王の帰還
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「道をあけろ。我々は警察だ!」
扉を開口一番。妙な格好をした集団が目に入った。ナックル城宝物庫前の大通りに群がる集団に、コウタローは声を張り上げるが、周りからは罵声が響くばかりで一向に道が開ける気配がない。
このままでは犯人の身柄を護送できない。
「お前ら、ペルの主張する入れ替わり説、本気で信じてるのか?」
キバナも事態を収束させようとしていたが、かえってヒートアップした群衆は、石を投げてくる始末である。まるでサファリゾーンだ。
法の番人たる警察や、ナックルシティを代表するジムリーダーの言葉のいずれも、集まったキグルミ達の心に届く様子はなかった。
「入れ替わりが無いという証拠を見せろ!」
「そうだそうだ!」
「ペル様の存在が、入れ替わりの証拠だ!」
「そうだそうだ!」
「二十歳になったら、ポケモンになろう!」
「そうだそうだ!」
群衆の一人が叫ぶと、周囲から賛同する声が次々あがる。
取り囲んでいる者たちの服装は、インテリオン、ゴリランダー、エースバーンなどの人気なポケモンから、あまりメジャーでないものまで多種多様だ。異様な光景である。
ふと、マスターの視線が群衆のひとりに止まった。
視線の先にはブリムオンのコスプレをしたポプラがいた。ほんと、どこにでもいる人だなあと思う。
ポプラ は、マスターに向かって何事か呟いていた。ポプラは何を言っているかわかるように、唇の動きをわざと大きくしながら目線をマスターに向けている。
【あたし達はガラスのように、もろくて壊れやすい仮面をかぶって演技しているんだ。どんなに見事にその役になりきって、すばらしい 演技をしているつもりでも、どうにかすればすぐに壊れて素顔がのぞく。なんて危なっかしいんだろう。この“ガラスの仮面”をかぶり続けられるかどうかで、役者の才能が決まるんだよ】
テレパシーを用いなくても、私にもその唇の動きで台詞が理解できた。
ファンタスティックシアターの二つ名を持つポプラの言葉は、マスターの胸に深く、鋭く刺さったらしい。真剣な目をして、師匠に向かい頷く。
後に私は、これがカントーでその昔、人気を博したアニメのセリフだったことを知り、別の意味で衝撃を受けるのだが、それはまた別の話である。
「かぶるんだ、ガラル王の仮面……わたしはガラル王……」
マスターは胸に手を当て、深呼吸ひとつ。そして、すっと唇を割り――
「――我が声を聞け!」
いかな群衆のざわめきの中でも響き渡る、明朗な声音で叫んだ。圧倒的な存在感で、威厳すらまとう少女の声に、群衆はピタリと動きを止めた。
彼らはそれが年端もいかぬ少女であることに気づくと、今から何を言うのか、と好奇の視線を送る。
少女が、ガラルの象徴とされるチャンピオンその人であることも好奇心を刺激したのだろう。
「私は、トエル・ファラオ・ガラル! ファラオは古代ガラル語で“王”、トエルは“真”、君たちはガラルの正統な王位継承者の前に居るのだ。静まりたまえ!」
マスターが完全に場を支配していた。
ただの少女とは思えぬ気迫と威厳のこもった声に、群衆は呆気に取られたように静まっていた。その隙を見逃すことなく、マスターは言葉を続け、畳みかける。
「ハヤブサのペル!」
群衆の目前でハイパーボールを投げ、ペルを呼び出す。
突如ボールから呼び出された、見知った党首の姿に、群衆の間でざわめきが起こった。
マスターの視線を受け、ペルは力強く頷いた。そして、マスターはそのペルの手に、何やら握らせた。
ポフィンである。それを一口かじると、満足気にペルは大衆の前に静かに歩み寄る。群衆は、自分たちの党首の登場に期待の眼差しを送っていた。
「この場に集いし、我が同胞よ。まずは感謝しよう――」
ペルが重々しく口を開くと、群衆は期待に満ちた眼差しを送る。
「――だが、言葉を慎みたまえ、君たちはガラル王の前にいるのだ!」
自分たちが信望する党首の突然の発言に動揺が大きく広がる。当然だろう。話に聞くに、ここに集まってきた者たちにとっては、ペルこそが国王だった。
現在、ガラル王家には国王という立場が不在であり、それぞれの派閥が勝手に国王を立てようとしているのが現状であるらしい。
ガラルが国という形を現代はとっていないため、そもそも国王とは王族の間での役職呼称であり、広く世界に対しては何の意味も持たない。
「静かにしたまえ、諸君。3分間待ってやる!」
今まで国王と信望してきた相手から、なぜか唐突に与えられた3分間。その間、キグルミ達は視線を送り、どうしようか、とお互い顔を見合わせていた。
