第9話 新しい仲間は甘えん坊?

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 31番道路付近にて電気発電所が近くにある森に来た。ここなら電気タイプがいるんじゃないか、という単純な作戦だ。
 なんて言ったって、ここは通称「きいろの森」なのだから。

「わー! ゴールド見て見て! コイルってポケモンがいるよ~」
「そうだなあ」
「あー! あっちにはビリリダマがいる~!」
「そうだなあ」
「きゃ~! こっちにはメリープがいるよ~!」
「そうだなあ」

 球体の両端にU磁石のようなものをつけて頭にはネジのようなものをつけている一つ目のポケモン、コイル。そして、パッと見モンスターボールのビリリダマ。そしてかわいらしい羊の形をしたメリープ。他にもまだ電気タイプのポケモンが出てきた。
 マイがはしゃいでいる様子でゴールドが自分だけでも冷静にと思っていたら。

「あれ? 森抜けちゃったよ」
「はあ!? おい電気タイプのポケモンは?」

 森の出口に出てしまった。いきなり広い場所に出たため風の通りができて気持ちがよい。
 まあなんてピクニック日和、なんて言っていられない。なぜならゴールドの表情がだんだんと鬼のように変わっていったから。

「えーと……いない?」

 マイが申し訳なさそうに眉を下げて両手の人差し指をくっつけては離したりをしている。こんな顔をされては怒る気も失せる。マイには弱いゴールド。
 ポケモン図鑑を使ってポケモンは覚えたにしろ新たな仲間を見つけなくては寄り道をした意味がない。
 仕方ねえな、と重い腰をあげてゴールドがもう一度森に入ってみっか! と提案をしてマイもおー! と片腕をあげる。
 
 そしてもう一匹。
 元気よく黄色くて小さい手をあげてみせる。

「え?」
「へ?」
「ピカ?」

 驚いた顔をしているゴールドの視線を追うと、マイの足元。マイもその視線の先に目を向けた。すると――

「「ピカチュウ!」」

 ゴールドとマイの声が重なる。電気ねずみのピカチュウだ。マイはテレビや絵本でピカチュウの存在を知ってはいたが実物を見るのははじめて。
 ゴールドは何度か見たことがあるのか、ポケットに手を入れたまま図鑑を開かない。

「ピカチュウさん? どうしてここにいるの?」
「ぴ~かぴ?」

 マイが図鑑を取り出して足元にいるピカチュウを撮る。電子音がピカチュウのことを淡々と読み上げる。
 ふむふむと真剣にピカチュウのことを知ろうと真面目に聞いている姿を見てゴールドも嬉しそうに口角を上げる。

「やけにマイにベッタリじゃねえの、あ?」
「もーゴールド、怖い顔しちゃダメだよ~」

 マイの脚にその小さな両腕でがっしりホールド。見かねたマイがしゃがんでやるとマイのほっぺに自分の赤いほっぺをこすりつける。
 静電気がマイの身体を走る。一瞬驚いた顔をしてマイはピカチュウから離れると、とても悲しそうな顔をするピカチュウ。

「あー。マイ、それはピカチュウの友好の証だ。でもな、ピカチュウ、こいつは人間だ。ポケモンとは違うから痛みが走ったんだ。わかってやってくれよ?」

 すっかり落ち込んでしまったピカチュウの頭を撫でてやると目を細めて気持ちよさそうにして、元気を取り戻した。マイもマイで、ごめんねビックリしただけだよ、とピカチュウの頭を撫でる。

「ふふっくすぐったいよ~」

 ピカチュウがマイの背中の上に駆け上り同じしぐさをしている。ピカチュウに撫でられるとこによってくすぐったさが生まれているみたいだ。
 警戒心が強いと言われているピカチュウがずいぶんマイに懐いている理由はわからないがチャンスだ。
 ゴールドがリュックからモンスターボールを取り出し、マイに渡す。

「え? ピカチュウをゲットするの?」
「おー。こんなに懐いてんだ。こいつも本望だろ」
「そっか~」

 受け取ったモンスターボールをピカチュウが待ってましたと言わんばかりの顔のおでこに、軽く、コツンと当てる。
 中に入ったピカチュウが抵抗することなく、一回右に揺れて、左に揺れて、そしてまた右に揺れる。カチッと気持ちのいい音がして捕獲完了が確認された。

「よーしっ! ピ―くん出ておいでっ!」
「ピーくんってなんだよ。ピカチュウだからか?」
「うん。そだよ!」

 なんて単純な、と頭が痛くなるゴールド。
 だが、ゴールドは「~たろう」だし似たり寄ったりだよ、なんてマイはつぶやいた。

◆◆◆

「暗闇の洞穴、か」

 ゴールドが眉尻にしわを寄せて嫌そうな顔をする。目の前にある洞窟はきいろの森を抜けてすぐのとろこだ。
 そんなに何が嫌なの? と言いたげに隣で首をかしげているマイにため息をつく。

「名前の通り真っ暗なんだよなあ。ここ」
「ほえー」
「ほえーって、オイ。わかってんのかァ?」

 この「暗闇の洞穴」と呼ばれる洞窟はその名の通り、暗闇に覆われており真昼間でも明かり一つ届かない。
 ゴールドがいれば怖くないから行ってみよう? と誘えば仕方なさそうに

「ああ、わーったよ」
「わーい! やったー!」

 ピカチュウをモンスターボールに戻して、いざ! 暗闇の洞穴探検のはじまりだ!

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