レイナ ーセブンー 終

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読了時間目安:20分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

ここは19番道路。私、ヒュウ、トモバ、マオは最初のジムバッチを手に入れるべく、サンギタウンに向かっていた。

「…なんで四人で行動してるんだっ!」

ヒュウが急に叫ぶ。
仕方ないじゃない。ヒウンシティまでは一本道なのだから。それにしても今更すぎやしない?
私は少し大きいヒュウの背中を追いかけながら思う。
すると、

「ヒユーウー!!」

と後ろからヒュウに似た凛として明るい声がする。
私と同じぐらいの身長にヒュウとそっくりな紺色の髪と赤色のつり目。
高いツインテールにしている女の子。

「あー!めいちゃん!」

「あ!トモバさん!」

赤白 萌唯(セキシロ メイ)
赤白という名の通りヒュウの妹だ。妹ということもありつり目な所や紺色の髪だったりある所が面影がある。ただハリセーン頭はヒュウ限定のようだ。そして、私より少し背が…高い…かも。
複雑だ。

「メイ!どうしたんだよっ!ここは19番道路だぞ!危ないぞ!」

ヒュウが両手を腰に当てて母親のように怒鳴る。メイはヒッと少し肩を上げて怯む。私達も少し驚き心臓がゾワッとした。

「ごっ、ごめん…それより!ヒユウ!これ!忘れ物!」

メイがゴソゴソと腰の巾着袋を探る。その中には黄色の携帯型の機会と、縦長に青いモンスターボールのマークが入っている機会を取り出す。

「これ!タウンマップと、ポケモン図鑑!ヒュウの忘れ物!」

メイが元気よくヒュウに差し出すと、ヒュウは「お、おう」とバツの悪そうにそれを受け取る。

タウンマップは黄色の携帯型の機会で、イッシュ地方の地図が記録されている。
縦長に青いモンスターボール模様が入ってる縦長の機会はポケモン図鑑。イッシュ地方のポケモンが詳しく記録されている画期的な機会だ。ちなみに青バージョンと、ピンクバージョンがあり、選べる仕様だ。

「ヒュウ。学校から配られたタウンマップとポケモン図鑑忘れるって…しっかりしなさいよ?」

トモバが呆れたようにヒュウを見つめる。いや、微妙にクスクスと笑っている。ヒュウをからかおうとしているようだ。

「トモバうるさい。」

ヒュウはピシャッとそう言う。からかいは失敗のようだ。形勢逆転。トモバはバツの悪い顔をする。
ヒュウはん図鑑とマップをポケットに入れる。

「メイ。偉いね、危ないから速く帰るのよ?」

ポケモンを持っていないのに道路へ来るのはさぞ怖かったろう。危ないし。
というか、私はポケモン持ってるのにヒュウとワセイ兄さんに道路行くの止められたし。
私はメイにいいながら頭をなでる。
メイはぱぁっと顔を輝かせてからにっこりと笑い、「うん!」と嬉しそうに言う。

「じゃあね!レーねぇ!」

といい、メイは、帰っていく。特にこれといった事をしていないのだが、メイは私の前だといつも笑っている。別にそれに何も思わないが。

「あらあら、赤白兄弟の好みって似てるのねぇ」

「そうだな。」

トモバがニヤニヤと笑いながら言う。マオは素っ気なく言う。

「おいマオ!トモバ!どういうことだよっ!」

ヒュウがあからさまに声を上げ、顔をマトマの実のように赤くする。あからさまに私を意識しているが、いつもの冷たい目で返す。
しかし、いつもの無表情と変わらないのか3人はそれに気づかない。

「別にぃ、ねえ?マオ?」

「そのまんまだよ。」

「あのなぁ…」

そんな会話をしながら道路を抜けていく。
すると

「ホロッポォー!」

ポケモンの鳴き声がした。この声は…ここら辺でよく見るマメパトというポケモンだ。

「え?なにっ!」

トモバが言い終わると同時に私は鳴き声がする方向へと駆け出す。
何か背筋がゾッとした。そのポケモンが…助けてと叫んでいたような気がする。下らない勘だ。助けを求めていたとしても私が行く意味は無い筈なのに、私は勝手に体が動いていた。

「レイナっ!」

マオの声が背中越しに聞こえたがきにしなかった。

ポケモンが助けを求めているなんて馬鹿らしい。そんなことを草を掻き分けながら思っていた。
助けを求めていたとしても、私が助けに行く義理はない。義理はない...はずなのに...

