シーキンセツ

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シーキンセツって確か軍艦島がモデルだったと思いますけど、軍艦島って今では観光地ですけど操業当時はアレな部分も多かったようです。
さてさて、先日はシーキンセツではなくニューキンセツの方の事件か何かを取材してしまいましたけど、そうなるともう一方の似た名前なシーキンセツの方が気になってきてしまった今日この頃。シーキンセツはニューキンセツとは違って、陸地から少し離れた無人島に人工的に作られた島の名称。なんか何年か前までは近くで座礁して動けなくなり放置されて捨てられた船の方がシーキンセツではないかとか、シーキンセツ第二号とか色々と言われていたけど、あっちはあっちでここ2,3年で元々所有していた会社が解体してしまって既に元あった場所にはもう何もない。つまりただの海。

「ニューキンセツは特に何も変な所は無かったけど、個人的にはシーキンセツはなんか気になる事が多い気がするね。よし!じゃあいっちょやってみますか!シーキンセツに向かってみよう!ボーマンダ・・・はちょっと疲れているか。なら帰ってきたばっかりのリザードンに頼むか。おーいリザードンちょっと来てー!」

リ『はいはーい!何かあった?あっ!もしかしてどこかに出掛けるの?じゃあ僕の出番だね!それでいつ行くの?明日の早朝?分かった!全然僕は大丈夫だからどーんと来てよ!』

どーんと来ての意味がよく分からないけど取り合えずはシーキンセツまでの移動手段は確保出来た。あとは連れていくメンバーだけど、あまり大勢で行くのは色々な意味でリスクが高いじゃない?だからリザードンとエンペルトで行く事にしようかな~。今回は水辺付近の探索だから水に弱いマフォクシーとボスゴドラ、序にボーマンダは事務所でお留守番しておいてもらおうかなっと。水に弱いんだったらリザードンも同じでしょって?・・・細かい事はどうでも良いのですわ(開き直り)それにあいつ普通に顔も洗うし風呂とかも怖がらないし良いでしょ(良くない気がする)



ボー『僕が行く。リザードンは大人しくここに居ろ。』

急にボーマンダが出てきたと思ったら急に上記の言葉をリザードンに対して放ってますし、なんかちょっと機嫌悪い?何故?why??っとその時は思ったけどその場では流石に聞く事が出来ず。なのでリザードンが居なくなった所でボーマンダに話を聞いてみた所、やっぱりリザードンが来た事が原因っぽいですなぁ・・・僕と一緒に行動する事が減るんじゃないかって心配だったんだと。・・・見かけによらず可愛い所あるじゃないですか。ちょっとキュンとしちゃうね。流石僕の一番最初のパートナーポケモン。

っと言う訳で、明日はボーマンダとエンペルトで・・・・えっ?リザードンも連れて行ってやれって?可哀そうだろって?んー・・・まぁ良いでしょう。でも移動はボーマンダで行かないとこの後なんて言われるかわからないからね・・・。じゃあ今日の所はもう寝ましょう!っていうか寝ろ!!







シーキンセツはカイナシティとムロシティのほぼほぼ中間地点にある元無人島である。元々は何か石炭とかを掘り出していたらしいけど、結局石炭も時代の移り変わりにより石油に移り変わっていったので、時代にそぐわなくなったシーキンセツは一気に廃業ムードまっしぐら。まぁ石炭の採掘が最低を記録した翌年にはすぐに閉鎖となった訳であるが、解体する予定だった島周辺には既にポケモンが独自の生態系を作っていた為に解体するに出来ず放置。そして結局はカイナシティが管理する施設となった訳である。

ボー『にしてもその施設も凄く不気味よなぁ・・・よくあんな幽霊でも出そうな所に皆行くもんだ。僕なら絶対に行かないね。』

「あの島は色々と曰く付きだからね。今はポケモンもトレーナーも部外者も全然入っても良いってなってるけど、操業当時はポケモン持ち込み禁止とか言う訳わからん社訓があったって話だし。」

