第12話 “The Alliance”

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 人間は、人間の時間の中で生きている。従って人間は、自分の生きている時間の外で起こる現象はまったく知覚する事ができない。たとえば2次元の存在が3次元の存在を認識できないように、3次元の存在が4次元の存在を認識できないように。
 エドウィンがミュウツーの攻撃を認識できなかったのも、これとまったく同じ道理である。もしも彼が武術を極め、達人の域に達していたならば、常人足り得ぬ動体視力をもって、迫る《サイコカッター》の青白い刃を認識できたかもしれない。だが所詮それは認識するのが限度であって、たとえ反射的に動いたとしても、脳から四肢へ回避命令が伝達する頃には、その辺に転がる肉塊の仲間入りを果たしてしまっていた事だろう。
 その事実をエドウィンがようやく認識したのは、腕に抱えていたビクティニが飛び跳ねて、《サイコカッター》の輝く刃をVの字の耳の付け根で受け止め、悪あがきにも近い頭突きで弾き返してから暫く経ってからのことだった。

「……は?」

 間抜けな声をあげて、エドウィンはようやくいくつかの事に気付いた。
 まず、ミュウツーの姿形が変わっている。原型である、背が高くて痩せ細り、角ばったような特徴が、小柄で丸みを帯びた華奢な見た目に。女性を連想させるようなすらりとした身体に変化した現象を、エドウィンはかつて一度だけ目撃し、知っていた。
 メガミュウツーYへの、メガシンカだ。
 全てのポケモンの中でも最速記録を誇り、かつ、ただでさえ圧倒的な超能力も飛躍的に向上している。敵としては最悪の部類に属する。
 そんな相手が、今、私を殺そうとした……?
 エドウィンは呼吸さえ忘れて今の事実を理解しようとしていた。

「落ち着いてください、ミュウツー」

 背後から通り過ぎていく女性の声。アクア団のリーダー、アレクシアだ。
 瓦礫を上ってきた彼女はエドウィンの隣りに立ち、澄んだ藍色の瞳に、宙に浮かぶミュウツーの姿を映した。

「我々に貴方を傷つける意図はありません。互いに何か誤解があるようです、悲劇を繰り返さないためにも、どうか私達との話し合いに応じ――」

 彼女を止めるべきだった、と、誰もが思った。
 ミュウツーの腕の先から剣のように生えた《サイコカッター》が再び猛威を振るう。今度はアレクシアの細い首に狙いを定めて、三日月のような刃の軌跡が宙に描かれた。

「ティニッ!」

 誰もその速度に追いつけず、ただ認識した輝く軌跡の美しさに目を奪われる中、ビクティニだけが咄嗟に動いた。とはいえ、彼女自身も速度に長けた訳ではない。
 ビクティニは身を挺してアレクシアをかばう代わりに、Vの字の耳の間に溜めた火球をアレクシアの眼前目掛けて放った。それがどれほど高度な技術を要する策か、ここの誰もが気付く事は無かった。ミュウツーの攻撃に対する正確な予想と、技の的確な命中精度が、直感や経験等という曖昧な紐によって結ばれなければ成し得ない事だ。
 彼女の放った《火炎弾》は、目論見通りにミュウツーの《サイコカッター》の刃を爆破する事に成功した。
 しかしアレクシアも無傷とはいかなかった。眼前でそんな爆発が起きたのである、顔の表皮は焼けただれ、目は高熱や《サイコカッター》の破片に潰され、見るも無残な姿に変わってしまった。

「ぎゃあぁぁああ!!」

 それは女性らしい可愛い悲鳴どころではなく、断末魔にも似た叫びであった。アレクシアは両手で顔を覆い、姿勢を崩して瓦礫の山を転げ落ちていく。下に落ちてもなお、うめき声と共にのたうち回っていた。
 惨い光景ではあった。しかし首が飛ぶより命が助かった分、だいぶマシだろう。
 などと一息つく暇もなく、エドウィンとエイハブ、そしてポケモンハンターは同時にミュウツーへと銃口を向けた。攻撃速度からして、逃げる事は叶わない。殺す以外に、道は無いのだ。
 全員が腹を括った、その時である。

