ブレイクタイム C&Jの軌跡

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読了時間目安:11分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

・暴力的なシーンやグロテスクなシーンが数多く含まれます。苦手な方はブラウザバックしてください。
・結構な数のポケモンが命を落とします。自分の好きなポケモンが命を落としても平気な方のみどうぞ。
・この物語はフィクションです、実際の人物や団体、及び他のスクエア作品とは関係ありません。
・ブレイクタイム C&Jの軌跡



「お兄ちゃんとお別れなのは残念だけど、色々ありがとうございました」
「まぁこれで事件も解決したしね、これからどうするの?」
「えっと、ジョウトジョウト鍋祭りに行ってから帰ろうかなって!」
 取り調べも担当がゼラオラだったおかげで手短に済んで、今はワカバタウンの家でちょっと贅沢にロイヤルミルクティーを淹れてそれぞれの時間を堪能している。

 あの事件はジャラランガの死亡とDISCの破壊によって幕を閉じたことになっている。
 沢山のポケモンの命を奪ったジャラランガがアサギの灯台の床を全部壊して根城にしようとしていたところ、洗剤の混合事故で発生した高濃度の塩素を吸い込んで死亡。ニュースではそう放送されている。
 俺たちの存在を伏せて、面倒なことは全てジャラランガに擦り付けておいてくれたゼラオラには毎度のことながら感謝しかない。

「ジョウト鍋祭り?なんだそれ?」
「あれ?ジョウトに住んでるポケモンはみんな知ってるって…」
「ガオはギリギリ記憶ないからね…12月25日、つまりクリスマスの夜にプール並の大きさのお鍋で鍋料理を作って振る舞ってくれるビッグイベントだよ」
「そんなのあったのか…」
「私の住んでるアローラでもニュースになってるから結構有名かな」
「なるほどね…」

 アシレーヌはジュナと会話中、俺はパソコンの画面と睨めっこしながら事件ファイルを記入している。
 表向きは解決したものの、この事件には共犯者もいることは確かだし、DISCの使い手なら放っておくわけにもいかない。
 とはいってもアシレーヌはもう関係のない話だし、明日の朝には成功報酬と引き換えにさようならだろう。

「でもホテルとかどうするの?」
「あ、そういえば考えてなかったな…」
「良かったら鍋祭りの日まで泊まって行きなよ?ご飯ぐらいは用意できるよ?」
「そうなの、じゃ是非…!」

『ジュナ、お前はいいよな、冷蔵庫とかお財布事情を考えずに色々決定できるんだからよ…』
『あの子、君のこと満更でもなさそうだよ?』
『自称嫁のお前がどういう風の吹き回しだよ?』
『さぁね?』
『お前なぁ…』
 …とりあえず俺たちの情報から書いていくか。



ガオガエン(俺)
・1.8メートル79キロ
・技構成はフレアドライブ、DDラリアット、雷パンチ、インファイト
・去年のクリスマスより前の記憶がない
・ジュナとDISC犯罪専門の探偵事務所を結成、自分は探偵だと自負しているがスイーパーみたいな仕事もやるのでわりとアバウト
・使用DISCは“結合の記憶”を持つJOINT
・ガオの元から高い近接戦闘能力に長射程攻撃、防御、回避、拘束などの搦め手に至るまで戦闘スタイルの幅を広げられるチェーンは相性の良い武器で、そんなチェーンをかなり自由に操作できるJOINTのDISCとの相性はバッチリなんだ!
ポケモンCQCもガオの技や身体能力、チェーン、JOINTの能力の三つを組み合わせることで初めて形になるからこそ、あのネビュラチェーンにも迫るチェーン術と隙のない高威力の格闘戦で襲い来る強力なDISC使い達を次々と倒しているんだ!(By.ジュナ)

JOINT
破壊力-★★★☆☆
スピード-★★★★★
持続性-★★☆☆☆
精密動作性-★★★★★
射程距離-★★☆☆☆(ただし、一度能力を使用可能にしたものの有効範囲は無制限)
能力拡張性-★★★★★

能力…同じ性質を持ったものの結合を自由に操作する。結合と分解(結合の解除)の両方が可能。
 割れたコップを修復したり相手の身体の関節を外したりと色々便利に使えるが、結合も分解も自由自在にできるチェーンに用いるのが一番効果的。
 この能力はそれなりに体力を消費するので、チェーンのリングを操作するぐらいなら簡単にできるが、大規模だったり複雑だったりすると結構カロリーを消費してしまうので持続力は高くない。
 実はジュナとの思考共有もこのDISCの力。“同じ性質”であれば何でも結合できるため、早朝の目覚まし時計を聞いて「もう少し寝ていたい…」と同時に思った結果、無事に思考共有に成功した。


ジュナイパー(ジュナ)
・1.6メートル38.5キロ
・技構成は影縫い、影打ち、ポルターガイスト、ブレイブバード
・俺の(仕事上の)相棒。CHRONICLEによる情報収集や、飛行能力や射撃能力に搦め手といった戦闘での能力など、俺に不足している要素を程よく補ってくれる。素早さを補うことが今後の課題かもしれない。
・使用DISCは“年代記の記憶”を持つCHRONICLE
・仕事上の相棒と言ったように、仕事の面では頼りになるし、プライベートでも良い友達であると言えるが、ジュナの方は俺を(番としての)相棒として認めているような気がする。仲が悪いよりは遥かにいいが、不定期高頻度で発情される俺の身にもなってくれ…

CHRONICLE
破壊力-☆☆☆☆☆
スピード-★★★★☆
持続性-★★★★★
精密動作性-★★★☆☆
射程距離-★☆☆☆☆(情報の検索範囲は無制限)
能力拡張性-★☆☆☆☆

