第82話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください


タ「う~ん・・・もう朝・・・?でも真っ暗・・・って事はまだ・・・・あー・・・4時かぁ・・・。」

タツミは前日早く寝すぎた為かまだ日の出前の午前4時に目を覚ましてしまう。勿論部屋はまだ真っ暗なので回りで眠っているポケモン達は起きていない。

タ「うーん・・・どうしようか・・二度寝すると結構翌日に疲れが来るからなぁ・・起こさないようにそっと身支度だけ済ましておこうか。」

タツミはそっとポケモン達を起こさないようにベッドから起き上がると洗面台へと向かった。部屋自体は2つの部屋からなっておりその間はふすまで仕切られている、その為ポケモン達やタツミが眠った部屋の横には玄関と洗面台・トイレがある部屋が寝室とは分かれてあるのだ。

タ「本当ポケモンセンターって普通のビジネスホテルみたいな間取りの部屋って無いよなぁ・・・普通のホテルみたいで今更だけど凄いもんだ・・・。」

タツミは一通り身支度を済ませて後はポケモン達が起きるのを待つことにし静かに部屋に設置されていたソファに腰掛けた。テレビはあるが点けるとポケモン達が起きてしまう可能性があった為小さな読書灯を点け昨日見ていたガイドマップを再び見返していた。

タ「ふむふむ・・・ミナモシティからトクサネシティまではやはり船を使わないと行けないのか・・・。距離もあるみたいだからここは船路を使うのが適正か・・・。」

これから向かうミナモシティはホウエン地方では陸路続きでは最後の町となり、またカントーやジョウト地方などから車や歩きだけで到達できるのもここが最終地点となる。ここから先は船を利用するか空を飛ぶ若しくは飛行機で移動しないといけないが距離があるため一般の人は飛行機を利用するのが多い。

タ「ミナモシティに着いたら料金を確認しておかないとなぁ・・・あんまりお金も減ってきたし・・・。」

レガ『う~~~ん・・・ぁ・・・タツミおはよう・・早いね・・・。』

タ「ごめんごめん・・・起こしちゃったね・・・昨日早く寝たから早く目が覚めてしまってね・・・レガはまだ寝てても良いよ?」

レガ『僕ももう起きることにするよ、だって二度寝すると結構きついからね~。。』

タ「そうか・・・じゃあみんなが起きるまで暫くは静かに過ごしておいて?」


その後午前6時を過ぎるとティアやスカイやハリマロンが起きてきた。しかし、普段慣れないことを長時間したからかフィーロは未だに眠ったままだった。

タ「みんな起きてきたね・・・フィーロはやっぱり疲れが出ちゃったか・・・まぁ朝ご飯を先に食べちゃっておこう。」

レガ『フィーロにしては相当頑張って飛んでたもんな・・・距離もあったし疲れが出るのも分るなぁ~。』

タ「やっぱりちょっと無茶しすぎだったか・・・今日からはちょっと考えて移動しないといけないな・・・。あっ、みんなはここで食べてて。僕はちょっと外でスパイア出してくるからさ。」

レガ『うん、分った。でも外は人多いから気をつけてね。』

タツミはレガ達を部屋へと残し一旦外へと出ることにした。今までの泊まってきたポケモンセンターの部屋では炎タイプのポケモンの出し入れは特段規約に決められていなかったのだが、どうやら何かしらの問題が生じた為か全面的に禁止若しくは制限されてしまったようなので炎タイプのスパイアは部屋の中に出すのが困難になった、その為朝食を渡すために一旦外へと出る必要があったのだった。

タ「ごめんね・・・スパイア。まさか急に炎タイプの禁止令が出るとは思わなかったから・・・。」

ス『タツミが悪い訳じゃないよ。でも急に何でだろうね~先日までは何にも言われなかったのに・・・誰か燃やしたのかな?』

タ「うーん・・恐らくそれかぼや騒ぎじゃないかな~、あっこれ朝食。一応レガ達は部屋にいるからゆっくり食べて良いよ・・・ってここで1人にするのも危ないか・・・でもどうしようかねぇ・・・。」

タツミが辺りを見渡してみるとやはりこの地域には居ない筈のリザードンがいるので通行人はかなり興味津々でタツミ達を見つめていた。しかもその中には少々強そうなトレーナーも混じっておりここでスパイアを1人にするにはやや危険がありすぎるとタツミは判断したのだ。

タ「うーん・・・恐らくまだ部屋ではレガ達食べ終えてないだろうしなぁ・・・でもここはここでちょっと色々とありそうだし・・・スパイア一旦移動するか。」

ス『それが良さそうだね・・・うん。分った。』

現在タツミ達がいるのがポケモンセンターの近くにある公共公園である。しかしここは最近整備されたばかりのようで綺麗で過ごしやすいのだが如何せん人が多い。その為タツミはここからやや離れた場所にある以前の公共公園の方へと移ることにした。
その公園も今は新しい公園に公共公園としての座は譲ったが今でも解放されており人混みが苦手な人はこちらに流れてくる。勿論整備はされている為こちらも過ごしやすい。

