シーキンセツの話

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この話はこれで一区切り。
次回からはまた別の話題になります。

シーキンセツから帰ってきた翌日、僕はそこを管理している役所に昨日の件について問い合わせてみた。結果やはり役所としてはそのような検査や調査は行っていないという返答だった。あの時感じた僕の読みはどうやら当たってしまったようだが、僕よりも役所の方の担当者はそんな話聞いた事も見た事もないのか凄く焦りまくっていたのは電話口からでも容易に分かってしまいちょっとこれは気まずい。

「なるほどなるほど・・・分かりました。ではまた何かわかりましたらこちらの電話番号に電話して頂けたらと思います。それではお忙しい中対応ありがとうございました、失礼いたします。」

今回対応してくれた役所の担当者は凄く感じが良かった。対応する人によっては流石お役所やなと思う人も居るし、そういう人に当たってしまうと欲しい回答も得られないし質問すらも危うくなるから今回は助かった。僕が電話をしている間にも助手のマフォクシーは何やら忙しなく資料を集めていて、それを遠くからボーマンダとリザードンが監視しているようなカオスな状態が広がっていた。

「そんなに急がなくても良いよ?あっちからも回答してもらうように頼んだから特に僕達が色々と焦ってやるような事は無いし、まずはあっちの回答が来てからでも良いんじゃないかな?」

マ『いやいやそれだと遅いから!それに今の内に必要な資料とかを揃えておけば後々時間的に余裕が出来るでしょ?それにシーキンセツに関する資料は多すぎる事で有名だから色々と吟味もしないといけないし!シンゴはそこで他の仕事してていいからね!こっちの事は私達に任せて!』

ボー&リ『『私達???』』

任せてと言われるとかなり心配になってしまうのは何故だろうか。ボーマンダとリザードン、エンペルトの方に目を配るとすぐに何かを察したように動き出した。目線だけで何をしてほしいのかがわかるなんて凄く勘が良いポケモン達だこと。





ボー『それはそれで良いんじゃないか?』

リ『何が??急にそんな事言われても僕達は全く意図も意味も分からないんだけど???良いってどういう事?このマフォクシーの行動を放っておく事が良いって?それとも僕達も手伝った方が良いって事?一体どっちよ??ちゃんと言葉に出して貰わないと僕達全く分からないよ?エスパータイプじゃないからね???』

エ『リザードンの言う通りにもうちょっと言葉か意味を継ぎ足してほしいなぁ。それだけだと僕達の方は何が良いのか分からないし、ボーマンダが何をもって良いと言ってるのかもわからないからこっちとしては全く意図が分からないからね???』

ボー『だからこの案件についてはシンゴとマフォクシーに任せて、僕達は別の事をしていても良いんじゃないかって?ただ僕はそう感じただけだって。もし2人がシンゴの手伝いをしたいって言うならしてもそれはそれで良いんじゃないかなって?でも僕は何もしないよって。』

うーん、確かにボーマンダの言う通りに今回の案件は基本的に役所も関わっているからあまり大人数でこっちが探りを入れるというのもあっちもこっちもブルーよなぁ。よしそれじゃあ今回の件からはボーマンダ達は手を引いてもらう事にしよう。何かあったら手伝ってもらう必要が出てくると思うけど、今は特に仕事も閑散期だしゆっくりと休んでもらって有事の際には活躍してもらう事にしようじゃないの。ね?





役所に尋ねの電話を入れてから早くも1週間が過ぎようとした。ここまで連絡がないという事は向こうでも予期せぬトラブルと言った感じの案件になっているのだろう。そうじゃないと普通はすぐに折り返しがある電話が、こんなにも長期間掛かってこないと言う訳じゃないだろうし。

「こう連絡がないという事は向こうも相当気になる案件なんだろうな。すぐに連絡くれるって話だったのにもうこう1週間以上も連絡がないという事はねぇ・・・それにしてもあれから暫くシーキンセツの事を調べてみたけど全く持って何があったのかってのが書いてない。それどころか良いところしか書いてない記事ばかりで読んでてなんか眩暈がしてくるわ。」

