No.17 † 異国からの漂着者 †

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キルデークを出発して海岸沿いに北上する感覚で西へと向かう道中、私達はとあるビーチで休憩していた。

アーシェ:「よしっと……コルボー。昼飯ができたぞ。」
コルボー:「ん?あぁ、ありがとう。いただきます。」

海を眺めながら、ポケモン達をボールから出して遊ばせ……私達は昼食を食べながら、雑談を楽しむ。

コルボー:「ん……美味い。けど、初めて食べるな……何だ?コレ。」
アーシェ:「あぁ。そいつは『ドルマドキア』。ウブの実の葉っぱに肉と玉ねぎと米を合わせた物を包んで煮込んだヤツだ。栄養もあるし、米が入っているから腹持ちも良い。」
コルボー:「へぇ……アーシェ、お前……普通に料理上手だよな。」
アーシェ:「まぁ、人並みには……な。ガキの頃によく手伝わされたり、その後も生きていくのに必要なスキルだったからな。ところで、コルボー。」
コルボー:「もぐ……何だ?」
アーシェ:「コルボーはいつまで、私と一緒に旅をしてくれるんだ?あっ……いや、別にお前との旅が嫌になったわけじゃなくて……コルボーにも確か、仕事があっただろ?警備員の。」
コルボー:「あぁ……そうだな、とりあえず同僚から呼び出しを喰らうまでかな。今のトコロ何の連絡も無いってコトは、俺が居なくても何とかなってるってことだろうし。」
アーシェ:「そっか………」ホッ……
コルボー:「まぁ、俺もティアみたいにそのうち仕事で戻ることになるんだろうが……それまでは引き続き頼むぞ、アーシェ。」ニコッ
アーシェ:「ふぇ!?あ……あぁ、もちろん!任せてくれ。」ニコッ

何気ない会話を楽しんでいた時である。
遊んでいたはずのキバゴとヤミカラスが私達の所に駆け寄って来た。

アーシェ:「ん?どうした?キバゴ。」
コルボー:「…………向こうの方で何か見つけたようだな。他の俺達のポケモンが集まってる。」
アーシェ:「ホントだ。ハガネールが居るから、場所がすぐわかるな。とりあえず……行ってみよう、コルボー。」


◆◆◆


私とコルボーが自分のポケモン達が集まっていた場所に駆け寄ってみると、1人の女性がおそらく自分のポケモンと共に浜辺に打ち上げられていた。

アーシェ:「えっ……!?生きてる……のか?っていうか、何でこんな場所に人が……」
コルボー:「そういや、先日ニュースで、飛行機が襲撃されて墜落したって報道していたな……」
アーシェ:「マジで?じゃあ、この人は墜落した飛行機から此処まで流されて来た可能性が……いや、でも、私も詳しくは知らないんだけど、墜落事故で生存者って存在するのか?」
コルボー:「ごく稀にだがな。でないと、いかにも漂流者ですって人間が海に入っている理由なんて……他には客船沈没くらいしか思い浮かばん。確か、遊泳シーズンはまだ先の話だろ?」
アーシェ:「うん。先日のグラードンの件で、少しだけ先に延びちまったんだけど……はっ!そういえば確か、ジャパニーズには海の中に潜って貝なんかを採る女の人が居るって情報を、本で読んだことがある。この人もその類じゃ……」
コルボー:「海女さんのことか?いや、それでも……こんなに着込んで潜水はしねえだろ。」

目の前で倒れている女性を前にコルボーと意見を交わし合っていると、女性よりも先に彼女のポケモンと思われる1匹が目を覚まして起き上がった。

アーシェ:「あっ、よかった……生きてるみてぇだな。」
コルボー:「ん?このポケモンは……ルカリオか。」


【 ルカリオ 】
はどうポケモン / 高さ:1.2m / 重さ:54.0kg / 格闘・鋼タイプ
あらゆるものが発する波動をキャッチする能力を持つ。
相手の発する波動をキャッチすることで、考えや動きを読み取ることや、見えない相手の姿も見えたり、人の言葉を理解することができる。
鍛えられたルカリオは波動を使い、1キロ先に誰がいるのか、どんな気持ちかさえも分かる。
波動で相手の気持ちをキャッチする。知りたくないことも分かるので、ストレスを溜めやすい。


起き上がったルカリオは、女性と私達の姿を確認した後……素早く体勢を立て直し、襲い掛かって来た。

アーシェ:「なっ!?バシャーモ!」

私の指示で集まっていたポケモン達より1歩前に出たバシャーモが、守るを発動してルカリオのインファイトを受け流していく。

コルボー:「アーシェ。相手は気が動転しているだけだろうから、お手柔らかにな。」
アーシェ:「わかってる……バシャーモ、ブレイズキック!!」
コルボー:「うおぉぉい!?効果抜群技!!」

バシャーモが燃え盛る蹴りを繰り出そうとした瞬間……目の前のルカリオも同じように脚に炎を纏わせてブレイズキックを繰り出した。

互いに燃え上がるバシャーモの脚とルカリオの脚が、腰よりも高い位置で激しく交差するようにぶつかり合う。

アーシェ:「あいつ、ブレイズキックが使えるのか!?ルカリオってポケモンは、波動で何やかんやするポケモンだと思ってたんだけど……」
コルボー:「まぁ、トレーナーの数だけ戦略や方針があるからな。偏見だけで相手を判断するなっつう話だ。いい勉強になったな、アーシェ。」
アーシェ:「まったく、仰る通りです。」