「……抵抗はおやめなさい」

 言葉が、優しい笛の音色のように皆の頭に響き渡った。年季の入った女性の声、やや低めではあるが、慈愛と平穏に満ちた声であった。
 その主が目の前に浮かぶミュウツー――今後は彼との区別を含めて、女性ミュウツーと呼ぼう――のものである事は明らかだったが、声色と言葉の意味との整合性がまるで無く、同時に困惑が広がる。
 女性ミュウツーは続ける。

「これ以上戦っても痛みを増やすだけです。何故楽になる方を拒むのですか?」
「馬鹿馬鹿しい!」

 鼻息を荒くして、エイハブが返す。

「黙って大人しく殺されるのを待つほど、わしら人間は臆病ではないわ!」
「なんと野蛮な……それでも文明人の端くれですか? 今まで散々ポケモンを苦しめておいて、道具や兵器として扱っておいて、その代償を払う時が来ても私達の慈悲で苦しめずに終わらせようと言っているというのに、まだ戦争を望むとは」
「ミュウツーは、噂には知的な哲学者と聞いていたが、考え過ぎてとうとうとち狂ってしまったのか!?」
「よせ!」

 エドウィンが叫び、遮った。

「我々に幾らかの罪がある事は認める、だがもう少しだけ猶予をくれないか。人間は過ちを繰り返す生き物かもしれないが、それでも少しずつ前に進もうとしているんだ」
「私達は長い間耐え忍んできました。私達は人間を見限ったのです、もはやパートナーとして相応しくありません」
「それを決めたのは誰だ? 君か? ゲノセクトか? それとも他の誰かか? 我々は有史以前から共に歩んできた間柄だ、確かに今までは人間による一方的な支配を強いた時代もあっただろうが、それでも今日互いに笑いあえるほどの信頼関係を築き上げてきたじゃないか。それをここで、こんな形で終わらせても良いのか?」
「終わらせたのは、私達の方ですか? いいえ、それは人間です。人間が未だに私達を一方的に支配しているのです。遺伝子を勝手に操作し、死んだポケモンを蘇らせ、まるで自分たちが神であるかのように我が物顔で私達の命を蹂躙している。他のポケモン達も、娯楽のためだけに戦わされ、時に人間の代わりに戦争の兵士となり、これでは古の野蛮な時代と何ら変わり無いではありませんか。技術が進歩しただけで、その精神は全く変わっていません」
「それは――」

 言い返そうと張り上げたエドウィンの声が、途絶えた。
 エドウィンのみならず、全員が呆然と口を開けて空を見つめる。夜の空に、太陽が現れたのだ。
 否、正確にはそれは高濃度のエネルギーが放つ光であった。女性ミュウツーの手のひらの間に現れたそれは、時間経過と共に一層輝きを強めていく。エドウィンは眼前を手で覆いながら、目を焼くほど強烈な光を放つエネルギーの塊を見据えて気付いた。おそらくこれはミュウツーという種における究極奥義。念波の実体化、即ちミュウツー自身の潜在能力や思想、思いの強さに応じてその破壊力が変わる技、《サイコブレイク》だ。

「おぉぉあああぁぁ!!」

 ダン、ダン、という射撃音と共に、エイハブが叫びながら女性ミュウツーへと撃ち続ける。ポケモンハンターも同じく石化銃の光弾を放つも、共に女性ミュウツーには通じない。太陽の如くあまりにも強烈な《サイコブレイク》の前に、実弾も光弾も等しく、近付くだけで塵と化した。

