エピローグ それから……

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  20――ローネ


「今日か」
 愛しの夫は、スマホを確認してそれから言った。あたしは頷く。
「ルークからも連絡来てる。よろしくだって」
「会いに行けばいいのにね、そのぐらい」
「はー、もうこれだから象牙の塔の住人は、自分のしたいようにできるんだから。医者は重労働なのよ?」
「その言い方はないだろー。ま、あいつが忙しいのはそうだけど」
 そう言って夫は笑った。あたしも笑う。
「でもローネの場合、あれでしょ? どっちの方が大事なの? なんなら僕以上もあるんだよね」
「さーどうでしょうか」
 あたしは微笑んで、彼にそっと口付けた。
「それじゃ、行って来ます」
「行ってらっしゃい」
 あたしは家を飛び出した。足取りは軽い。もう何年も、この日を待っていたのだ。再会の、この日を。

「ローネ、じゃ、行こう」
「うん。しっかしまあ、あの時のバカがこんな、外務大臣なんて重役の護衛になってるとはね、リオ」
「もー、ひっどいなぁ。あれは仕方ないでしょ?」
 リオは頬を膨らませる。ルカリオとなった今ではそのあどけない所作はむしろ違和感を与えるからやめろと言っているのだけれど、これが自分だとリオはなかなかやめてくれない。
 あたしは立ち上がると、応接室へ向かった。そして自らの席に座る。リオがその隣で控える。
「こんなものものしい護衛なんてむしろ邪魔だと思うんだけどね」
「だからものものしさを減らそうとしてるの」
「ん」
 これは一本取られた。苦笑を浮かべていると、扉が開く。あたしは立ち上がった。そして入って来た「2人」の姿を見て軽く一礼し、そして言った。微笑みを浮かべながら。

「お久しぶりです」

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