能力…過去の時間に起こった事実を知ることができる
 戦闘能力は皆無、能力の展開範囲もジュナの脳内だけだが高い情報収集能力を持つ。
 アリバイ崩しをするなら圧倒的チート性能。出版物や映像も事実にカウントされるため自由に閲覧可能。
 ただし、検索の際には最初になるべく詳細な時間情報が必要。期間指定や全期間での検索も一応は可能だが、絞り込むには他の情報が必要だったり、検索期間を間違えたり広範囲で調べたりすると目当ての情報を見つけられなかったり、情報過多により検索を維持できずに中断されてしまう。また、未来の事柄については能力の関係上調べても分からない。
 惑星の本棚の代役にはなれなかったが、俺たちの捜査で得た情報を組み合わせれば時間が不明でも検索はできるので、そんな時はジュナの腕の見せ所だ。
 ちなみに俺もJOINTの思考共有のおかげでCHRONICLEの能力を認識できるが、俺に見られる情報はあくまで“その時ジュナが見ているもの”のみである。


ゼラオラ(ゼラ?)
・1.5メートル44.5キロ
・技構成はプラズマフィスト、インファイト、炎のパンチ、アクロバット
・若くしてジョウト警察コガネ署の警部
・主にDISC絡みの犯罪を追っており、俺たちとも度々協力関係になる
・かつては俺と喧嘩仲間だったらしいが俺は全く覚えていない
・チャラそうに見えるが勤務態度は結構真面目
・使用DISCは“発動機の記憶”を持つMOTORのDISC
・いつも俺たちの解決した事件の後始末ありがとう

MOTOR
破壊力-★★★★☆
スピード-★★★★★
持続性-★★★★☆
精密動作性-★★☆☆☆
射程距離-★☆☆☆☆(本体内部に発現)
能力拡張性-★★★☆☆

能力…モーターによる身体能力の強化
 体内にモーターが発現して、身体能力の大幅な強化をしてくれる。体内とは言っても身体への影響はない模様。
 能力は至ってシンプルだがその分使いやすく、電気タイプで高速物理アタッカーのゼラオラとは非常に相性の良いDISCといえる。
 特にスピードへの貢献度に優れるがパワーもなかなかなものがあり、そこそこ高火力の攻撃を高い回転率で放つことができる。
 これは俺の推測だが、モーターと構造が同じで逆の事をする



「そういえばここに並んでるドミノはどうしたの?触っていい?」
「おい、それはまだ製作途中の…!」
 俺の制止もむなしくアシレーヌはドミノを倒してしまう。
 倒れたドミノが台車付きのやかんを発進させ注ぎ口からこぼれ落ちたビー玉は紅茶の箱にキャッチされてテーブルのレールに移動する。
 食品サンプルの並んだテーブルの中をビー玉は転がり、紙コップの中に入ってミミッキュみたいな挙動をしたり、灰色のワッカネズミ(1匹だけ)が運転する赤いオープンカーに運ばれたりする中、二匹分用意された食器のうち朝食は片方にしか盛られていないことに気付いて戸惑うかのような挙動を見せたビー玉はマグカップのゴンドラで降りて行く。
 ローテーブルにあった歯ブラシを一本落としてレールを開き、ビー玉によってストッパーの外れたろうそくはカップルの写真に激突、それには目もくれずにビー玉は端の蓋付きゴミ箱に落下、一回転した蓋には“ピ”の文字の紙が貼られている。

「「センチメンタル…」」
「えぇ…」


「…だから製作途中だって言っただろ?ろうそくに点火してないから未完成だったんだよ」
「いやろうそくに点火してなくても装置完成してたよね?」
「甘いな、ろうそくに点火することでカップルの写真に火を点けて燃やす演出が入り、よりセンチメンタルな気分になれるということだ」
「うん…ただでさえセンチメンタルなのに、写真燃やす演出入ったら、私、もう…」

「ガオ、これってまさかこの前言ってた“センチメンタルな気分にさせるピ○ゴラ装置”って奴…?」
「正解だ!というかセンチメンタルになっただろ?」
「…いやどの辺が?」
「どの辺がって、装置全体がセンチメンタルだったろ?」
「こくこく」
「まさか、あのやかんとか歯ブラシがそうだって言うのかい…?」
「ああ、コンセプトは“死に別れたパートナーの事を忘れようとしても忘れられずに苦悶する光景”だ。感傷的な気分になるだろ?」
「いや、どちらかと言えば油性ペンみたいな愛称の歌手が恋はしないとか歌ってるように思えるんだけど…」

「ったくこれだから芸術センスのない奴は…」
「普通にこれN○Kの製作スタッフに見せよう?」
「いつもユーフ○テスさんには良いモン見せてもらってるしな、この際ファンアート感覚で送ってみるか?」
「ついていけない…」
 ピ○ゴラ装置に関しては俺のセンスを理解できないらしいジュナはため息交じりにテレビを点けるとちょうどピ○ゴラが始まっている…
 なんて都合のいい話はなくて、ただのニュースだった。

「次のニュースです、コガネシティで観光に来ていた雌のコリンクが何者かに殺害されました。被害者のコリンクは何者かに頭を切断されており、切断された頭部は現場から持ち去られていた模様です。警察はこの事件に関して…」


「…」
「…」
「…」

「アシレーヌ」
「何かな?」
「成功報酬はもうちょい先でいい」
「ほえ?」
「この事件、共犯者以外にも裏があったらしいな」



 to be continued…

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