《外伝》鳩に魅せられた者達【下】

しおりが挟まっています。続きから読む場合はクリックしてください
 
ログインするとお気に入り登録や積読登録ができます
読了時間目安:19分
 彼女にあんな顔をさせたかった訳じゃない。傷つけたかった訳じゃない。
 ただクレアが気になって。ただクレアが心配で。ただ──────

 ただ『ピジョンの』クレアにもう一度会いたかった、ただそれだけだったのに。





 ジルがいない、その事に気づいたのはクレアの毛繕いが始まった頃だった。
 餌をやり終わってクレアが毛繕いをしている場所に向かうと、その後ろの定位置にいつもいるジルが見あたらない。
 なんだか上の空なクレアに聞くと酷く憔悴した顔で「分かりません」と答えた。彼女の顔があまりに青白かったから、俺はクレアの身を案じて毛繕いもそこそこに部屋に戻るように言うと素直に従ってくれた。
 レゾールが脱走することは日常茶飯事だけど、ジルが居なくなることは珍しかった。いや、そんなことは今まであった記憶がない。捕まえたムックルの時から生真面目で忠実なポケモンだったジルが、昼になっても帰ってこなくて俺は心配、というより不安に駆られた。もう帰ってこないかもしれない、そんな考えに煽られて俺は急遽店仕舞をしてレゾールと共にジルを捜しに行った。

 空を飛ぶレゾールの上からジルを探し始めて一時間くらい経った。街中やその周囲の草原を粗方見て回ったが見つからない。ふとレゾールの様子を見ると彼も必死に捜しているようで、文句の一つも言わずその表情は真剣そのものだ。ただいくらオオスバメに進化したと言えど、一時間近く飛び続けていたからその顔には疲れも滲んで見えた。
「レゾール、あの森の前に降りてくれ」
 俺はレゾールの身体を労る意味も込めてそう指示した。レゾールはいつもより小さな声で一声鳴くと、ふらふらと降下していった。やはり疲れているみたいだ。森の中を捜す間はモンスターボールの中で休ませようか。そう考えているうちにその森はすぐ目の前に現れた。
 俺が降りやすいようにとしゃがんで体を傾けるレゾールに俺は赤白のボールを見せる。しかし俺が「戻るか?」と聞く前に彼は嫌々と首を振ったので結局それはすぐ仕舞う事となった。
 俺の先を行くようにレゾールが森の中へと入っていく。ぴょんぴょんと跳ねるように歩く様子はスバメの時と変わらなくて懐かしい。おまけに親を捜す雛鳥のように頻りに鳴いているから、なんだか大きなスバメに見えてきた。そういえば捕まえてすぐもこんな感じでジルを追いかけ回していたなぁ、なんてことを思い出した時だった。
 レゾールの一際大きな声に俺は我に返って前方を見る。そこには見慣れた逞しい、頼りがいのある黒い背中があった。
「ジル!」
 俺は駆け寄りながら彼の名前を呼んだ。その声に反応してジルがこちらを振り返る。だけどその目の焦点が合っていない事に気づいて、彼の異様な雰囲気に俺の足は止まっていた。もう一度彼の名前を遠慮がちに呼ぶ。
「ジル…………?」
 今度は何の反応もない。様子がおかしい、そう感じつつも恐る恐る一歩踏み出した瞬間。

