【TALE25】真実の闇の中③

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読了時間目安:11分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

<SIDE ピカチュウ>

デリバード
「・・・ダストシュート!」
ヒスイバクフーン
「・・・またあの裏切り者か・・・。 ・・・シャドーボール」

デリバードさん、 ・・・いや、デリバードの奴。また俺たちの邪魔を・・・!

ポリゴンZ/バーキュ
「ピカチュウにバクフーンか・・・。 それなら都合が良いね!
 ・・・チャージビーム!」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・10万ボルト!」

俺たち4匹は背後の繭を守りながら、ヒスイバクフーン・ドータクン、そしてバーキュ・デリバードの各コンビと、三角形になって向き合っている。

ドータクン
「ようやく片を付けられるな、デリバードよ」

ドータクンは、背後に衛兵を従えながらデリバードに迫る。

ドータクン
「・・・神通力!」
デリバード
「・・・くっ! ・・・身体が・・・」

表情を引きつらせたまま、そして何かに縛り付けられたまま、デリバードは苦しみもがく。

ポリゴン2の伏兵
「シャドーボール、一斉射撃・・・!」
デリバード
「くっ・・・!!」

一瞬のうちにずたぼろと化したデリバードの身体には、それでもなお容赦ない一斉射撃が加えられる。

ドータクン
「ひとまずどうよ、あんたの造った兵器ジャンクにやられるってのはな」

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一方その頃、俺たちは密かに、背後の繭を解いていた。
その最後の糸を解いたのはバシャーモさんだ。すると・・・。

バシャーモ
「サーナイトの奴、こんな所に・・・。  ・・・取り敢えず、早くここを出るぞ!」

サーナイトって、まさか・・・。

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ストライク
『・・・おっ、もうそろそろ9時か。 サーナイトさんのラジオが始まるぜ!
 ・・・おい皆、FMグリーンランドにチャンネル合わせて良いか?』

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この言葉を思い出しながら、俺とミミロルが顔を見合わせていると・・・。

バシャーモ
「・・・良いから2匹も、早く出る準備をしろ! 間違いなく狙われるぞ!」

そう言われて、俺たちは素早く逃げようとするが・・・。

ポリゴンZ/バーキュ
「・・・逃げ切れると思うなよ! ・・・吹雪!」

吹雪を避けながら、前に出たのは俺とアンディだ。

ポリゴン/アンディ
「・・・電磁波!」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・10万ボルト! ・・・バシャーモさん、ミミロル、今のうちに!!」

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@ヴァイナスの北の遺跡

ヒスイバクフーン
「・・・百鬼夜行」

デリバード
「ぐわあああっ・・・! ・・・おのれ、早く解放するので・・・
 ・・・ぐっ・・・!!」

ポリゴン2の伏兵
「・・・シャドーボール、もう一度だけ一斉射撃!」

デリバード
「・・・くっ・・・!」

デリバードの身体は限界を迎え、遂には散り散りとなって虚空へと溶け行く。

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その後、2匹は遺跡の地下へと向かう。
ヒスイバクフーンは、部屋の奥の方の石板に手をかざす。

ドータクン
「・・・なぁ親方。 本当にこれで目覚めるのか?」

ヒスイバクフーンが深くうなずいた、その時の事。2匹の目の前では、小さなポケモンが黄色い光に包まれて輝いている。

ヒスイバクフーン
「・・・ようやく一つ、鍵が手に入った」

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@グリーンランドの街

ゾロアーク
「・・・辻斬り!」
ユキメノコ
「・・・シャドーボール!」

ヌケニンの尖兵たちはゾロアーク・ユキメノコの2匹を追うが、彼らの技を前にばたばたと倒れていく。かと思われたが・・・。

ゾロアーク
「・・・あいつら、まだ邪魔を・・・! ・・・?」

ヌケニンの兵士
「シャドークロー・・・!」
ユキメノコ
「・・・・・・・・!」

そして、再び敵が見えなくなったのを確認して、ゾロアークはユキメノコを抱きかかえる。

ゾロアーク
(仕方のない義妹いもうとめ・・・。 これも決着を着ける為・・・!)

ユキメノコの腕を肩に乗せ、しっかりと掴みながらゾロアークは走り出す。

ゾロアーク
(死なせてたまるか、まだ勝負の一つも付いていないというのに・・・!!)