この間、ペルはマスターからポフィンのお代わりを貰っており、満足そうに食べていた。控えめに見えも完全に餌付けされているが、そんな様子に気づいているのは私だけらしく、誰も何も気に留めてもいなかった。
「時間だ、話をしよう」
気を取り直し、意気揚々とペルは群衆の前に舞い戻った。
「ガラルチャンピオンとして、このお方を知る者がほとんどだろう。諸君たちの中には彼女がホウエン地方の出自であると知る者もいるのではなかろうか。何故ホウエン出身者がガラル王なのか……。古の歴史書を紐解かねばならなくなるのでこの場で長くは語るまい。そう。この方の一族と今このガラルの地に残る一族は、もともと一つの王家だったのだ。かつて、大災厄と呼ばれた“神々の黄昏 ”の時、二つに分かれたがね」
ペルはそこからもっともらしいことを語り始めた。
かつてナックル城は古代科学技術により動くことのできる、城そのものが軍事兵器であると同時に最強の要塞であった。空を飛ぶことさえでき、かつては『天空の城』とも称されたという。
敵に対しては、雷をもって裁きを下し、一夜のうちに外敵の住まう国を焼け野原にしたこともあったのだという。旧約ガラル聖書ではソドムとゴモラを滅ぼした天の火であり、ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているらしい。
……ソドムとかゴモラ、ラーマヤーナとは何だろう。
「正統なるガラルの血を宿し、ガラルチャンピオンにまで上り詰めるほどの技量……そして今再び、この世界を厄災が襲おうとしており、この窮地を救えるのはこのお方をおいて他には居らぬのだ」
ノリでついた嘘、というわけではないのだろう。王家の者にしか知り得ぬ伝承もあるに違いない。
私の勘ではあるが、おそらく、マスターにはガラル王家の血が流れている。
カイトは、別世界のマスターは、古代ガラル王家の王の血を引いていると言っていた。平行世界は、どれも似た道筋を辿ると言う。そのことから、私は、ペルの話を本当のことだと判断していた。
もっとも、当事者のペルは細かな話を知らないはずなので、単にこの場を鎮めるように言われて、自身の知っている伝承を交えながら、その場で作り上げた話をもっともらしく語っているだけの可能性も否定できない。
「……では、ペル様。ペル様の掲げておられた主義思想はどうなのですか? 我々もいつかポケモンに取って代わられると……」
群衆の一人が、縋るように言う。今まで信じていた党首ペルが、真の王は自分ではなく、年端もいかぬ少女だと突然言い出したのだ。根本を問うのは当然と言える。
「あ……」
ペルはそこまで考えて居なかったらしく、目が完全に泳いでいた。
群衆がその様子に気づくよりも早く、助け舟を出したのはマスターだった。
「……ペルの代わりに私が説明しよう。そのことの解も出ておる。ペルの言うことは間違いではない。だが、消えたものはいつまでも消え続けているのか? 否、そうではない。そこのエースバーン!」
マスターが指さした先にはエースバーンのコスプレをした男――コードネーム“管理人”、二つ名“魔蹴 のマッシュ”その人が他のポケモンのキグルミをした者たちに混ざっていたのである。
コウタローが今回の“不自然な ”ポケモンの件で呼び出したのとタイミングが合わさったらしく、このキグルミの群れに紛れる形になっていた。
むしろ、普段は一人だけコスプレをしている分、今日のほうが自然に溶け込んでおり、違和感がないくらいだった。
マスターはマッシュが居ることに気づいており、咄嗟にこの芝居に組み込んだのだ。アドリブである。伊達や酔狂で“ファンタスティックシアター”の弟子をしていたわけではない、とその目は語っている。
「俺は、“キリン”を見たぜ」
マッシュはいつもの口調で言った。
一瞬静まり返ったが、誰からともなく、「キリンってあのキリンか?」という声があがり、キリンというワードに一同は衝撃を受けていた。
「見間違えじゃないのか、同胞よ!?」
周囲の者はざわめいていた。
この場において、キグルミを着たマッシュは仲間だと完全に勘違いされていた。仲間が、キリンを見たと証言したのだ。信じないわけにはいかない。
「いいや、間違いない、俺は見たぜ。ワイルドエリアから線路の伸びた先の、ヨロイ島へと向かう駅のホームからも見える。めっちゃ目が良い奴なら、アーマーガアタクシーからでも見えると思うぜ」
群衆はざわめき、ペルはまた、「3分間待ってやる!」と言って、その場を鎮めた。同時にすかさずマスターから貰ったポフィンを頬張る。