 ジルが翼を振り上げてもの凄い勢いでこちらへ向かってきた。





 怯えるクレアから逃げて、でも物心ついた頃にはあの家で生活してた俺に逃げ場なんかなくて、気づけば昨晩来た森の中にいた。ここに来るまで頭の中はずっと答えの出ない堂々巡りを繰り返していた。
 俺は……一体どうしたいんだ。ただ、彼女の事が知りたいだけなんだ。なのに、どうしてこんなにもどかしいんだ? どうしてこんなに苦しいんだ?
 俺が知ろうとする事は彼女を傷つけてしまう。それなら俺は一体──この行き場のない気持ちは一体どうすればいい?
 何十回目かのその問いに辿り着いた時、聞き慣れた声が俺の名前を呼んだ。
「ジル!」
 その声に俺は振り返る。そこには主人がいた。レゾールも一緒だ。二人とも疲れているが、それを吹き飛ばす程の喜びに満ちた顔をしている。主人のその顔を見た時、俺の中の何かが静かに切れた。
 俺はこんなに苦しんでいるのに、どうしてお前はそんなに嬉しそうなんだ?……そうか、俺からクレアを奪って満足してる訳か、今まで散々こき使っておいて最後にその仕打ちかよ! そして懲りずに俺をここまで追い詰めに来たのか。何も知らないのをいい事に。
 許せない──俺は沸き上がる怒りに身を任せて自身の大きな翼を広げ、力を蓄えながら奴に一直線に向かう。奴に鍛えられ覚えた技。奴の決め技で、彼女を救った技、『ゴッドバード』。
 体が燃え盛るように熱くなり、全身に力が漲るのが分かる。凄まじいエネルギーを前に人間などなす術もない。奴は口をぽかんと開けて固まっているだけだ。奴との距離があと数mと近づいた時だった。
「ジル、だめ!!!!」
 その声と共にオオスバメが間に割って入った。レゾールのその一言で俺はやっと正気に戻ったが、突然の事に対応しきれずそのままレゾールにゴッドバードを食らわしてしまう。ガタイの割に体重の軽いレゾールは簡単に吹っ飛んだ。
「レゾール!」
 俺が駆け寄った時には彼は瀕死状態だった。項垂れる俺に主人の押し殺した声がかかる。
「……ジル、しばらくここで大人しくしておくんだ」
 振り返った瞬間にはモンスターボールから放たれた赤い光に包まれていた。久しぶりに入れられたボールの中は異様に狭く感じて居心地が悪い。
 主人は俺の方を見る事無くボールをポケットにしまうと、ぎりぎり聞こえるような声で呟いた。
「いいか、ジル。これは罰だ」





 二匹をボールに仕舞い歩いて家まで帰った。距離が結構あるというのもあったが、何よりその足取りは重く帰ったのは夕暮れ時だった。
 心配そうに出迎えてくれたクレアにジルを見つけて今はボールに閉じ込めている事を伝えるとホッとした顔で「お疲れ様でした」と言った。しかしその顔は幾分か血色が戻ったものの未だ冴えない。だからもう今日は休んだ方がいいよ、と俺が提案すると彼女は少し困ったように頷きとぼとぼと部屋に引き下がって行った。
 俺はリビングの椅子に腰掛け、視界を閉ざすように手で顔を覆った。嫌でも先程の出来事が思い出され、深いため息が口をついて出てしまう。
 ジルに襲われかけた。もしあそこにレゾールがいなければ、ほぼ確実に死んでいただろう。どうして急にあんなことを? 脱走した事も何か関係あるに違いない。けどそれらを引き起こした原因が何か全く分からない。
 俺はジルの入ったボールを机の上に置いた。ボールの外からじゃ彼が今、どんな顔をしているかなんて分からない。でも出したところでポケモンの言葉すら分からない俺にはジルの思っている事なんて分かるはずもない。共通の言葉を持つ人間同士でさえ難しいのだから。
 俺はボールをそっと撫でた。それに呼応するようにボールが小さく揺れた気がした。そのままボールを弄りながら考える。
 ジルは俺の事が嫌いになったのだろうか? でももし俺の所にいるのが嫌になったのだとしたら、このボールに入らなきゃよかっただけの話だ。あの時、彼に逃げる余地はいくらでもあったはず。だけど実際は逃げずに大人しくボールに収まり、それからはこちらが呼びかけない限りたぶん微動だにしていない。でも何かしら不満はある筈なのだ。だから今日のような事が起こったわけで。
「せめて言葉が分かれば……」
 知らず知らずのうちに洩れた自分の呟きにはっとした。ポケモンの言葉を理解する手段があった。俺はボールを持ったまま彼女の部屋の扉を見つめる。
 でも関係のないクレアに頼っていいものか少し悩む。それに今日のクレアはなんだか疲れていたみたいだし……けど、そういえばまだご飯食べてないよな? ちらと時計を見ると結構考えに耽っていたようで、針はもう19時を指そうとしていた。そうだ、ご飯を食べるか聞くついでに軽くぼやいてみよう。そうしたらきっとクレアは何か力になってくれるはずだし、一人で悩んでいるよりはずっといい。俺はボールを片手に、彼女の部屋の扉を少し緊張しながらノックした。
「…………」
 返事がない。聞こえなかったのか、ともう一度少し強めに扉を叩く。しかし何の反応もない。
 どうしたんだろう? もしかして具合が悪くなって立てなくなってたりするんじゃないか? そう思うといてもたってもいられなくなって、俺はとうとうその扉を開けてしまった────────