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<SIDE ピカチュウ>

遺跡から脱出し、ようやく辿り着いた宿での事。俺たちはやっとの想いで、助け出したポケモンをベッドに寝かせたのだが・・・。

ピカチュウ/廉太郎
「・・・また敵襲か・・・。 ・・・ミミロル、あの方の事は頼んだ!」
ミミロル
「・・・ええ」

爆発音を聞き、俺たち3匹は急いで外へと向かう。

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ポリゴンZ/バーキュ
「・・・サイコキネシス!」

バシャーモ
「・・・2匹とも危ない!」
ピカチュウ/廉太郎
「バシャーモさん・・・!」

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バシャーモ
『ブレイズキック! ・・・全軍、その者を捕らえる準備を!!』
ヘルガーの兵士
『ラジャー・・・!!』

キルリア
『・・・待って! 何もたもたして・・・!』
ピカチュウ/廉太郎
『・・・キルリア、お前こそ何を・・・?』
キルリア
『・・・全くもう、だから先に逃げててって・・・』

ヘルガーの兵士
『・・・全軍、一斉に火炎放射・・・!』

キルリア
『・・・ちょっと待って、危ない!』
ピカチュウ/廉太郎
『・・・キルリア、お前・・・。 ・・・キルリア・・・!!』

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この間の夢と同じように、目の前にあの日の記憶の幻が映る。

バシャーモ
「あの野郎、またあの日の事を・・・!」

ポリゴンZ/バーキュ
「・・・ねぇ知ってたかい? 後悔も犯した罪も、心に癒えない傷の様に残り続けるものなんだってね」

さっきと何か違うと思ったら、・・・。
・・・やっぱりバーキュの奴、何処かがおかしい。狂気的とすら思えて来る。

ポリゴンZ/バーキュ
「・・・まずはあんたを楽にしてあげようか。 背負う罪から逃がしてね! ・・・サイコキネシス!!」
バシャーモ
「ぐわぁっ・・・!」

ピカチュウ/廉太郎
「バシャーモさん、しっかり! ・・・瓦割り!!」

俺は咄嗟に、2匹の間に割り込んで突撃する。

ポリゴン/アンディ
「・・・冷凍ビーム!!」

ポリゴンZ/バーキュ
「邪魔がまた1匹か・・・。 まあ良い。 ・・・しっかしどんな気分だ、十字架を背負ったまま立とうにも立てないってのは」

ピカチュウ/廉太郎&ポリゴン/アンディ
「・・・バシャーモさん・・・!!」

ポリゴンZ/バーキュ
「・・・それじゃあ、次はあんたの番だ! 吹雪!!」
バシャーモ
「・・・2匹とも危ない・・・!!」

よれよれの身体を何とか立ち上げて、バシャーモさんはバーキュの前に立ちはだかるが・・・。

ピカチュウ/廉太郎
「・・・バシャーモさん、無茶しないで・・・!」
バシャーモ
「・・・無茶、だと・・・?」

そう言いながらバシャーモさんは振り向く。

バシャーモ
「・・・何とでも言え。 何度死んでもお前を守るのが、俺にとってせめてもの償いさ」
ポリゴン/アンディ
「・・・お兄ちゃんを、守るのが・・・?」
バシャーモ
「・・・ああ。 奴まで、 ・・・ピカチュウまで、こんな事で死なせてたまるかっ!!」

バシャーモさんのインファイトが、見事にバーキュの身体へと命中する。

ポリゴンZ/バーキュ
「くっ、生意気な・・・!」

あのインファイトで、バーキュは一気に大きなダメージを負ったように見える。

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宿に戻ってからの事。
アンディがミミロルと交代する一方で、俺とバシャーモは二人きりでベランダへと出た。

ピカチュウ/廉太郎
「・・・俺を、探していた・・・?」
バシャーモ
「ああ。 必死に叫んでもがく、あの時のお前の姿はよく覚えている。
 俺はあの日以来、ずっとその記憶に苦しめられてきた。
 ・・・互いの心の傷を拭うには、やはり遺されたお前の為に、何か出来る事を探さねばならない。
 ・・・今まで言い出せずにいたが、ほんの些細な事で良いからお前に教えて欲しいんだ」

それから、俺は少し考え込んでからこう言う。

ピカチュウ/廉太郎
「そういうなら・・・。
 ・・・これからも是非、俺たちに協力して下さい。 世界を平和にする為に」
バシャーモ
「・・・ああ」

バシャーモさんは深く頷いて快諾してくれた。

バシャーモ
「・・・それじゃあ、そろそろ部屋に戻ろう。 お前もだいぶ身体が冷えて来ただろう」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・ええ」

しかし、足を一歩踏み出したその時、掌には・・・。

ピカチュウ/廉太郎
(・・・あの紫の光、また・・・!)

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【TO BE COUNTINUED】

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