第35話 電撃ビリビリ!痺れる右腕!

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「わたしはリューくん、君に決めた!」
「やっぱりな~ァ」

 マイが対サンダースに出したポケモンはミニリュウ。
 思い切り投げたので煙がいつも以上に出ていて、サンダースは驚いたのか身体から電気が飛び散った。ゴールドはいつものパターンだな、とお気楽に頭の後ろに手を回して言う。

「リューくん、巻きつく!」
「おお怖い怖い。早いなぁ、あんさんのミニリュウ。ワテのサンダースを捕らえるなんて。でもな! 受けてみな、放電!」

 サンダースを捕らえたミニリュウだったが、グルグル巻きにされても焦る様子はない。全身電化線のようなサンダースは全身から電気を放出させ、ミニリュウの身体を電気でビリビリにしてしまう。身体を痺れさせ巻きつく攻撃から逃れたサンダースはダメージを受けていないようだ。

「そうだ! リューくん、脱皮!」
「なるほど、脱皮で麻痺から逃れると。考えましたね」

 ミニリュウが脱皮をして新しい身体になる。
 大きさも少しばかり大きくなったような気がするが、今は気にしていられない。というかマイは気が付いていない。

「リューくん、穴を掘る!」
「サンダース気をつけるんやで、下から来る! よーく音聞いときィ!」

 ミニリュウがハヤト戦と同じように身体をうねらせて地面に潜る。サンダースは耳を地面に着けミニリュウの居場所を探っているようで、その場から動かずにジッと耐えていた。

「中々出てこんなぁ。サンダース、10万ボルトして煽ってやり!」
「キューイ!」
「今だ! リューくん出てきて!」

 サンダースの集中力が途切れた所でマイは地面を踏みつけ合図を送る。サンダースの真下からミニリュウが顔を出すと、それに驚いて顎下に頭突きがクリーンヒット。
 すると、サンダースの10万ボルトがマイ目掛けて飛んでく来た。光のような速さに避けれるはずもなくマイも咄嗟で腕で身体を覆うがサンダースの攻撃をモロに受けてしまう。

「いった! リューくん達はいつもこんなに頑張ってたんだ、負けてられな「何やってんだ! バトルは中止だ!」え? ご、ごーるど?」
「せや! 大丈夫か、あんさん?! すまんかった!」

 ステージから慌てて降りてクロコが駆け寄ってくる、ゴールドも顔を青くさせてマイが受けた右腕をさすってきた。
 かくいうマイは平気な顔をしていて、だいじょうぶだからバトルを続けてください、と言う。

「無理や、あんさん病院にいかにゃ! バトルは中止やで!」
「嫌だ! リューくん達の頑張りを無駄にしたくない! バトルを続けよう! わたしは左利きだからだいじょうぶです!」
「そういう問題じゃねえ!」

 マイの強い意志に押し負け、クロコは悩んだ挙句分かった、ただし終わったらすぐにワテと病院に向かうこと、という条件だった。
 ゴールドはまだ何か言いたげだったがマイに「だいじょうぶだから」と言われて歯をぐっと噛みしめて我慢してた。

「サンダース、さっさと終わらせるで! シグナルビーム!」
「リューくん、神秘の守りで跳ね返して!」

 赤青緑の三色光が一つの束になってミニリュウ目掛けて飛びかかるが、ミニリュウの神秘の守りにより跳ね返った。シグナルビームを受けたサンダースは混乱状態に陥る。

「リューくん、今なら慌てないでもできる! 穴を掘る攻撃!」

 混乱しているサンダース目掛けて穴を掘る、また顎下をクリーンヒットさせてサンダースはその場に倒れこんだ。
 マイは痺れる右腕を抑えながら最後の指示を出した。

「リューくん、叩きつける!」
「そんな、サンダースが! 自分の技で混乱してしまうなんて……!」

 ついには目を回してしまいその場から動くことのないサンダースを確認し、クロコはボールに戻す。
 そして、ツカツカと早足でマイに近づき握手を軽く交わしたと思えばその手を掴んで病院まで連れて行った。

◆◆◆

「たくよぉ! 心配かけさせんなよ! あのサンダースの攻撃力が弱かったからいいものの!」
「だって避けれないもん、あんなに速いなんて知らなかった……やっぱりポケモンってすごいね!」

 クロコが頭を何度も下げマイに謝罪してきたが当の本人は全く気にしていない様子で、もうだいじょうぶですと歌舞練場に戻るように言った。
 明日は、どちらかの塔に行きたいと言い出す辺りは本当に手の痺れは治まったようだ。

「リューくん、気にしないでね。いつも頑張ってくれてありがとう。わたし、もっともっとがんばるからね」

 ボールの中でショボくれて頭をうな垂れているミニリュウに声を掛けると、顔を上げ目を見つめてきた。その目には涙がたまっているのか、いつもよりキラキラとして見える。意外とメンタル面は弱いようだ。

「マイ今日はポケモンセンターに泊まるとして明日はどっちの塔に行く?」
「鈴の塔見てみたいなぁー」
「じゃ、そうしようか。今日はもう寝るとしよう」

 そんな二人の会話を聞いていたジョーイさんが申し訳なさそうに声を出した。

「鈴の塔はね最近セキュリティーの為とかで、ファントムバッジと虹色の羽がないと入れないのよ。ファントムバッジはともかく虹色の羽なんて見たことも聞いたこともないのに酷い話よね……鈴の音に入らせる気なんてないのよ」
「そうなんだ、残念ー。ファントムバッジってここのジムのこと?」
「おー。マツバさんだったかな。ゴーストタイプの使い手だとよ。虹色の羽か……」

 教えてくれた情報に耳を傾けたら、肩まで傾いてしまった。ガックリと肩を落とすマイとゴールドは何か思い当たるように呟いた。
 部屋を取り、ベッドに座るとゴールドが顎に人差し指を置き何か考えているようだったが、考えがまとまったのかその指を離しマイに向け、指を向けたられた本人は眉を下げた。

「なあ前によ、俺達虹色の鳥ポケモン見なかったか?」
「え、うーん……覚えてないや」
「夢じゃないと思うんだがなー、確かに見た記憶がある。何か落としてったんだよ、あいつ。何かをよ~」

 またうーんと考えてしまったゴールド。話し掛けてもきっと上の空だろうな、と思いマイは部屋を出て外に出た。
 まだ夕方なので、焼けた塔に夕日が当たり神秘的に見える。その赤色に青色の何かが中に入って行くのを見たマイは思わず駆けだして焼けた塔の中に入ってしまった。

「あれー? 確かに塔の中に何か入っていったのに。見当たらないや、リューくん出てきて!」

 塔の中に入ると、階段が焼け落ちたり、二階の床に穴が複数空いていたりと不気味な雰囲気を醸し出している。
 何も考えずに来てしまったので、急な変化に対応できず恐怖を身に感じるしかなかった。

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