 暗い。最初に思ったのはそれだった。明かりも付けずに何をやっているんだろう、そんな疑問が口をついて出る前に俺は信じられないものを目の当たりにした。



 クレアの部屋の真ん中にピジョットがいたのだ。



 月明かりに照らされたその翼は尽く羽根が抜けて地肌が見えていて、目も当てられない程悲惨だった。そんなピジョットを見つけて俺は。
「……く、れ……あ……?」
 何故か彼女の名を呼んでしまった。つい口にしてしまった。ピジョットが彼女なわけないのに。彼女がピジョットになるわけないのに。だけど。
 ピジョットの肩がびくりと大きく震えて素早くこちらを振り返った。その目は真ん丸に見開かれ、掠れた声を出しながらピジョットは後ずさる。そうして怯える彼女の姿にずっと前に助けたあるポケモンの姿が過る。
 次の瞬間、ピジョットは逃げた。後ろの窓を突き破り必死に覚束無い翼を振り乱し何とか飛び立って行く。俺はそれをただ呆然と見ているだけだった。
 弛んだ手から転げ落ちたボールがうるさいほどに揺れていた。それをぼんやりと見つめながら俺は直感的にある一つの結論に辿り着く。

 ────クレアは、さっきのピジョットで、前に助けたあのポッポなのか────





 モンスターボールの中から一部始終を見ていた俺は出して欲しいと暴れまくった。クレアが居なくなってしまう、そう直感したから。
 だけど主人の許可はなかなかおりない。というより意識が飛んでいっているようだ。俺はとうとう主人の言いつけを破ってボールから飛び出した。
 俺の登場に驚く事すらできないくらいに未だ気持ちの整理がつかない主人を構う暇も惜しく、すぐにクレアの後を追う。
 クレアの姿は既に遠くぎりぎり見える程度だ。あんなまともに飛べなさそうな翼でよくあそこまで飛べたものだと感心したいところだが、今回に限っては飛べなきゃ良かったのに、と思う。俺は彼女に追いつこうと死に物狂いで両翼を動かした。

 クレアを追いかけていたはずなのに、気づくとその姿を見失い暗闇の中にいた。俺はひたすら彼女の名前を呼び続けた。声が枯れる程に叫び続け、息が切れても飛び続けた。
「クレア! どこだ!? どこにいるんだ!? いるなら返事してくれ! クレア!!
 …………ちくしょう、こんな事になるなんて……」
 思いもしなかった。知っていたらあんな事言わなかった。知ろうとしなかった。こんな形で真実を知ってしまうくらいなら知らないでいた方がずっとマシだった。モヤモヤしたまま二人の傍にいる苦しみならまだ耐えれたのに。俺が居なければ二人はあのまま幸せになったはずだった。居なくなるべきなのはクレアじゃない、邪魔なのは俺の方なのに──俺の心は後悔の念で一杯になる。

 ──────こんな運命、認める訳にはいかない。
 誰の為? クレアの為? 主人の為? 二人の為?……全部違う。全ては俺の為だ。この後悔を、苦しみを、罪を償う為に。
 どうにかしようと俺は飛び続けながら必死に考えた。何でもいいから縋れるものを──そして思い出したんだ。『先導師』とかいう胡散臭い奴らが言っていた言葉を。

