day11-2
しおりが挟まっています。続きから読む場合はクリックしてください
仕事が忙しくて執筆する事も出来ずにいました。
「ラプラス水鉄砲!!そしてそこからの覚えてないと思うけど地面にリザードンを叩きつけて!」
ラ『これがハクリューの言ってたコウイチさんの無茶ぶりってやつなのー!?叩きつけるってどうやって??こうやって?えいや!!!』
ハクリューからの急な提案で、リザードンが炎のパンチを覚えるにはバトルするのが一番手っ取り早いだろうという事でラプラス対リザードンでバトルをしてもらってます。・・・ふと考えると、ラプラスも水技だけでは無くて氷技も習得すると技のレパートリーが増えて良いかもしれないと思い始めている今日この頃。
勝負としてはやはり水タイプのラプラスが多少は優勢であるが、リザードンも負けず劣らずに持ちこたえたりしているのを見ると中々の体力と気力の持ち主ではあるようだ。
リ『やっぱり水タイプを相手するのは中々厳しいものがあるな・・・でも怖がって逃げてばかりだとお兄ちゃんを守る事が出来ないし、逆に守って貰ってばっかりになるかもしれない・・・それだといけない!!こっちからもまだまだ行くぞー!!』
別にリザードンはまだ子供だから守ってあげてても良いんだけどなと僕は思ったけれども、バトル中という事もあってかその点に関して結論を先に延ばしてラプラスに引き続き指示を出す。リザードンはドラゴンクローをラプラスに当てようとするがラプラスはそれを軽く避け、リザードンが近づいた瞬間を狙い水鉄砲を背中目掛けて至近距離で当てる。ラプラスも緻密に技を放って当てるので中々侮れない。
リ『ゴホッゴホッ!!くっそー・・・どうしても当たらない・・・どうすればいいんだ・・・?』
「リザードン、ちょっと落ち着いて。なんか焦りまくってる感じがこっちまで漂ってくるから、一旦深呼吸してからもう一度ドラゴンクローを放って?でもね・・・それだけだとラプラスには当てれないから、今までのラプラスの行動を思い返してからもう一度やって見せて?ラプラスはなきごえからの水鉄砲・・・一気に近づいて頼むね?」
ラ『分かった!それじゃあそっちがさっさと来ないんだったらこっちから行くからねー!!!』
ラプラスはその容姿からは想像もつかない速さでリザードンに近づく。そして至近距離で鳴き声を放つと続けて水鉄砲も放つ・・・っが
リ『焦りまくってる・・・っか。お兄ちゃんの言う通りかもしれないね・・・それにそう何度も何度も同じ技を喰らうと思ったら大間違いだからね!!!』
リザードンはドラゴンクローで水鉄砲を縦に切り裂くとそのままラプラスに近づき先程まで練習していた炎のパンチを放つ。まさか苦手な水をドラゴンクローで切り裂いてから・・・ん?あれってもしかして「きりさく」って技じゃないですよね?新しい技を覚えたのかな???レベル的にもうそんなに上ったの???