やたらと3分間にこだわりたがるが、一同が冷静さを取り戻すには充分な時間であり、一転した静寂があたりを支配する。
そんな中、口を開いたのはマスターだ。
「全てはわからぬ。暇を持て余した神々の戯れやもしれぬ……だが、前例が一つでもあれば、状況は一変する。ガラルに住まう者たちは皆、太古の昔から、環境の変化に適応し、いかな苦境と言えど乗り越えてきた。外敵が東海より攻め入った際には、当時は何の知識もなかった“巨大化”を駆使し、海の彼方へと返したという。今もバウタウンに残る古い言い伝えだ。ラーマヤーナではインドラの矢と伝えているがね」
マスターは威厳のある口調を崩すことなく、堂々たる態度で述べた。
ラーマヤーナは相変わらず何かわからなかったが、マスターの述べているのが、バウタウンで見た石像のストリンダーであることはすぐに思い当たった。
それはこの場に居る者も同じで、すぐにバウタウンに伝わる昔話であると理解したらしく、自身の知識と目の前のガラル王と名乗る少女の語ることが結びついたことで、熱心に話に聞き入っていた。
マスターは、ただ思いついたことを強引に結び付けたのだとは思うが、群衆心理を掌握することに長けた雰囲気は、マスターが完全に“ガラル王”を演じていることを証明していた。
「失われたものは、やがてよみがえる。私は、かつて存在し、失われた秘術を扱うことができる。キョダイマックスがこの世に現れ、代わりに消失した力だ。さあ……これから王の復活を祝って、諸君に異界の力を見せてやろう」
マスターの言葉に宿った念が、私に向けられていることに気づいた。
「……見せてあげよう、青き彗星の本領を! 旧約ガラル聖書にある、えーっと……ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」
何となくその場で言っているので、既にネタ切れを起こしているのか、マスターは同じようなことを繰り返していた。
マスターは、私の方を振り返り、胸元を指す仕草をした。
私の胸元には、以前マスターから預けられたままのリングがネックレスとして下げられている。
「キョダイマックスとは異なる、別の力、今は名もなき秘術……えーと」
そろそろ本格的に困り始めたらしい。集中力も途切れており、ガラル王の仮面が剥がれかかっていた。
私は咄嗟にテレパシーで、『メガシンカとでも言っておいてください』と伝えた。厳密に言うと、メガシンカではないと思うのだが、原理的にはあちらに近いと思う。
マスターはすぐに気を取り直し、声を張り上げた。
「――メガシンカ!」
ワイルドエリアにほど近く、ナックルスタジアムというパワースポットの恩恵も得たこの地にはガラル粒子が豊富で、条件は合致していた。
それに加え、私の胸のリングにあしらわれた隕石が反応し、私は、自身の身体にダイマックスのとき以上に力がみなぎっていくことを感じる。力と共に身体も大きくなる感覚、未来でメルメタルと闘ったとき以来だ。
群衆を見下ろし、私はその姿を披露した。マスターが、『まるで披露宴だね』と脳内で語りかけてきたのがわかる。この状態のテレパスは通常の3倍だ。
私の花嫁姿のような白いウエディングドレスのような形状、そして集まった人々が感嘆の声をあげるのを見て、マスターはそう感じたのだろう。なんだか照れくさくなった。
ふと手を見ると青い光が覆っていた。私の身体を青い光が揺らめいている。
今、初めて自分が赤ではなく、青の光をまとっていることに気づいた。メルメタルのときは無我夢中でそこまで気が回らなかったが、普通のキョダイマックスの光とは異なるらしい。
そういった部分も含めて、私のこの姿は、この世界には今のところは見られない現象だ。マスターと未来から戻ったときに、不要な混乱を招く可能性があるため、ランクマッチバトルも含め、普段は使わないでおこうと取り決めていたのは正解だったかもしれない。
キバナはすかさず写真に撮り、SNSに投稿しているようだった。インフルエンサーのキバナの投稿はすぐに拡散され、もう世界に知れたと言っていい。
マスターはすっかり当初の取り決めなどは忘れており、今この場の演技に全力を尽くしていた。何言も一直線だな、とそれすら微笑ましく思う。
「ペル! キズナ変化!」
ノリで今思いついた技のようなものをマスターが叫ぶと、これまたノリで何となく察したペルはその指示を受け、ファイアローへと変化した。
空を飛ぶと、私の肩へちょこんと留まり、羽を休めた。
脳裏に、『手乗り文鳥』というワードが浮かんだが、この世界にそのようなものは存在しなかったはず、いや、あったのか?