シーキンセツはご存じの通りにブラックすぎる過去がある。つい最近では、その当時の関係者達が権力と金を行使しその事実を隠蔽した過去があると報道されたばかりである。その報道に関しては結果周りから総スカンを喰らっている状態だけど、当時のマスメディアや労働関係機関への報告等で不味い事実や明らかな違法行為はもみ消す、若しくはその当時の責任者だけを左遷させて上層部は一切何も懐が痛まないように仕向けていたというのはどの時代でも変わらないものだ。ポケモンを持ち込なせない会社規則やタイムカードを切ってからの残業、始業時間2時間前にはもう既に仕事開始。行き過ぎた怒号や指導・暴力は当時から法律違反として一部のメディアや監督官庁、そして労働者達から是正するようにと声が掛かっていた。しかしそうした事実が明るみになってしまうと労働者が来ずに稼働できなくなる、その事を当時の上層部は恐れたのだろう。それで隠蔽しまくって今頃にバラされまくった結果、総スカンを喰らっている状態と・・・。当時の上層部達は既にこの世に居ないか居ても引退しているから結果的には後世の人に迷惑かけている状態だが、当の本人たちは既に知らん顔。こりゃダメだ。

「しっかしあの事件も結果的にはこうして明るみになってしまったから、その当時に隠す意味はなかったというのが正直な感想よね。その時に明るみにして謝罪しておけばここまで大事件にならずに済んだと言うのに、当時の関係者達が自分の責任を逃れようと嘘を貫き通した結果がこれよね。」

???『そうそう。結果的には自分達がやってきた事がそのまま自分達に帰ってきただけって感じなの。自業自得ってやつね。本当一部の偉い人は何考えるのか全く予想がつかないわ。』

リ『なーんでそこで主婦の井戸端会議みたいな光景が広がってるん??ってかダイケンキもちゃっかりお茶まで用意して滅茶苦茶昼下がりの主婦って感じやん。・・・何の話してるか分からないけど僕も混ぜて。』

ダイケンキは僕がまだ新聞社勤めしてた時代に、会社の同期が海外取材で行った先のお土産(!?)で貰った卵が孵った事で出会った家族です。こんだけ野郎が多い中では珍しい女の子。女の子はもう一体居るけどね。

ダ『はぁ?急に何で帰って来たのか分からないリザードンが私とシンゴとの会話に入ってくる訳?そもそもリザードンってずーっとそのリザフィックに帰らないじゃない?何?もうあっちでの修業は終了?なんかあれだわー、修行するって息巻いて行った割にはかなりの頻度でこっちに帰って来てるじゃないの?やっぱり寂しんじゃないの?あっちじゃアレだからこっちに居ようってね?』

リ『そんな色々とズバズバ言わなくても良いんじゃない???・・・・修業は取り合えずひとまず終了と言う事でもうあの場所には帰らないつもり(ボソッ)。それよりも何の話?』

「小さな声で言ってるかもしれないけど全部聞こえてるからね?そうだなー、シーキンセツで昔あった事件というか集団訴訟の内容に関する事。+今後のシーキンセツグループの株価の関係・・・って所かな?」

リ『・・・絶対にそんな話してなかったでしょ??株価とか絶対にこんな事務所には無縁の言葉だっt痛い!!急にそんな尖った物で殴らなくなくても良いじゃない!!痛い痛い痛いって!!!』

相変わらずな感じだなぁ。まっ、ダイケンキがあの剣みたいなのをリザードンに当てまくってる光景は何時もの事だから特に珍しくはない。それにダイケンキが本気出すと大怪我では済まなくなるから本気じゃないのは目に見てわかるし。おっと、電話か。ん?市役所?何かわかったのかな??







「・・・っという事は特に何も被害はなかったという事ですか。なるほどなるほど・・・じゃああの人達はあの場所で一体何を探して何の調査をしていたのか・・・分かりました。今回はそのように書きますのでよろしくお願いします。えっ?・・・いえいえこちらこそお忙しい中調べて頂きありがとうございました。それでは失礼いたします。」

役所側が1週間シーキンセツ内で何かしら壊されたり盗られたりしていないかの確認をくまなくしたようだが、特段以前と変わった様子はなく、盗られたり壊されたりした物は無かったとの事らしい。っという事は一体何をあの人達はしてたのか気になるな。ん?マフォクシーの方が何かごそごそと探し始めたぞ??