ラ『あれれ?!!?なんか凄く熱いって言うよりも体が痺れるんですけど!!?!全く話に聞いてなかった痺れなんですけどこれ一体どういう事???コウイチさん!?これってもしかして炎のパンチじゃなくて』
「炎じゃなくて雷の方を習得したって事・・・??まぁ技のレパートリーが増えるというのは良い事だけど、まさか雷の方を先に習得するとはこれは僕も驚いた。でも・・・リザードンそのまま思いっきりやって良いからね!!っというよりもそのまま勢い付けたまま一気に行って!!」
ピ『ラプラスご愁傷様・・・そもそも僕が相手じゃなくて良かった・・・絶対にあの技受けたら痛いし暫く後遺症残りそうだし・・・・。』
・
・
・
ラ『いやー・・・鳴き声で攻撃を弱められといて良かったよ。幾らレベル差が少しあるとは言え、電気技は僕にとっては致命傷。下手すると一発KOになってたかもしれないから良かった良かった。って言ってもまだ麻痺残ってるから重症だけどね。』
「ラプラスはお疲れ様・・・なんか予想外な事ばかりで疲れたと思うからちょっとゆっくりしてて。それにしてもかみなりのパンチを技マシン無しで習得するなんてリザードンも中々やるもんだね。凄い凄い・・・普通は覚えられないよ。」
リ『お兄ちゃんが的確に指示してくれたお陰だよ!お礼を言うのはこっち!ありがとう!・・・それに他の皆も協力してくれたから・・・っと思う。本当有難うございました。』
ピ『相変わらず余所余所しいですね~もうちょっと馴れ馴れしくしても良いんですよ?まっ、そっちが良いというならば無理にとは言いませんけどね。それよりも今日はもうここで泊まるのですよね?それだったらそろそろ準備しませんか?時間的にちょっと押して来てますよ?』
そう言われて時計を見て見ると意外と時間は19時を少し回ったところだった。薄暗いとは言っても元々薄暗い森の中を歩いてきてたから全く時間が過ぎているのに気が付かなかった。っと言う訳で今日の宿泊場所はトキワの森の途中途中にある公園に決定です。流石に今から町まで行こうという気にはならなかったので仕方ないね。
暗くなっても森の中を歩く人というのは居るもので、現に20時を回った後であっても何人かのトレーナーがこちらを不思議そうな顔をしながら通り過ぎて行ったのを確認できた。こんな森の中でキャンプをする方がおかしいのだろうかと思ったが、逆にこちらからするとこんな真っ暗な中を移動する方がどうかしてると思う事にした。
「ラプラスとピジョンは・・・もう寝てるか。ピジョンはどうだか知らなけど、ラプラスの方はそりゃあ今日あれだけバトルしたからしょうがないよね。ハクリューもなんか寝てるし皆疲れて寝てしまったのか・・・起きてるのは僕だけ・・・あっリザードンも起きてたか。」
リ『僕は起きてるって。でも今日は本当にありがとう。お兄ちゃんのお陰で新しい技を覚える事が出来たよ!あとは空を飛べるようになれば炎技が出ないのをどうにかカバーできると思うんだけど。』
「焦らずゆっくりとやって行こう。別に急ぐ必要もないし、リザードンの体調面とか考えながら少しずつで良いから。それにしてもここは薄暗くてあまり良い心地がしない場所だなぁ・・・公園な筈なのに誰も寄らないし、それに変な感じもするからここって地雷な場所だったりするのかな??」
公園として整備されているけれども誰も寄らないとは一体どういう事なのだろうか?キャンプ場ではないから誰も立ち寄らないのかそれとも他の何かしらの理由があるのかはたまた心霊関係だったりするのか・・・長考
リ『お兄ちゃん次第だけど、折角2人きりになれたんだからちょっと近場を歩かない?・・・ハクリュー達はもう寝ちゃってるけれど貴重品だけ持っていけば大丈夫だって!』
「そう?散歩か・・・じゃあそうしようか。ここもあまり良い心地しないし、それに時間もまだ10時前だから全然ある。でもリザードンは今日の疲れがあるだろうからあまり長距離は歩かない様にしないといけないよ?」
僕は財布とかの貴重品だけを持ってリザードンと一緒に森の近場を散歩する事にした。あまり眺望も開けないこの薄暗い森の中を夜に懐中電灯とリザードンの尻尾の火だけで散歩するのは中々の恐怖心はあったけれども、折角リザードンがこうやって誘ってくれた事だからと僕はのんびりと歩く。
「ほぉ・・・この森って意外と街灯がちょくちょくあって迷わないような感じになってるんだな。これならば明日も迷わずにトキワシティに行けそう・・・フラグになるからあまり言わない方が良いかもしれないけど。」