タ「ここならまぁまだ少ないから大丈夫だと思うよ。」

ス『うん、確かに人少ないからここなら視線もあまり無いから過ごしやすいかも。』

タ「よし、じゃあちょっと待ってて。・・・ってやっぱり不安だな・・・スパイアが食べ終わるまで待っておくか・・・。」

ス『あっ・・ごめん、直ぐ食べてしまうからちょっと待ってて・・・・!?ゴホッ!ゴホッ!!』

タ「あー、もうそんなに急いで食べる必要ないよ。向こうにはレガが居るから大丈夫だろうしゆっくり食べて。」


その後無事に食べ終えたスパイアを見てタツミは部屋へと戻ることにした。しかし、ポケモンセンター内は炎タイプは禁止なのでここでまたスパイアはボールの中へと入って行った。

タ「さてと、一応もうそろそろ出発できそうかな?」

ポケモンセンター内はやはりもう日が完全に昇ったのもある為かトレーナーでごった返していた。それに対してジョーイさんとラッキーはそれぞれ1人しか居ない為回復待ちと呼ばれる現象が発生しているようだ。
人で溢れかえっているカウンターを避けタツミは宿泊棟の部屋へと向かった。

タ「いや・・でも相当人多いぞこれ・・・こりゃレガも一旦ボールの中に入れてから外でスパイアと共に出した方がまだ良いかなぁ~・・・・。」

タツミは今後の事を考えながらレガ達が待っている部屋のドアを開ける。

レガ『あっ帰ってきた。結構遅かったね~もう準備終わってるから何時でも出発出来るよ!』

タ「おお~・・・確かに部屋も綺麗に片付いているし凄いな・・窓・・・そうだ、レガとフィーロは窓から先に行っててくれないかな?」

フ『?良いけどまたどうして?』

タ「今のカウンター近辺が相当人が多くてごった返しているんだ。だから先に外に行って待っててくれないかなって思ってね?そっちの方がまだはぐれなくて済むから良いと思ったんだ。」

レガ『なるほどね・・・分った!じゃあ玄関で待っとくよ。』

フ『でも玄関先で僕が待ってたら色々とまずいことになるんじゃないの?人多いんでしょ?』

タ「あー・・・確かに・・・じゃあちょっと先の公園で待ってて、直ぐ来るからさ。それとティアとスカイとハリマロンはボールの中に入ってて。」


その後タツミは部屋の鍵をジョーイさんに返すと急いでレガとフィーロが待っている公園へと向かう。ポケモンセンター周辺はスパイアを出した時とは打って変わり人の数はめっきり減り静かで穏やかな公園となっていた。

タ「これならスパイアもずっとボールから出していても良かったかなぁ・・・とりあえず急いでレガとフィーロの元に行かないと・・・。」

タツミが暫く走っていると遠くからタツミの事を呼ぶ声が聞こえてきた。

タ「あっあそこか・・・ようやく着いたけどどれだけ遠くの公園に行ってるんだよ・・・もう町外れじゃん・・・。」

レガ『タツミ遅かったね?なんかあった?』

フ『っと言うよりもここの公園が遠すぎたんだよ。だからもう一つ前の公園にしようって言ったのにレガが・・・。』

レガ『あまりにも近いと色々と問題が生じるかなと思って・・・ごめんタツミ・・。』

タ「ん?ああ~いいよいいよ。それよりも出発しようか・・・あっそうか、スパイアも出しとかないと。」

その後タツミはボールの中からスパイアを出しヒワマキシティを出発するが、ヒワマキシティはちょっと町を出ると木々が生い茂る地域に入り酷い場所だと人が通行する部分にも人の背丈以上の草木が生えておりホウエン地方の中ではやや難易度が上がる。

タ「さてと・・・やっぱりスパイアは危険か・・・?尻尾の炎がやっぱり危ないかなぁ・・・引火しないと良いんだけどどうかなあ・・・。」

レガ『やっぱりちょっとここら辺ではスパイアは危ないんじゃない?山火事にでもなったら大変な事だし・・・。』

フ『万が一引火した場合は消す手立てがないからね・・ウィングでも居たら違うんだけど・・・。』

タ「そうなんだよなぁ・・・やっぱり水タイプのポケモンも必要かなぁ・・・。」

ス『(^_^;)』

タ「やっぱり大事をとってスパイアは今日はボールの中に入っておいて。この状況が改善したらまたボールから出すからね?」

ス『うん・・・分った。』

スパイアは(´・ω・`)としながらボールの中へと入って行った。スパイアをボールに戻した後も状況が中々改善せず暫くは藪のなかをかき分けながら先へと進む羽目になった為タツミの判断は正しかったようだ。


道なき道状態のいわゆる廃道状態が続く道を歩き続けること30分、ようやく人が踏み入れたような跡がある場所まで辿り着く。ここまでは廃道状態が続いていたがここからの道路状況としては、一旦整備されたが通行人が少ない為か整備された後は再び放置されているような状況のようだった。

