50.地の文に迫害されるトレーナー

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 ポケモンリーグもいよいよ決勝戦。
 ここまで駒を進めてきた、ヨウヘイとカズユキは互いにポケモンをフィールドに出す。

 
 ヨウヘイはジバコイルを繰り出した。
 カズユキはボールを空高く投げる。ボールは綺麗な放物線を描いて飛んでいく。光の粒子に包まれながら、華麗に着地を決めたのは、謎のポケモンの異名を持つスターミーというポケモンだ。無数に点在するスタジアム内のライトに照らされ、スターミーの紫の体がギラギラと輝きを放っている。
「(……ん?)」
「試合開始!」
 審判が旗を上げ戦闘が始まる。
「ジバコイル、10万ボルトだ!」
 ジバコイルの技はスターミーに命中。
「サイコキネシスで反撃しろ!」
 スターミーから突如念波のようなものが湧き上がり、それによりジバコイルの体は拘束される。拘束から逃れようとジバコイルは藻掻くが、スターミーは体のコアを赤く染め上げ、最大パワーで念を送り続ける。次の瞬間、ジバコイルは凄まじい勢いで壁に叩きつけられる。壁はトラックの事故現場かと思う程大胆に凹んでいた。
「ジ、ジバコイル、ボディプレスだ!」
 ジバコイルのボディプレスにより、スターミーは倒れた。
「スターミー戦闘不能!」
「(……なんか変だぞ今日?)」


 カズユキはスターミーを戻し、カイリューを繰り出した。フィールドに飛び出た巨大な竜は、敵の姿を捉えるなり雄叫びを上げる。目が真っ赤に充血しており、敗れた同胞のカタキを打つという気迫に満ちあふれていた。
「ジバコイル、一旦戻ってくれ。なんか今日はおかしい」
 ヨウヘイはジバコイルをゆにゅりと戻した。そして、今度はトゥルンとラグラージを出した。
「試合開始!」
 審判が旗を上げ戦闘が始まる。
「ラグラージ、冷凍パンチ」
 ヨウヘイがスルンスルンと命令を下す。ラグラージはサキュッと冷凍パンチをカイリューにぶつけた。効果抜群の技によって、カイリューは大ダメージを受けた。
「(……なんかさっきより変なような?)」
「大丈夫かカイリュー! 一か八か破壊光線だ!」
 カイリューは氷点下の拳の餌食となった腹部を抑えつつ、首を左右に振って薄れゆく意識を懸命に戦場に戻そうとする。渾身の力を振り絞り、喉を抉じ開け、この世の全てを破壊する光線を放った。眩い輝きを放つ光線は一直線に敵へと向かい、大気、地面を揺らす程の大爆発を巻き起こした。
「ハイドロカノンで決めろ!」
 ラグラージのハイドロカノンがポスッと命中し、カイリューは倒れた。
 カイリューが倒れたことで、この戦いはヨウヘイの勝利に終わった。


 試合後、ヨウヘイは記者からインタビューを受けていた。
「ヨウヘイ選手、今日の試合見事でした!」
「はい、今日は自分でも調子が良かったと思います。ただ、」
「ただ?」
「なんでしょう。なんて言うかその、今日は神様に嫌われてた気がするんですよね」
「神様?」
「神様にすごい迫害を受けていた感覚が、試合中ずっとしていました」
「でも、バトルに勝てたじゃないですか。むしろ神様から好かれてたんじゃないですか?」
「いや試合の結果はそうなんですけど……。というか、なんで俺が勝ったのかよく分からないです。今日は自分の方が負ける雰囲気が漂っていたのに」
「ちょっと言っていることがよく分からなくて、記事にできないのですが」
「ごめんなさい。なんでもないです忘れて下さい」
「それでは今後のご予定を教えて頂けますか」
「この後は……そうですね、一旦お祓いでも行こうと思います」

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