僕は独り言を言いつつも歩を進めていく。そしてその横をリザードンが付いてきてるという傍から見ると凄く場違い感がある光景が広がっていた。
リ『でもお兄ちゃんもあまり無理しないでね?見てるとなんか時々切羽詰まったような感じになる時があるし、それになんか色々な物を抱え込んで落ち込んでいる姿も見たから・・・。』
切羽詰まった感じとか抱え込んで落ち込んでいるとか、リザードンはよく人の事を観察できているなぁ~と思いつつも僕は見られていたのかとちょっと驚いた。それと同時に今回こうやって散歩に誘ってくれたのはこういう僕を心配してのことだったのだろうかと思ったのだ。
「・・・もしかしてこうやって散歩に誘ってくれたのって、僕を心配してだったりするの?」
リ『うん・・・だってお兄ちゃん凄く最近疲れている感じでしかも切羽詰まって焦っている様な感じがしたから・・・だから僕気になっちゃって。でもハクリュー達はまだなんか僕としては一緒に居られるとちょっとあれだったから・・・だからこうやって2人っきりで・・・。あれだったら僕に話してくれても良いんだよ?それで少しでも肩の荷が下りるんだったら喜んで聞くよ?』
本当にリザードンは心優しいな・・・こんな心優しいポケモンをあんな事に利用したあの団体許すまじ。それよりも僕ももうちょっと周りに悟られないようにしないといけないと思った。でも僕はよく顔に出るし小言ばかり言ってるからなぁ・・・どうしようもない。
「リザードンの気持ちは嬉しいよ。でも大丈夫だから今は自分の事を優先的に考えて?リザードンだって辛い気持ちだと思うし、その自分の気持ちを差し置いてまで僕みたいな人の事を考えると荷が重くなるから・・・ね?」
リ『・・・・・・大丈夫だから・・・僕は大丈夫だから!だからお兄ちゃんの事が心配なの!それ位分かってよ!!』
急にリザードンが声を荒げたので僕は少しビクッとなる。周りで寝ていたのだろう鳥ポケモンが一気にバサバサと飛び去って行ったのも驚きと恐怖に拍車をかける形になったが、こんな大きな声で怒鳴られたのなんて会社勤めの時以来・・・昔のトラウマが蘇ってしまったな。動悸と息切れと体の震えが止まらないでいる僕の事を見てリザードンはハッとしたようで
リ『ご・・ごめんなさい!!急に大きな声で喋ったから驚いたよね・・・?つい・・・頭に血が上ってしまって・・・あんな大きな声でお兄ちゃんに話したから・・・怖がらせるような事になってしまって・・・僕決してそんなつもりで言った訳じゃ・・・』
「大丈夫・・・ただ昔のトラウマが脳裏に浮かんで怖くなっただけだから・・・心配しないで。リザードンのせいじゃないから・・・そこは大丈夫・・・はぁ・・・すぅ~・・・はぁ・・・。」
僕は深呼吸を数回して気持ちを落ち着かせる。その間のリザードンは凄く申し訳ないような顔をしてこちらを先程よりも心配そうな顔で見ていた。本当に心優しいんだから・・・さっき大きな声出したのも僕がリザードンの気持ちに気付いてあげられていなかったからであって、悪気があった訳ではないっての分かる。でももうちょっと穏やかにお願いしたかったなぁ・・・これ暫くトラウマと付き合う事になると直感で分かる。
・
・
・
トキワの森というのは結構広い。結構な時間歩いてきているけれども、全く景色は変わらず眺望も開けない。このまま進んで行くと、ハクリュー達を置いて来たテントまで戻るのがキツくなると判断した僕達はUターンし今来た道を戻る事にした。時々寝ぼけた鳥ポケモンだったり夜行性な虫タイプが飛び出してきたりしたけれども、リザードンの覚えたばかりの雷パンチだったりドラゴンクローだったりで倒しながら先へと進んでいた。
リ『お兄ちゃん・・・・その・・・さっきは本当にごめんなさい・・・お兄ちゃんの気持ちも考えるべきだったよ。これだと僕もあんな偉そうな事言えないじゃないの・・・本当嫌な事を思い出させてごめんなさい・・・。』
「気にしなくて良いよ。第一もうこの世界には嫌いな仕事も上司も居ないから全然大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから・・・ね?ほら泣きそうにならないの。大丈夫だけん?・・・少し休もうか。丁度いいところに休憩できるベンチがあるから少し落ち着いてから戻ろう?そうしよう?」
僕達は丁度いいところにあったベンチに腰掛けると、僕は持ってきていたペットボトルのお茶をリザードンに手渡す。リザードンはありがとうと一言言ってそれを受け取ると少し飲みベンチの端っこにそれを置く。やっぱりさっきの事がリザードンの中では相当落ち込む要因となっているようでずっと険しい顔して無言のまま下を向きじっとしている。