草をかき分け気をとびこえ只只マメパトの声の元へと向かった。
鼓動が早くなり始め、うなじに汗がツッと落ちる。
すると、ちょっとした広い所につく。
そこにはマメパトが群がっており、真ん中に少し背の低い金髪の男子がいる。(といっても私よりは少し大きい)

その男子は図鑑を見ながらマメパト達を見る。そのあと

「くっそっ。こいつじゃない。」

といい、複数体いるマメパトを乱暴に逃がしていた。
唯逃がすだけならいいが、蹴ったり叩いたり、あからさまに八つ当たりしている。

何してるの...   
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「ねぇっ。やめて。」

気づくと口にしていた。
私の声は大きくは無いがゆっくりと周りの草、木々に声が浸透していく。
少年はゆっくりとこちらをむく。
少し長い前髪。白と黒のTシャツ。黒いリュックサック。身長は男子の中では低いほうかも、私よりは高いけど。なんか悔しい。

「なんだ。」

相手がこちらをギロッとこちらを睨む。負けじと私も睨み返す。
夏で蒸し暑く、汗が頬をなぞる。
私は意を決して口をひらく。

「私の名前はレイ レイナ。駆け出しのトレーナー。」

「俺はキサラギ セブン。カントーのものだ。」

カントー地方からきた人か、でも観光目的ではなさそうね。だったらジム巡りかな?
それにしても、この人どっかで会ったことあるような気がするんだよな...

「それで、なんだ。」

男子─セブンはめんどくさそうに聞く。
私はセブンから出てくるオーラに負けそうになりながら口を開く。

「単刀直入に言うわ。何をしているの?」

私が聞くとセブンは「はぁ」とため息をつく。

「見て分かるだろ。厳選だよ。」

そりゃ見て分かる。
キサラギ セブンが言ってる通り、厳選だ。

厳選とは、まずポケモンの「強さ」について説明しなければならない。
ポケモンの強さは主に六つの種類があり、
攻撃、防御、とくこう、とくぼう、すばやさ、HPに分かれており、それは個体や種類によって数値が違う。
個体の数値を表したものを「個体値」
種族の数値を表したものを「種族値」という。
マメパトに囲まれているためセブンはその中の個体値の高いポケモンを探しているのだろう。
個体値が高いポケモンは強いからだ。

さっきのマメパトの鳴き声からして、6V(個体値が高いポケモン)がいなくてマメパトに八つ当たりしていたんだろう。

ただ、厳選というにも、この世界には限度がある。野生のポケモンを捕まえて逃がすならともかく、たまごを大量に返して厳選したり、こうやってポケモンを傷つけたりするのはNGだ。
卵厳選はポケモンを大量に逃がすため生態系が崩れてしまうため、然るべき機関に預けたる。ポケモンを傷つけるなんて倫理的に考えてだめだ。