ボー『何やりよるん?えっ?あの幹部が主に使っていただろうって部屋に元々あった装飾品や設備を調べてるって?そんな事して何になるん?そもそもあんな廃墟に高価な物を置いて出て行ったりはしないでしょ。』

リ『ボーマンダちょっと待って。確かにあの連中は僕達があの秘密部屋みたいなのを発見したら急に現れた・・・つまりはあの部屋を探していたって事にならないかな?そしたらあの部屋にあった何かを探しにって事も考えられる・・・シンゴはどう思う?』

「リザードンのいう事も一理あるね。そもそもあの部屋は入口の壁を破壊した事によって初めて明らかになった部屋だから、あの人達があの部屋を探していたのならば丁度いいタイミングだったっという事も考えられるし。中に入ったらまさかの僕達が居ただけであっちも案外想定外だったって事も考えられるし。」

確かにあの様子からすると、あの連中が探していた物はリザードンの言う通りにあの部屋にあった物と推測はされる。でもあの人達は特に何も盗った様子はなかったし、現に何も持たずにあの部屋から出て行ってしまった・・・そういえばあの部屋の写真を撮ってたな。もしかしたらそこに何かしらのヒントがあるかもしれない。







特に何もなかった。





当時の部屋が写っている写真を見返しても、この前撮った写真を見返しても特段何も変わった事は無かった。っというよりもなんか部屋の状態が嫌という程変わってなかったのが気掛かりだけど、それ以外は特段何も変わってなく保存状態が良いのだなと思ってしまった。

「何も盗らなかった、そして何も盗るものも無かったとなるとあの団体は一体何の用事であの部屋に乗り込んできたのかな?盗み以外だと何の目的があるのか・・・分からん。」

ボー『盗み以外での目的ね・・・シンゴが以前に会った事あるような人達ならばシンゴを襲いに来たという目的が成立するけど、僕もあの連中会った事も無ければその団体すら知らない。』

リ『そもそもあの人達が何の団体なのかわかってるの?さっきからどうもあの人達が何の団体に属しているか知っている感じで話しているけど?僕は全く知らないけどなぁ・・・新聞社にいた時に会った人でもなかったし。』

新聞社時代でもあんな連中に会った事は無かったぞ?そもそもあんな危ない連中に取材なんてしなかったし、変な組織に取材を申し込んだという訳でもなかった。つまりはこれは誰かわからないから結局迷宮入りという事でよろしいでしょうかね?

マ『ちょっと待って。ほらここ見てみて。シンゴが撮った相手の写真にちょっと小さいけど腕章みたいな会社の紋章みたいなマーク付いてるよ?これで相手の会社か団体ってわからないかな??』

「どれどれ・・・あぁ、これ位の大きさならちょっと判別は難しいなぁ。折角見つけてくれて有難いけど、ちょっと今回は相手の団体は判別できなかったという事で記事を書こうと思ってるから大丈夫よ。」

ダ『にしても誰だったんだろうね?そんなシンゴ達を急に襲ってくるなんて野蛮な人達。私がその場に居たら全員この剣で(自主規制)してやったって言うのに。』

リ『やっぱりこの女怖いわ。』

僕は記事を書き始める。最近は町内新聞とかローカル新聞の一部分とかの記事辺りしか書いてこなかったからこんなに相手が大きすぎる記事を書くのは凄く久々。書き出しの部分はシーキンセツが操業していた当時の最悪なスローガンで始めよう。職場にポケモン持ち込むべからずとかサービス残業上等とか、このフレーズで始まったら気になる人は気になってくれるだろうし。

ボー『あまり過激な事とか憶測に基づくものとかは書かないようにしろよ?それに超久しぶりに大きな案件なんだから誤字脱字には気を付けて?・・・これはブログに載せる予定なんでしょ?不特定多数が見るネット上だから尚更そういうのには気を払わないとね?』

ダ『シンゴなら大丈夫よ~。頼りないけどやると言ったらやる人間だからね!』

なんか周りが騒がしい感じがするけど僕は黙々と記事を書き続ける。そこまで長い事取材してないから長い文章は書けない。けれどもある程度の記事は書けると思う。出だしの部分が書き終わったら次は現状のシーキンセツを書いてみようか。そして最後にあの時あった事を書いてみる・・・っで結局最後は何処の誰かも分からん人達にポケモン勝負を挑まれて終わったっと。久々に書いてみると意外とスラスラと書けたものだな。そしてボーマンダや他のポケモン達から誤字脱字が無いかチェックをされてからブログ上へとアップした。



やっぱりこんなB級記者の記事なんて読む人いないよなと思っていたが、案の定あまりアクセス数は伸びずに僕はそっとそのページを閉じたのだった。

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