タ「ようやく藪地獄から抜け出せたようだね・・・みんな大丈夫か~。」

フ『何とかね・・・でも相当きつかったー・・・。』

レガ『何で人が通る場所も除草しないの・・・お陰で相当体力奪われたよ・・・行政仕事しなさいよ・・・。』

タ「ここ通行人がそれ程多くないし自動車は迂回するしで除草しなくても構わないって判断したんじゃないの?それでかトレーナーもそれ程居なかったじゃない?」

レガ『でもよくトレーナーから勝負しかけられなかったね・・・あんな所で戦ったらもうこっちも参るから良かったと言っちゃ良かったけど・・・。』

タ「疲れたからちょっと行った先で休もう・・・。」

暫く歩いて行くと川沿いに辿り着くことが出来る。ここは滝もありちょっとした休憩所も設けられている為ヒワマキシティからミナモシティまでの長い道程の間のオアシス的な位置づけだった。

タ「さてと・・一応休憩所っぽい所には辿り着いたけどここで暫く休憩を取ろうと思うからゆっくりしてて良いよ。ここならスパイアも大丈夫だろう。」


ス『本当ボールの中って居心地悪いね・・・。』

タ「どんな感じなの・・・・?」

ス『えっ?うーん・・・まぁ本当居心地は悪いよね?レガ。』

レガ『こっちに話を振るな、まぁでも確かに居心地良いとは思わないよなぁ・・・それでいてなんかちょっと狭いような感じもするし何よりボールの中って・・・』

タ「なんか聞いていると空しくなってくるからそこまでで良いよ・・・まぁここで暫く休憩するから自由にしとって。」


設置されているベンチに座りこの先の地図を見るタツミやそのタツミの見ている地図を一緒に見ているスパイアとフィーロ、近くの木陰で休むレガ等各個人それぞれ自由に過ごしていた。

タ「まぁこの先は大分道の状況が改善されると思うからスパイアもボールから出ておいても良いよ。」

ス『本当!?ありがとタツミ!』

フ『でもここからそのおくりび山まで大体どれくらい掛る予定なの?なんか地図を見るとまだまだ相当掛りそうな感じするけど・・。』

タ「そうだなぁ・・やっぱり途中で野宿は必要だろうなぁ・・・ヒワマキからここまで大体2時間位歩いてきているから・・明日の昼くらいに到着って感じかな?」

ス『そんなに掛るんだね・・・そのおくりび山って所・・・。でも途中で野宿ってどこら辺でする予定?』

タ「まぁちょっと先にあるんだけど、一応日が沈んだ地点で終わりって感じかなぁ・・・恐らくポケモンセンターはあるんだろうけどそこまで行けたらそこまでって感じかな。」

フ『でも長いよね・・・この町と町の間・・・どこかで補給次いでに寄った方が良いんじゃないの?』

タ「それは大丈夫だと思うよ、コンビニが定期的にあるからそれ程シビアな感じじゃないからね?さてとじゃあそろそろ出発しようか、このままじゃ直ぐ夜になるからね。レガ~・・・・ってまだ寝ているなぁ・・・。」

ス『レガは今回はボールに戻した方が良いんじゃない?あれは暫く起きそうもないよ?』

タ「それもそうだな・・ボール嫌いなのは分るけど・・・ちょっと我慢しといてね?」


その後はレガをボールの中に戻してスパイアとフィーロを連れ歩く、幸いなことにここから先は通行人が少々増える為か除草が完了しており先程までの路面と比べると大変歩きやすい感じだった。

タ「さっきもこれ位だったら良かったのにね~。」

フ『本当そうだね、さっきまでの道もこれ位だったら歩きやすいし時間も短縮できたはずなのにね~・・・でも雨降ったのかな?かなり地面がぬかるんでるよ?』

ス『うわ、マジか・・・これ飛んだ方が僕達は汚れなくて済むかなって・・・もう汚れてる・・・。』

タ「こりゃ次のポケモンセンターに着いた時にはスパイアとフィーロはシャワーだな。」

フ『えっ?シャワー?まぁ僕は大丈夫だけど・・・・スパイアは・・・?』

ス『あ~僕も大丈夫だよ?それ程水に弱いって感じじゃないからね?それに尻尾の炎に水がかかると危ないって人も居るけどリザードンの中には尻尾を利用して水を捲り上げた奴も居るから侮れないね~。だから僕は大丈夫。』

タ「とんでもない型破りなリザードンが居るもんだね?っと言うよりもスパイアはそれやらないよね?」

ス『やって見てって言われたらやってみても良いけどその後の事を想像したくないから・・・・まぁ最終手段だよね?』

タ「最終手段と言うよりも緊急事態専用って感じじゃないのかな~・・・でもやらないよ?」

フ『そりゃそうでしょ、炎タイプが苦手とする水を自在に操っていたら可笑しいし・・・ってそういえばクラウンは水平気だったね・・・。』

タ「確かに・・・でもあれは僕が水を掛けまくっていたせいで実際最初は水に弱かったからね・・・?それよりも先に進むことにしよう。」


その後2時間くらい同じような景色が続く道を歩き続けていくと小さな集落へと到達することが出来た。ここにはポケモンセンターもある為ちょっとした休息スポットとなっている為か今までは人の影さえ見つけられなかったのにここには人が溢れかえっていた。

