって行けないぜ?」

 ミカンに行く先を教えてもらうとゴールドに興奮した様子で誘うがため息を深くつかれて、すっとんきょうな顔になるマイ。
 残念そうにマイがしているとミカンがチケットを二枚手渡してきた。

「これって船のチケット?」
「おー、これってあの船着場に停まってた船か! サント・アンヌ号って豪華客船じゃねーか!」
「はい、デンリュウを……いえアカリちゃんを助けてくれるんですもの、このくらいは」

 豪華客船のチケットを渡すと、早々とポケモンセンターから出て行き灯台へ向かう姿が見えた。手持ちポケモンではないらしいが、家族のように大切にしているらしい。
 海で遊べなくなっちゃったな、と眉を下げてマイに言うと首を横に振られる。
 どうやら今は自分よりもデンリュウが優先らしい。身体が弱いマイにとっては薬がどれだけ大切なものかよく分かっている分、ミカンの気持ちが伝わるのだろう。

「うーん、部屋取ったけど夜には船に向かうか! 時間まであるし、それまでは部屋でのんびりするか!」
「そうだね、豪華客船……おいしい食べ物! おいしい飲み物! ふかふかベッド!」
「なんか目的変わってないか?」

 せっかく取ったのだからと部屋に行き、荷物を降ろす。ベッドに腰掛けてゴールドは話を振る。
 マイが豪華客船での妄想を広げているのか口を開けて食べ物を食べる仕草をする。
 指摘されて口を閉じてシャキッと座り、だいじょうぶ、忘れてないよ!と首を何度も立てに振っていた。

「船かぁ……。アルファに乗って海を渡れたらステキだろうなぁー」
「そうだな、こいつがもちっとデカくなったら俺らのこと乗っけても平気になるだろ。波乗りってポケモンの技であるくらいだしな」

 ボールの中でも泳ぐようなポーズをしているラプラスに向かって言えば、ウインクを返されてしまう。どうやらかなりのヤンチャ者だ。
 若干、目つきがマイに似ている部分が嬉しかったりするマイ。本人には言わないが。

「さーてと時間まで寝るかな」
「そだね、寝よ寝よー」

 ゴールドはジャケット、マイはパーカーを脱ぎ捨て布団に入る。同じ布団に。
 まあ今までこうしてきたのだし、年齢的にもまだいいかとゴールドはスルーして眠りにつく。

◆◆◆

「ふあーよく寝たー」
「ポケギアのタイマー機能いいな。うるさくねえわ。さってと! 船に向かうか!」

 ちゃちゃと準備をすませてポケモンセンターを後にし、船着場へ着くと家族連れからお年寄りの何かの会、お偉いさんの列が出来ていた。
 ドレスコードはないようで、豪華客船の割には気が楽な船旅になりそうだ。
 順番を待っていると、後ろからオラオラ声の態度の悪ーいお兄さん方が前へ前へと入り込んでいた。もちろん、ゴールドとマイの横を入り我先にと船へ入って来た。

「こ、こわいなあ。あの人だけには近寄りたくないや」
「大丈夫さ俺がいるだろ「リューくん達がいるからだいじょーぶだね!」そうだな」

 怖かったのかゴールドの袖を掴んで手が震えていた、ここは好感度をあげようと優しくしようとしたのだが一歩遅く、手持ちのポケモン達に癒やされているマイ。
 しまいには、何か言ったの、と聞かれる始末である。

「おーし、乗るか! うん、乗ろう! 遅れるなよー」
「はーい、しばらくはボールの中でみんな待っててね」

 ゴールドがいつも通り先頭をきって前を歩き、タラップを上って船内へ入ろうとすると、乗組員がポケモンは自由に出してもらって構わないゾーンがあります、と聞かれていたのか教えてくれた。
 しばらくして船は動き出し、部屋に入ると二人は目を輝かせた。床はホコリ無し傷無しのピカピカに光る大理石、天井には小さいながらも誇らしげなシャンデリア、大きなテーブルに、大きな天蓋付きベッド、まるで王室のような部屋。

「わーい! どーん!」
「俺もやるぜー! ふっかふかだ! 気持ちいーな! ウチにも欲しいくらいだ!」

 勢いよくベッドにダイブするマイに続けてゴールドもダイブ! 二人乗ってもフカフカなベッドに大興奮の様子。
 モンスターボールの中からは羨ましそうに手持ちのポケモン達が見ていた。

「大広間ではポケモン達と遊べるスペースがあるらしいぜ。バトルもできるらしいけど船酔いとかするかもなー」
「行くだけ行ってみよー!」

 長い廊下を歩くと大きな装飾がされた両開きの扉があり、そばにいたドアマンに開けてもらうと中から熱気を感じた。

「わー、すごい! こんなにたくさん人が乗ってたんだ! あっちはバトルしてるのかな!?」
「んーあれはバトルじゃなくて交換だな」

 指差した先には二人のトレーナーが一つの機械の前に立ち、ボールをセットする真ん中が窪んでいる円形の台にそれぞれ一つずつボールを置き、その窪んでいる真上には、吸い込み口のようなものが存在した。その吸い込み口を辿ればパイプで繋がれている。どうやら、そのパイプのちょうど間にあるボタンを押せばボールが、吸い込まれパイプに入り、相手の吸い込み口からボールが出てくる、そんな仕組みのようだ。

「交換ってポケモンを交換するんだ。なんだか嫌だなぁ」
「まあそういう気持ちは分かる。けど、お互いに了承してやることだから喧嘩にはならないさ」
「そうなんだ。ちゃんと大事に育ててくれるトレーナーだったら安心するのになあ」

 ちらりとゴールドを見上げて言う。交換する気はないのだが。

「オラオラ! お前、いいポケモン持ってんなぁ! 俺のと交換しろや!」

 嫌な予感的中。船に乗る時に出会ったオラオラ系のお兄さんが、黒いパーカーを着ている少年に声をかけていた。
 ゴールドが関わらない方が身のためだから見ないふりをするぞ、なんて珍しい事を言うのでマイが余計気になってしまう。

「あ、コウちゃん! コウちゃんがカツアゲにあってる! あーあー……」
「なんかお前性格変わってないか? ってそんなことよりコウだ! これはほっとけねえな!」
本来はアクア号ですがアクア号は高速船なので、サント・アンヌ号を豪華客船にしちゃいました。

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