「厳選にも限度があるでしょう?ポケモンに暴力したらだめよ。」

私はキッとにらむとセブンはまた「はぁ」と溜め息をつく。

「所詮は雑魚だ。強者がなにしてもいいだろ。」

「はっ?!」

強者は弱者に対してなにをしてもいい?!
そんなことあっていいはずがない。皆平等であるべきよ。

「なにいってるの。そんなわけないっ!」

私はらしくもなく声を張り上げ下からセブンを睨み付ける。
セブンははっとした顔をする。

「お前...もしかして...いや気のせいか。」

そう呟くとセブンは首をふる。
そして冷酷な表情に戻ると「ふんっ」と笑う。

「それは弱者が言う言葉だ。」

嘲笑うかのように言う。
私はそれが悔しくて余計セブンを睨み付けた。

「まだ分からないみたいだな。だったら教えてやる。」

セブンはそういうとボールを手に取り。

「でてこいパルシェン。」

ボールを投げた。するとパルシェンがでてくる。

「このパルシェンだけでお前の手持ち全部相手する。」

「ハンデ...か」

私がそういうと、セブンがうなずく。
やってやろうじゃない!
私はその決意表明としてボールを構えた。

「やる気があるようでなによりだ。じゃあ、条件をつけよう。」

「条件?」

「俺が負けたらこんな厳選はやめる。
お前が負けたら...ジム巡りをやめろ。」

「ジム巡りを...やめるっ?」

「そうだ。雑魚がジム巡りをする必要なんてない。」

冷たい目でそう言い放つ。
私は震えながらも言ってやった。

「上等よ。」

ジム巡りを辞めるなんてローリターンいや、ゼロリターンなことはやらない方がいい。けれど、私らしくもなくカッとなり、勢いで言ってしまった。

私とセブンは一定距離を保ち、ボールを構えた。

「いけ、パルシェン」

相手はさっきのパルシェン。みず、氷タイプね。
ってことは草タイプが有利!

「いくよっ。ツタージャ!」

「たじゃっ!」

ツタージャは元気よく声を上げる。
私はごくりとつばを飲み込む。それじゃ

「先手必勝!つるのムチ!」

「たーっじゃ!」

ツタージャの首もとからツタが出てきてそれがパルシェンを叩く。
効果は抜群!威力は四倍のはずっ!
効いて、、、、ない?

「はぁ、所詮は雑魚だな。やれ!パルシェン!つららばり!」

上からつららが落ちてくるっ!
これは、つらら落としだ!

「ツタージャ避けてっ!」

つららおとしは最大5つ落ちてくる 。だから全部避ければ...っ?!

「たじゃーー!!!」

ツタージャは避けきれずにつららばりをもろにくらってしまった。

レベルの差もあってか、ツタージャはすぐに目を回してしまった。

「ツタージャ...戻って...」

無策に突っ込んだ私がバカだった。ハンデがある時点で察するべきだった。
この人。私の数倍強い...!どうしたらいいか...

私はツタージャをボールに戻す。
私の手持ちでセブンのパルシェンを倒す。私の手持ちはあとイーブイ。一か八かやってみようっ。

「いくよっ!イーブイ!」

「ぶい!」

セブンはふんっと鼻をならす。
イーブイのレベルも種族値もパルシェンには届くはずがない。
考えろ。考えるんだ。

「雑魚なイーブイか、すぐに終わらせよう。パルシェンつららばり。」

またつららが五つでてきた。
なんで二回連続五つもでてくるの?!
たまたま?
...はっ!特性スキルリンク!
複数回ある技を必ず最大までだせる特性!
だからさっきからつららが最大数あるんだっ!

「イーブイアイアンテールで打ち砕いてっ!」

「ぶい!」

見事アイアンテールでつららを砕く。
よし!と、心の中でガッツポーズをする。このまま行けば。上手くいくかもしれない!
しかし...

「おそい」

セブンの声がすると、イーブイの後ろにパルシェンが不気味な笑みを浮かべていた。

「パルシェン、ハイドロホンプ。」

「イーブイよけてっ!」

「いぶぅっーー!!!!」

私の声虚しく
パルシェンのハイドロホンプがイーブイにクリーンヒット。
レベルの差が...大きいっ!分かっていたこと。ハンデがありながらも大きすぎる差。甘く...甘く見すぎてた...

「ブ...イ」

イーブイが足元がよろけながら例える。。これで...私の負け?
負けだ。負けた。

「はぁ、もう終わりか。暇潰しにもならない。」

セブンが上から冷たい声でいいはなつ。
その声が私の心をグサッと突き刺し、それを抜く術すら私は今は持ち合わせていなかった。

『俺が負けたらこんな厳選はやめる。
お前が負けたら...ジム巡りをやめろ。』

ついさっきのセブンの発言が頭をよぎる。
私はなにも考えられなくなり、ただセブンを見つめていた。

「約束通り、ジム巡りをやめろ。」

私はなにも言えなかった。
約束は約束だ。
別にジム巡りなんてどうでもいいはずだ。負けたのだ。潔くジム巡りを辞めよう。そう理性で分かっている筈なのに感情が抑えられなくなる。

「はぁ、さっきの威勢はどこいった。まぁいい。パルシェン、そいつに向かってつららばり。」

っ!人に技を繰り出すの...?!

