第42話 VSマツバ[前編]
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
「ちょっと待ってね、このボタンを押すと君達が歩いて来た道の床の穴が塞がるんだ」
「へえ、わあ! ほんとだ、抜けた部分が上がってきたよ! わたしはあっち側に行けばいいんですか?」
「いやいや! 女の子を歩かせるわけにはいかないさ。僕が向こう側に行く」
そういうとマツバは音を殺して出口側へと歩く。そして、定位置に着いたと思えばまた手にしていたリモコンのボタンを押す。すると、また床が抜けて行く。
しかし今回の抜けた床は完全に抜けきってはいなくて段差違いのような歩きにくいステージへと変化する。
「僕はゴース、行ってこい! こいつは常に浮遊しているから床のデコボコには無縁なのさ」
「ズルイ! どうしよう、ゴーストタイプって何が効くんだろう……きっと普通に攻撃するだけじゃ効かないだろうな。やっぱりここは色々技を覚えてるリューくん、君に決めた!」
「ほう。ハクリューか、僕の友達にもハクリューが好きなやつがいてなそいつは変わってるんだが。君も変わっているのかな? 影分身!」
「ええ! 話しながらなんて! リューくん、これは前にやった方法で行けるよ! 電磁波!」
マツバは巧みに話しながらポケモンを出し、話しながら技を繰り出してきた。マイは二回もずるいと言ってしまうが慣れているのかマツバはスルーした。
しかし影分身殺しならマイの得意分野だ。ハクリューは額に電気を集めてミニリュウとはけた違いの大きさの電気玉を作り上げると辺りに散らす。
「やるな、話を聞いていた以上だ!」
「わたしのリューくんをなめないでよねっ10万ボルト!」
「避け……お疲れさま、ゴース。次はお前だ、ゴースト!」
分身を電気で消した後、ビリビリと痺れて動けないゴースにお構いなしにハクリューの10万ボルトがさく裂。そのまま目を回して動かなくなった。
ゴースを戻すと続けてポケモンを出す。それは進化形のゴーストで、ガス状のゴースとは違いしっかりと身体を持っていた。
「どうしようかな、そのまま行ける?」
「リューッ!」
ハクリューに尋ねると元気よく返事を返す。マイはこのままでいくつもりだ。
「君のハクリューには悪いけど……滅びの歌!」
「ううっ何この歌!」
「マイ、気を付けろ! その歌は……こりゃひでぇ!」
ゴールドのアドバイスが途切れてしまうほどの歌声。耳を塞ぐので手一杯だ。ゴーストは歌い続けていて攻撃する気がないようにとれる。
それをチャンスと思ったのかマイがハクリューに指示を出す!
「リューくん、さっきと同じ! 電磁波でシビれさせちゃおう!」
「りゅ、リュー!」
「ええ!? 効いてるのに効いていない……!?」
ハクリューにも歌声がもちろん届いていて耳を塞ぐ手段がないので顔をゆがませての電磁波。せっかくの電磁波もゴーストにはあまりダメージがなく歌声が止まらない。
「もう一回! 電磁波! がんばって!」
「ふふふ……もう少しだ。耐えるんだ、ゴースト」
今度は攻撃がヒットした! 歌声は止んだが、ハクリューの様子がおかしい。目がどこかを向いていて口が開きっぱなしだ。
「マイ、待て! 今すぐ交代を――」
「リューくん、竜巻!」
ハクリューがふらつきながらも尻尾の先で竜巻を作ろうとする。これはミニリュウ時代からのお得意技だ。失敗はない。はずだった。
「リューくん!? リューくん!!」
「遅かったか! 滅びの歌は自分と相手を戦闘不能にする技なんだ!」
「そんなぁ! ごめんねリューくん……」
竜巻を作りあげて攻撃がゴーストに当たるまでにハクリューがその場に倒れてしまった。マイはハクリューが倒れる姿を見たことがなかったので動揺している。
ゴールドがこういうのもポケモンバトルの一つだ、気にしてたら終わりだぜ? と励ましてくれている。
「行ってこい! ゴースト!」
「ええっまた!? これはスピード勝負にした方がいいかな。ピーくん、行ってきて!」
またゴーストを出してきたマツバに、滅びの歌をされては困るとパーティの中では素早さの早いピカチュウを出すマイ。歌われる前に倒してしまう作戦だ。
「ピーくん、ワイルドボルト!」
「ほほう、なかなかの技を……。ゴースト、舌で舐める」
近寄って来たピカチュウの電撃を受けると、その電気が弾けて辺りに錯乱する。ゴールドはマイを庇おうと前に出たが大丈夫、といつもより低い声で言われてしまい後ろに下がる。
ゴーストにかなりのダメージを与えることができたがピカチュウにもそれなりのダメージを受けてしまう。そのついでと言わんばかりにゴーストに頬を舌で舐められると、ピカチュウの肩がびくびくと動く。
「あれ!? ゴーストもなんか痺れてない?」
「ははあん? ピーくんの静電気にやられたな」
「やったー! そのまま雷パンチ!」
ピカチュウの電気が溜まっている部分をモロに舐めてしまったゴーストが痺れて動けない。先ほどのお返しと言わんばかりにマイが左の拳を前に突き出すと、ピカチュウもそれに合わせて左手に電気を溜めて、ゴーストにブチ当てる。
「や、やるな……。恨みというものは恐ろしい」
