第14話 青髪のジムリーダー

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 そういやマイ、とマダツボミの塔から出てきてある建物の前で立ち止まるゴールド。
 後ろをついていたマイもそれに合わせるように隣にストップ。

「なーに?」
「ジムがあるっていうのは覚えてるか?」
「うんっこの街一番の人!」

 うーん、まあそんなもんだな、と眉を寄せはしたが、マイの意見に合わせる。
 そう、ゴールドが立ち止まったここは丁度キキョウジムの前。
 正方形の建物に屋根はドーム型だ。入り口にはキキョウジムのシンボルの鳥ポケモンの銅像。この鳥ポケモンはピジョットだとゴールドは説明する。

「じゃ、行くか……ってマイ!?」

 勝手に入り口のドアノブに手をかけ回しているではないか。まだなんの準備も整ってないだろ、と言われながらマイは扉を開けた。

「たーのもー!」
「ま、マイさん?」
「あれ、こうじゃないの?」

 いや間違ってはないけどマイのキャラとは違うだろ、と内心思いながらも変に緊張していないことが分かり、ほんの少し安堵の表情を見せるゴールド。

「あっゴールド君とマイちゃんじゃないか!」

 奥から出てきたのは、青髪で右目を前髪で隠している青年で鮮やかな青色の袴がとても似合っている。黒い腕バンドがアクセントになってオシャレな雰囲気だ。

「えっゴールド知り合い?」
「いーや。はじめましてだわ」
「ああ、すまないね。クリス君から君達のことはよーく聞いているよ」

 ゴールドが苦い顔をする。あのクリスだ、一体自分をどんなイタズラ小僧とウワサしているのか、と。
 マイもそれを察したのか内心冷や汗をかく。

「はじめましてハヤトさん! マイです! わたし、ジムはじめてで楽しみです!」
「そうかい、それは光栄だな。では、早速バトルと行きたいが、ここは筆記テストからしてもらうよ」

 マイが笑顔でハヤトに挨拶をするが、返されたハヤトの言葉に耳を疑う。
 筆記テストだと? ポケモンとの接し方は大分慣れて覚えてきたが、何を筆記するんだ? むしろ筆記何それおいしいの状態になっている。

「そんなに心配することはない。大丈夫簡単なテストさ」
「ほんとですか?」
「ああ! なんて言ったってここのテストはキキョウ自慢のポケモン塾と連携しているテストだからね」

 ハハハ、と腰に手を当て笑っているハヤト、顔が先程より青くなるマイ、あ~こいつにそんな知識はねェと深いため息をつくゴールド。
 ポケモン塾とはその名の通り、ポケモンのことを学ぶ塾である。ちなみに、ここでクリスはボランティアとして活動してる。

「あーとハヤトさん、俺から提案があるんだが……」
「ん?なんだい、言ってみてくれ」
「俺達は二人で一つなんだ。筆記は俺が受けて、実技はマイが受ける、っていうのはどうっスか」

 ハヤトはううん、と目をつむり考えている。腕を何度も交差させては悩んでいるようだ。二人に一つなんて初耳だぞ、とマイは目で訴えたがゴールドは気づかないふりをする。

「あー! ポッポだ! かわいいね、おいで~」
「そのポッポはキキョウでも手の負えない程の凶暴……」

 ゴールドとハヤトの会話に混じれないことがわかりジム内を観察しようと、じーっとあたりを見渡していたら、ジムの上からパタパタと羽音を立てて舞い降りてきたポッポが地上に着くなり早々とマイに近寄って行った。
 マイはおいでおいで、と手招きするがハヤトが危ないと制止しようとした時。

「くるっく~」
「おお、見事」

 ポッポが撫でられて気持ちよさそうに声を震わせる。
 思わずハヤトも感心の声を漏らしてしまう。

「ここの傷が痛くてヤンチャしてただけなんだよね。もうだいじょうぶだよ、ハヤトさんが治してくれるから、ね?」

 そういうなり、片腕にポッポを抱いたマイがここの羽の付け根が膿んでいて痛いみたいと余っている手で指を指し説明。

「気付かなかったよ。すまないポッポ。今からポケモンセンター集中治療室に行こう」

 バトルは治療が終わってからでいいかい? と、いい二人と外に出る。
 ポケモンセンターに入っていく直前にハヤトが思い出したかのように

「あ、そうそう。ゴールド君、君のその提案気に入ったよ。それでいこう。彼女に筆記の必要はなさそうだ」

 そして最後に頭を下げてポケモンセンターに消えて行ったのだった。

「してマイさん」
「はっはい」

 ゴールドの後ろから鉛のように重苦しいオーラが漂っている。まあ準備も無しにジムに挑戦しようとした訳だから怒るのも分かる。そんなゴールドの怒りに触れないように壊れ物を扱う人物になりきるマイ。なりきれてもいない。

「準備は?」
「してないです」
「対策は?」
「考えてないです」
「戦略は?」
「その場しのぎです」

 マイの語尾がだんだんと小さくなって、身長まで縮んだ気もする。ゴールドは深いため息をつくと、おなじみの

「よくあるこった、気にすんな」
「ゴールド!」
「ま、ハヤトさんが戻るまでそいつらの経験でもあげておくか」

 そいつら、と言いながらマイの腰に下がっているモンスターボールを指さす。
中のミニリュウとピカチュウはやる気満々です、と身振りをつけている。

「じゃーもう一度、前の道路に戻ってバトルでもしてくるかー」
「おーっ!」

 バトルをもう嫌だとは思わないマイ。きっと守りたいものができたからだろうけど、それに気づくまではまだ時間がかかりそう――

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