そのように何かが頭を過る。それは、この場にいる者も同じであるらしく。「インコみたい」、「インコって何だっけ、ああ、インコか」というような声も足元の群衆からも漏れていた。そうか、確かにインコも肩に留まる。
これが、いつの間にか失われている存在なのだろう。そして、何かのきっかけに人々の記憶に蘇る。この感覚だ、これを忘れないようにしなければならない、と直感した。なんとなく思い出し、なんとなく忘れる。それが今のこの世界における“動物”なのだ。
私は、ペルの主義思想が決して間違ってはいないことを確信した。
「おおおお…………! 純白の衣の気高きことよ……そして、なんと美しき青なのじゃ……!」
肩にファイアローをのせたる私を見て、突然、声を張り上げたブリムオン――否、コスプレをしているポプラが居た。
その場に響き渡る声量でしわがれた老婆の演技をしている。圧倒的な存在感、光も当たっていないのに、あたかもスポットライトが当たっているかのごとく、“ファンタスティックシアター”は輝いていた。
「……その者、蒼き光まといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を遠き約束の地に導かん……古き言い伝えは真じゃった!!」
両の目を見開き、手を大きく空に広げ、ポプラは慟哭した。そして、隣にいたポケモンのキグルミを着た男のこめかみを鷲掴みにし、グイッと私の方へ視線を向けさせる。
「なんという、いたわりと友愛じゃ! ペルが心を開いておる! お前たち、わしの盲いた目の代わりによく見ておくれ……!」
皆、言葉を飲んでいた。
私も少し手助けしようと思い、膝を曲げ、巨大化した手のひらにマスターを載せ、胸元へ寄せると立ち上がった。ちょうど、人々は上を仰ぎ見る形になる。
マスターは大きくなった私の胸元で、叫んだ。
「入れ替わりそのものはあるだろう。ペルの存在はそれの証明だ。だが、その原理を知る者はいるか? この世界と平行し数多の異世界が存在を知る者は居いるか? いないだろう。その異界とこの世界との境界に何かが起きているのだ。それこそが、異変の原因だ」
ポプラに感化され、マスターは再び俳優としての心を取り戻し、崩すことなく演じる。事態は既に収拾に向かっていた。
「……諸君らの愛しているペルは私と共に歩むと言った。何故か? それは、この世界の異変に立ち向かうという勇猛なる意思表示だ……今までのしがらみは忘れよ、国民よ! 今こそ一つになる時だ! 立てよ、国民よ!! 我らガラル国々民こそ、選ばれた民である事を忘れないで欲しいのだ! 世界の中心に住まう我らこそ、人類を救い得るのである!! ジーク・ガラル!」
言い切り、若干のドヤ顔を決めるマスター。途中からもはや何を言っているのか冷静に聞いているとチグハグなことを言っているのだが、熱量を持った人々には、それはもはや天からの啓示であった。
積を切ったように歓声が溢れ出す。人々は口々に叫ぶ。
「ガラル王バンザイ!」
「青い彗星バンザイ!」
「ペル様バンザイ!」
「ガラル万歳!」
「万歳 !」
「万歳 ・ガラル!」
「ジーク・ガラル!! ジーク・ガラル!!」
響き渡る“ジークガラル”。
気づけば、キグルミを着ていない人も足を止め、その集団に賛同するかのように盛り上がっていた。
それもそうだろう。見たことのないフォルムの色違いサーナイトに、その手にはガラルチャンピオン。
足元には元チャンピオンにして現ポケモンリーグ運営委員長のダンデ。それにインフルエンサーにしてナックルスタジアムのジムリーダーを務めるキバナだ。
人々は一体化し、一致団結していた。
完全にその場を掌握したマスターは私を振り返り、微笑んだ。大きなことをやり遂げた、すごく良い表情をしていた。
ガラル王の誕生である。
将来、学校の教科書に載るような歴史の節目を今見ているのかもしれない。人々の想いにこもった熱気と、未来を変える改革の意志がここにはあった。
民の心はひとつにまとまり、何か大きなことをやり遂げられそうなそんな気持ちになってくる。
――が、忘れてはいけない。
元々ただ外に出ようとして、群衆が道をふさいでいたので、私たちはただそこを通りたかっただけなのである。
別に、思想の分かれた王族を一つにまとめ、ガラルの民を束ねるとか、そんなことはちっとも考えていなかった。
盛り上がり続ける人々を見て、逆にこれはどう収拾つけるのだろう、と考えると軽くめまいがした。
マスターはいつも直球、どまんなか。
私はそんな彼女が大好きだ。たぶん、これからも。ずっとそうに違いなかった。
――――――――――
【補足】
〇天空の城とは?
かつてナックル城は、ガラルの科学力の粋を集め、巨大な“ねがいぼし”により、空を飛ぶことさえできたという。海の彼方の国々と戦争をしていたという記録もあるが、厳密には定かではない。そもそも、空を飛べたかどうかも怪しく、単なるおとぎ話の類とも言われている。この昔話をもとに作られたアニメ『天空の城ラピュタ』は、少年少女の冒険譚として人気で、その中のムスカ大佐というキャラクターのセリフに、「ラーマヤーナ」や「インドラの矢」などが出て来る。
マスターやキバナ、ペルもこの作品が好きで、調子に乗ってセリフをパクりまくっていた。
○ジークガラルとは?