マツバが両手を交差させて腕をさする。そして最後のポケモンだ、といい出したポケモンは—―
「へえ、わあ! ほんとだ、抜けた部分が上がってきたよ! わたしはあっち側に行けばいいんですか?」
「いやいや! 女の子を歩かせるわけにはいかないさ。僕が向こう側に行く」
そういうとマツバは音を殺して出口側へと歩く。そして、定位置に着いたと思えばまた手にしていたリモコンのボタンを押す。すると、また床が抜けて行く。
しかし今回の抜けた床は完全に抜けきってはいなくて段差違いのような歩きにくいステージへと変化する。
「僕はゴース、行ってこい! こいつは常に浮遊しているから床のデコボコには無縁なのさ」
「ズルイ! どうしよう、ゴーストタイプって何が効くんだろう……きっと普通に攻撃するだけじゃ効かないだろうな。やっぱりここは色々技を覚えてるリューくん、君に決めた!」
「ほう。ハクリューか、僕の友達にもハクリューが好きなやつがいてなそいつは変わってるんだが。君も変わっているのかな? 影分身!」
「ええ! 話しながらなんて! リューくん、これは前にやった方法で行けるよ! 電磁波!」
マツバは巧みに話しながらポケモンを出し、話しながら技を繰り出してきた。マイは二回もずるいと言ってしまうが慣れているのかマツバはスルーした。
しかし影分身殺しならマイの得意分野だ。ハクリューは額に電気を集めてミニリュウとはけた違いの大きさの電気玉を作り上げると辺りに散らす。
「やるな、話を聞いていた以上だ!」
「わたしのリューくんをなめないでよねっ10万ボルト!」
「避け……お疲れさま、ゴース。次はお前だ、ゴースト!」
分身を電気で消した後、ビリビリと痺れて動けないゴースにお構いなしにハクリューの10万ボルトがさく裂。そのまま目を回して動かなくなった。
ゴースを戻すと続けてポケモンを出す。それは進化形のゴーストで、ガス状のゴースとは違いしっかりと身体を持っていた。
「どうしようかな、そのまま行ける?」
「リューッ!」
ハクリューに尋ねると元気よく返事を返す。マイはこのままでいくつもりだ。
「君のハクリューには悪いけど……滅びの歌!」
「ううっ何この歌!」
「マイ、気を付けろ! その歌は……こりゃひでぇ!」
ゴールドのアドバイスが途切れてしまうほどの歌声。耳を塞ぐので手一杯だ。ゴーストは歌い続けていて攻撃する気がないようにとれる。
それをチャンスと思ったのかマイがハクリューに指示を出す!
「リューくん、さっきと同じ! 電磁波でシビれさせちゃおう!」
「りゅ、リュー!」
「ええ!? 効いてるのに効いていない……!?」
ハクリューにも歌声がもちろん届いていて耳を塞ぐ手段がないので顔をゆがませての電磁波。せっかくの電磁波もゴーストにはあまりダメージがなく歌声が止まらない。
「もう一回! 電磁波! がんばって!」
「ふふふ……もう少しだ。耐えるんだ、ゴースト」
今度は攻撃がヒットした! 歌声は止んだが、ハクリューの様子がおかしい。目がどこかを向いていて口が開きっぱなしだ。
「マイ、待て! 今すぐ交代を――」
「リューくん、竜巻!」
ハクリューがふらつきながらも尻尾の先で竜巻を作ろうとする。これはミニリュウ時代からのお得意技だ。失敗はない。はずだった。
「リューくん!? リューくん!!」
「遅かったか! 滅びの歌は自分と相手を戦闘不能にする技なんだ!」
「そんなぁ! ごめんねリューくん……」
竜巻を作りあげて攻撃がゴーストに当たるまでにハクリューがその場に倒れてしまった。マイはハクリューが倒れる姿を見たことがなかったので動揺している。
ゴールドがこういうのもポケモンバトルの一つだ、気にしてたら終わりだぜ? と励ましてくれている。
「行ってこい! ゴースト!」
「ええっまた!? これはスピード勝負にした方がいいかな。ピーくん、行ってきて!」
またゴーストを出してきたマツバに、滅びの歌をされては困るとパーティの中では素早さの早いピカチュウを出すマイ。歌われる前に倒してしまう作戦だ。
「ピーくん、ワイルドボルト!」
「ほほう、なかなかの技を……。ゴースト、舌で舐める」
近寄って来たピカチュウの電撃を受けると、その電気が弾けて辺りに錯乱する。ゴールドはマイを庇おうと前に出たが大丈夫、といつもより低い声で言われてしまい後ろに下がる。
ゴーストにかなりのダメージを与えることができたがピカチュウにもそれなりのダメージを受けてしまう。そのついでと言わんばかりにゴーストに頬を舌で舐められると、ピカチュウの肩がびくびくと動く。
「あれ!? ゴーストもなんか痺れてない?」
「ははあん? ピーくんの静電気にやられたな」
「やったー! そのまま雷パンチ!」
ピカチュウの電気が溜まっている部分をモロに舐めてしまったゴーストが痺れて動けない。先ほどのお返しと言わんばかりにマイが左の拳を前に突き出すと、ピカチュウもそれに合わせて左手に電気を溜めて、ゴーストにブチ当てる。
「や、やるな……。恨みというものは恐ろしい」
マツバが両手を交差させて腕をさする。そして最後のポケモンだ、といい出したポケモンは—―