 『世の果てに向かえ』

 その言葉を思い出した途端、俺はあらん限りの声で叫んでいた。
「リード! ガイド! お願いだ! 出てきてくれ! 俺も、俺も先導してくれ! 何でもしてやるから!」
 俺の掠れた懇願は静かな闇夜に吸い込まれる。静寂だけが辺りを覆う中、どこからか物悲しい歌声が聞こえてきた。何を言っているのかまでは聞こえないが、俺は導かれるように声のする方へと向かう。
 近づくにつれ闇は深くなり、声も聞き取れるようになる。『絶世の魔女』? 聞きなれない単語に俺が首を傾げた時だった。
 暗闇の中、ぽかんと浮かび上がるように鮮やかな色合いのポケモンが姿を現した。どうやらこの歌を奏でているのはそのペラップのようだ。更に近づくと、その隣にいたヨルノズクの存在にも気づく。
 呼びかけようと口を開くが、散々叫び続けた喉から出せる声はもう無かった。それでも彼らは同時に振り返り、俺の到着を確認するやいなや独特の鳴き声を交わす。
 何が始まるんだ……? 二匹がじっと見据える先の闇に目を移す。すると急に二匹は恭しく頭を下げた。俺は訳が分らないまま立ち竦む。
 圧倒的な存在感、姿は見えないのに突然それを感じた。目を背けたくなるのに、それを許さない程の威圧が俺の身体を動けなくさせる。
 闇夜に徐々に目が慣れてくるように、認識できるようなったのは白髪とそこから垣間見える翡翠のように透き通った目だった。それに伴い細身の体に纏う深紫のドレスも見えてくる。誰に教わるでもなく俺は彼女の存在を理解した。さっきリードが歌っていた中の『絶世の魔女』なんだな、と。魔女が徐ろに口を開く。
「汝は運命に抗う事を望むか?」
 気になる事は沢山あった。寧ろこっちがいろいろ聞きたいところなのに先に質問されるとは思っていなかった。だけど彼女を前にして余計な事は言えそうになく、俺は素直に声にならない声で答える。
「……はい。俺の全てを犠牲にしてでも────クレアを取り戻したい」
「意志は固いようじゃな」
 すっ、と『絶世の魔女』の目が細められた。それは笑っているのか悲しんでいるのか判別しにくい表情で、俺はどう返せばよいか悩んでしまう。しかし俺が言葉を発する前に彼女の制止が入った。
「もうよい。何も言わずとも妾は全て知っておる。お主の知りたい事も全て、な。折角ここまで来れたのだ、教えてやろう。
 もう分かっておろうが、ピジョンだったクレアを人間にしたのは他でもない、この妾だ。彼女がポケモンであるという運命を覆してやったのだ。
 その事がもし誰かに知られようものなら……その存在を消すという条件付きでな」
 予想は付いていたものの実際にそう言われて、ありえない事実に俺は面食らう。更に『絶世の魔女』は勿体つけるように「お主が今一番知りたい事じゃが……」と前置きをするから、思わず生唾を呑み込んだ。
 これ以上一体どんな信じられない話をされるんだ? 魔女の重たい口から放たれる一語一句を聞き逃さないよう耳を澄まし凝視する。
「彼女──クレアはもうこの世にはおらん。その存在自体消えつつある……お主はこの運命をどうするつもりじゃ?」
「…………変えてやる……貴方ならその方法が分かっているはずです」
「そうじゃ、妾にできる事など限られておる。そして、それを分かっておるのは妾だけじゃ。
 じゃが……お主はそれで良いのか? 何もしなければお主の記憶からも消えゆく存在の為に己を犠牲にしても」
「構いません。それにこれは俺の為でもあるんです」
 そう、俺の後悔を、罪悪感を拭う為。意志の篭った目で彼女を見返すと、魔女は観念したとばかりに小さくため息を吐いた。
「何をするか聞かぬうちから断言するとは……後悔しても知らぬからな」
 彼女の言葉に「後悔ならもう充分しましたよ」と小声でぼやき返す。それが聞こえたのか、『絶世の魔女』はくすりと寂しそうに笑った。それと同時に俺の体が宙に浮く。何事かと身を捩ると、はぁ、と呆れた深いため息が聞こえた。そちらを見るとガイドが大人しくしてろと言わんばかりに睨みつけてきている。なんだよ、と睨み返す前に下から魔女の声がした。
「運命の反逆者よ、よく聞くがいい。今から汝がジルという者である事を覆し、クレアを取り戻す。つまり、クレアの代わりにジルという存在をこの世から消し、お主はこれからクレアとして生きるのだ」
 『絶世の魔女』の言っている事は分かるような分からないような、そんな説明だった。それは俺が望んでいた事で合っているのだろうか?……その答えは出せないまま、俺の意識は闇に沈んでいった。