「うーん・・・そんな真剣に暗い顔しなくても良いんだけどなぁ・・・僕は別に気にしてないから大丈夫だって。それに気になるなら次から気を付ければいいだけの話であって・・・。」
僕は取り合えずリザードンをフォローするように話すが、これ多分リザードンの傷を抉り取ってるなとひしひし感じてはいた。しかしこういう時にどういう言葉を掛ければ相手が少しでも元気になってくれるか分からなかった僕にはこう言う言葉を掛ける事しか出来ずにいたのだ。
目の前を寝ぼけたポケモンや虫ポケモンが通り過ぎるのをただ見るという状況が続いて10分が経過した。そろそろ帰らないともしかしたらハクリューが起きてて・・・それは無いな。ハクリューは寝坊助だから恐らく熟睡してるだろう。ラプラスかピジョンは起きてそうだけれども、彼らならば特段問題はないから良いとしておく。
「あ・・・リザードン、そろそろ帰ろうか?流石に遅くなってきたし、こんな夜に森を歩くというのは色々な面でリスクがあるというかなんというか・・・あっ、まだリザードンがきつい?きついって感じるんだったらまだもう少しだけこうしていてもい」
リ『分かった!お兄ちゃんが言う様に次からはもう少し間をおいて話す事にするよ!そうすれば思い浮かんだ言葉をそのまますぐ言ってお兄ちゃんを傷つけるって事も無くなるだろうし!』
「解決策が浮かんだんだったらそれはそれで良かった・・・でも間をおいて話すのも程々にね?あまりやり過ぎるのは何事も良くないからね?それだけは分かっててくれたら僕は別になんとも思わないから・・・それよりも早く帰ろう?もしかしたらピジョンとか起きてるかもしれないし。」
僕からの問いにリザードンは先程までの暗い表情から一転して何時もの表情に戻り、大きく頷いた。
ラ『これがハクリューの言ってたコウイチさんの無茶ぶりってやつなのー!?叩きつけるってどうやって??こうやって?えいや!!!』
ハクリューからの急な提案で、リザードンが炎のパンチを覚えるにはバトルするのが一番手っ取り早いだろうという事でラプラス対リザードンでバトルをしてもらってます。・・・ふと考えると、ラプラスも水技だけでは無くて氷技も習得すると技のレパートリーが増えて良いかもしれないと思い始めている今日この頃。
勝負としてはやはり水タイプのラプラスが多少は優勢であるが、リザードンも負けず劣らずに持ちこたえたりしているのを見ると中々の体力と気力の持ち主ではあるようだ。
リ『やっぱり水タイプを相手するのは中々厳しいものがあるな・・・でも怖がって逃げてばかりだとお兄ちゃんを守る事が出来ないし、逆に守って貰ってばっかりになるかもしれない・・・それだといけない!!こっちからもまだまだ行くぞー!!』
別にリザードンはまだ子供だから守ってあげてても良いんだけどなと僕は思ったけれども、バトル中という事もあってかその点に関して結論を先に延ばしてラプラスに引き続き指示を出す。リザードンはドラゴンクローをラプラスに当てようとするがラプラスはそれを軽く避け、リザードンが近づいた瞬間を狙い水鉄砲を背中目掛けて至近距離で当てる。ラプラスも緻密に技を放って当てるので中々侮れない。
リ『ゴホッゴホッ!!くっそー・・・どうしても当たらない・・・どうすればいいんだ・・・?』
「リザードン、ちょっと落ち着いて。なんか焦りまくってる感じがこっちまで漂ってくるから、一旦深呼吸してからもう一度ドラゴンクローを放って?でもね・・・それだけだとラプラスには当てれないから、今までのラプラスの行動を思い返してからもう一度やって見せて?ラプラスはなきごえからの水鉄砲・・・一気に近づいて頼むね?」
ラ『分かった!それじゃあそっちがさっさと来ないんだったらこっちから行くからねー!!!』
ラプラスはその容姿からは想像もつかない速さでリザードンに近づく。そして至近距離で鳴き声を放つと続けて水鉄砲も放つ・・・っが
リ『焦りまくってる・・・っか。お兄ちゃんの言う通りかもしれないね・・・それにそう何度も何度も同じ技を喰らうと思ったら大間違いだからね!!!』
リザードンはドラゴンクローで水鉄砲を縦に切り裂くとそのままラプラスに近づき先程まで練習していた炎のパンチを放つ。まさか苦手な水をドラゴンクローで切り裂いてから・・・ん?あれってもしかして「きりさく」って技じゃないですよね?新しい技を覚えたのかな???レベル的にもうそんなに上ったの???