タ「こんな山奥でまさかの人混み発見・・・・フィーロはボールに戻っておいて。スパイア・・・気をつけて・・・。」

ス『うん・・・でもなんでこんなに人が多いんだろ・・・幾ら山深い中では貴重な休憩スポットとは言っても・・・・こんなに人が集まるとは・・・。』

タ「確かにそうなんだよね・・とりあえずポケモンセンターに行ってみよう。何か分るかもしれない。」

ポケモンセンターへと到着する前にもやはりトレーナーが多い地域なのかスパイアの事をじっと見ている人が多数居たため、タツミとスパイアは少々小走りにトレーナー軍団を避けつつポケモンセンターへと向かった。


タ「ぜぇ・・ぜぇ・・・まったく何でここまで来て疲れないといけないのか・・・それよりもスパイアは大丈夫かー・・・?」

ス『何とか・・・僕も相当・・・きつい・・・ちょっと座らせて・・・。』

スパイアはポケモンセンターの入り口の人からあまり見えない位置で壁にもたれかかるように座る、しかし尻尾が邪魔をして完全にもたれることは出来ずにいた。

タ「スパイア・・ちょっと横になったらどうかな・・・?尻尾があるからもたれかけれないでしょ?僕が回りは見ているから大丈夫だよ?」

ス『大丈夫・・・尻尾にもたれかかるようにすれば・・・何とか・・・・・うーむ・・・やっぱりタツミごめん見てて・・・。』

そう言うとスパイアは横に倒れた。それを見たタツミはバックの中からちょっとしたタオルケットを取り出しスパイアにかける。

タ「風邪ひかれても困るからねぇ・・・・まぁちょっと休憩してて。」

ス『ごめん・・・タツミ。』

そう言うとスパイアは少し目を閉じた・・・のと同時にレガがボールの中から飛び出してきた。

レガ『タツミ!いつの間に出発してたの!?目が覚めたらボールの中だからかなりびっくりしたよ。』

タ「ごめんごめん、レガがあまりにも疲れていたのか気持ちよさそうに寝てたから起こすの悪いなぁって思ったからボールの中に戻したんだよ。」

レガ『そうだったの・・・ってスパイアどうしたの?こんな所で横になって?具合でも悪いの?』

タ「まぁずっと一緒に歩いてきてくれたし道路もぬかるみとかあったから疲れもあるだろう・・・だからここで暫く休息を取ることにしたんだよ。」

レガ『そう・・・でもここってなんか祭りでもあるのかって感じの人の多さだね?』

タ「そうなんだ、恐らくなんかのイベントがあるとは思うけど・・・ポケモンセンターの中に何かポスターか何か貼ってないものか・・・そうだ、ちょっと見てくるからレガ、スパイアの事見ていてくれないかな?」

レガ『大丈夫だよ~。』

タ「ごめんね、直ぐ戻るから待ってて。」




レガ『・・・・・・・にしても長く寝るな・・・相当疲れたのかどうか・・・。』

ス『う・・う~ん・・・あれ?タツミは・・・・ってレガ・・いつの間にボールから出たの?』

レガ『もう相当前から出て居るぞ?それよりも相当疲れたんだな、結構眠っていたぞ?』

ス『そう?僕としてはもうちょっと寝てても良いかなぁって思った位だったけど・・・それよりもタツミはどこ行ったの?』

レガ『さっきポケモンセンターの中に何かお知らせ的な張り紙無いか探しに行ったけど、直ぐ戻るって。』

ス『そうか・・・・・・・。』

その後15分ぐらい2人とも何も話さずそのままの体勢でタツミが戻ってくるのを待った。しかし、一向にタツミは戻ってくる気配が無く2人はそろそろ心配になり始めていた。

ス『(あまりにも遅くないか?人多いからなのか?それとも何かトラブルにでも巻き込まれたんじゃ・・・?)』

レガ『(うーん・・・やっぱり僕も一緒に行くべきだったか・・・でもここを離れて行き違いになっても困るしなぁ・・・どうしようか。)』

ス『レガ・・・なんかそろそろ探しに行った方が良いかな?あまりにも時間掛りすぎている気がするし・・・。』

レガ『そうだな・・ポケモンセンターの中に入ったのは見たから一応行ってみるか・・・だけどはぐれるのは困るから一緒に行動するよ?』

ス『分った。じゃあ行こうか。』



タ「えーっと・・まぁこれ位あれば暫くはコンビニとか無くても大丈夫かなぁ・・・?ん?なんであんなにあっち騒がしいんだろ?」

タツミはポケモンセンターの中に併設されていたフレンドリィショップにて今後の状況を考え2,3日は大丈夫なように買い出しをしていたのだった。会計を済ませスパイアとレガの元に戻ろうとした時に入り口の方がざわついているのを見かけた。