マッシュや孤児院ホームの子どもたちも大好きなアニメ『機動戦士ガンダム』に似たような台詞が出てくる。
マスターはこれもまたアドリブで調子に乗ってパクっていた。
――――――――――
扉を開口一番。妙な格好をした集団が目に入った。ナックル城宝物庫前の大通りに群がる集団に、コウタローは声を張り上げるが、周りからは罵声が響くばかりで一向に道が開ける気配がない。
このままでは犯人の身柄を護送できない。
「お前ら、ペルの主張する入れ替わり説、本気で信じてるのか?」
キバナも事態を収束させようとしていたが、かえってヒートアップした群衆は、石を投げてくる始末である。まるでサファリゾーンだ。
法の番人たる警察や、ナックルシティを代表するジムリーダーの言葉のいずれも、集まったキグルミ達の心に届く様子はなかった。
「入れ替わりが無いという証拠を見せろ!」
「そうだそうだ!」
「ペル様の存在が、入れ替わりの証拠だ!」
「そうだそうだ!」
「二十歳になったら、ポケモンになろう!」
「そうだそうだ!」
群衆の一人が叫ぶと、周囲から賛同する声が次々あがる。
取り囲んでいる者たちの服装は、インテリオン、ゴリランダー、エースバーンなどの人気なポケモンから、あまりメジャーでないものまで多種多様だ。異様な光景である。
ふと、マスターの視線が群衆のひとりに止まった。
視線の先にはブリムオンのコスプレをしたポプラがいた。ほんと、どこにでもいる人だなあと思う。
【あたし達はガラスのように、もろくて壊れやすい仮面をかぶって演技しているんだ。どんなに見事にその役になりきって、すばらしい 演技をしているつもりでも、どうにかすればすぐに壊れて素顔がのぞく。なんて危なっかしいんだろう。この“ガラスの仮面”をかぶり続けられるかどうかで、役者の才能が決まるんだよ】
テレパシーを用いなくても、私にもその唇の動きで台詞が理解できた。
ファンタスティックシアターの二つ名を持つポプラの言葉は、マスターの胸に深く、鋭く刺さったらしい。真剣な目をして、師匠に向かい頷く。
後に私は、これがカントーでその昔、人気を博したアニメのセリフだったことを知り、別の意味で衝撃を受けるのだが、それはまた別の話である。
「かぶるんだ、ガラル王の仮面……わたしはガラル王……」
マスターは胸に手を当て、深呼吸ひとつ。そして、すっと唇を割り――
「――我が声を聞け!」
いかな群衆のざわめきの中でも響き渡る、明朗な声音で叫んだ。圧倒的な存在感で、威厳すらまとう少女の声に、群衆はピタリと動きを止めた。
彼らはそれが年端もいかぬ少女であることに気づくと、今から何を言うのか、と好奇の視線を送る。
少女が、ガラルの象徴とされるチャンピオンその人であることも好奇心を刺激したのだろう。
「私は、トエル・ファラオ・ガラル! ファラオは古代ガラル語で“王”、トエルは“真”、君たちはガラルの正統な王位継承者の前に居るのだ。静まりたまえ!」
マスターが完全に場を支配していた。
ただの少女とは思えぬ気迫と威厳のこもった声に、群衆は呆気に取られたように静まっていた。その隙を見逃すことなく、マスターは言葉を続け、畳みかける。
「ハヤブサのペル!」
群衆の目前でハイパーボールを投げ、ペルを呼び出す。
突如ボールから呼び出された、見知った党首の姿に、群衆の間でざわめきが起こった。
マスターの視線を受け、ペルは力強く頷いた。そして、マスターはそのペルの手に、何やら握らせた。
ポフィンである。それを一口かじると、満足気にペルは大衆の前に静かに歩み寄る。群衆は、自分たちの党首の登場に期待の眼差しを送っていた。
「この場に集いし、我が同胞よ。まずは感謝しよう――」
ペルが重々しく口を開くと、群衆は期待に満ちた眼差しを送る。
「――だが、言葉を慎みたまえ、君たちはガラル王の前にいるのだ!」
自分たちが信望する党首の突然の発言に動揺が大きく広がる。当然だろう。話に聞くに、ここに集まってきた者たちにとっては、ペルこそが国王だった。
現在、ガラル王家には国王という立場が不在であり、それぞれの派閥が勝手に国王を立てようとしているのが現状であるらしい。
ガラルが国という形を現代はとっていないため、そもそも国王とは王族の間での役職呼称であり、広く世界に対しては何の意味も持たない。
「静かにしたまえ、諸君。3分間待ってやる!」
今まで国王と信望してきた相手から、なぜか唐突に与えられた3分間。その間、キグルミ達は視線を送り、どうしようか、とお互い顔を見合わせていた。
