あとがき

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※とりとめもない殴り書きです、ご容赦ください…
・作品のテーマ

まずはライム君とのコラボ作品を許諾してくださったももりま様、並びに読者の皆様へ、この度は拙作にお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

「Mind of Discovery」、いかがでしたでしょうか。ももりま様(花鳥風月様)の「マインドショック!」とは作風もジャンルも大きく違いますが、それでもライム君はどこに行ってもライム君でした。彼のちょっとツンツンした態度や、マドカちゃんや周りに対する根深い負い目、そして生来からの優しさは変わりません。それが今作のテーマでもありました。

少し前に、構造主義の概要を説いた本を読みました。哲学のお話で、ざっくり言うとこんな内容です。自分のありのままこそが自分の本質とする(実存主義)のではなく、どこへ向かっていきたいか、何を成し遂げたいか、目標を持って動く自分こそが自分の本質なのだと。(構造主義の話というよりは、構造主義を説明する過程の話だったかな?忘れた)いずれにせよ、なるほどなと腑に落ちたところがあります。

この本を読んでから、「自分が何者なのか」をテーマに書くことに決めました。ライム君は果たして自分を何者だと思っているのか。彼はきっと、マドカちゃんが大好きな反面、自分が荷物になることを恐れているのではないでしょうか。これこそが彼にとって最大の恐怖であるならば、今作の敵も自ずと決まってきます。こうなりたくないと最も恐れた自分そのものです。だから冒頭、演劇の台本を読むシーンで、ライム君は自分の役柄にしっくり来ていませんでした。心のどこかで自分には逆立ちしたって、こんなことはできない、したくないと拒絶していた訳ですね。

自分が何者なのかを問うシーンは、ミオとライアンにも用意しました。細かいところでは、他のキャラにもそれっぽい描写があったと思います。社会に裏切られ、社会を恨みながら、本当の信念をどこまで貫けるか。あるいは、夢破れた後に立ち上がることができるか。ライアンの結末は多少ぼかしていますが、時間をかけてでも新たな居場所を見いだして立ち上がって欲しいところです。


・ライム君を書くにあたって

ももりま様の作品「マインドショック!」をお読みの方はお察しの通り、ライム君、とても可愛いですよね! 強気な割には身体が弱く、割れやすいガラスのハートの内側にはマドカちゃんへの熱い想いが秘められている。彼の情熱は冷めているようで、マドカのことになると、自分でも驚くほどの行動力を発揮できるのではないでしょうか。こんな健気で尊いエモンガの男の子を虐める「マインドショック!」は、なんと恐ろしい作品なのでしょう…。そんなライム君に、外の世界を楽しんでもらいたい、可愛がってあげたいと思い立ったのが、今作コラボの始まりでした。

さて、ライム君を借りるにあたって書き方には相当気を遣いました。というのも、やはり他所様のキャラクターを預からせていただく訳ですから、手抜かりはできません。ライム君の本質を探り、彼の意思を再現するためにも、ももりま様の作品「マインドショック!」を一定程度読み込んだ上で、ライム君についての分析レポートも作りました。

おかげで実際執筆する際には、だいぶスムーズに書けたと思います。一重にこれらの下地があったことと、ももりま様と何度も相談の機会をいただきながら、ライム君の解釈について何度も修正を重ねたことが大きかったです。ただ、本来は「マインドショック!」を最新話まで読み込んだ上ですべきだったかもしれません。未読のところはももりま様との相談中に概要を教えてもらったりしました。たくさんご協力いただいて感謝の言葉もありません…。

やはりキャラクターを借りるコラボ作品については、どうしても手間がかかります。キャラクターの分析、解釈、そして相手方との丁寧な合意の積み重ね。でも、それらを経たおかげで、私自身も納得のいく作品が書けたと思います。それも、書きたいことをすべて書き尽くした上で。これらの積み重ねがなければ、うっかり地雷を踏まないように相当控えめな内容になってしまったかもしれません。

