37.マグマ団 vs アクア団

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「我々はついにやったぞ。これでカイオーガを支配できる!」
 アクア団はカイオーガを目覚めさせられる力を手に入れた。
 そして、カイオーガのいる場所まで辿り着いてしまった。
「やめろ! 取り返しがつかないことになる」
 マグマ団は、アクア団の企みを食い止めようとしていた。
 しかし、愚かなアクア団は最後まで思想を曲げようとしなかった。
「カイオーガが目覚めれば海が広がる。我々の思い通り」
「お前ら如きに、カイオーガは操れない」
 次の瞬間、アクア団のリーダーが持つ玉が光りだした。
「なんだ?」
 光りが収まったとき、カイオーガはそこにいない。
「どこにいった!?」
「大変です! 外が大雨です!」
 アクア団のしたっぱが、慌てて報告してきた。
「大雨だと……! それこそが我々の望んだ結果」
「とんでもない雨量です! このままだと世界が沈んでしまいます」
「なんだと!」
 アクア団のリーダーは大層狼狽えていた。
 マグマ団とアクア団は急いで外に出る。
「わ……我々はなんて力を復活させてしまったんだ……」
 アクア団のリーダーは膝を付き、残骸の言葉を述べる。だが、時既に遅し。
 彼らの間違った行動は、もう取り消すことができない。
「だから言っただろう。海を増やすなど、余りにも愚かなことだった」
「違う! 我々は、カイオーガを支配できる筈だった!」
 アクア団は往生際が悪い。
「まだだ! 次こそはカイオーガを手中に収めてみせる!」
「もういい。お前らは何もするな」
 愚かなアクア団に構う暇はない。マグマ団はすぐに、カイオーガを捕らえに行った。
 世界が海に、沈む前にーー。




 ……。




 そこまで書いて彼は筆を置いた。
「自分で言うのもなんだが、上手く書けたな」
 彼は、マグマ団のしたっぱの一人。
 彼は、アクア団がいかに愚かであるか、知らしめるための小説を書いていた。
「この小説が売れれば、幹部に昇格できるかもな」
 小説を出版すれば、アクア団がゴミ集団な事実が広まる。
 すると彼らの活動に支障が出る筈だ。少なくとも、アクア団に入団する者はいなくなる。
 彼はこの小説は、絶対にベストセラーになると信じていた。
「愚かなアクア団! 貴様らは終わりだ!」




 ……。




 そこまで書いて彼は筆を置いた。
「ふう……。少々複雑なお話だが、良い感じに書けてきた」
 彼は、アクア団のしたっぱの一人。
 彼は今、マグマ団がいかに卑劣であるか、知らしめるための小説を書いていた。
「マグマ団のしたっぱがアクア団の評価を下げるために小説を書く」という話を書いていた。この話で、マグマ団がいかに卑劣な連中なのか、表現した。
 マグマ団は自分らを棚に上げ、アクア団を批判してくる。彼はそんなマグマ団が許せない。その怒りを小説にぶつけた。
 小説の中で小説を書く、というのは随分複雑であるが、面白いはずだ。
「この小説が売れれば、マグマ団は世間から叩かれて終了だ!」




 ……。




 そこまで書いて彼は筆を……

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