「もはや貴方達人間との間に言葉など必要ありません。ただ、今は黙して祈りなさい。今までの罪が浄化され、その身が、心が、まっさらに清められる事を」

 言われるまでもなく、エドウィンは全身から力が抜け落ちていくのを感じた。
 これが無力感、絶望感という奴か。今まで何もできないという場面には幾度か遭遇した事はあれど、ここまでどうしようも無いのは初めてだな。エドウィンは心の中で嘲るように呟いた。
 もはや走って逃げられるだけの時間も残されていないだろう。武器も通じず、言葉も届かず、頼りになるのはビクティニだけだった。当の彼女でさえ、《Vジェネレート》という必殺技さえ使えれば僅かに通用する可能性があったかもしれない。

 どこで間違えたかな。
 エドウィンは《サイコブレイク》という太陽を見上げ、呟く。

 私自身、ポケモンをどう思っていたか定かではない。改めて考える必要さえ当然のように感じないほど、ポケモンは身近な存在だった。これを傲慢と呼ぶのであれば、確かにそうだったかもしれない。
 人間は自然と政治をする生き物だ。上は国家レベルから、下は人間関係に至るまで、人間は政治をする。ポケモンとの関係もそうだ。秩序を構築し、主張し、互いにすり合わせていくのが人間だ。
 しかしポケモンは多くを語らない。語らぬ相手への政治は容易いが、同時にその領域を侵し易い。知らず知らずのうちにポケモンの領域を侵し、互いの関係が壊れるほどの致命傷に至ったのかもしれない。

 そうとも、人間は政治的選択をしょっちゅう間違える悪癖がある。だが、だからこそ過ちを正すための法があり、秩序を保つためのルールが、古からの積み重ねで生まれたのだ。法に従わぬ組織が乱立する今の時代でも、やがてひとつにまとまっていく事だろう。セキエイ会議脱出の際、私はその兆しを垣間見た!
 人間は進歩する生き物だ。そのために過ちを知らしめるための制裁ならば甘んじて受け入れよう、だが世界を破壊するやり方は看過する事はできん!

 太陽の輝きを持ってしても、エドウィンは色を失わなかった。
 彼がそれに立ち向かう事を決意した事に呼応するように、彼の半身とも呼べる「それ」は、動き始めた。

 それを含め、それらはセキエイ高原襲撃の時からずっと世界の裏側で、すなわち反転世界に身を潜めていた。外に出ていた乗組員全てを見捨てるという冷血な判断を下しつつも、女性ミュウツーの力の前には敵わない事を知っていた彼らの決断は、英断と呼ばざるを得ない。
 かといって、彼らは全員の救出を諦めていた訳ではなかった。

 救出にはたったひとつ必要なものがあった。それは、代表者達の正確な位置情報。しかしポケモンリーグという施設が、内外へのテレポートを妨害するシステムを採用している以上、同時にセンサーも通さない仕組みになっていた。お陰で代わりにビクティニを筆頭とした救出チームを送り込む羽目になった。
 しかし今や建物は崩れ落ち、代表者達は外に出ている。辛抱強く待った結果、彼らの努力は実を結ぶ時を迎える。

 陽の落ちた反転世界、暗闇の中に、リベンジャー号は浮いていた!

「なに!?」

 それまで落ち着いた口調だった女性ミュウツーが、初めて声を荒げる。
 《サイコブレイク》を放つべく、両手を前に押し出した刹那、その目はしかと捉えていた。エドウィン達を巻き込みながら、その周囲の空間が歪み、大きく異空間への口を開いていく様を。その穴に吸い込まれていく彼らを。
 轟音を立てて《サイコブレイク》の光は瓦礫を貫き、セキエイ高原を焼き尽くす大爆発を引き起こした。





「お帰りなさい、艦長!」

 気付けば、エドウィンはそんな歓声に囲まれていた。
 そこがリベンジャー号のブリッジだと把握するのに数秒を要した。一瞬の出来事で何が起きたのか分からない、そう困惑しているのは自分だけでなく、傍らに立つ代表者達も同様である。ただ、ビクティニは「やったね!」とも言いたげに明るく鳴いて、リベンジャー号の副長である女性、フレデリカとハイタッチを交わした。