あともうひとつ、キャラクターたちの活躍のバランスも意識していました。主人公級にライム君とミオを置いた上で、その周りにイヴやシェイミ、ライアン、コントロールといったキャラクターを配置。彼らのそれぞれ得意なこと、苦手なこと、思想を並べて、皆の活躍シーンを描きました。誰もが自分の特技を活かして、チームとして戦いました。誰かが誰かの株を落とすような、一方的に助けてやる、守ってやるばかりの展開では、お相手も大変不快に思われてしまいます。お互いに理解して助け合う展開を約束していたからこそ、コラボのお相手からも信頼してもらえたと自負しています。


・舞台設定

コラボの相談を始めたのは2020年末頃だったかな。その頃はいくつかの案が並んでいました。世界観は拙作「Prometheus」を流用するか、ももりま様の「マインドショック!」から借りるか。後者の場合は、おそらく今作とまったく違うお話になっていたと思います。ミオが「Prometheus」の世界から迷い込んできて、小型艇が郊外に不時着。そこへライム君・マドカちゃんとばったり遭遇してしまって、食べ物や修理に必要な道具を集めてもらうかわりに、ミオが台本の脚本を書くというものです。その台本が、ミオの経験したウルトラホールを題材にしているものですから、慣れない役とストーリーを受け入れるのに苦難しながらも、少しずつ理解を示していく…という流れでした。異文化交流や異なる価値観との相互理解をテーマにすれば、こちらも深掘りして書けたのかな…と思いますが、やはり私の得意なのはガチガチのSF作品。拙作の世界観を採用しました。

ところで、今作の中盤にポケモンダンジョンらしい回が挟まれていたことにお気づきでしょうか。これは第3話を書いている辺りで閃き、急遽追加したシーンになります。せっかくライム君をウルトラホールに呼ぶのであれば、どこかのウルトラスペースを冒険させてあげたいな、と思ったのがきっかけでした。この判断は我ながらナイスだったと思います、普通の男の子らしく冒険心を発揮するライム君は書いてて私もワクワクしました!

そして、最後は巨大戦艦を舞台にした潜入。そこからの逃走劇は極めて熱い! やっぱり私の世界観でやるからには、戦艦の登場は外せませんね。最後に戦艦同士のバトルが繰り広げられるところまでちゃっかり入れました。でもミオとライムが逆転を仕掛ける上では重要な要素だったので、うまく物語に組み込めたと自負しています。


・使ったネタ紹介

思い返せる限りで並べてみます。たぶんここで漏れているのもありますが、あぁこんなのあったなー! と楽しんでもらえれば幸いです。

第1話
ウルトラホール:無数の世界を繋ぐ、無限に広がるワームホール。ポケモンSMで登場した設定です、めっちゃ汎用性高いのでぜひ皆さんも使ってほしい…!
タキオン放射線:SF作品をご存知の方はお馴染みですね、時間が絡む事件の影にはタキオンあり。
転送:ゲームはもちろん、アニメでも描写されています。ポケモンセンターに設置された装置で、モンスターボールを置くと、白い稲妻のようなビームが出てきて、ボールごと電脳空間に飛ばすアレです。あるいは、ポケモンORASのエピソード・デルタでも、ワープパネルの原理を使って巨大隕石を転送しようとしていました。

第2話
ユニバーサル翻訳システム:初期のアニメで、喋るシャースを研究しようとしたポケモン言語学者のお話があったと思います。彼の書いた論文が、後々こういった技術の開発に繋がっている…と考えると、夢がありますね。
ポケウッド:言わずもがな、イッシュ地方の映画撮影施設です。ライム君が小型艇を「これポケウッドの舞台セットだろ!」と疑ったのも、ポケウッドSF作品「タイムゲート・トラベラー」のことを言っていました。
ミラージュ・システム:アニメのオリジナル回「Master of Mirage Pokemon」で使われたホログラム技術です。あらゆるポケモン、技、タイプを再現できるという、いわばチートをテーマにした設定ですね、多分。