「ん……ぅ……」

バシャーモに力で押し切られ、少しだけ後退したルカリオの隣で、女性がゆっくりともう1匹のポケモンが上半身を起こした。

アーシェ:「おっ!人間ともう1匹の方も無事だったみてぇだぜ。」
コルボー:「だが……まだ意識が朦朧としているみたいだな。」
女性:「えっと…………ルカリオ、インファイト。」
アーシェ:「何で!?ちっ……バシャーモ、守る!」

おそらく女性も現状把握がまだできておらず、私達を見てどう思ったのか、ルカリオに攻撃指示を出したので、私もバシャーモに防御するよう指示を出す。

アーシェ:「くっ……そっちがその気なら、バシャーモ!もう一回、ブレイズキック!!」
バシャーモ:「(。`・ ω ・) ”」
コルボー:「ん?いや、ちょっと待て!アーシェ、バシャーモ。」
アーシェ:「え?」
バシャーモ:「( ・ ω ・)?」

私達の前方で女性と一緒に置き上がったポケモンが、女性の傍まで擦り寄っている。

アーシェ:「あのポケモンは……確か、サーナイトだったかな?」


【 サーナイト 】
ほうようポケモン / 高さ:1.6m / 重さ:48.4kg / エスパー・フェアリータイプ
未来を予知する力を持つ、命懸けでトレーナーを守るポケモン。
トレーナーを守る時に最大パワーを発揮して、小さなブラックホールを作り出す。
未来を予知する能力で、トレーナーの危険を察知したとき、最大パワーのサイコエネルギーを使うといわれている。


女性:「どうしたの?サーナイト。」
サーナイト:『………………』

アーシェ:「何やってんのかな?」
コルボー:「さすがに独り言ということはないだろう。おそらく、サーナイトと会話しているんじゃないか?詳しくは知らんが、テレパシーで会話できるポケモンとか居るらしいからな。」
アーシェ:「へぇ……ポケモンと会話か。ちょっと羨ましいな。」

サーナイト:『………………』
女性:「えっ!?それじゃあ……あの、えっと!ごめんなさい!!」

サーナイトに何を言われたのか判らないけど、女性が私達の目の前で土下座した。

生まれて初めてリアルで見たけど……これ、された方が反応に困るんだな。


アーシェ:「いや、そこまでしてくれなくても………」
コルボー:「いろいろ訊きたいことはあるが、とりあえず……まずは自分のポケモンのことを気にしたらどうだ?手持ちがルカリオとサーナイトだけなら問題無さそうだが……」
女性:「あっ……はい。」
アーシェ 「ふぅ……じゃあ、私は料理を此処に持って来るよ。いつから此処で倒れてたのかは知らねぇけど、腹減ってるんじゃねぇか?」
女性:「ぁ……ありがとうございます!」


~ 数分後 ~


私とコルボーは自分のポケモン達をボールに戻し、先程までいた場所に女性を連れて来た。

アーシェ:「それにしても、あんたのポケモン達が全員無事みてぇで良かったな。」
女性:「いやぁ、本当に……あっ、私は『フクス=シュッツェ』といいます。」
アーシェ:「あ……これはどうもご丁寧に。私はアーシェ・バーンハルウェンです。」
コルボー:「俺はコルボー……そうだな、アーシェの旅仲間とでも言っておこうか。」
アーシェ:「それじゃあ、各々名乗り終えたところで……フクスは何であんな場所に漂着してたんだ?」
フクス:「実は…………」


~ フクス、事情説明中 ~


コルボー:「………なるほど。壊れた家具をカロス地方に買いに行く途中で、乗っていた飛行機が何者かの襲撃によって……か。」
アーシェ:「はぇ~……大変だったんだな、フクス。」
フクス:「解ってもらえますか!?」
アーシェ:「まぁ……私も住んでいた教会が襲撃されて、全焼しちまったからな……」
コルボー:「デンジャラスな人生を送ってんなぁ、お前等……それで?フクスは当初の目的通り、カロスを目指すわけか?」
フクス:「そのつもりなんですけど……あの、此処って一体……?」
アーシェ:「ようこそ!フィリア地方へ。」
フクス:「フィリア?えっと……具体的な場所って……」
コルボー:「フクスの地元が何処かは知らんが、地図によるとフィリアはカロスから見てやや東南に位置する場所だな。」
アーシェ:「カロス地方に行くなら、フィリアの最北端の町から更に北上することになるけど、陸続きで歩いて行けるぞ。もしくは、どこか町の港から船に乗って行くかだな。」
フクス:「なるほど、なるほど。」
コルボー:「どうする?アーシェ。キルデークに引き返すか?」
アーシェ:「いや、あそこは確かに港があるけど……出入りしてんのは商船だけだぞ?客船が出入りするような港はもう少し西にある『 コルポス 』に行くか、サルスーラまで戻るかだな。」
コルボー:「ふむ……じゃあ、このまま西へ行く方が良いだろうな。そのコルポスって町に到着してから船に乗るか、陸路で歩いて行くかを決めればいい。」
フクス:「あのっ!町の名前とか全然解んないので、できればそこまで連れて行ってくれませんか!?」
アーシェ:「ん?あぁ、いいぞ。向かう方角は一緒だからな。コルボーも良いよな?」
コルボー:「そりゃ、困っている奴をこのまま放置はできんだろ……構ねえぞ。」
フクス:「ありがとうございます!助かります!」
アーシェ:「……その前にポケモンセンターに寄らねぇとな。いつまでも、そんな水浸しの服で居たら風邪引いちまうぞ。」

こうして、私の旅に新しく1人、異国のポケモントレーナーが加わった。
ティア、コルボーに続いて3人目……2人と同じように少しでも親睦を深めることができるといいな。

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