ラ『あれれ?!!?なんか凄く熱いって言うよりも体が痺れるんですけど!!?!全く話に聞いてなかった痺れなんですけどこれ一体どういう事???コウイチさん!?これってもしかして炎のパンチじゃなくて』
「炎じゃなくて雷の方を習得したって事・・・??まぁ技のレパートリーが増えるというのは良い事だけど、まさか雷の方を先に習得するとはこれは僕も驚いた。でも・・・リザードンそのまま思いっきりやって良いからね!!っというよりもそのまま勢い付けたまま一気に行って!!」
ピ『ラプラスご愁傷様・・・そもそも僕が相手じゃなくて良かった・・・絶対にあの技受けたら痛いし暫く後遺症残りそうだし・・・・。』
・
・
・
ラ『いやー・・・鳴き声で攻撃を弱められといて良かったよ。幾らレベル差が少しあるとは言え、電気技は僕にとっては致命傷。下手すると一発KOになってたかもしれないから良かった良かった。って言ってもまだ麻痺残ってるから重症だけどね。』
「ラプラスはお疲れ様・・・なんか予想外な事ばかりで疲れたと思うからちょっとゆっくりしてて。それにしてもかみなりのパンチを技マシン無しで習得するなんてリザードンも中々やるもんだね。凄い凄い・・・普通は覚えられないよ。」
リ『お兄ちゃんが的確に指示してくれたお陰だよ!お礼を言うのはこっち!ありがとう!・・・それに他の皆も協力してくれたから・・・っと思う。本当有難うございました。』
ピ『相変わらず余所余所しいですね~もうちょっと馴れ馴れしくしても良いんですよ?まっ、そっちが良いというならば無理にとは言いませんけどね。それよりも今日はもうここで泊まるのですよね?それだったらそろそろ準備しませんか?時間的にちょっと押して来てますよ?』
そう言われて時計を見て見ると意外と時間は19時を少し回ったところだった。薄暗いとは言っても元々薄暗い森の中を歩いてきてたから全く時間が過ぎているのに気が付かなかった。っと言う訳で今日の宿泊場所はトキワの森の途中途中にある公園に決定です。流石に今から町まで行こうという気にはならなかったので仕方ないね。
暗くなっても森の中を歩く人というのは居るもので、現に20時を回った後であっても何人かのトレーナーがこちらを不思議そうな顔をしながら通り過ぎて行ったのを確認できた。こんな森の中でキャンプをする方がおかしいのだろうかと思ったが、逆にこちらからするとこんな真っ暗な中を移動する方がどうかしてると思う事にした。
「ラプラスとピジョンは・・・もう寝てるか。ピジョンはどうだか知らなけど、ラプラスの方はそりゃあ今日あれだけバトルしたからしょうがないよね。ハクリューもなんか寝てるし皆疲れて寝てしまったのか・・・起きてるのは僕だけ・・・あっリザードンも起きてたか。」
リ『僕は起きてるって。でも今日は本当にありがとう。お兄ちゃんのお陰で新しい技を覚える事が出来たよ!あとは空を飛べるようになれば炎技が出ないのをどうにかカバーできると思うんだけど。』
「焦らずゆっくりとやって行こう。別に急ぐ必要もないし、リザードンの体調面とか考えながら少しずつで良いから。それにしてもここは薄暗くてあまり良い心地がしない場所だなぁ・・・公園な筈なのに誰も寄らないし、それに変な感じもするからここって地雷な場所だったりするのかな??」
公園として整備されているけれども誰も寄らないとは一体どういう事なのだろうか?キャンプ場ではないから誰も立ち寄らないのかそれとも他の何かしらの理由があるのかはたまた心霊関係だったりするのか・・・長考
リ『お兄ちゃん次第だけど、折角2人きりになれたんだからちょっと近場を歩かない?・・・ハクリュー達はもう寝ちゃってるけれど貴重品だけ持っていけば大丈夫だって!』
