ルカリオvsガイラル
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
ガイラルはルカリオの前まで走り、ルカリオの脇腹に狙いを定め、斬る。
「せゃっ!」
それをルカリオは剣でガードし、金属音をたててつばぜり合いとなった。剣が擦れ、火花を発てる。
「良くガードしたな!だが甘い!」
そう言うとガイラルは右足に鉄のエネルギーを溜め、足が鉄で覆われた。魔術だ。
「アイアンキック!」
その鉄の足で、オーラブレードを蹴り飛ばした。数メートル吹っ飛び、カラカラと音を立てて落ちた。
「なっ!?」
ルカリオが後ろに飛んでいった剣を見た瞬間、ガイラルはすかさず次の攻撃に入る。
「電撃集え!雷撃斬!!」
剣を振り上げ、雷のエネルギーを帯びた剣でルカリオを斬りつけた。雷が辺りにほとばしる。
「っっ…!」
剣を浴びて後ろへ下がったルカリオは自分の数字が『3』を示していたのを見て驚いた。だが直ぐに持ち直し、手にエネルギーを込めた。
「次はこっちだ!波導弾!」
ルカリオはエネルギーを固め、渾身の波導弾をガイラルに放った。炎の様に、燃え盛っている。
「はっ!俺の波導弾に勝てんのか?波導弾!」
それに対抗し、ガイラルも波導弾をルカリオの波導弾に向けて放った。
両者のエネルギー弾が当たり、相殺して爆発を起こした。砂を巻き上げ、たちまち砂煙が立ち込めた。
「ちっ、砂煙…。ルカリオはどこだ!」
当然、砂煙でガイラルの視界が覆われた。
「だが甘いな!お前も俺の姿は見えねぇだろ?」
だがガイラルは余裕の表情を浮かべた。ガイラルが見えないのなら、ルカリオも当然見えないと思ったからだ。しかし
「見えてるよ!烈風斬!」
飛のエネルギーを纏った剣で、ガイラルの背中を斬りつけた。ルカリオの後頭部の房が青く光っていた。
「お前、エネルギーが砂煙の中でも見えるのか…」
ガイラルが後ろを振り向くと、既にルカリオは後ろへ下がっていた。砂煙に乗じて、剣もしっかり拾ったようだ。
「もう一発入ってるぜ?風の刃がな!」
にやりとルカリオは笑うと、ガイラルの背中にまた斬撃が入った。飛のエネルギーが今働いたのだ。
「飛のエネルギーを込めた斬撃か!考えたな」
その斬撃により、ガイラルの数字も同じく『3』を示していた。ガイラルは突然大きく深呼吸をした。
「だが、そろそろ行くぜ!」
そう言い、ガイラルは剣を地面に突き刺した。剣には、濃くエネルギーが充満していた。ガイラルの大技だ。
「『大地より来れ、地の王グラードン』!!」
そうガイラルが叫ぶと、地面から赤く巨大な体を動かし、地の王と呼ばれるポケモン、グラードンが現れた。雄々しく叫びを上げ、ルカリオは完全に気圧された。
「なっ、なんだこりゃあ!?」
ルカリオは呆気に取られているうちに、ガイラルは剣を鞘に仕舞う。グラードンは、の太い声でガイラルに話かけた。
「ガイラルよ。力を貸して欲しいのか?」
ゆっくりとガイラルに言い、ガイラルは頷き、右手をかざした。
「ああっ!いつもの頼むぜ!」
「フフ、良かろう。我が力を、剣士ガイラルに捧げる!強固な盾よ!カタストロフ!」
そう言うと、ガイラルの左腕にグラードンの体がみるみる吸収されていき、大きな黒い盾へと変貌を遂げた。それは、周りに重い存在感を放つ。
「なっ!あの盾は一体…?」
ルカリオは驚きを隠せなかった。自分の見たことの無いことを、悠然とやり遂げたからだ。
観戦していたゾロアークは、グラードンを呼び出したガイラルを見ていた。
「…凄い。私と同じように『召喚魔術』を使えるとはね」
と呟いた。それを見て、バシャーモが首を傾げながら質問した。
「召喚魔術?何なんだそれ?」
その質問を答えようとした時に、サーナイトが話に割り込んで来た。
「召喚魔術はですね、本で読んだところ、何かを統べる王を呼び出す魔術らしいですよ」
話にゾロアークが続く。
「呼ぶためには、王に会ってから直に契約してもらうんだ。王の性格によるけど、力を試される事もある。いやぁ、大変だよ。なんせ力を委ねれる人物かどうかを試すからね」
そうゾロアークは話した。そしてガイラルはそのままルカリオへと走り出した。ルカリオは威圧され、しっかりと剣を構えた。
「食らいな!カタストロフの威力をさ!」
とガイラルは言うと、左腕でルカリオに殴りかかった。重そうな装備なのに、速さは倍はあった。
「くっ!」
すかさずルカリオは、前に剣を構え、ガードしようとする。だが
「甘い甘い!でえぇぇいッ!!」
その拳は、ルカリオの剣もろとも吹き飛ばした。ルカリオは為す術も無く、飛ばされた。
「うおっ!?」
ルカリオは向こう側の壁まで吹き飛ばされ、壁に激突した。壁は、バキバキと亀裂が走った。
「…くそっ!数字が『1』しかないッ!」
ルカリオは辛うじて壁から脱出したが、目の前にはガイラルが左腕で殴ろうとしていた。目を見開くルカリオを見て、ガイラルは満悦の笑みを浮かべた。
「残念だったな!でやぁ!」
ルカリオに再度重い拳で殴りかかり、バトルは終了した。
「お疲れさん。ルカリオ」
まず最初にバシャーモが駆け寄ってきた。ルカリオは悔しそうに剣を地面に突き刺した。
「だぁぁ!くっそぉ!あんな魔術ありかよ!」
「フッフッフ。勿論ありさ。まあ、俺を本気にさせれたから今は十分ってとこだな」
とガイラルは笑った。そこに、ガブリアスが歩いてきた。
「ガイラル。次はサーナイトとゾロアークの対決か?」
どうやら、次の対戦を聞きに来たらしく、本人は戦いたくてウズウズしているらしい。ガイラルは唸り
「んー、そうだな」
とガイラルは頷くと、ゾロアークは準備運動をしだした。手を大きく伸ばした後、サーナイトを見た。
「さて、サーナイトちゃん。手加減はしないからね?」
ゾロアークはサーナイトを指差してそう言った。サーナイトは苦笑いを浮かべ
「ち、ちゃん…?…はっ、はい!よろしくお願いします!」
そして、ゾロアーク対サーナイトの戦いが始まった。