医療主任ハリー・バーク③

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読了時間目安:2分
バーク(地球人男性)
チョロネコ♀
 異界『第十一スペース』は、南国リゾートを絵に描いたような世界であった。
 不可思議な結晶が草木のように生える山に、高くそびえる豪華絢爛な高層ホテル。個室のバルコニーからは、さざ波が宝石のように白く煌めくオーシャンビューを一望できる。
 ところが、ホテルの夜を満喫するドクター・バークは。
「こんなもの、アローラ地方のそれと大して変わらんわ」と、不満たっぷりに。「俺がエーテル大病院で絶大な権力を握っていた頃は、こんなリゾートホテルなど腐るほど泊まってたわい!」
 バークに仕える臆病なチョロネコは、でもでも、と反論する。「チョロチョロチョロ、チョーロチョロチョーロ……!」顧客満足度は最高です、きっとドクターもお気に召すかと!
「ただの海、ただの白ワインで、一体どこの誰が満足するんだ。どうせならとびっきりの美女をひとりふたり用意せんか!」
「チョロ~」そんなの無茶ですよお。

 と、思った矢先。

「ね~えあなた、ひょっとしてお医者さんかしらあ?」金髪のゴージャスな美女と。
「わたし腰が痛くて歩けないのお。どうかその素敵で男らしい手で診察してくださらなあい?」黒髪のゴージャスな美女が。
 どこからともなく、バークの両脇に迫ってきた。
「誰だ貴様ら! どこから来た!」バークは憤慨して。「……なあんてのは嘘だ! ちゃんと用意してるじゃないか! 生まれて初めてお前のことを有能だと思うところだったぞ、がはは!」手のひらを返してチョロネコを撫でると、美女ふたりを侍らせて、バルコニーに躍り出た。
 どういうことなの。唖然としているチョロネコの頭を、拳骨が襲った。誰かと思って振り返れば、バルコニーに出たはずのバークが鬼のような形相で立っていた。
「この役立たずめが! お前は本当に無能でノロマなグズだ! この俺が直々に折檻してやるから覚悟しろ!」

 第十一スペース。
 それはアンノーンたちが訪れた者の欲望を叶える、夢のリゾートである……。
結晶塔の美女!

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