タ「ん?・・・・なんでこんなに人集まったんだろ・・・・?ってもしかして・・・・。」

タツミの目の前には何故か仁王立ちで威圧感を放つレガの姿とそのレガには全く触れずにタツミを探すスパイアの姿があった、2人ともホウエンには居ないポケモンで尚且つポケモンセンターの中に入っていたので相当注目され人混みが出来ていたと言うことらしい。

ス『何でそんなに威圧感出して見張ってるの・・・・?』

レガ『これ位しとかないと周りの奴等が勝負しかけてきて大変だからね?あっ、ただ芝居でやっているだけだからご心配なく。』

ス『全く・・・タツミが見たらどんな気持ちになるか・・・。』

タ「(なんであんなに威圧感出しまくって・・・っと言うよりも暫く他人の振りしてよ・・・・。)」


暫くはその状況が続いていたが、直ぐにジョーイさんが来て周りの人にここに集まらないように呼び掛けその呼びかけのお陰で先程までいた人々はあっという間にその場から居なくなった。そして、誰も居なくなったそこにはスパイアとレガのトレーナーを探すジョーイさんだけが残っていた。

タ「(余計出て行きにくくなったんですけど・・・暫くどこかで時間潰してほとぼりが冷めた頃に来るか・・・。)」

ス『あっ、タツミ!』

タツミが物陰で少々出るタイミングを見計らっているとタツミの姿をたまたま見つけたスパイアが凄く笑顔でタツミを指差し呼び寄せた。スパイアが指差した方を見たジョーイさんがタツミの近くに来てタツミを問い詰め、結局一緒にお経を据えられることとなった。

タ「(何故あのタイミングで呼んだのか・・・。)』

その後ジョーイさんのお説教は大体1時間程度続く事となった。ジョーイさんからきつくお灸を添えられたタツミはお説教が終わると同時にレガとスパイアと共に一旦外へと出ることにした。

タ「はぁ・・何故こんな目に・・・・。」

ス『ごめん・・・中々帰ってこなくて心配で・・・・。』

レガ『そうそう・・・。ってタツミが見つかった時相当笑顔だったけど?あれってもしかして計画的な犯行とか?』

ス『そんなつもりは全く無かったけど・・・えっ?もしかして凄く笑ってた・・・?』

レガ『笑ってた。しかも最悪なタイミングでタツミを呼び寄せたし・・・。』

ス『そうなの・・・ごめんタツミ・・・・僕そんな気全く無くて・・・ただタツミが見つかったから良かったと思って・・・。』

タ「気にしてないよ・・・それよりも今日はここで1泊して明日おくりび山に向かうことにしようか。この先はちょっと長く休憩スポットがなさそうだからね?」

レガ『まぁ僕はどっちでも構わないよー。』

その後は一応レガとスパイアをボールの中へと戻し一旦ジョーイさんに今日の部屋の空室状況を確認しに行くことにしたタツミ。

タ「あの・・・今日って部屋空いてますか?」

ジョーイ「ちょっと待っててね・・・・うーん・・・そうねぇ・・・あっ一部屋なら空いていたわ。そこにする?」

タ「お願いします。ところで今日ってなんか祭りか何かあるんですか?かなり人多いんですけど・・・。」

ジョーイ「そうね・・・確か近日中にこの近くでポケモンリーグ公認のバトル大会が行われるって話は回ってきたけど、それは来週の筈なんだけどもうこんなに人が集まっちゃって私も困っているのよね・・・。」

タ「そうだったんですか・・・分りました。あっ部屋の鍵ですね、ありがとうございます。」

タツミはジョーイさんから部屋の鍵を受け取ると一旦部屋へと入りポケモン達をボールから出すことにした。

ス『あれ?ここは僕って出てても大丈夫な感じなの?』

タ「特段何も言われなかったし部屋に備え付けられているこの使用書にも特段何も書いてないから大丈夫じゃないのかな?難燃焼素材を使用しているって書いてあるし・・・。」

フ『でも人多いねー。なんかこれじゃ僕はこの町は歩けないかな・・・。』

タ「そうだね・・・ちょっとフィーロはボールから出したまま歩くんじゃ危険かな・・・どうも来週に公認のポケモンバトル大会があるとか何とかで人が集まってきているらしい。」

フ『でも相当人集まりすぎでしょ・・・しかも気が早い人が多いんだねぇ・・・。』

スカ『本当・・普段のここら辺は本当に人が歩いて無くて夜とかはあまり出歩けなかったりするんですよ。それがこんなに人で賑やかになるなんて・・こんな光景初めて見たかもしれません。』

