十三、どんどん歌え!

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遅くなってすいません!
夏はたくさん更新できたらいいなと思ってます。
カラオケボックスに入ったカレン達は、早速歌い始めようと曲を転送した。

「やっぱり一番最初はこの曲だよね!」

カレンが最初に入れた曲は、『ポケモン言えるかな?』まだポケモンが151匹だった時の曲だ。

「じゃあ次僕入れよーっと。」

カレンがマイクを握りしめて画面を見つめてる間、リクはさりげなくデンモクを使って曲を入れていた。しばらくすると楽しそうな音楽に乗せてカレンが『ポケモン言えるかな?』を歌っていた。カレンの歌っている姿や声はとても楽しそうで、聞いているサキやバシャーモ、リザードンもノリノリになっている。

「ピカチュウ カイリュー ヤドラン ピジョン コダック コラッタ ズバット ギャロップ♪…」

「いいぞーカレンー!」

「シャモ、バッシャー!」

「ガゥガゥ!」

曲を転送し終わったリクは、サキにデンモクを手渡す。「おっ、来た来た!」とサキはタッチペンをとり、操作を始める。気が付くと、カレンの歌も終盤に入っていた。

「 ラ・ラ・ラ 言えたかな? き・み・は 言えたかな? ラ・ラ・ラ 言えたかな? ポケモンの なまえ!

おきどき!
なう ざっつ ザ うぇい トゥー せい いっと!
あれ? ちょっと待って!
もしかして、もう1匹忘れてない?」

「流石だねーカレン。」

「へへっ!次はリクだね!」

カレンの歌が終わり、リクがマイクを持って立ち上がる。「ふぅ」と一息ついて座るカレンに、サキがデンモクを渡そうとした。

「シャモシャーッ!!」

「ガゥガゥ!」

「ちょ、何!?」

「あーっ!バシャーモぉ…!」

「リザードン…何してるんだい?」

サキの手からカレンの手にデンモクが渡る一瞬の隙をついて、バシャーモとリザードンがデンモクを奪った。カレン達の見よう見まねで、タッチペンでカチカチと音をたてながらぎこちない様子でデンモクを操作し、曲を転送した。

「嘘っ…バシャーモ歌えるの?」

「シャモ!」

カレンが目を丸くしてバシャーモを見ると、グッジョブのジェスチャーをしながらどや顔をした。どうやら、かなり自信があるようだ。
そんなことをしている内にリクが転送した曲が始まる。リクはボーッと画面を見つめたまま、マイクを握りしめている。画面には『ガラスの十代』と、でかでかと書かれていた。

「古っ!?」

「え、何この曲…?」

リクの選曲に、思わず声をあげるサキと首を傾げるカレン。リクの選ぶ曲は、親の趣味のせいか、とても古い曲ばかりだ。アーティストで言うと、サザンオールスターズさんやZARDさん等が多い。

「 こわれそうなものばかり
集めてしまうよ
輝きは飾りじゃないガラスの十代~♪」

リクは、いつも通りの大人しい声だが、とても滑らかで、何か熱いものを感じる様な魅力的な歌声をリズムに乗せる。カレンも、その姿を魅入っていた。その為、そこまで短い曲ではないはずなのに、あっという間に終わった。

「いつ聞いてもリクは凄いよな~…スタンバイしよ…」

サキはぼそりと呟くと、ソファーから立ち上がる。カレンがずっと握ってたマイクを手渡した。サキが歌うのは『バトルフロンティア』。アニメポケットモンスターのオープニングにも使われた曲だ。画面にタイトルが表示されると、明るく勇ましいイントロが流れ、曲が始まった。

「 光る大地に立ち
永遠(とわ)のバトル誓う
笑顔 ちょっぴり涙
みんな忘れないよ♪…」

ノリノリで歌うサキ。その声はとても女の子のものとは思えない位力強い。アップテンポなのもあって、サキにとても似合っていた。最後までペースを崩さずに歌い続けるサキ。カレンもリクもとても楽しそうだ。また、画面に映るPVにはたくさんのポケモンが出てきた為、バシャーモとリザードンも興奮している。

「 ウーイエ!!
GUNGUN パワー盛り上がって
GUNGUN 勇気湧いてくる
輝くゴールを駆け抜けろ~♪」

サキの歌が終わり、全員が一回歌い終わったと思ったが、何かを忘れている一同。カレンが二曲目を歌おうとしたら、バシャーモが机の上のマイクを横取りした。リザードンも既にマイクを持ってはしゃいでいる。

「まさか…」

「本気で歌うの…か…?」

「ま、マジデスカー」

カレン、リク、サキの視線が二匹に向く。そして、転送した記憶のない曲が流れる。バシャーモとリザードンがいれた曲だ。曲名は『adventure』。ナオト・インティライミさんの曲だ。とても明るくて、ワクワクする曲だ。

「シャモシャーシャーモバッシャシャーモ♪…」

「ガウグゥーガガーグォガオガァー♪…」

昔から歌に憧れていたのか、とにかくノリノリだった。歌詞は鳴き声なので違和感があるが、音やリズムはほとんどパーフェクトだ。知らない曲だったが、カレン達もついつい一緒になってノリノリになる。
今度こそ本当に一巡した。それからもカレン達は交代で歌い続けた。カレンは最近の流行りの曲や、主に女性アーティストの曲を中心に、リクは相変わらず少し古い曲が多い。サキはアニメの曲やボーカロイドの曲が多かった。バシャーモとリザードンも、必至に曲を探しながら、少しずつ歌っていった。予約していた二時間はあっという間に過ぎていき、店員から時間を知らせる電話が来たときは、「まだ歌いたい」言いながら渋々と退室したが、帰るときには「楽しかった」と皆、口を揃えた。

「やっぱりカラオケ最高だねっ!」

「うん。久しぶりにたくさん歌えて、僕も楽しかったよ。」

「またみんなでいこう!」

「バッシャーッ!」

「がぉ、ガァ!」

もう辺りは真っ暗で、街灯が優しく照らすいつもの帰り道を、三人と二匹は楽しそうに帰っていった。














バシャーモとリザードンに『adventure』を歌わせたのはちょっとした遊び心です(笑)そしてこの曲は私のハンドルネームの由来でもあるので、聞いてみてください!
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