コイツ、どれだけ冷たいのよ。いや、クズが。

私はそう相手を罵倒することでしか現実逃避が出来なかった。








「ルカリオはどうだん」


















風に混じってそんな声が聞こえた、次の瞬間

 バァーッン!

と私の目の前に来ていたつららが割れていった。
私に落ちようとしていたつららばりが、なんの前触れもなく割れたのだ。理解が追いつけない。どうやらセブンもおなじのようで、目を見開いている。

そこにいたのは、アシンメントリーの髪型、青いパーカー、珍しい赤の瞳の色。
背が高く、鼻筋が通っているから、カロスや、ガラル辺りの地方の人っぽい。
肩幅も大きいから高校生ぐらいかな?

隣にはルカリオがいる。この子が私を助けてくれたのだろう。

「なんだ。」

セブンが警戒色強い声で相手を威嚇しながら問いかける。

「あぁ、自己紹介が遅れたね。俺は、ムスカリ=ソウル!どうよんでくれたって構わないよ!」

「...セブンだ...なんのようだ。」

ムスカリ=ソウル、、、名前の構成から別地方の人っぽい。

ソウルはちらっと私の方をみると。

「女性に暴力は関心しないよ?もっと優しくしないと。」

と苦笑いしながらセブンに言う。

「こいつはバトルに負けたんだ。当然だろう。弱いやつはジム巡りなんてやるべきでも無い。」

セブンが冷たく言い放つ。また心にグサッとなにかが刺さる感触を覚える。


「もしかして、そこの子にバトルを挑んで、ジム巡りを辞めさせたのかな?」

ムスカリーさんは今起こったことをピシャリと言い当てた。いや、見ていたんだ。最初から。

「最初から見ていたのか。なんで助けなかった。」

「こういうのは自分で解決した方が良いだろう?まあ、解決出来なさそうにないから俺が来たんだけどね。」

ってことは、助けに来てくれた...?
見知らずの私を...
喜び、安堵感、疲労感。そして、罪悪感。惨めな自分を見た。
様々な感情が入り乱れ複雑になる。

「君、無事かい?」

「はい」

急に声をかけられ咄嗟に答える。

「それは良かった!さて、いくら自分よりも弱いからっていじめるのは良くないと思うよ。この子がジム巡りを辞める。撤回させて貰っても?」

1度した約束を撤回...か。罪悪感と、喜びが混じり合う。私はどうすればいいのだろうか。分からずにそこで立ち尽くしていた。

「1度した約束を撤回?弱い奴はジム巡りをしない方がいい。これは俺なりの忠告と救出だ。」

「俺はそうは思わないかな。」

「何?」

「弱いからこそ、崖から落とすべきだと思う。」

さらっと怖いこと言うよこの人。でも、確かに、崖から落としてこそ、人は、ポケモンは、成長するものだ。私はムスカリーさんを支持する。

「思考の相違だな。しかし、約束は約束だ。」

「なら、これはどうだい?俺と君は今から勝負をする。そして、ハンデを上げよう。俺のルカリオ2ターンで君のパルシェンを倒せなかったら俺の負け、2ターン耐え続けたら君の勝ちだ。」

ニターンっ?!そんなんでパルシェン倒せるのっ?!そんな自信があるということは余程の実力者か...?

「なめやがって...!」

「その変わり、俺が勝ったらこの子のジム巡りを再開させよう。俺が負けたら...ジム巡りを辞めよう。ついでに賞金も倍払う。」

ムスカリーさんは涼しい顔で言う。
まって、それはムスカリーさんに無理な取引じゃない?!
それでもセブンは受けるのか...?