「負傷者を医療室へ運んで」

 アレクシアの事を言っているのだろう、フレデリカが命じるままに乗組員達は用意していた担架に彼女を乗せる作業に入る。
 未だ唖然としているエドウィンに、彼女は敬礼しながら。

「失礼ながら、少々強引な方法を採りました。艦長達の座標で反転世界へのゲートを開き、《テレポート》で回収。指示を仰ぐため、ブリッジに直接収容しました」
「状況は?」

 と、エドウィン。
 ようやく落ち着きが戻ってきたらしく、《テレポート》の主であろう床で寝そべっているケーシィを見下ろしながら、正装の裾を引っ張って整える仕草を見せた。

「悪化の一途を辿っています。先の襲撃により、うちだけでも救助班を含めてクルー43名が死亡。他の艦も合わせると、死者数は300名に上ります。また、催眠念波と無数に浮遊する黒いモンスターボールらしき物により、残っていたポケモン達の殆どが軒並み奪われました。この艦に残っているのはそこのケーシィとビクティニを含め、4匹だけです」
「ダークポケモンはどうなった? 何匹か護衛に連れて来ていた筈だ」

 と、エイハブ。
 フレデリカは残念そうに首を振って返した。

「シャドーの護衛も我が艦で保護していますが、抵抗も虚しく奪われました。どうやら黒いボールは既にモンスターボールに登録されているポケモンでも区別なく捕獲できるようで、モンスターボールごと奪われたケースも報告されています」
「つまり、ダークポケモンも切り札ではなくなった訳か……してやられたな」

 と、エドウィン。
 今まで強気を維持していたエイハブも、こころなしか勢いをなくして縮んでいるように見えた。

「敵の動きは?」

 と、エドウィンが問いかけると、レーダー係の男性士官が答える。

「メガミュウツーYはセキエイ高原を破壊した後、真っ直ぐ超高速でカロス地方に飛び去っていきました」
「ロケット団司令部、並びに政府から緊急通信が入りました。艦長達の安否と、会議の結果の報告を問われています」

 女性通信士の報告で、クルー達の注目がエドウィンを含め、ブリッジに集った各組織の代表者達に集まった。
 今後どう動くかが、彼らの言葉にかかっていた。共に戦うのか、それとも決別の道か。リベンジャー号のクルーのみならず、侵略軍と戦う兵士達全員の士気にも関わる問題だろう。
 エドウィンも、テスラも、結論を急ぐ事を恐れていた。あの女性ミュウツーの驚異的な力を目撃し、あるいは体感したすぐ後では、恐怖心から戦う事を避けるかもしれない。攻めるよりも徹底した専守防衛に走るならば、やはり同盟には加わる事は無いだろう。
 落ち着いてまた会議を開こう、エドウィンがそう言おうと口を開いたその時。

「通信を」

 と、エイハブが言った。
 ぞろぞろと代表者達が艦長席前方の通信コンソールに集い、女性通信士を取り囲んでいく。その錚々たる顔ぶれの前に、女性通信士は震え上がりながらも訊ね返す。

「ど、どこに……でしょうか?」
「全艦、全組織、あらゆるチャンネルに向けてだ」

 エイハブの言う事に、誰も異論を唱える様子は無かった。
 女性通信士はすぐにコンソールのパネルを操作し、彼に頷いて見せた。

 そこから先の事は、翌日に振り返ってみても、未だ信じられない事だった。

「こちら、シャドー代表のエイハブだ。私エイハブは、シャドーのみならず、セキエイ会議に参加した全ての組織の総意を代弁する者として宣言する。我々は政府及びロケット団と同盟を結ぶ事で合意に達した」
「こちら、ポケモンハンターシンジケート代表のJだ。世界は今、未曾有の危機に瀕している。我々人類の存亡がかかっているだけでなく、ポケモンと共に歩む未来さえ失われようとしている。この戦いに背を向けてしまっては、未来永劫人間とポケモンが共存する事はあり得ないだろう」

