第17話 繋がりの洞窟で太陽を見つける

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 現在、ゴールド達は32番道路を歩いていた。ひたすら長い道のりだ。平坦で坂道も下り坂もなく、ただ草むらが広がっている道。整備されていない道は少し歩きずらい。
 鼻に気を遣えば、少し湿っているような感覚すらも覚える。

「ウパーッ!」
「わぁ!? ゴールド、何か出てきたよ!」
「あれはウパーだ。図鑑開いてみろよ、面白いことが書いてあるぜ」

 草むらからひょっこりウパーという、ウーパールーパーのモチーフポケモン、鮮やかな水色の二頭身の身体に、頭の横からテレビアンテナのようなヒレが濃い青色で生えている。

「水中で生活をしているけど、陸上でも生活ができる。えっ水タイプと地面タイプ?」
「おっ気づいたか?」

 ゴールドが珍しく前のめりでマイに問う。目が楽しくてたまらないと言いたいようにキラキラと輝いている。

「え? 何が面白いの?」
「水と地面だぜ?」
「うん?」

 先程のキラキラとした瞳は消えて、思いがけないことを聞いた風に眉を上げる。

「効果抜群が草タイプしかないんだよ」
「ほ、ほう! おもしろいね!」
「本当に分かってんのかよ」

 マリオネットのようなぎこちない動きでウパーから離れて行く、マイ。
運がいいのか悪いのか、ポケモンセンターが見えてきた。入って休憩しようとゴールドを誘って早速入ると、おなじみのセリフが聞こえてきた。
 手持ちのポケモンを休ませようと預かってもらい、ポケモンセンターの中央部にて待っていると、釣り竿を山ほど抱えていた人に声を掛けられた。

「やあ、少年少女! 君達は釣りは好きかい?」
「え、あぁ。好きっスよ」
「そうか! なら!」

 差し出してきたのはボロい釣り竿。ぽかんと口を開けているマイに、顔色を変えた釣り人は、ボロの釣り竿ではなく。

「おっとこっちだ、こっち。新品だよ、これを使ってたくさん釣り上げてくれ」
「サンキュな、おっさん! いやァなんか悪いっスね!」

 なんの悪びれもなくゴールドは新品の釣り竿を受け取り、折り畳み式なのでリュックにそのまま仕舞いこむ。マイは終始やり取りを見ているだけだったが恨みを持ちそうにない釣り人にも頭を一応下げる。

「ゴールドさん、マイさん。お待たせしました」
「あ、はーい。ゴールドわたし取り入ってくるから、ここで待ってて」
「おー」

 ジョーイさんの明るい声がポケモンセンターに響く。自分の手持ちはベルトに着けて、残りのゴールドの手持ち、エイパムとヒノアラシの入ったモンスターボールを持って入り口に戻る。

「おまたせー。じゃ、洞窟いこっか!」
「おー。迷子になんねえようにな。冗談だよ、今度の洞窟はこの間の洞穴とは違って結構明るいらしーしよ」
「そっかぁ、よかった……」

 ポケモンセンターからすぐ近くにある、繋がりの洞窟。地下もない真っすぐな洞窟だとジョーイさんが教えてくれた。以前迷子になった洞窟がよほど怖かったらしく、ゴールドの服の袖を掴んで離さないマイ。

◆◆◆

「ゴールド、絶対、離れないでね!」
「わっーてる! けどなぁ、少しは離れろ!」

 やだっと首を左右に振ると髪もふんわりと揺れ動く。意地でも離さないという意思がよく分かる。

「やっ! なんか頭の上飛んできた!」
「ズバットだよ、ズバット。大人しくしとけばなんもしてこねえさ」
「でもテレビだと吸血行為とかって……!」

 マイを別の表現で言うならば、現代っ子。テレビっ子。知識のすべてはテレビから。いや、最近はゴールドから多くの知識を学んできた。

「ったく。バクたろう、出てこい!」

 掴まれていると歩きにくいのか、抱きしめるとほんのり暖かいヒノアラシを出したゴールドは、そのままマイに抱かせてすたすたと歩きだす。ゴールドはぶっきらぼうだがピンチになるとすぐに駆けつけてくれると信じているので騒いだりはしないマイ。

「エーたろう、脅かす攻撃でズバットを追い払ってくれ」
「ごめんねバクたろう、しばらくぎゅってさせてね」

 吸血が怖くてバトルどころか、この洞窟を抜けれるかも心配になったゴールドがエイパムでズバットを追いやってくれている。その背中を熱い視線でマイは見る。
 やっぱりゴールドさんは頼りになるなあ、とそのまま背中を見続けて洞窟を抜けるすぐ手前で、フィーと鳴き声がした。

「なにか喋るぬいぐるみ?」
「違うだろ、エーフィだよ」

 薄暗い洞窟の中にでも上品な出で立ちをし、細くしなやかな体躯に二又の分かれた尾、耳は大きく、耳の付け根部分から下に垂れ下がるような体毛がでていて、ミニリュウと同じく額にはルビーのように赤い宝石が核としてある。
 そんなポケモンがマイの某手持ちと同じようにマイの後ろについてくる。

「なんだろう、ずっと後ついてくるね」
「まーたお前と一緒にいたいんじゃねーの」

 口をとがらせてそっぽを向くゴールド、エーフィもとても可愛らしくマイはつい――

「エーフィ、ゲット!」
「ハア!?」

 ゴールドがよそ見をしている間にマイが、ピカチュウ同様、額にモンスターボールを当ててゲットしてしまった。
 ボールから出すと、エーフィは駆け出す。まるで、ついてきてと言うように。走るエーフィを図鑑確認。マイが立ち止まるとエーフィも立ち止まる。

「太陽ポケモン、ステキ!」
「へえ、天気予報もできるんのか。お、ここ読んでみろよ」

 ゴールドが面白そうに示すここは。

「認めたトレーナーにはきわめて忠実……」
「ま、頑張れよ」
「フィー!」

 早くついてきてと、エーフィが先導する。忠実なトレーナー、と口に何回もつぶやいていると、あっという間に出口にたどりつくと、そこにいたのは――

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