「ふんっ。受けて立とう」

あぁ、なるほど。相手を舐めているようなハンデを持ちかけることによって、相手の熱を上げ、この取引に乗るよう仕向けたのだ。
凄い...この人は、人としても凄い。

「頼んだ!ルカリオ!」

「いけっ!パルシェン!つららばりっ!」

ムスカリーさんがルカリオを出した瞬間すぐに技を繰り出す。それはズルいんじゃない?!
どんどんつららがルカリオに向かって飛んでいく。
しかし...ルカリオとソウルは落ち着いている。そして

「ルカリオかわしてみきり」

ルカリオは無音で次々とつららをかわしていく。
そしてパルシェンに近づくとみきりを発動させる。すると、パルシェンは一瞬ひるむ。その隙を...

「ルカリオ!レインボーパンチ!」

そういって虹色に光ったと思ったら緑色に変わりパルシェンにヒットした!
するとパルシェンは一気にふっとぶ!

「「っ?!」」

私とセブンは同様が隠しきれなかった。
パルシェンは先頭不能。
レインボーパンチなんて技聞いた事がない...しかも、本当に2ターンで勝負を終わらせた...
この人、凄い...スゴすぎる...

「なっ!」

「ニターンで先頭不能にできたってことは俺の勝ちー!いえーい!」

そういうと、ソウルとルカリオはハイタッチをする。
セブンは罰が悪そうにその場を立ち去っていった。

「君、大丈夫?」

ソウルがこっちをみて心配してくれる。

「え、ええ、助けてくれてありがとう...ございます。私はレイ レイナ」

「レイナか...俺はムスカリー=ソウル危ないよ?小2が原っぱで一人でいちゃぁ。」

「10才です」

「え?!じゃあ、駆け出しトレーナー?!」

失礼だなこの人。根は好い人なんだろうけど。

「はい。ついさっき旅に出たばかりです。」

「そっか!今時はさっきみたいに初心者狙ってお金巻き上げる人がたくさんいるから注意してね!」

「は、はい。あ、さっきのレインボーパンチって...」

色々聞きたいことがある。すると、

「レイナーー!どこー!」

と、トモバの声がする。

「おや、君の友達が来たようだ。俺はここで失礼するよ。」

「えっちょ...」

「大丈夫!また、会えるさ。俺の勘がそういってる。じゃあレイナ!ベストウィッシュ!」

そして、颯爽と去ってしまった。
弱い弱い私は弱い。今回私はそれを実感した。
そして、弱い者には手を差し伸べる。

『弱い人には手を差し伸べるべき、この世は平和で、平等であるべきなんだ。な!チ-フ--いヤレーー』

「レイナぁー!いたっ!」

トモバが森の方から元気よくでてくる。
私はフラッシュバックしており、それに気づくのに時間がかかった。

「探したぞ。こんなところににいたのかぁ」

ヒュウが苦笑いし、息を切らしながらながら来る。

「びっくりしたぞ、急に走り出すから」

マオが少しあきれ顔でいう。

「ごめんごめん。ちょっとね。」

私はバツの悪い顔をする。と言っても、3人には無表情に見えてるかもしれないが。

「そうか、なにかあったか?」

ヒュウが聞く。

「え?」

「お前清々しい顔してるっつーか、なんっつーか。なにか良いことあったか?」

さすが幼なじみ。鋭い。

「あったよ」

「ん?なになに!」

トモバが興味津々な顔で聞いてくる。

自分が弱いと実感したこと、そして、昔ある人から言われたこと。弱い人には手を差し伸べるべき、人はみんな平和であるべき。ただ、それを思う度に私の心が張り裂けそうになるのだ。でも、もう、逃げない。弱い人には手を差し伸べる。そのためには強くならなくちゃならない。今度は汚い手じゃなくて、誰も苦しめず、平和に...

「それは...」

私は少し前にでて振り向く

「秘密っ!」

そしてニカッと自然に笑えながらいった。



あったよ。良いこと。
私の旅ライフを動かす凄いこと。
それはさ

『人を救いたい』

っていう。旅の目的。ただ莫大としたもので、具体的なものはないけれど、私がこの目標を掲げて良いのか、分からないけど。

私の目の前には壮大な草原が広がっていた。


第一章〜完〜

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