ハ『へー、ここってそんなに居ないんだね?でもそれにしてはかなり設備は整っているよね。』

タ「そうなんだけどね・・さてと、今日はここで休むからゆっくりしますか~。」


その後タツミ達は早めに夕食を食べ部屋に戻ると各それぞれが自由に過ごす時間に充てることにした。

タ「明日はおくりび山に行った後は何とかミナモシティに着きたいところだけどどうだろうかなぁ・・・・。」

ス『地図見た感じだと大分距離は離れているよね・・・もしかしたらちょっと早めに出た方が良いかもしれないかもしれないね?』

ハ『うーん・・・僕はまだ分らないけど明日は出来るならボールの外に出ておきたいなぁ~。』

ティ『・・・・タツミ、前から聞きたかったんだけどこの子誰?新入り?』

タ「あれ?まだ説明してなかったっけ?そういえばしてなかったかもね?この子はハリマロンって言ってこの地方のポケモンじゃ無いんだ。」

ティ『通りで全く見かけたことが無いわけだ。でもまぁ特段気にはならないけどね?』

タ「さてと明日はちょっと早めに出るからもう寝るよー。」


翌朝は山中深い小さな町だからか霧が立ちこめていた。しかし、トレーナー達の朝は早いのかこんな霧の中でもトレーニングしている人は多く朝から賑わいを見せていた。

レガ『・・・・・朝か・・・・ん?にしても部屋が静かだなぁ・・・。起きよう・・・ってまだタツミも起きていないのか・・・。』

珍しく一番最初に目を覚ましたのはレガだった。しかし、まだ起きているのはレガだけなので部屋の中は静寂に包まれていた。

レガ『時間はまだ6時ちょっと前か・・・なら仕方ないよね・・・僕ももうちょっと寝ておこうっと。』

レガが二度寝体勢に入ったと同時にタツミが起き上がってきた。

タ「うーーーーーん・・・さてと早めに準備して早めに出発しないと・・・・ってレガ起きてたの?」

レガ『あっ・・・タツミおはよう・・・二度寝しようとしてた・・・。』

タ「別に二度寝してても良いけど・・・ただ、出発する時に寝てたらボールの中に戻すけどね?」

レガ『・・・なら起きる・・・。』

その後は簡単に身支度をし起きてきたポケモン達には朝食を用意したりしているとあっという間に時計の針は8時を指そうとしてた。

タ「うぉ!もう8時かよ、早めに出発しようとしてたのに・・・結局いつも通り・・・。」

ティ『まぁそんなに急がなくても良いんじゃないの?ここからおくりび山まではそれ程遠くないんでしょ?』

タ「まぁそうなんだけどね。」



その後も暫くは準備で手間取ってしまい結局出発は9時を少し過ぎた辺りとなってしまった。


出発した後も昨日と同じような道を進んでいくがポケモンセンターからミナモシティへ向かう方は除草作業が済んでいる為か幾分か歩きやすい、またポケモンセンターからヒワマキ方面は人が極端に少なかったのに対しこちら側は人が少々多く通っており孤独感は薄れている。

タ「なるほど~・・・こっちになってくると増えるのはサファリゾーンがあるからなのねぇ・・・。」

ス『サファリゾーンかぁ・・でも何でまたこんな奥地にあるんだろう?やっぱり・・・危ないから・・・?』

タ「まぁある程度の広さも必要だし自然も大事だからね、それよりも早い所おくりび山に行ってしまおう。」

サファリゾーン周辺は整備が行き届いている為特段歩くのに支障は無く、またここに来る人は大抵トレーナーが多く歩く観光客は少ない為人が全体的に少なく大変歩きやすい。

タ「さてと・・・一応ここら辺から曲がるように書いてあるんだけど・・・あっこの桟橋跡地からかな?」

サファリゾーンの入り口に辿り着くちょっと手前には進行方向とは右に逸れる道がある。元々はここからおくりび山まで小さいフェリーが運航されていたのだが時代の流れからか廃止になりその時の名残という感じで桟橋だけが残されていると言う状況だ。

タ「さてと・・ここからはちょっと飛んでいかないと辿り着けないみたいだからスパイア頼んだよ?」

ス『分った!』

タ「フィーロも気をつけて付いてきてね?」

フ『うん!』


桟橋からおくりび山入り口まではそれ程遠くは無く空を飛ぶで大体5分程度飛んだくらいで到着することが出来た。入り口周辺には駐車場がある為車が止まっていることは不思議なことではないのだが止まっている台数がシオンのポケモンタワーに比べるとこちらが格段に多くお墓参りに来ている人が多数いることが覗える。

タ「さてと・・・一応こっからはスカイに案内して貰おうかな・・・スカイよろしくね?」

スカ『はい!もう何回も登った事あるから道案内は任せてください!』

タ「うん、さてと・・・フィーロどうしようか・・・流石にここからは狭いからフィーロはきついと思うけどなあ・・・どうする?」

フ『うーん・・・僕幽霊とか苦手だからボールの中に入っておくね・・・。また外に出たらボールから出して?』

タ「分った、じゃあボールの中に入っておいて。スパイアはどうする・・・?」

ス『僕は万が一何かあった時にタツミを守らないといけないから外に出ておくよ。・・・ちょっと怖いけどね・・・。』

タ「ごめんね・・じゃあ行こうか。」

おくりび山内部の1階はそれ程多くのお墓は無いがやはりお墓参りの人が数人いるという感じであった。またここは基本的には3階までが整備されたお墓がある建物でそれ以上上の階になると外になり幾分か難易度が上がる。

