この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
さて、それでは次の幻剣に参りましょうか。
こちらに並びます三対の剣。
【三鳥天司】にございます。
『みつどりあまつかさ』、可愛らしい響きでございましょう?
昔のもの故、見た目こそ朽ちてしまっておりますが、かの伝説の鳥ポケモンをモチーフとしたその造形はなんとも可憐かつ優美なものでした。
さらにこの三つの剣、それぞれ固有の名前が付いております。
右から順に、
灼熱の太陽の如く燃ゆるほのおの剣【陽炎】
暗雲立ち込める中瞬くでんきの剣【雷電】
冷酷な吹雪に凍えるこおりの剣【雪氷】
でございます。
これら三つの剣が揃えば、天災を呼び起こす、と言われておりました。
なんでも手にした者は鳥のように空を舞い、陽を、雷を、雪を、自由自在に操ったそうです。
剣だけで天候を司るなんて、なんとも壮大な話だとお思いになられた事でしょう。
もしや所詮御伽噺だなんて、そう思われているのではありませんか?
全く、困りますよ。私のお話はきちんと信じていただかないと。
もちろんこれからお話します物語はこの【三鳥天司・陽炎】、【三鳥天司・雷電】、【三鳥天司・雪氷】にまつわるお話でございます。
随分昔のお話になりますので、こんな語り始めはいかがでしょう?
むかしむかし、あるところに三人のうら若き乙女らがおりました────