 控えめな鳥ポケモンの鳴き声を目覚まし代わりに俺は寝床から起き上がった。庭先に出ると朝日を反射して黄金色に輝く綺麗な羽を持ったピジョットがモモンの実を咥えて地面に立っている。
「やぁ、おはよう。今日もご苦労様」
 口癖のように出た言葉だったけど、なんだかこうしてピジョットに会うのは久しぶりのような気もした。
 そっと手を伸ばしてみるが特に逃げ出す様子もなく、容易に撫でる事ができた。とても気持ち良さそうにクルル、と喉を鳴らし目を閉じている。こんな大きな鳥ポケモンを持った覚えはないのに、手慣れている自分に少し驚いた。
「そうだ、ちょっと待ってて」
 ある事を思いついた俺は急いで物置部屋になっている一室に向かう。扉を開けると思っていたよりも片付いていて、わりかし綺麗だった事に驚いた。
 しかも運良くモンスターボールが一つ床に転がっている。探す手間が省けた、なんて思いながら俺はそれを拾って、ふと顔を撫でる風に気づいた。目線を上げると窓が盛大に割れているのが目に入った。
「おいおい……いくら何でもこれは酷いな」
 近所の子供のイタズラだろうか? ここは街外れだから野生のポケモンという事も有り得る。どちらにせよ後で修理しなきゃな、と頭に残して俺はそそくさと庭に戻った。
 幸いピジョットはまだそこに居てくれた。俺は手の中のモンスターボールを見せていつかのようにこう尋ねる。
「俺の所に来ないか?」
 ピーッと嬉しそうに鳴いた声が、まだ幼かった誰かと重なった気がしたけど、それを思い出せないうちにピジョットはボールに納まる。もう一度出してやると不思議そうに首を傾げてこちらを見つめてきた。そんなピジョットに俺はこう名づけた。
「お前の名前は────クレア。宜しくな」








 私の恩返しは、あの人間のパートナーとなる事で果たされました。今では大好きな主人です。彼も私の事を目一杯可愛がってくれます。
 私が普段生活している鳥小屋の他の皆さんもとても良くしてくれて、私の毛繕いが評判になり今では毎朝の日課となっています。しかもそれが主人のお仕事に良い影響を与えているようで嬉しい限りです。

 月の明るい夜は何かを思い出せそうな、そんな気がするんです。ぶっきらぼうですが、とても頼りになる優しい誰かの存在。でもそれが誰かは全然わからないんです。小さい頃に別れたお父さん? お兄さん?……それとはなんだか違う気がして。
 しばらく考え耽るのですが結局思い出す事はなく、ホーホーさんの声も聞こえなくなるくらい夜が更けてから私は今日も眠りにつくのでした。
これにて完結となります。
『鶴の恩返し』を元にしたと言うには些か話を改変し過ぎた感は否めませんが、楽しんでいただけましたでしょうか?
『絶世の魔女』の正体はお分かりになりましたか?
これを書き始めた当時は『ポケモン昔話』といった体でシリーズものにするつもりで、その過程で『絶世の魔女』の正体を明かすつもりだったのですが……このまま明かさずいくのも良いかもしれませんね。

ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
次作が整えばまたお付き合いしていただけますと幸いです。

読了報告

 この作品を読了した記録ができるとともに、作者に読了したことを匿名で伝えます。

 ログインすると読了報告できます。

感想フォーム

 ログインすると感想を書くことができます。

感想