第20話 お手製のマル秘ボール

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 ユウヤの出したイシツブテ。ゴールドはどうやって戦おうと頭をフルに回転させて考える。相手は炎があまり効かないし、体当たりで攻めて行ってもヒノアラシが痛い思いをするだけだ。
 しかし考えが終わる前に――

「リューくん! 水鉄砲!」
「マイッ!?」
「なんだと!?」

 今まで後ろで隠れていたマイがいつの間にかミニリュウを出していて、水の塊を鉄砲のような速さでイシツブテにぶつける。効果は抜群で、イシツブテが後ろによろめく。

「ナイスだマイ! バクたろう、今のうちだ! 神通力!」
「一匹に二匹なんて卑怯だろ! くそ~! もうポケモンはいねえし、ヤドンの尻尾なんて切る気にもならねえわ! 行くぞ! ユウキ!」

 目を回したイシツブテを抱えてユウキとユウヤはすたこらと逃げて行った。逃げて行った方向に注目していると反対側から輝く光が見えた。これはつい先程、コウ戦にて見たもの、進化だ。

「おお、バクたろう! デカくなったな!」
「すごい! かわいい~! えっと、新しい名前は~」
「俺が言わなくても図鑑を取り出せるようになったな。んで、なんて名前だ?」

 リュックから図鑑を出して、ヒノアラシだったバクたろうに向けると、データが更新された。

「マグマラシ、かあ。いいなあーすごいなあー」
「リューくんだってもうじき進化するだろ。焦ることはねえんだ」
「うん、そうだね」

 じゃ、戻ろうかと梯子まで戻っていく。かなりの数のヤドンがいたのでヒワダタウンの人達に頼んで引き上げてもうことになった。

◆◆◆

「おお~! ゴールド、マイ! よく戻ってきてくれた! ユウキとユウヤにはきつ~く叱っておいたからな!」
「ガンテツのおじさん、ゴールドが! ゴールドがズバットに噛まれちゃったの! 助けてください!」

 ガンテツの家に報告しに行った二人はすでにユウキとユウヤが捕まっていることを知り一安心。しかし、マイはまだ安心しきれていないことがあった。そう、ゴールドがポケモンに噛まれてしまったことだ。
 座っているガンテツにずいっと顔を近づけ、ゴールドの腕を引っ張り噛まれた箇所を見せた。痕は完全に消えているが毒が心配なのだろう。

「ふむ。害はなさそうだが、この薬をやろう。わしもボール職人だからな。森でぼんぐりを探している時にポケモンによく噛まれたりするんじゃ」
「ありがとうございます! ボール職人って?」

 塗り薬を受け取りゴールドに渡す。ジャケットを脱いだゴールドはその薬をマイからもらう。
 ガンテツが言っていた「ボール職人」に疑問を覚えて、首を傾げながら問う。マイはリュックからぼんぐりを取り出しながら、これがボールになるのか、と手に取って不思議に思う。

「おお! みどぼんぐりを持っておるのか! 貸してみろ。このみどぼんぐりがどうなるか見ているんだ」
「はいっ」

 ガンテツの作業を熱心に見ているマイ。その間ゴールドはお風呂を借りていて、すっきりした後、もらった薬を塗り込んでいた。

「ほれ、これがフレンドボールじゃ」
「フレンドボール?」

 渡されたボールは、どこにぼんぐりが使われているのか分からないくらい精密に作られた緑色のモンスターボール。

「これで捕獲されたポケモンははじめからマイに懐いてくれる優れものじゃ。だが、このボールがなくてもマイならどんなポケモンとも仲良しになれると思うがな」
「その通りだぜ、ガンテツのじいさん! マイは自慢のポケモントレーナーだ!」
(ポケモントレーナー! なんだかくすぐったいけど、嬉しい)

 ゴールドに肩をポンポン叩かれながら褒められてマイは頬を緩める。お風呂上がりのいい香りがして、さっと身を引くとゴールドは首を傾げる。

「どうした?」
「お、お風呂借ります~!」
「ゆっくりしてくるんじゃー。さて、ゴールド」

 マイがそそくさと風呂場に向かう。場所は分かるのだろうか? そんなことよりもゴールドに汗臭いと思われたくない気持ちが大きい。
 男二人になったところで、ガンテツがやや後ろめたいような顔持ちで話を持ち掛けてきた。

「なんだよ改まって」
「実はお前達がヤドンの井戸に言っている時にクリスから電話が来てな」
「クリスから? 俺達に関係あるのか?」

 なんとも話しがたい表情でガンテツは言う。

「お前達が何も言わずにワカバタウンからいなくなったことに対して」
「あ、もしかして怒ってるとか?」
「その通り! 心配したのに旅に出ていると聞いて怒りたくなったそうだな」

 マイがまだ旅に出るのは早い、危険、不安すぎるの三拍子が揃っているクリス。なんでガンテツに連絡がいったのか聞けば、深すぎるため息をされる。

「ゴールド、お前ポケギアのクリスから電話無視していないか?」
「あ。確かに」

 なんの悪びれもないゴールドに、肝が据わっておるとガンテツは内心思いながら話を続ける。

「あのなぁ……まあ、よい。お前達には助けられた、クリスがワシの家に寄ったら引き留めてくれと言われたが黙っておこう」
「サンキュな」

 日も暮れてきて泊まって行けとガンテツに誘われるともちろん泊まると伝えるゴールド。マイもお風呂から上がると、ガンテツに礼を言いに台所に行った。
 明日はジムに行けるといいな、と思いながら今日は寝ることにするのであった。

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