この間、ペルはマスターからポフィンのお代わりを貰っており、満足そうに食べていた。控えめに見えも完全に餌付けされているが、そんな様子に気づいているのは私だけらしく、誰も何も気に留めてもいなかった。
「時間だ、話をしよう」
気を取り直し、意気揚々とペルは群衆の前に舞い戻った。
「ガラルチャンピオンとして、このお方を知る者がほとんどだろう。諸君たちの中には彼女がホウエン地方の出自であると知る者もいるのではなかろうか。何故ホウエン出身者がガラル王なのか……。古の歴史書を紐解かねばならなくなるのでこの場で長くは語るまい。そう。この方の一族と今このガラルの地に残る一族は、もともと一つの王家だったのだ。かつて、大災厄と呼ばれた“
ペルはそこからもっともらしいことを語り始めた。
かつてナックル城は古代科学技術により動くことのできる、城そのものが軍事兵器であると同時に最強の要塞であった。空を飛ぶことさえでき、かつては『天空の城』とも称されたという。
敵に対しては、雷をもって裁きを下し、一夜のうちに外敵の住まう国を焼け野原にしたこともあったのだという。旧約ガラル聖書ではソドムとゴモラを滅ぼした天の火であり、ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているらしい。
……ソドムとかゴモラ、ラーマヤーナとは何だろう。
「正統なるガラルの血を宿し、ガラルチャンピオンにまで上り詰めるほどの技量……そして今再び、この世界を厄災が襲おうとしており、この窮地を救えるのはこのお方をおいて他には居らぬのだ」
ノリでついた嘘、というわけではないのだろう。王家の者にしか知り得ぬ伝承もあるに違いない。
私の勘ではあるが、おそらく、マスターにはガラル王家の血が流れている。
カイトは、別世界のマスターは、古代ガラル王家の王の血を引いていると言っていた。平行世界は、どれも似た道筋を辿ると言う。そのことから、私は、ペルの話を本当のことだと判断していた。
もっとも、当事者のペルは細かな話を知らないはずなので、単にこの場を鎮めるように言われて、自身の知っている伝承を交えながら、その場で作り上げた話をもっともらしく語っているだけの可能性も否定できない。
「……では、ペル様。ペル様の掲げておられた主義思想はどうなのですか? 我々もいつかポケモンに取って代わられると……」
群衆の一人が、縋るように言う。今まで信じていた党首ペルが、真の王は自分ではなく、年端もいかぬ少女だと突然言い出したのだ。根本を問うのは当然と言える。
「あ……」
ペルはそこまで考えて居なかったらしく、目が完全に泳いでいた。
群衆がその様子に気づくよりも早く、助け舟を出したのはマスターだった。
「……ペルの代わりに私が説明しよう。そのことの解も出ておる。ペルの言うことは間違いではない。だが、消えたものはいつまでも消え続けているのか? 否、そうではない。そこのエースバーン!」
マスターが指さした先にはエースバーンのコスプレをした男――コードネーム“管理人”、二つ名“
コウタローが今回の“
むしろ、普段は一人だけコスプレをしている分、今日のほうが自然に溶け込んでおり、違和感がないくらいだった。
マスターはマッシュが居ることに気づいており、咄嗟にこの芝居に組み込んだのだ。アドリブである。伊達や酔狂で“ファンタスティックシアター”の弟子をしていたわけではない、とその目は語っている。
「俺は、“キリン”を見たぜ」
マッシュはいつもの口調で言った。
一瞬静まり返ったが、誰からともなく、「キリンってあのキリンか?」という声があがり、キリンというワードに一同は衝撃を受けていた。
「見間違えじゃないのか、同胞よ!?」
周囲の者はざわめいていた。
この場において、キグルミを着たマッシュは仲間だと完全に勘違いされていた。仲間が、キリンを見たと証言したのだ。信じないわけにはいかない。
「いいや、間違いない、俺は見たぜ。ワイルドエリアから線路の伸びた先の、ヨロイ島へと向かう駅のホームからも見える。めっちゃ目が良い奴なら、アーマーガアタクシーからでも見えると思うぜ」
群衆はざわめき、ペルはまた、「3分間待ってやる!」と言って、その場を鎮めた。同時にすかさずマスターから貰ったポフィンを頬張る。
やたらと3分間にこだわりたがるが、一同が冷静さを取り戻すには充分な時間であり、一転した静寂があたりを支配する。