石炭の採掘には機械だけではなく当然ポケモンの力も借りていたのだが、当時のシーキンセツを運営した元受け会社がポケモン持ち込み禁止だとか残業上等とか今では到底コンプライアンス違反+法律違反だろって事が普通にまかり通っていた会社だったからその下請け会社も従わざるを得なかったって話だからなぁ。そんな会社の事だからすぐに沙汰されたんだろうけど。下請け会社は倒産したけど元受けは今でものうのうと経営続けているのもなんか凄く社会の闇って感じがして個人的に気持ち悪い。

リー『あっ!見えてきたよ!』

そうそう今回着いてきてもらう予定だったエンペルトには事務所でお留守番しておいてもらう事にして、リザードンとボーマンダのコンビでシーキンセツを詳しく調べる取材を敢行することにしました。姉ちゃんは・・・取り合えず家に居ろって事で置いてきた。こう言うのもなんだけど、正直問題児ですわ・・・。

「シーキンセツって入場料取られたっけ?そんな話、役所からお知らせ出てたっけ?ってかなんでこんなにも人いるの?何?廃墟探検ツアーでも開催されているの?」

シーキンセツは元々入場料すら取らない所謂廃墟同然の施設だった筈なのだが、何故か役所の職員証を首から下げた女の人が入口に立っていて入場料を徴収している。そして何故か観光客なのかそれともただの探検家なのか、はたまた廃墟マニアなのかわからないけどそういう怪しげな人が多数。こりゃ内部もカオスな状態だろうな。

「さてと、降り立ったのは良いけど流石にボーマンダとリザードンを連れ歩いた状態では取材とかは出来ないよね。だから二人ともボールの中に入っておいてね?・・・えっ?どうしたの?ボールに入りたくないって?そんな事言われてもなぁ・・・ほらだってここ色々な人がいるからあまり大きなポケモンを連れ歩くのはリスクが伴うというかなんというか。」

ボー『関係ないね。第一ここに居る人間なんて殆どもう一生会う事も無い人間達ばっかりなんだから気にするだけ無駄でしょ?だから僕だけは連れ歩いてくれないかな?』

リ『おいおいおい何一人だけ良い思いしようとしてるん???幾らシンゴの最初のパートナーだからって抜け駆けはよくないと思うぞ?そう言うならば僕だってシンゴのパートナーポケモンの2番目なんだから!!!』

あっ、ボーマンダは最初のパートナーポケモンで、リザードンは2番目にパートナーになったポケモンなので両者が言ってる事は特段おかしくはないです。ただ、やっぱり大きなポケモン2体はちょっと連れ歩くのが辛いなぁ・・・よし。じゃあこうする事にしよう。そうしよう。







ボー『なーんで僕が負けたからってボールに入らないといけないんですか?どうしてです?説明して下さい。』

「だからなんでさっきから敬語やねん。敬語使いなさんな。しゃーないでしょ、リザードンとじゃんけんしてもらった結果ボーマンダが負けたんだから。大人しくボールの中に入ってなさい。」

ボーマンダはブチ切れるとすぐに敬語になるからわかりやすい。逆にリザードンは実力行使に走るからどっちかと言うと対処しやすいのはボーマンダの方。でもネチネチ嫌味言われるからメンタルブレイクを仕掛けてくる点がたまに傷。でもこれがリザードンだと、メンタルじゃなくてリアルをブレイクしてくるからそっちはそっちでヤバい案件になる。つまりはどっちもどっちって事ですなぁ。両方同時にブチ切れたらどうなるかって?そんなの考えたくも無いわな・・・メンタルもリアルもブレイクしてくるってもう救いようないよ??