タ「うーむ・・・やはりお墓だからそれ程トレーナーもいないもんだね・・・ガイドマップにはトレーナーがいるから勝負に巻き込まれることもあるって書いてあったけど何時もこんな感じなの?」

スカ『えっ?うーん・・・それ程トレーナーはやっぱりいないって感じですかね・・・。やっぱりお墓だしこういった所で破壊光線とか放たれると色々とまずいっていうかなんていうか・・。』

タ「やっぱりそうなんだねぇ・・・。そうだよねぇ・・こういった所でレガが破壊光線とか放っちゃうと相当罰当たりだよねぇ・・・。」

タツミがそう言うと何故かボールからレガが飛び出してきた。

レガ『僕はそんな罰当たりな事しませーん!!第一こんな所でそんな技出したら明らかに場違いでしょ!』

タ「いきなり出てきたねぇ・・・冗談だって。それよりも何で急に出てきたの?」

レガ『えっ?なんて言うか呼ばれた気がしたからね・・・ってかなり怖いここ・・・やっぱりボールに入っておく・・・・ってスパイア!ボールに入るのを邪魔するな!』

ス『レガも一緒に怖さを体験しろ!1人だけ抜け駆けは許さないぞ!』

レガ『だったらフィーロとかティアとかも出さないと不公平だろ!僕はこんな怖いところあんまり居たくないんだよ!』

ス『じゃあ放すけどタツミに何かあっても知らんぷり出来るって事?』

レガ『うーむ・・・分ったよ・・・でも怖いからタツミの側に居るからな!スパイアは偵察部隊だから先の様子でも見てきてよ!』

ス『なっ・・・!なんでそういう風になるの!大体何時もレガはこういう時は・・・』

タ「はいはい、こんな所で騒がれても困る!ほら、スカイがあまりにも2人が騒ぐから結構先に行っちゃてるじゃん!」

ス『ごめん・・・。』

レガ『すっかり怖さで・・・ごめんタツミ・・・。』

タ「スカイごめんね~、先に進もうか。ってレガそんなに震えなくても大丈夫だから・・・ってスパイアも何震えてるの!大丈夫だから!」

その後2階へと上がる階段を見つけ2階へと上がったタツミ達、2階に上がっても周りの状況は全く変わらず右を見ても左を見てもお墓なのだが、先程と違うのは明らかに人が増えたと言う事くらいであった。

タ「うーむ・・確かにお墓だらけだ・・・しかもなんか勝負している人居るんですけど・・・ここってお墓で花火とかするのかな?」

スカ『うーん・・・確かお墓で花火はしないですがバトルは結構見かけますよ?でもお墓でバトルして瀕死の状態になるのはちょっとなんて言うか・・・。』

タ「確かにそうだよねぇ・・・トレーナーに見つからないように先へと進んでいこう。レガ大丈夫か?ボール入っておく?」

レガ『うん・・・ごめんタツミ・・僕やっぱりこういう所苦手で・・・。体の震えが止まらないんだ・・・。』

タ「分った・・・・ってスパイアもか・・・スパイアもボールの中に入ってて。」

ス『だだだだだだ大丈夫だよ・・・・ぼぼぼぼぼ僕は特段問題は無いから・・・。』

タ「言葉かなり震えてるじゃん・・・やっぱり2人ともボールの中に入っておいて。何かあったらボールから出すから。」

タツミはスパイアとレガの様子を見て明らかに怖がっているのを察し2人をボールの中へと入れた。そしてスカイと2人で先へと進んでみることにしたのだった。

その後3階へと上がる階段を見つけたタツミ達だったのだが、3階へと上がる階段は明らかにあまり人が踏み入れた形跡が無く埃の蓄積具合から恐らくここ1,2ヶ月は人の往来が無かったように見える。

タ「ここから先はあんまり人は踏み入れないのかなぁ~。」

スカ『確かにここから先は関係者以外はあんまり踏み入れてこないですねぇ・・・でも立入禁止とはなっていないんで大丈夫です、先へ進みましょう。』

タ「うん・・・。」


3階も変わらずお墓があるのだが明らかに手入れがされていないのか殆どのお墓が埃をかぶっている状態で酷いとカビか何かが生えているのもあった。また、2階までと比べると明らかに人の出入りが無く電灯もあまり人が来ないためか半分しか点灯しておらずかなり不気味さが増していた。

タ「ここ大丈夫なんかいな・・・あっ、そこから外に出れるみたいだね。」

スカ『・・・・・・・・・。』

3階の端っこには外からの光が差し込んでいる場所がありそこからどうやら外へと出ることが出来るようだった。しかし、外へと出た瞬間周りを薄い霧が覆っており整地されていないためかかなり歩きづらい。