そんな中、口を開いたのはマスターだ。
「全てはわからぬ。暇を持て余した神々の戯れやもしれぬ……だが、前例が一つでもあれば、状況は一変する。ガラルに住まう者たちは皆、太古の昔から、環境の変化に適応し、いかな苦境と言えど乗り越えてきた。外敵が東海より攻め入った際には、当時は何の知識もなかった“巨大化”を駆使し、海の彼方へと返したという。今もバウタウンに残る古い言い伝えだ。ラーマヤーナではインドラの矢と伝えているがね」
マスターは威厳のある口調を崩すことなく、堂々たる態度で述べた。
ラーマヤーナは相変わらず何かわからなかったが、マスターの述べているのが、バウタウンで見た石像のストリンダーであることはすぐに思い当たった。
それはこの場に居る者も同じで、すぐにバウタウンに伝わる昔話であると理解したらしく、自身の知識と目の前のガラル王と名乗る少女の語ることが結びついたことで、熱心に話に聞き入っていた。
マスターは、ただ思いついたことを強引に結び付けたのだとは思うが、群衆心理を掌握することに長けた雰囲気は、マスターが完全に“ガラル王”を演じていることを証明していた。
「失われたものは、やがてよみがえる。私は、かつて存在し、失われた秘術を扱うことができる。キョダイマックスがこの世に現れ、代わりに消失した力だ。さあ……これから王の復活を祝って、諸君に異界の力を見せてやろう」
マスターの言葉に宿った念が、私に向けられていることに気づいた。
「……見せてあげよう、青き彗星の本領を! 旧約ガラル聖書にある、えーっと……ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」
何となくその場で言っているので、既にネタ切れを起こしているのか、マスターは同じようなことを繰り返していた。
マスターは、私の方を振り返り、胸元を指す仕草をした。
私の胸元には、以前マスターから預けられたままのリングがネックレスとして下げられている。
「キョダイマックスとは異なる、別の力、今は名もなき秘術……えーと」
そろそろ本格的に困り始めたらしい。集中力も途切れており、ガラル王の仮面が剥がれかかっていた。
私は咄嗟にテレパシーで、『メガシンカとでも言っておいてください』と伝えた。厳密に言うと、メガシンカではないと思うのだが、原理的にはあちらに近いと思う。
マスターはすぐに気を取り直し、声を張り上げた。
「――メガシンカ!」
ワイルドエリアにほど近く、ナックルスタジアムというパワースポットの恩恵も得たこの地にはガラル粒子が豊富で、条件は合致していた。
それに加え、私の胸のリングにあしらわれた隕石が反応し、私は、自身の身体にダイマックスのとき以上に力がみなぎっていくことを感じる。力と共に身体も大きくなる感覚、未来でメルメタルと闘ったとき以来だ。
群衆を見下ろし、私はその姿を披露した。マスターが、『まるで披露宴だね』と脳内で語りかけてきたのがわかる。この状態のテレパスは通常の3倍だ。
私の花嫁姿のような白いウエディングドレスのような形状、そして集まった人々が感嘆の声をあげるのを見て、マスターはそう感じたのだろう。なんだか照れくさくなった。
ふと手を見ると青い光が覆っていた。私の身体を青い光が揺らめいている。
今、初めて自分が赤ではなく、青の光をまとっていることに気づいた。メルメタルのときは無我夢中でそこまで気が回らなかったが、普通のキョダイマックスの光とは異なるらしい。
そういった部分も含めて、私のこの姿は、この世界には今のところは見られない現象だ。マスターと未来から戻ったときに、不要な混乱を招く可能性があるため、ランクマッチバトルも含め、普段は使わないでおこうと取り決めていたのは正解だったかもしれない。
キバナはすかさず写真に撮り、SNSに投稿しているようだった。インフルエンサーのキバナの投稿はすぐに拡散され、もう世界に知れたと言っていい。
マスターはすっかり当初の取り決めなどは忘れており、今この場の演技に全力を尽くしていた。何言も一直線だな、とそれすら微笑ましく思う。
「ペル! キズナ変化!」
ノリで今思いついた技のようなものをマスターが叫ぶと、これまたノリで何となく察したペルはその指示を受け、ファイアローへと変化した。
空を飛ぶと、私の肩へちょこんと留まり、羽を休めた。
脳裏に、『手乗り文鳥』というワードが浮かんだが、この世界にそのようなものは存在しなかったはず、いや、あったのか?
