【TALE7】火種からの脱出

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読了時間目安:11分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

<SIDE ピカチュウ>

世界樹の遺跡での事。幼気な少年のポリゴン、またの名をアンディがようやく顔を上げる。

ポリゴン/アンディ
「・・・お兄ちゃん、取り敢えず早く逃げよう!」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・ああ」

俺たちは麓へと走り出した。 ・・・だが、・・・。

ピカチュウ/廉太郎
「アンディ、危ない! ・・・にしてもあれはまさか、ダンジョンじゃ・・・」

俺たち、つまりこの世界のポケモンたちにとって、ダンジョンというのは実に不可思議な空間だ。
いきなり姿を現したかと思えば、周囲を総て闇に包んでいく。 ・・・かと思えば、闇は唐突に消えゆく。

・・・そして何より、そこにはフライゴンさんと、下っ端トリオの姿がない。
アンディを見失わずに済んだのが唯一の救いだ。 だが・・・

???
「・・・また世界を乱そうというのか、この愚か者」
ピカチュウ/廉太郎
「この間のライボルト・・・ ・・・それにしてもどういう意味だ、『世界を乱そう』って!」

そして、ライボルトが冷淡にほくそ笑む。

ライボルト
「・・・己が身の程を解していない、というのか・・・ ・・・なら力ずくで解らせるまで!
 ・・・火炎放射!」

ポリゴン/アンディ
「廉太郎兄ちゃん! 避けて!!」

矢継ぎ早に放たれる火炎放射を次々と避けながら、俺は仕掛けるチャンスを伺う。

ピカチュウ/廉太郎
「・・・覚悟しろライボルト! ・・・穴を掘る・・・!!」

俺の技が急所に当たる。あと少しで、この状況を切り抜けられそうだ。

ライボルト
「・・・中々の戦闘能力だ。 僅かばかりは腕を上げたな」
ピカチュウ/廉太郎
「ああ」
ライボルト
「・・・だが俺も、これで終わらせてやろう! ・・・目覚めるパワー・氷!!」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・アイアンテール・・・!!」

アイアンテールをライボルトが受け止める時、激しい火花が飛び散る。

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@遺跡の麓

廉太郎とアンディを探していたフライゴンと下っ端トリオは、敵を追っていたドリュウズと合流する。

ドリュウズ
「フライゴンたち、怪我はないか?」
フライゴン
「ええ」
ストライク
「・・・でもお二人とも、ピカチュウが一向に見当たらないぜ」

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<SIDE ピカチュウ>

それから俺とライボルトは、ぶつかり合いで生まれた衝撃を前にひれ伏す。
ぶつかり合い自体は膠着状態のまま終わったが、それでも何かがおかしい。

ピカチュウ/廉太郎
「俺たち・・・ いつの間にダンジョンの外へ・・・?」

確かに、先ほどまでの暗闇は消え、俺とアンディは元いた山道へと戻っている。
ダンジョンと来たら全く気まぐれな存在だ。

ピカチュウ/廉太郎
「ふうっ・・・ ・・・ひとまずアンディ、これでようやく安全な場所に逃げれるぞ!!」
ポリゴン/アンディ
「うん」

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しかし、遺跡から麓に降りると・・・

ポリゴン/アンディ
「これはまさか・・・」

俺たち全てのポケモンや生物にとって、最大限に恐れるべき事態が迫る。目に見えて解った。

ユキメノコ
「・・・冷凍パンチ・・・!」
テッカニンの兵士A
「・・・シザークロス・・・!」

すると、その時。

テッカニンの兵士B
「・・・俺も助太刀する! ・・・シザークロス!!」

ピカチュウ/廉太郎
「・・・ユキメノコ、危ない・・・!!」

・・・それから、俺はユキメノコと敵兵2匹の間に割り込む。

テッカニンの兵士A・B
「・・・おのれ小僧め!」
「・・・小癪なっ・・・!」

ユキメノコ
「ピカチュウ・・・!」
ピカチュウ/廉太郎
「ユキメノコ。 ・・・ひとまず助太刀するぞ」
ユキメノコ
「・・・ああ」

すると、その時。見覚えのある影が、また空から迫って来る。その影の名は、やはりファイアローだ。
・・・そこでアンディが問い掛ける。

ポリゴン/アンディ
「・・・ねぇ、お兄さん。 お兄さんってば」

その言葉を聞いてか、ファイアローは渋々とこちらに駆け寄る。

ポリゴン/アンディ
「・・・お兄さん、本当は戦いが嫌なんでしょう・・・?」

ファイアローばかりか、俺までもがアンディを前に茫然と立ち尽くす。
・・・だが、俺は絶対に、彼の言葉を嘲笑うつもりはない。

ポリゴン/アンディ
「・・・平和が、 ・・・何よりも平和が欲しいんでしょう・・・?」
ファイアロー
「・・・平和を求める気持ちは俺も同じだ。 だからこそ、今のこの戦いを放棄する事は出来ない」
ポリゴン/アンディ
「・・・じゃあ、本当に戦いは嫌にならないの・・・?」

