ルカリオvsガイラル

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読了時間目安:6分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

ガイラルはルカリオの前まで走り、ルカリオの脇腹に狙いを定め、斬る。

「せゃっ!」

それをルカリオは剣でガードし、金属音をたててつばぜり合いとなった。剣が擦れ、火花を発てる。

「良くガードしたな!だが甘い!」

そう言うとガイラルは右足に鉄のエネルギーを溜め、足が鉄で覆われた。魔術だ。

「アイアンキック!」

その鉄の足で、オーラブレードを蹴り飛ばした。数メートル吹っ飛び、カラカラと音を立てて落ちた。

「なっ!?」

ルカリオが後ろに飛んでいった剣を見た瞬間、ガイラルはすかさず次の攻撃に入る。

「電撃集え!雷撃斬!!」

剣を振り上げ、雷のエネルギーを帯びた剣でルカリオを斬りつけた。雷が辺りにほとばしる。

「っっ…!」

剣を浴びて後ろへ下がったルカリオは自分の数字が『3』を示していたのを見て驚いた。だが直ぐに持ち直し、手にエネルギーを込めた。

「次はこっちだ!波導弾!」

ルカリオはエネルギーを固め、渾身の波導弾をガイラルに放った。炎の様に、燃え盛っている。

「はっ!俺の波導弾に勝てんのか?波導弾!」

それに対抗し、ガイラルも波導弾をルカリオの波導弾に向けて放った。
両者のエネルギー弾が当たり、相殺して爆発を起こした。砂を巻き上げ、たちまち砂煙が立ち込めた。

「ちっ、砂煙…。ルカリオはどこだ!」

当然、砂煙でガイラルの視界が覆われた。

「だが甘いな!お前も俺の姿は見えねぇだろ?」

だがガイラルは余裕の表情を浮かべた。ガイラルが見えないのなら、ルカリオも当然見えないと思ったからだ。しかし

「見えてるよ!烈風斬!」

飛のエネルギーを纏った剣で、ガイラルの背中を斬りつけた。ルカリオの後頭部の房が青く光っていた。

「お前、エネルギーが砂煙の中でも見えるのか…」

ガイラルが後ろを振り向くと、既にルカリオは後ろへ下がっていた。砂煙に乗じて、剣もしっかり拾ったようだ。

「もう一発入ってるぜ?風の刃がな!」

にやりとルカリオは笑うと、ガイラルの背中にまた斬撃が入った。飛のエネルギーが今働いたのだ。

「飛のエネルギーを込めた斬撃か!考えたな」

その斬撃により、ガイラルの数字も同じく『3』を示していた。ガイラルは突然大きく深呼吸をした。

「だが、そろそろ行くぜ!」

そう言い、ガイラルは剣を地面に突き刺した。剣には、濃くエネルギーが充満していた。ガイラルの大技だ。

「『大地より来れ、地の王グラードン』!!」

そうガイラルが叫ぶと、地面から赤く巨大な体を動かし、地の王と呼ばれるポケモン、グラードンが現れた。雄々しく叫びを上げ、ルカリオは完全に気圧された。

「なっ、なんだこりゃあ!?」

ルカリオは呆気に取られているうちに、ガイラルは剣を鞘に仕舞う。グラードンは、の太い声でガイラルに話かけた。

「ガイラルよ。力を貸して欲しいのか?」

ゆっくりとガイラルに言い、ガイラルは頷き、右手をかざした。

「ああっ!いつもの頼むぜ!」
「フフ、良かろう。我が力を、剣士ガイラルに捧げる!強固な盾よ!カタストロフ!」

そう言うと、ガイラルの左腕にグラードンの体がみるみる吸収されていき、大きな黒い盾へと変貌を遂げた。それは、周りに重い存在感を放つ。

「なっ!あの盾は一体…?」

ルカリオは驚きを隠せなかった。自分の見たことの無いことを、悠然とやり遂げたからだ。
観戦していたゾロアークは、グラードンを呼び出したガイラルを見ていた。

「…凄い。私と同じように『召喚魔術』を使えるとはね」

と呟いた。それを見て、バシャーモが首を傾げながら質問した。

「召喚魔術?何なんだそれ?」

その質問を答えようとした時に、サーナイトが話に割り込んで来た。

「召喚魔術はですね、本で読んだところ、何かを統べる王を呼び出す魔術らしいですよ」

話にゾロアークが続く。

「呼ぶためには、王に会ってから直に契約してもらうんだ。王の性格によるけど、力を試される事もある。いやぁ、大変だよ。なんせ力を委ねれる人物かどうかを試すからね」

そうゾロアークは話した。そしてガイラルはそのままルカリオへと走り出した。ルカリオは威圧され、しっかりと剣を構えた。

「食らいな!カタストロフの威力をさ!」

とガイラルは言うと、左腕でルカリオに殴りかかった。重そうな装備なのに、速さは倍はあった。

「くっ!」

すかさずルカリオは、前に剣を構え、ガードしようとする。だが

「甘い甘い!でえぇぇいッ!!」

その拳は、ルカリオの剣もろとも吹き飛ばした。ルカリオは為す術も無く、飛ばされた。

「うおっ!?」

ルカリオは向こう側の壁まで吹き飛ばされ、壁に激突した。壁は、バキバキと亀裂が走った。

「…くそっ!数字が『1』しかないッ!」

ルカリオは辛うじて壁から脱出したが、目の前にはガイラルが左腕で殴ろうとしていた。目を見開くルカリオを見て、ガイラルは満悦の笑みを浮かべた。

「残念だったな!でやぁ!」

ルカリオに再度重い拳で殴りかかり、バトルは終了した。

「お疲れさん。ルカリオ」

まず最初にバシャーモが駆け寄ってきた。ルカリオは悔しそうに剣を地面に突き刺した。

「だぁぁ!くっそぉ!あんな魔術ありかよ!」
「フッフッフ。勿論ありさ。まあ、俺を本気にさせれたから今は十分ってとこだな」

とガイラルは笑った。そこに、ガブリアスが歩いてきた。

「ガイラル。次はサーナイトとゾロアークの対決か?」

どうやら、次の対戦を聞きに来たらしく、本人は戦いたくてウズウズしているらしい。ガイラルは唸り

「んー、そうだな」

とガイラルは頷くと、ゾロアークは準備運動をしだした。手を大きく伸ばした後、サーナイトを見た。

「さて、サーナイトちゃん。手加減はしないからね?」

ゾロアークはサーナイトを指差してそう言った。サーナイトは苦笑いを浮かべ

「ち、ちゃん…?…はっ、はい!よろしくお願いします!」

そして、ゾロアーク対サーナイトの戦いが始まった。

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