「そう?散歩か・・・じゃあそうしようか。ここもあまり良い心地しないし、それに時間もまだ10時前だから全然ある。でもリザードンは今日の疲れがあるだろうからあまり長距離は歩かない様にしないといけないよ?」
僕は財布とかの貴重品だけを持ってリザードンと一緒に森の近場を散歩する事にした。あまり眺望も開けないこの薄暗い森の中を夜に懐中電灯とリザードンの尻尾の火だけで散歩するのは中々の恐怖心はあったけれども、折角リザードンがこうやって誘ってくれた事だからと僕はのんびりと歩く。
「ほぉ・・・この森って意外と街灯がちょくちょくあって迷わないような感じになってるんだな。これならば明日も迷わずにトキワシティに行けそう・・・フラグになるからあまり言わない方が良いかもしれないけど。」
僕は独り言を言いつつも歩を進めていく。そしてその横をリザードンが付いてきてるという傍から見ると凄く場違い感がある光景が広がっていた。
リ『でもお兄ちゃんもあまり無理しないでね?見てるとなんか時々切羽詰まったような感じになる時があるし、それになんか色々な物を抱え込んで落ち込んでいる姿も見たから・・・。』
切羽詰まった感じとか抱え込んで落ち込んでいるとか、リザードンはよく人の事を観察できているなぁ~と思いつつも僕は見られていたのかとちょっと驚いた。それと同時に今回こうやって散歩に誘ってくれたのはこういう僕を心配してのことだったのだろうかと思ったのだ。
「・・・もしかしてこうやって散歩に誘ってくれたのって、僕を心配してだったりするの?」
リ『うん・・・だってお兄ちゃん凄く最近疲れている感じでしかも切羽詰まって焦っている様な感じがしたから・・・だから僕気になっちゃって。でもハクリュー達はまだなんか僕としては一緒に居られるとちょっとあれだったから・・・だからこうやって2人っきりで・・・。あれだったら僕に話してくれても良いんだよ?それで少しでも肩の荷が下りるんだったら喜んで聞くよ?』
本当にリザードンは心優しいな・・・こんな心優しいポケモンをあんな事に利用したあの団体許すまじ。それよりも僕ももうちょっと周りに悟られないようにしないといけないと思った。でも僕はよく顔に出るし小言ばかり言ってるからなぁ・・・どうしようもない。
「リザードンの気持ちは嬉しいよ。でも大丈夫だから今は自分の事を優先的に考えて?リザードンだって辛い気持ちだと思うし、その自分の気持ちを差し置いてまで僕みたいな人の事を考えると荷が重くなるから・・・ね?」
リ『・・・・・・大丈夫だから・・・僕は大丈夫だから!だからお兄ちゃんの事が心配なの!それ位分かってよ!!』
急にリザードンが声を荒げたので僕は少しビクッとなる。周りで寝ていたのだろう鳥ポケモンが一気にバサバサと飛び去って行ったのも驚きと恐怖に拍車をかける形になったが、こんな大きな声で怒鳴られたのなんて会社勤めの時以来・・・昔のトラウマが蘇ってしまったな。動悸と息切れと体の震えが止まらないでいる僕の事を見てリザードンはハッとしたようで
リ『ご・・ごめんなさい!!急に大きな声で喋ったから驚いたよね・・・?つい・・・頭に血が上ってしまって・・・あんな大きな声でお兄ちゃんに話したから・・・怖がらせるような事になってしまって・・・僕決してそんなつもりで言った訳じゃ・・・』
「大丈夫・・・ただ昔のトラウマが脳裏に浮かんで怖くなっただけだから・・・心配しないで。リザードンのせいじゃないから・・・そこは大丈夫・・・はぁ・・・すぅ~・・・はぁ・・・。」