「次回ね?次回の取材時はボーマンダを連れて取材するから今回は我慢してて!それよりもリザードンの方は準備良い?結構歩くと思うけど大丈夫?あれだったらリザードンもボールの中に入ってても良いのよ?僕は全然構わないけど?」

リ『大丈夫大丈夫!全然オールオッケー!それよりも早いところボーマンダをボールに戻して探索しようよ!』

ボー『言いたい放題言いやがって・・・絶対後で痛い目に遭わせてやる。』

滅茶苦茶怒ってるボーマンダをボールに戻すとリザードンを連れて僕はシーキンセツを探索し始める。シーキンセツ自体はそこまで大きな施設と言う訳でもなく、全体的に回るには大凡2時間程度あれば終わる位の規模である。ただ、老朽化の為に所々立ち入り禁止になっている部分があったり地下の一部では沈んでいる部分があったりと全部が全部安全に探索できると言う訳ではないのだ。

リ『それにしても何で急にこんな不気味で薄気味悪い所を調べたくなったの?特に何もない感じはするし、廃墟にしては人も役所も入ってるから別に何もないと思うけど??』

「ここって操業を停止して廃坑手続きをする時に少し労働者と会社が揉めた形跡があるのよ。それに噂だとこの前行ったニューキンセツとも何かしらの癒着があるとの話もあったものだからちょっと気になっちゃってね。ほらここに落ちてる当時の社訓みたいなとか雑誌見てみなよ。」

僕は足元に転がっていたもう薄くなって微かに判別出来る位古い書類やボロボロになった雑誌を指さした。そこには残業上等だとかポケモン持ち込むなとか始業厳守終業曖昧とかシフトカード押してから残業とか・・・今こういう事やってる企業あれば世間から総スカンを喰らって業績に多大なる影響を与える文言が書かれていた。雑誌は転職の求人誌ばかりが落ちていて、操業当時の悲惨な労働状況が見て取れる。・・・そういう風に超ブラックな企業だったから、逆に今の人はそういう風なブラック職場に就く事が珍しい事になってきているから面白がって見に来るのかもしれないけどね。

リ『なんか凄くムカつく職場だね。僕達ポケモンですら腹が立ってくるわ・・・ってなんかシンゴの職場も昔そんな風な感じじゃなかった?ほらあの上司がクソ過ぎて』

「・・・・その話はもう聞きたくないし思い出したくもないからお静かに。」

リ『ごめん・・・・。』

うーむ・・・僕達は写真を撮りながら先に進んでいるけど、特にこれと言っためぼしい物は無さそうな感じがするな~。ってかこんな奥にもまだ小学校高学年か中学生かって子供居るし、一体ここの管理体制はどうなってるんでしょうなぁ。こんな所で事故にでも遭ったら助けが来るにも時間掛かると思うんですけど・・・あっ、そうこう言ってる内に水没地域に辿り着いてしまったではないか。これは困ったなぁ・・・今日は丁度ダイビング要員もダイビング機器も持ってきてないし、それにここから先はなんか立ち入り禁止区域に設定されているから入れないし。数年前も一回はここまで歩いてきてはいるけど、その年から大分経ったからもうちょっと先に進めるようになったかなぁという僕の期待はあっさりとぶち壊されて、ここが実質終点みたいな感じは変わってないか。
それに結構な時間ウロウロしてたけどなんかムカつく資料しか出てこないし、なんか今日は役所の人間みたいな人うじゃうじゃ居るし。気が気じゃないから、じゃあ今日の所は撤収しますかぁ。

リ『別に何もなかったね~。そうだ!折角ここまで来たんだからこの近くで何か食べてから帰ろうよ!そうすればボーマンダも絶対に機嫌直してくれるって!それに僕だってお腹すいたし!』

