第46話  はじめましてこんにちは

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 39道路から転がったタマゴはなんとアサギシティまで来てしまい、ついにその生まれる時がやってきた!
 二人が見守る中生まれてきたのは、青いヒレに灰色の甲羅を持ったポケモン。

「ラプラス!」
「らぷらす? へえ、かわいいね~。わ! くすぐったいよ~」

 ゴールドの言葉の通り、図鑑で確認するとラプラスと表示された。
マイの持っている図鑑を不思議そうに眺めていたり、押し倒して顔をペロペロと舐めてきて懐いている様子だ。

「ずいぶんマイに懐いてんな。こいつ、マイの手持ちに加えてやれよ」

 ゴールドからの思わぬ提案に、大きな瞳をぱちくりとさせて言葉が出てこない。
ラプラスも何度も頷くような仕草をしている。

「ん? 遠慮するなよ、こいつが決めたことだ。それに博士だってマイに譲ってやりたかったんだと思うぜ?」
「え、でも……ラプラス、それでいい?」
「きゅ~」

 歌うようにラプラスに返事を返されてゴールドがタマゴを入れていたモンスターボールにラプラスをボールに何事もないように戻してみる。
 再び出してみればまた元気にマイに近寄って来た。困惑しているようだが、嬉しさもあるのかラプラスを手持ちに加える事にする。

「なんて名前にしようかな~、ラプくん?」
「ラプたろうだろ、なんだよその顔」

 海辺まで連れて行き泳がせている姿を二人で砂浜に座りながら見ていた。ニックネームを決めたいようなのだがどうもいいものが浮かばないらしい。
 そうだなぁ、とゴールドが八月近い砂浜に寝転がりながら目を閉じて考えていると、ガバッと勢いよく起き言葉を発した。

「アルファ!」
「アルファって、小さい勇者の物語の主人公の?」
「そーそー。だってよォこいつタマゴの時からヤンチャしててある意味勇者だろ? だーから! アルファ! はい、決定!」

 太陽にゴーグルが眩しく光りながらゴールドが右手で、人差し指をラプラスに差しながら言う。ラプラスも喜んでいるのかヒレをパシャパシャと水面にぶつけていた。
 ゴールドがずっとタマゴを持っていたし、名前くらいはいいかなーなんて軽い気持ちで名前をアルファと命名。
 博士に連絡をすると声のトーンを上げて周りにいるであろう助手に報告をしていた。

「よーし、なんだかんだでアサギシティに到着したな! まずはポケモンセンターを探して今夜の宿を取っておくか。ほら行くぞ」
「うん! 戻ってアルファ!」

 先に立ち上がったゴールドに手を差し伸べられその手を掴む。砂が付いたので手で払いながらポケモンセンターを探すとすぐそこにあったので入る。
 中はとても涼しく感じて、いかに外が真夏かを教えてくれた。浜辺でグッタリとしているポケモン達もチラホラと見えて、トレーナー達も大変そうだ。

「部屋一つお願いしまーす。マーイ、何やってんだ。部屋取ったぜ、来いよ」
「あっうん! 待ってー」

 外を見て気を取られていたのか間が空いての返事。何を見ていたのか視線の先を見たら海で遊ぶ子供や大人達だった。
 昔から風邪や熱を出しやすかったので外で長時間遊ぶことはなかったらしく海で水着になるなんて事はなかったそうだ。ゴールドが日が沈んだら海へ行こうと気を使ってくれたのが嬉しかったのか、顔を下へ向けて声を出さずに笑っている。

「そういやアサギシティには灯台があったな。夕方に海に行くついでに見てみるか?」
「うん! 見てみたい! 灯台って一番高いところで電気がピカピカくるくる光ってキレイなんでしょ?」
「ピカピカくるくる? まあ、そうだな。綺麗だと思うぜ。それまで休憩しとくか!」

 そんな会話をロビーでしていると、ジョーイさんと話していたロングヘアーの茶髪におでこを出してオレンジ色のアクセサリーで二つに髪をちょこっと結んだ大人の女性が申し訳なさそうにこちらに寄ってきた。

「こんにちは、突然ごめんなさい。私の名前はミカンです。あなた達が灯台の話をしていたのでつい来てしまいました。楽しみにしていたところを悪いんだけど、灯台の灯りが体調、悪いみたいであなた達が見たい景色は見れないの……」
「体調の悪い灯台? 調子が悪いじゃなくて?」
「そうなの。灯りはデンリュウっていうポケモンが役目を果たしてくれているのだれけど、最近体調不良で光が出ないらしいの……」

 マイが珍しく言葉に違和感を感じて尋ねるとミカンと名乗る女性はそう教えてくれた。
 どうやらタンバシティに行けば秘伝の薬を作ってくれる職人がいるらしいのだが、そのデンリュウを一人にさせておくことはできないと言い、自分でも取りに行けないと言う。

「そうか、それは残念だったな。マイ、それなら海だけでも「ならわたしがタンバシティに秘伝の薬を取りに行ってくるよ!」……言うと思ったぜ」

 話を聞き肩を落とすマイを励まそうとしたら逆効果になったらしく座っていた席から立ち上がり、ミカンの手を取って宣言した。

「本当に!? ありがとう、嬉しいわ!」
「えへへ、どういたしまして。ところでタンバシティってどこ?」

 その場にいたゴールドとミカンが、マイの発言で転びそうになる。知らないのに引き受けたの? とミカンは若干身を引いた。

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