第3話
テメレイア帝国:拙作「Prometheus」で登場するオリジナル世界で、武力行使を是とする戦士の帝国です。その暴力的な性質から、ウルトラホールにおいても強大な軍事国家として恐れられていました。
探検隊バスターズ:ライム君とイヴの探検隊、名前を何にするか大変迷いました。そこそこ中二っぽい名前を選んだつもりですが…。

第4話
巨大リザードン:リザードンは捕食者ですね。プラスルはおいしかった?
古代遺跡:言及はしませんでしたが、これ実は「古代ポケランティス」の遺跡です。そう、アニメでサトシがバトルフロンティア編で遭遇した遺跡の文明と同じものです。拙作の世界観では、このポケランティス遺跡がウルトラホールの各地に点在しているのですが、その話は拙作「Prometheus」にて…。
ダモス:ポケモン映画「アルセウス・超克の時空へ」に登場した過去の人物。これも拙作「Prometheus:Age of Discovery」オリジナルで、並行世界の残虐で暴力的なダモスが基になっています。アルセウスを殺して奪った命の宝玉を使い、武力で地球を統一したあと、さらなる力を求めてアローラ地方に進軍。そこでウルトラホールに落ちて、ここ23世紀の世界に迷い込んでしまいました。

第5話
ミオの日誌:2115年の日誌は、拙作「Prometheus」からそのまま抜粋。2117年の日誌は、「Prometheus:Age of Discovery」をミオ視点で書いたものです。
グリングス・コーダイ:ポケモン映画「幻影の覇者ゾロアーク」にて登場した悪役。彼のキャラクター、大好きです。もっと頑張って欲しかった…。
時の波紋:同作にて登場した時間エネルギー。時渡りの副産物ですが、触ると周辺が枯れ枯れになっちゃいます。実は今作でミオが取ったとき、同じく周辺環境が犠牲になりましたが、それを挟み込むシーンがありませんでした。残念…。
星の停止:ポケモン不思議のダンジョン・時闇空の探検隊で登場した事件。闇のディアルガの暴走、時限の塔の崩壊で、世界の時間がどんどん止まっていきました。今作の背景となる時間戦争で、歴史を各々が好き勝手に改変した結果、凄まじい勢いで時空の歪みが蓄積してしまい、弾ければ数多の世界が崩壊するほどの巨大な爆弾になってしまいました。これを止めるには、爆弾を抱えた世界ごと時間を完全に止めるしかなく、地球連合は星の停止を起こすために艦隊を派遣。しかし反対派は爆弾をエネルギー源として利用できると主張し、艦隊に真正面から戦争を挑みました。結果、時限の塔を破壊して星の停止を起こすことに成功したものの、住民の避難や艦隊の脱出が間に合わず、大勢が星の停止に巻き込まれてしまいました。両軍の犠牲があまりに大きすぎたため、両軍とも停戦協定を締結。時間戦争は終結しました。

第6話
ホロ・チェンジャー:ミラージュシステムのホログラムを応用した変装用アイテム。
戦艦ブラックシティ:ネームの由来は、イッシュ地方に栄える欲望の街ブラックシティでした。

第7話
ラミエル界域:拙作「Prometheus」に登場した領域で、ゲーム上のウルトラホールにも浮かんでいるビリビリが大量発生しているところです。

第8話
グラシデアの花粉:ポケモン映画「空の花束シェイミ」で登場。シェイミが娼館の個室備品から漁って入手した小瓶に詰まっていました。スカイフォルムのシェイミといやらしいことをしたいお客の需要に応えるべく、こういうものが常備してあるそうです。おじさんもシェイミちゃんと遊びたいぞ!

第9話
旗艦プロメテウス:拙作「Prometheus」に登場するウルトラホール探査船プロメテウス、その後継機です。初代プロメテウスから数えて4代目、正式にはD型プロメテウスと呼ばれています。
ハーヴィー・ブライス:ブライスの姓は、拙作「Prometheus」の機関主任オフィーリア・ブライスより。彼女の子孫にあたります。

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