 2人が述べて、共にエドウィンへと振り返った。
 その目はとても印象に残っている。苦難を共に乗り越え、認め合った証だ。
 汚い陰謀もあった、だからこそ同盟のまとめ役には政府も、テスラも相応しくない。だがお前がその役を買って出るのなら、お前なら、我々は信じて結束しよう。
 そう語りかけているようであった。

「……こちら、ロケット団代表のエドウィンだ」

 エドウィンは静かに語り始める。

「人間は、ポケモン達からの信頼を失った。同時に、ポケモン達への信頼も失った。だが我々の戦いは、ポケモン達を殺すためのものではない、互いの信頼を取り戻すための戦いだ。彼らは人類抹殺のために、恐るべき兵器を手に入れた。このまま彼らの手を人間の血で汚させてはならない、人間とポケモンが手を取り合って歩いていく未来の為に戦おう。再び彼らと、旅をするために……ここに、同盟の成立を宣言する」





 それは世界が拍手と歓声に包まれた瞬間だった。
 未だポケモンを擁する家ではこの放送を聴きながら、愛するポケモンに寄り添い、互いの絆がまだそこにあることを確かめ合う。今まで欠片でも疑ってしまった事を詫びながら、涙を流せば、ポケモンは優しくそれを舐めとった。
 またある旅人は、森に張ったテントの中でラジオを流しながら、ポケモンと同じ料理を食べていた。そして同じ夢に向かってこれからも共に頑張ろうと鼓舞し、ポケモンも勇ましく鳴いた。
 至る所で絆は確かめられていく。その様子を嘲笑うように笑みを浮かべて、ゲノセクトは傍受した通信を聞き流していた。

 そこは這いうねる樹木の幹にも似た蔦が床や壁、天井までも覆う空間。しかし普通の植物と違って、蔦の壁は時折脈打ち、蠢いている。まるで生物がそのまま部屋になったようなそれは、その異様さを除けばリベンジャー号のブリッジに酷似していた。
 同じ蔦の材質でできた、というよりも床から生えて並ぶコンソール。中央には同じように生えた蔦の椅子に、その正面に広がるスクリーン映像。リベンジャー号と決定的に違うのは、その部屋にクルーは無く、艦長席にゲノセクトが1匹腰掛けている事だろう。
 そこへ蔦のドアがぐにゃりと歪んで開き、女性ミュウツーが足を踏み入れる。

「私の失敗です、人間達の団結を防げなかった」

 謝る彼女に、ゲノセクトはギシリと笑う。

「いいや、これで良い。ようやく面白くなってきたところだ」
「ゲノセクト、まるで人間との争いを楽しんでいるように聞こえますよ。これはポケモンの未来の為の戦いだという事を忘れていませんか?」
「忘れちゃいないさ。だが俺の中の血が騒ぐんだよ、古の時代、3億年前、ハンターだった俺の血がね」

 楽しげに語る彼に、女性ミュウツーはため息を吐いた。
 途端に、ゲノセクトが一転して真剣な面持ちで訊ねる。

「進捗状況は?」
「ポケモン達が総出で作業にかかっているものの、あと1週間ぐらいはかかる」
「1週間、それが限度だ」

 曖昧な言い方を避けて、ゲノセクトは強調しながら言い放った。

「時間があればあるほど人間達は脅威を増していく事を忘れるなよ、ミュウツー。奴らは狡猾で、残虐だ」
「分かっています。作業を急ぐ、この返事で満足ですか?」
「ああ、それで良い」

 しぶしぶ返す彼女に、ゲノセクトは満足げに頷いた。

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