No.18 † 闇のオーラ †

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読了時間目安:11分
街道沿いのポケモンセンター ・ コミュニティ広場

アーシェ:「キバゴ!ダブルチョップ!」
コルボー:「シャドウ!騙し討ち!」

キバゴの放ったダブルチョップを空中で回避したヤミカラスが、そのままキバゴに突っ込み、弾き飛ばした。

アーシェ:「くっ……絶対命中技だから仕方ねぇ……このダメージは甘んじて受ける。けど、まだまだこれからだ!」
コルボー:「おう。今度は当たると良いな。」
アーシェ:「余裕ぶっこいてんのも、今の内だぞ……次こそ当ててやる。キバゴ、もう一度……」

私が指示を出すその眼前で、キバゴの体が青白い光を放ち始めた。

アーシェ:「キバゴ!?この光は……!」

光の中でキバゴの身体が少し大きくなり、頭の角は短くなったが、代わりに牙がより長く発達し……
大地を踏みしめる足は少し発達して爪が伸び、尻尾も伸びた。

全ての変化が終わり、光が掻き消え……

キバゴがオノンドに進化した。


【 オノンド 】
あごオノポケモン / 高さ : 1.0m / 重さ : 36.0kg / ドラゴンタイプ
大岩を砕く牙、鎧のように硬い皮膚を持つ。体当たりと同時に牙を突き刺す戦法が得意。
縄張りを巡るオノンドたちの争いは、非常に激しい。
折れた牙は二度と生え変わらないので、戦いが終わると河原の岩で牙を丹念に磨く。


コルボー:「おっ!オノンドに進化したか。トレーニングに付き合った甲斐が少しはあったかな?」
アーシェ:「うん!ありがとう、コルボー!それから、おめでとう、オノンド!あっ、そうだ!いつものアレやらなきゃ。」
コルボー:「あぁ、アレか。」

私は残りの3つのボールを投げて、バシャーモ、ハガネール、ヒンバス、タイプ・ヌルを呼び出す。

アーシェ 「みんな!ついにキバゴが進化したぞ!けどまぁ、姿が変わっちまったくらいで仲間に変わりは無いからな。これまでと同じように、オノンドと仲良くしてやってくれ。」

私の呼びかけに、ポケモン達が元気よく答える。
私の仲間のリーダー的存在のバシャーモと、まだオノンドがキバゴだった頃、よく頭に乗せて遊んであげていたハガネールが特に嬉しそうに見えた。

コルボー:「本当に仲が良いな、アーシェのポケモン達。」
アーシェ:「あぁ。ポケモン同士仲が悪くて、空気がギスギスしてるよりは良いだろ?」
コルボー:「違いねぇ。」
アーシェ:「さてと!それじゃあ、キバゴだった時に受けたダメージの回復をしてもらおうか、オノンド。」

フクス:「それは少し待たなければいけないかもしれませんよ、アーシェさん。」

ポケモンセンター内から出てきたフクスの言葉に、私は少し首を傾げた。

アーシェ:「少し待たなければって……まぁ、そりゃ優先順位があるから、預けた後は待たなきゃいけねぇけどさ。」
コルボー:「何だ?急患でもあったのか?」
フクス:「えぇ。それもポケモンではなく、人間の……」
アーシェ・コルボー:「「人間!?」」
フクス:「何が遭ったのかは私にはわかりませんが、先程、担架で運ばれていく男性をセンター内で見まして……彼の治療に大きく時間を費やされるでしょうね。」
アーシェ:「事故にでも巻き込まれたのか?災難だな、そいつも。」

まぁ、旅をしていると危険はつきものだしな……と、言葉を続けた私に対して、フクスが放った言葉は

フクス:「いえ、それが……その男性が言うには、あるトレーナーのサボネアに『 直接 』襲われたと。」
アーシェ・コルボー:「「何っ!?」」
フクス:「どっ……どうされました?2人共。」
アーシェ:「いや、実は私もポケモンに襲われた……ポケモンの技をこの体に受けたことがあるんだよ。それも2回。」
コルボー:「2回?この間のガントルが初めてじゃなかったのか?」
アーシェ:「あぁ……前に言った教会が襲撃されたとき、ヨマワルのシャドーボールを……ね。」
フクス:「そんな……大丈夫なんですか!?アーシェさん!」
アーシェ:「大丈夫、大丈夫。現にこうしてちゃんと生きてるんだし。」

若干、聞き流すようにフクスと会話をしながら、ベンチに置いていた缶コーヒーを手に取り、口へと運ぶ。

フクス:「そうではなく!そんなに体にダメージを受けて……コルボーさんとの赤ちゃんが産めなくなったら、どうするんですか!?」
アーシェ:「ぶっ……!(:.;゚;*;゚;.)・;:゛;`; 」