そうかそうか・・・考えたら昼食も取らずにこの廃墟同然のシーキンセツを巡っていたな。水に沈んでいる先には進めなかったけど、以前見た建物の中の地図では水に進んでいる先にも何かしらの部屋があったというのは覚えているんだけどなぁ。あれはダイビングか何かを覚えているポケモンを連れてくるか、はたまた溜まっている水をどうにかして外に排出しないと先に進めないしなぁ。この先に進めれば何か事実が見えてくるような予感はするけど、今日の所は撤収。また今度そういうポケモン連れている人を連れてくる事にして帰ろう。

「じゃあ今回はこれ位にしておいて帰ろうか。リザードンもずっとここまで着いてきてくれてお疲れ様。疲れたでしょ?何ならボールに入ってても良いのよ?」

リ『全然大丈夫!なんせシンゴは見てると凄く不安になる体型してるからボールの中に居ると余計に不安になるというかなんというか・・・だからこうやって歩いていても全然大丈夫!』

「そ・・・そう?なら良いけど、そんなに不安になる体型してるかな・・・??」

僕達は元来た道を戻り始める。戻り始めてすぐに何人かの役場職員の社員証なようなものを首から下げたスーツ姿の男女数人とすれ違ったけど、果たしてここで一体何をやるつもりなんでしょう。とりあえずあの人達を写真に撮っておこう。ここも何か観光地にしようって動きがあるのかもしれないなぁ・・・帰ったら役場に聞いてみようっと。じゃあ帰ろ帰ろ。







シーキンセツを離れた僕達は比較的近い方のムロタウンにて昼食兼夕食を取る事にした。本当は日帰りで帰ろうと思ってたけど、リザードンとボーマンダの負担を考えて急遽ホテルを取る事にしたのだった。ビジホですけどね・・・そして夕食はそこにあったファミレスで。そんな高い料亭とか行けませんって・・・行きたいですけどね(切実)

「それにしてもなーんか気になるんだよなぁ。」

ボー『気になるって何が?そんなにあの廃墟に気になるような物あったか?ボールの中だったからよく見えなかったけど特段僕にとっては薄暗くて気味悪い場所って感じだったけどな。』

リ『そうそう。なんか幽霊とか出てきそうな場所だった。』

薄気味悪いのは分かるんだけど、なんかそっちの方のヤバいじゃなくて・・・入口から居たあの役所の人間っぽい人とか最後にすれ違ったあのスーツ姿の男女の方が気になるのよね。あんな所を調査するなんて広報も看板も無かったし、そもそも今日は土曜日ぞ?普通の役所は休みの日にこんな所を調査するか?って話。

「あの男と女・・・なーんか気になっちゃってねぇ・・・役所の人間とは思えない髪型してたし、それに今日は土曜日・・・普通だったら役所やってないよね?あの職場って完全週休二日制だし。その時点でおかしくない??」

リ『言われてみるとそうかも・・・でも休日当番という可能性もあるよ?特にこういう所に居るのって土木課とかの人間だけでしょ??』

「土木課の人間があんなピシッとしたスーツ着る事あるかな・・・うーん、そういう変な時もあると思う事にするかそうするか。じゃあ週明けに管轄の役場に聞いてみる事しよう・・・気にはなるけど他にも人は居たし、取り合えずご飯食べてる時位は忘れておく事にしようそうしよう。」

僕達は夕食を再開したが、僕はどうしても気になってしまって中々箸が進まなかったのはここだけの話。っと思ったら意外とボーマンダも箸が進まなかったらしいけど・・・あれ?ボーマンダは箸使ってないから箸が進まないという表現はおかしいか。まっ良っか。

「そんな事よりもあっち(事務所)の方は大丈夫かなぁ・・・トラブルメーカー達ばかり残してきたけど変な事起こしてないよねぇ??」

ボー『大丈夫だろ。シンゴの姉ちゃんとエンペルトは救いようもないけど、まだボスゴドラとあいつが居る・・・あいつが居るなら多分大丈夫だろ。』

「そんなもんですかねぇ。」

今年はもう3連休がないんですよね・・・何故なんだ・・・

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