タ「ここから頂上までどれくらい掛りそう?」

スカ『えーっと・・・確か10分も掛らずいけると思いますよ。』

タ「案外そんなもんで行けるんだね・・・でもここって人来るんだね・・まだ真新しい足跡が残っているよ。」

地面は整地されていない為人が踏み入れた時には足跡が残るからかタツミの足下にも数個の足跡が有りここは人が幾人か通行していると確認することが出来る。タツミとスカイがここからのルートをしていると霧の中から誰かを呼ぶ声を聞いた。しかし、その声はどこか小さくまた張りが無い為かかなり弱っている様な感じの声だった。

タ「!?幻聴か・・・?それとも・・・・うん?」

タツミが声がした方向を見てみると何かのポケモンの群れが居るのが確認出来、その群れの視線はタツミでは無くスカイに向けられていた。それにじっと目を凝らして見てみるとスカイと同じ種族のロコンであった。

タ「あれ?結構また珍しいねぇ・・・こんな所にロコンの群れが居るとは・・・。」

スカ『・・・・・・・・・・・・・。』

その群れはスカイを見つけるとすぐさまスカイに駆け寄り何かを話しているようだった。それをタツミがじっと見ているとボールの中からスパイアが飛び出してきた。

ス『スカイ・・・どうしたの?何か問題でも発生した?』

タ「いや、そういうわけじゃ無いんだけど・・・とりあえず状況説明って感じかなぁ・・・スカイどうしたの?」

スカ『いえ・・・あの実は・・・ロコン達は私の家族なんです・・・ですが以前私が気を緩めた隙に鳥ポケモンに捕まってしまって・・・それで離ればなれになって今、再会したって感じですか・・・。。』

タ「なるほど・・・だからか・・・。」

そのロコン達はまだ小さい為かスカイが親代わりとなって世話をしていたそうだ。しかし、スカイが捕まった後ではその子達では食べ物を調達しようにもどうする事も出来ずによく3階のお墓の所でお供え物等を食べ忍んでいたそうだ。

タ「だから3階には人が少なかったのか・・・幽霊説か何かが噂され初めてからか・・・なるほどねぇ・・・。」

ス『なるほど・・・でも相当お腹空いているみたいだよ?タツミ何か持ってなかったっけ?』

タ「うーん・・・ポケモンフーズで良いならあるけど・・・・スカイ渡してきてくれる?」

スカイはタツミからポケモンフーズが入ったお皿を受け取るとそれを家族であるロコン達へと渡す、すると相当お腹が空いていたのかポケモンフーズが入っていたお皿はあっという間に空になった。

タ「ほぉ・・・確かに最近はお供え物って無かっただろうしなぁ・・よくここまで生きていたもんだよ。」

ス『そうだよね・・こんな所じゃ食べ物を調達する事だって相当難しいだろうし・・・スカイ・・・??』

タツミとスパイアはスカイを見てみるとスカイは涙を流してその子達を見つめていた。それを見たタツミはスカイにある提案をしてみる事にした。

タ「スカイ、もしあれならここに残ってこの子達の面倒をもう一度見てみても良いんだよ?」

スカ『えっ・・・・でもそれじゃあタツミが・・・。』

タ「僕は別に大丈夫だから・・・・スカイの気持ち次第だけど・・・どうかな?この子達もまだ小さいみたいだしスカイが今まで親代わりとなって世話していたんでしょ?」

スカ『そうですけど・・・でも・・・。』

ス『うん、確かにタツミの言うとおりここに残ってこの子達の面倒を見るのも一つの案だよ。』

スカ『・・・・・・・・・分りました・・・私この子達の世話を・・・もう一度してみます。』

その言葉を聞いた瞬間、その子供達はスカイへと歩み寄り小さく鳴き声を上げていた。

タ「これで・・・いいんだよね?スパイア。」

ス『良いと思うよ、スカイも納得しているし何よりあの子達が嬉しそうだったし・・・仲間が減るのは辛いけどまた会えるからね・・・。うん。』

スカイと子供達が色々と話している最中にタツミはそっとスカイから離れることにしスパイアもそれに同意し空を飛ぶで静かにその場から離れる事にした。

タ「スカイ・・・元気でね・・・・また会おう・・・。」

ス『じゃあタツミ・・・行くよ・・??』

タ「うん。なるべく静かにね・・・?」



スカ『あれ?そういえばタツミとスパイアは・・・・・・。』

スカイが気づいた時にはタツミとスパイアは飛び立った後でそこには2人の姿は無かった。しかし、タツミとスパイアが居た場所には一つの袋が置かれていた。

スカ『私の為に・・・あれ・・・?これなんだろう・・・・スカーフ・・・タツミから・・・・ありがとう・・・・絶対また会いに行くからね・・・。』

スカイはタツミがその場に残したスカイへの最後の贈り物というスカーフを受け取るとそれを首に巻き涙を流した。

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