アンディは、パスの街並みを指しながら言う。街からは、いつの間にか黒煙と炎が上がっていた。

ファイアロー
「うるさい、俺には戦う理由があるんだ・・・!」

ファイアローは戦禍の方へ向かい、アンディを振り払って逃げる。

ピカチュウ/廉太郎
「待ってくれ、ファイアロー・・・!」

俺たちはこのまま、茫然と空を見つめる事しか出来ないというのか。 
・・・いや、そんな事はない・・・。 ・・・恐らく。

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<SIDE ゾロアーク>

ラルトス
「・・・しかしお話といいますのは、・・・」
ライボルト
「俄かには受け入れられない話だろうが、まずは焦らずに聞いてくれ。 
・・・グランド王国軍の事だが、先日評議会の決議により、ボノ王国へ進軍した上での、武装ギルドの掃討活動が正式に認められたとの事だ」

ラルトス王女は少しばかりうつむく。
だが、彼女の表情に落胆の色は見えても、幻滅の色までは伺えない。

ラルトス
「・・・わたくし自らの手で戦争を止めるしかない、というのですね。 それなら・・・」
ライボルト
「・・・だが安心したまえ。 王女を匿っている以上、我々もその願いの為に力を尽くす」

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それから、僕はシンボラーを引き連れ、パスの町へと急ぐのだが・・・。

ゾロアーク
「・・・もうここまで戦闘が、・・・?」
シンボラー
「・・・確かに油断ならないが、それも平和の為だ。 行くぞ!」
ゾロアーク
「・・・ああ」

町の業火の中を駆け抜けていた、その時。

テッカニンの兵士
「そこをどけ、愚民風情が!」

ゾロアーク
「・・・解らぬか、ひれ伏すのは貴様たち侵略者の方だ! ・・・火炎放射!!」
シンボラー
「・・・エアスラッシュ!!」

テッカニンの兵士
「くっ・・・!」

そして、町の中心部に入ると・・・

シンボラー
「・・・ファイアロー! こんな所で何を・・・!!」
ファイアロー
「・・・貴様こそここで何をするつもりだ! ・・・戦火に呑まれて死のうとでもいうのか!!」
シンボラー
「それは・・・」

その後、シンボラーはいきなり敵の方へ駆け寄って言う。

シンボラー
「・・・ゾロアーク。 奴の事はわたしに任せて、先に敵陣へ向かっていてくれ」

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<SIDE ピカチュウ>

その後、俺たちは大急ぎで中心街へ向かう。

ポリゴン/アンディ
「・・・お兄ちゃんどこに行くの・・・?」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・どこに行くも糞もない。 俺が戦いを止める、ただそれだけなんだ」

それから、目の前に見慣れた敵が見える。

ピカチュウ
「ファイアロー、覚悟だ! ・・・雷パンチ!」

俺がファイアローに突撃する、その時・・・。

???
「危ない・・・!」

俺の目の前を、怪しげな影が横切る。そんな気がした。

ファイアロー
「・・・邪魔をするなと言った筈だ、本当に貴様というあまは!」
シンボラー
「ファイアロー・・・」
ファイアロー
「仕方ない。 ・・・この際だけは、俺が貴様を最後まで護ってやる。 ・・・暴風!」

ピカチュウ/廉太郎
「くっ・・・!」

ファイアローの強力な暴風を前に、俺とアンディは成す術もなく・・・。

ピカチュウ/廉太郎
「待て、ファイアロー・・・! ・・・糞っ、身体が・・・」

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ファイアローを取り逃がしてから数分後。俺たちはやっとの思いでメビウスへと戻って来た。

フライゴン
「ひとまずお疲れ様。 ・・・ところで、この子は?」
ピカチュウ/廉太郎
「・・・あの遺跡で保護した子で、名前はアンディっていうんです。 
 ・・・家族が見つかるまでしばらくの間、彼をここで保護させて下さい」

フライゴンさんは軽くうなずく。

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それから、甲板にメビウスのメンバーが集まる。アンディが、皆に軽く挨拶をしたいと言うのだ。

ポリゴン/アンディ
「僕はポリゴンのアンディ。 これからしばらくの間、ここでお世話になります」

ストライク
「おう、よろしくな」
タッツー
「よろしくお願いします」
ミミロル
「よろしく。 それから、解らないことは何でもわたしたちに聞いて」

そして数分後。アンディはあっという間に、仲良しのメンバーたちの輪へと馴染んでいく。

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@タイマントの下町

ワルビアル
「・・・テールナー。 例の2体のレプリカポケモンはどうだ?」
テールナー
「・・・1匹は逃がしましたが、辛うじてもう1匹は誘拐に成功し、只今倉庫内に拘束しております」
ワルビアル
「そうか。 ・・・それでは早速、『改造』を始めよう」

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それからレプリカポケモンは、気を失ったまま、電気エネルギー機関の密室の中に押し込められる。
そして間もなく、そのポケモンには激しい電撃が四方から浴びせられていく。

ワルビアル
「・・・さて。 今度という今度は、兵器として上出来だな」

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【TO BE COUNTINUED】

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