フクスの爆弾発言に、私は口に含んだコーヒーを吹き出してしまった。

フクス:「あれ?」
アーシェ:「げほっ……けほっ……なっ、ななな……何を言い出すんだ、お前ぇ!!」/////
フクス:「違いましたか?私はてっきり、2人はそういう関係なのかと……」
アーシェ:「違う!違う!確かにちょっと、その……アレだけど!私とコルボーは……おい!コルボーからも何か言ってやってくれ!」
コルボー:「………………」
アーシェ:「コルボー?」
コルボー:「……え?あぁ、すまん。少し考え事をしていて聞いてなかった。」
アーシェ:「……本当だろうな?」
コルボー:「本当だって。それで?何の話をしていたんだ?」
アーシェ:「えっ?あ……あぁ~……別に、大した内容じゃねぇよ。」
フクス:「それで、コルボーさん。考え事というのは?」
コルボー:「……なぁ、アーシェ、フクス。お前達は『ダークポケモン』ってのを、聞いたことはあるか?」
アーシェ:「ダーク……ポケモン?…………いや、私は今、初めて聞いた。フクスは?」
フクス:「私も初めて聞きました。悪タイプのポケモンとは、また違うのですか?」
コルボー:「あぁ。オーレ地方っつう場所で確認されたポケモンでな。いや、まぁ……既存のポケモンではあるんだが、人為的に心を閉ざして戦闘マシーンへと改造されたポケモンのことを、そう呼ぶんだ。性格は凶暴になり、人をも攻撃する。」
アーシェ:「ポケモンを改造!?」

改造という言葉に少し驚いたが、私は人工的に作られたポケモンを知っている……いや、実際に仲間として所持している。
こうして生命を生み出すことができているんだ。元から存在するポケモンを改造するということは、案外簡単なことなのかもしれない。

聞いていて、胸くその悪い話だけど……

アーシェ:「それで……その改造されたポケモン達を助ける手段はあるのか?」
コルボー:「残念ながら普通の手段では無理だ。」
フクス:「ということは……普通じゃない手段なら、あるのですね?」
コルボー:「まぁな。ダークポケモンは一応、トレーナーのポケモン扱いになるらしくてな。『スナッチマシーン』とかいう相手トレーナーのポケモンを捕獲する機械を使わないとゲットできないらしい。」
アーシェ:「何だそのふざけた機械……そんなモンが存在していいのか?」
コルボー:「まぁ、元々はとある犯罪組織が開発した物らしいからな……聞いた話によると、ある科学者がより高性能……ダークオーラを識別しつつ、ダークポケモンだけを捕獲できるようにしたスナッチマシーンを開発したそうだ。」
アーシェ:「ダークオーラ?伝説のポケモン、イベルタルの特性か?」
コルボー:「いや、そのダークポケモンが発するオーラのことをそう呼ぶらしい。通常の人間には見えないが、ごく稀に見ることができる人間が居るんだと。」
フクス:「なるほど……原因は判りませんが、そのダークポケモンが世に出回っているのだとすると……普通のトレーナーとのバトルも危険ですね。」
コルボー:「そういうことだ。最近、ロケット団が『シャドウポケモン』とかいうのを所持してるって話も聞く。まったく、物騒な世の中だぜ。」
アーシェ:「あっ、その団体は聞いたことがある。確か、何年か前に解散したって話を聞いたんだけど……また復活したのか?」
フクス:「確かポケモンを悪用するマフィア……ギャング集団でしたっけ?」
コルボー:「やっぱり、そこらへんの話は知ってたか……まぁ、とにかく。アーシェ……気をつけろよ。」
アーシェ:「何で私だけ名指し!?けどまぁ……うん。わかった、気をつける。」
フクス:「……アーシェさん、もしかして、ロケット団を壊滅させてやる!とか考えてません?」
アーシェ:「考えてねぇよ。そんな危険な事……」
コルボー:「え?マジで?」
アーシェ:「何で意外そうな顔してんだよ、コルボー……まったく。お前等、私を何だと思ってやがる。勇気と無謀の区別くらいできるっつうの。」

その日の夜

『なるほど、コルボーさんからそんな話が……』

私はその日コルボーから聞いた話を、異国に居るティアにライブキャスターで伝えた。
立場的に既に知っていたかもしれないけど、念には念をいれておいて損をするようなことはないだろう。

アーシェ:「まだ実際にそうだっ!って、決まったわけじゃなくて、もしかしたらって話なんだけどな。一応、お偉いさんであるティアお姉さまに報告しておくべきかと思ったんでね。」
ティア:『お偉いさんだなんて、そんな……でも、了解。アーシェちゃんのその情報は、こちらでもちゃんと伝えておくわね。』
アーシェ:「よろしく頼む。そちらのお偉いさんがこのフィリアに来るような動きがあったら、可能な限り全力で阻止してくれ。」
ティア:『アーシェちゃん、何か誤解してない?私にそこまでの権限があるわけじゃないのよ?』
アーシェ:「いやいや、大丈夫だって。ティアならできる、できる。」
ティア:『もぅ、仕方ないわね。そういうことになりそうなら、可能な限り努力してみるわ。』
アーシェ:「うっす。お願いします。」

「あら?アーシェさんも電話ですか?」

ティアとの通話を終了したとき、宿泊用の部屋に入って来たフクスが声を掛けてきた。

アーシェ:「ん?あぁ、ちょっと前に知り合った友人にな。フクスも誰かに電話してたのか?」
フクス:「はい。私も友人に、こちらに遊びに来ないかと……この先の港町で合流しようと約束しました。」
アーシェ:「お前……カロス地方に行くために港町を目指してるんじゃなかったのかよ?しかも、コルボーからあんな話をきいた後で誘うなんて…………」
フクス:「ですが、ダークポケモンとの遭遇は絶対ではありませんし、このような刺激的な旅はなかなか体験できないでしょうからね。」
アーシェ:「なかなか良い根性してるな、お前。」
フクス:「誉め言葉として受け取っておきますね。」

フクスの友達か……どんな奴だろう?
会うのがちょっと楽しみだな。

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