僕は深呼吸を数回して気持ちを落ち着かせる。その間のリザードンは凄く申し訳ないような顔をしてこちらを先程よりも心配そうな顔で見ていた。本当に心優しいんだから・・・さっき大きな声出したのも僕がリザードンの気持ちに気付いてあげられていなかったからであって、悪気があった訳ではないっての分かる。でももうちょっと穏やかにお願いしたかったなぁ・・・これ暫くトラウマと付き合う事になると直感で分かる。
・
・
・
トキワの森というのは結構広い。結構な時間歩いてきているけれども、全く景色は変わらず眺望も開けない。このまま進んで行くと、ハクリュー達を置いて来たテントまで戻るのがキツくなると判断した僕達はUターンし今来た道を戻る事にした。時々寝ぼけた鳥ポケモンだったり夜行性な虫タイプが飛び出してきたりしたけれども、リザードンの覚えたばかりの雷パンチだったりドラゴンクローだったりで倒しながら先へと進んでいた。
リ『お兄ちゃん・・・・その・・・さっきは本当にごめんなさい・・・お兄ちゃんの気持ちも考えるべきだったよ。これだと僕もあんな偉そうな事言えないじゃないの・・・本当嫌な事を思い出させてごめんなさい・・・。』
「気にしなくて良いよ。第一もうこの世界には嫌いな仕事も上司も居ないから全然大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから・・・ね?ほら泣きそうにならないの。大丈夫だけん?・・・少し休もうか。丁度いいところに休憩できるベンチがあるから少し落ち着いてから戻ろう?そうしよう?」
僕達は丁度いいところにあったベンチに腰掛けると、僕は持ってきていたペットボトルのお茶をリザードンに手渡す。リザードンはありがとうと一言言ってそれを受け取ると少し飲みベンチの端っこにそれを置く。やっぱりさっきの事がリザードンの中では相当落ち込む要因となっているようでずっと険しい顔して無言のまま下を向きじっとしている。
「うーん・・・そんな真剣に暗い顔しなくても良いんだけどなぁ・・・僕は別に気にしてないから大丈夫だって。それに気になるなら次から気を付ければいいだけの話であって・・・。」
僕は取り合えずリザードンをフォローするように話すが、これ多分リザードンの傷を抉り取ってるなとひしひし感じてはいた。しかしこういう時にどういう言葉を掛ければ相手が少しでも元気になってくれるか分からなかった僕にはこう言う言葉を掛ける事しか出来ずにいたのだ。
目の前を寝ぼけたポケモンや虫ポケモンが通り過ぎるのをただ見るという状況が続いて10分が経過した。そろそろ帰らないともしかしたらハクリューが起きてて・・・それは無いな。ハクリューは寝坊助だから恐らく熟睡してるだろう。ラプラスかピジョンは起きてそうだけれども、彼らならば特段問題はないから良いとしておく。
「あ・・・リザードン、そろそろ帰ろうか?流石に遅くなってきたし、こんな夜に森を歩くというのは色々な面でリスクがあるというかなんというか・・・あっ、まだリザードンがきつい?きついって感じるんだったらまだもう少しだけこうしていてもい」
リ『分かった!お兄ちゃんが言う様に次からはもう少し間をおいて話す事にするよ!そうすれば思い浮かんだ言葉をそのまますぐ言ってお兄ちゃんを傷つけるって事も無くなるだろうし!』
「解決策が浮かんだんだったらそれはそれで良かった・・・でも間をおいて話すのも程々にね?あまりやり過ぎるのは何事も良くないからね?それだけは分かっててくれたら僕は別になんとも思わないから・・・それよりも早く帰ろう?もしかしたらピジョンとか起きてるかもしれないし。」
僕からの問いにリザードンは先程までの暗い表情から一転して何時もの表情に戻り、大きく頷いた。
プライベートも何もかもが仕事に潰されまくってる今日この頃。もう疲れたですね・・・