そのように何かが頭を過る。それは、この場にいる者も同じであるらしく。「インコみたい」、「インコって何だっけ、ああ、インコか」というような声も足元の群衆からも漏れていた。そうか、確かにインコも肩に留まる。
これが、いつの間にか失われている存在なのだろう。そして、何かのきっかけに人々の記憶に蘇る。この感覚だ、これを忘れないようにしなければならない、と直感した。なんとなく思い出し、なんとなく忘れる。それが今のこの世界における“動物”なのだ。
私は、ペルの主義思想が決して間違ってはいないことを確信した。
「おおおお…………! 純白の衣の気高きことよ……そして、なんと美しき青なのじゃ……!」
肩にファイアローをのせたる私を見て、突然、声を張り上げたブリムオン――否、コスプレをしているポプラが居た。
その場に響き渡る声量でしわがれた老婆の演技をしている。圧倒的な存在感、光も当たっていないのに、あたかもスポットライトが当たっているかのごとく、“ファンタスティックシアター”は輝いていた。
「……その者、蒼き光まといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を遠き約束の地に導かん……古き言い伝えは真じゃった!!」
両の目を見開き、手を大きく空に広げ、ポプラは慟哭した。そして、隣にいたポケモンのキグルミを着た男のこめかみを鷲掴みにし、グイッと私の方へ視線を向けさせる。
「なんという、いたわりと友愛じゃ! ペルが心を開いておる! お前たち、わしの盲いた目の代わりによく見ておくれ……!」
皆、言葉を飲んでいた。
私も少し手助けしようと思い、膝を曲げ、巨大化した手のひらにマスターを載せ、胸元へ寄せると立ち上がった。ちょうど、人々は上を仰ぎ見る形になる。
マスターは大きくなった私の胸元で、叫んだ。
「入れ替わりそのものはあるだろう。ペルの存在はそれの証明だ。だが、その原理を知る者はいるか? この世界と平行し数多の異世界が存在を知る者は居いるか? いないだろう。その異界とこの世界との境界に何かが起きているのだ。それこそが、異変の原因だ」
ポプラに感化され、マスターは再び俳優としての心を取り戻し、崩すことなく演じる。事態は既に収拾に向かっていた。
「……諸君らの愛しているペルは私と共に歩むと言った。何故か? それは、この世界の異変に立ち向かうという勇猛なる意思表示だ……今までのしがらみは忘れよ、国民よ! 今こそ一つになる時だ! 立てよ、国民よ!! 我らガラル国々民こそ、選ばれた民である事を忘れないで欲しいのだ! 世界の中心に住まう我らこそ、人類を救い得るのである!! ジーク・ガラル!」
言い切り、若干のドヤ顔を決めるマスター。途中からもはや何を言っているのか冷静に聞いているとチグハグなことを言っているのだが、熱量を持った人々には、それはもはや天からの啓示であった。
積を切ったように歓声が溢れ出す。人々は口々に叫ぶ。
「ガラル王バンザイ!」
「青い彗星バンザイ!」
「ペル様バンザイ!」
「ガラル万歳!」
「
「
「ジーク・ガラル!! ジーク・ガラル!!」
響き渡る“ジークガラル”。
気づけば、キグルミを着ていない人も足を止め、その集団に賛同するかのように盛り上がっていた。
それもそうだろう。見たことのないフォルムの色違いサーナイトに、その手にはガラルチャンピオン。
足元には元チャンピオンにして現ポケモンリーグ運営委員長のダンデ。それにインフルエンサーにしてナックルスタジアムのジムリーダーを務めるキバナだ。
人々は一体化し、一致団結していた。
完全にその場を掌握したマスターは私を振り返り、微笑んだ。大きなことをやり遂げた、すごく良い表情をしていた。
ガラル王の誕生である。
将来、学校の教科書に載るような歴史の節目を今見ているのかもしれない。人々の想いにこもった熱気と、未来を変える改革の意志がここにはあった。
民の心はひとつにまとまり、何か大きなことをやり遂げられそうなそんな気持ちになってくる。
――が、忘れてはいけない。
元々ただ外に出ようとして、群衆が道をふさいでいたので、私たちはただそこを通りたかっただけなのである。
別に、思想の分かれた王族を一つにまとめ、ガラルの民を束ねるとか、そんなことはちっとも考えていなかった。
盛り上がり続ける人々を見て、逆にこれはどう収拾つけるのだろう、と考えると軽くめまいがした。
マスターはいつも直球、どまんなか。
私はそんな彼女が大好きだ。たぶん、これからも。ずっとそうに違いなかった。
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【補足】
〇天空の城とは?
かつてナックル城は、ガラルの科学力の粋を集め、巨大な“ねがいぼし”により、空を飛ぶことさえできたという。海の彼方の国々と戦争をしていたという記録もあるが、厳密には定かではない。そもそも、空を飛べたかどうかも怪しく、単なるおとぎ話の類とも言われている。この昔話をもとに作られたアニメ『天空の城ラピュタ』は、少年少女の冒険譚として人気で、その中のムスカ大佐というキャラクターのセリフに、「ラーマヤーナ」や「インドラの矢」などが出て来る。
マスターやキバナ、ペルもこの作品が好きで、調子に乗ってセリフをパクりまくっていた。
○ジークガラルとは?
マッシュや孤児院ホームの子どもたちも大好きなアニメ『機動戦士ガンダム』に似たような台詞が出てくる。
マスターはこれもまたアドリブで調子に乗ってパクっていた。
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【Season9】ガラルの王――完。
special thanks,
ガラスの仮面、機動戦士ガンダム、風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ
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ガラスの仮面、機動戦士ガンダム、風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