一話 尾行

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

零話を読まなきゃ多分わかりません。あれがプロローグ的なものなので。すいません。
めちゃくちゃ可愛いクラスメートを尾行している。

とだけ言うととんでもない変態だと思われてしまうかもしれない。だが実際のところ彼女は、僕をとんでもない変態にしてしまうほど危なっかしいのだ。

彼女を追いかけて行った先は、タイヨー地方一番の草原、通称ダイソウゲンだった。技名ではない。
ここで初めてのポケモンを探すのだろう。
ここにはいろいろなポケモンがいる。ガラル地方のワイルドエリアのように。

彼女が歩き回っていると、進行方向にキテルグマが現れた。
悪運の強い奴だ。キテルグマの腕力はは相当なもので、理都のような華奢な人間は簡単に粉砕してしまう。
そして、キテルグマは、理都に襲いかかろうとする。きっと、この辺りが縄張りなのだろう。

尾行してて良かったよ。
「リグレー、念力!」
僕もリグレーもまだバトルは未経験。だけれども相性がよかったからか、少しは効いただろう。
キテルグマが怯んでいる間に、彼女の手を引いて走り出す。
「恋夜さん!?」
「今はとにかく逃げよう」
ここまでの経緯を話している暇もない。僕達は、必死になって逃げた。
始めはダイソウゲンの東端にいたはずなのに、気付けば西端まで来ていた。
「はぁ、はぁ、やっと逃げられた...」
僕はその場に崩れ落ちた。対して理都は、割りと平気そうだった。
転んで捕まりそうになった彼女を、リグレーが念力で運んできたらしい。サイコキネシス並みのパワーでもあるんじゃないか?
理都はかなり体重は軽い方だ。本人が言っていたし、誰からしても太っているようには見えない。多分運動不足の僕でも片手で持ち上げられる。
でも、バトル経験のない未進化ポケモンの念力で持ち上がるかといえば、あまり期待できない。このリグレーが特別だったりするのだろうか。
「ありがとう…でもなんでこんなところで会うんだろう」
彼女は問う。けれども、馬鹿正直に、死体を見たくなかったと言うわけにはいかない。

「偶然じゃない?ハイ、この話は終わり。それで、欲しいポケモンは決まった?」
「最初からサボネアを捕まえるつもり」
独特なチョイスだ。まぁ、僕のようにリグレーを連れたトレーナーもあまりいないが。
「サボネアはここにはいないよ。ダイソウゲンの西の、カラカラ砂漠に行かないと」
カラカラ砂漠はただの通称、本当はそこは砂丘だ。マリオの世界に行くわけではない。ただ、正式名は知っている人の方が少ないらしい。
「すぐそこだよね」
「うん。ホラ、そこにいるよ」
まるっこい身体をした、サボテンのようなポケモン。
サボネアだ。

カラカラ砂漠付近は、砂漠ではないのにもかかわらず砂漠のポケモンが多く生息している。
サボネア、カバルドン、フライゴン、ワルビアル、ドラピオンなどなど。
ここで、理都は初めてのパートナーを捕まえる。
さて、うまくいくのだろうか。
せっかく助けたのに、死んだりしないだろうか。

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