5 村での初仕事

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それでもいいという方がいたら読んで頂けたら幸いです。
「んんー……あれ、どこここ?」
気がつくと、ユウカは見覚えのないところにいた。それも林の中や山の麓とかいう所ではなく、
「うわーなにこの不思議な感じ……もしかして夢?」
明らかにこの世のものではない景色が広がっているのである。ユウカから見て上下に広がる単色の色彩がグラデーションのように変わっていくなんて普通じゃない。
「もしこれが夢だったらケーキの一つや二つくらい……くそう、分かってたよそんな都合のいいことが起きないことくらい」
なんだかよくわからない状況に陥っているユウカはおよそ危機感がゼロとしか考えられないようなことにトライしていたがうまくいかなかったようだ。
自分が見ている夢をうまくコントロールできないことに若干不機嫌になっていると、
「……ん?」
目の前に広がる不思議空間の一部が歪み始め、ユウカが不思議に思って見つめているとなにやら黒い影のようなものが浮かびあがってきた。
その輪郭のはっきりしない影はこちらに向かって何かを訴え始めた。
『—.—ぉ————————ュゥ——n.——っ———————!?———ぁっ—n——!?ぁぁ—ぅ—n—n—ゃ——n—————nょ.————ぁぇ—ぉ————ぃ!—ゃ—ぃ—.—』
何言ってるか微塵も分からなかったが、なんとなく焦っている雰囲気をユウカは感じ取った。かすかに聞き取れた部分をつなぎ合わせてなんとか伝えたいことを理解しようとするが、いかんせん判断材料が少なすぎるのでうまくいかない。
そうこうしているうちに謎の黒い影が薄らいできた。直感で、ユウカは自分が夢から覚めかけていることを理解する。
「まって!あなたは誰なの?私になにを伝えようとしているの!?」
『—n———ょ———ぉ—…』
ユウカの声が向こうに届いたかどうかはわからないが、帰ってくる言葉は相変わらず全くわからなかった。
「あぁ……消えちゃった……」
結局黒い影がなにを伝えたかったのかもわからず、その影は消え去ってしまった。それと同時にこの夢と思われる空間も崩れ始め、代わりにユウカが本来いた場所であろう景色が浮かびあがってくる。
それと同時に、
「……え?まだいるの???今の完全にいなくなる流れだったでしょ!!?」
まーた黒い影が出てきやがったのだ。しかもさっきより近い。
夢から現実にならないといけないほどに重要なことでも抱えているのだろうか、とユウカは考えていたが、徐々に夢が覚め、黒い影の輪郭がはっきりしていく内にその説は否定された。
その黒い影の正体は
「カエン?どうし……グフッ」
「ユウカっ、しっかりしろ!ユウカ、ユウカァーーーー!!!」
夢から完全に覚めたユウカは無慈悲かつ残酷な現実に引き戻された。


**********


なにがどうしてこうなったのかはすぐ思い出せた。
昨日カエンと別れて家に入り、二階に上がって自室にしている部屋に着き、そこで食料がゼロということに気付いて絶望した後、カエンに助けてもらおうと思い立ち扉を開けたところで力尽き今に至ったという訳である。
しかしそんなことを思い出したところでユウカに呪いのように纏わりつく飢餓感と疲労感と腹ペコ状態と空腹と空腹が消えて無くなってくれるわけではない。
「余分にリンゴ持ってきてよかった……とりあえずこれ食べろ」
「アリガトォ…」
「その呪いのような声ほんとに怖いからやめてくれ」
カエンにさらっとひどいことを言われたが、あいにくユウカにはそんなことに反応する余裕がないのでカエンから渡されたリンゴを口に含み、味と食感と食のありがたみを噛みしめる。
カエンはユウカがリンゴを食べ切ったのを見て安心し、
「はぁ……倉庫にあるものはある程度自由に使っていいからな」
「それ昨日言ってほしかった……って倉庫のもの勝手にとっちゃっていいの?」
「倉庫には倉庫番のポケモンがいるからな、大丈夫だ」
「え?でも昨日は……」
言いかけて、二匹は昨日のことを思い出した。例の逃走劇である。
ユウカからの視線が冷たくなっていくのを感じ取ったカエンは強引に話を変えようと試みた。
「あっそうだ!今日からユウカは村の仕事があるからそれについて言いに来たんだよ!!廊下で話すのもあれだし下いこーぜ下!!!」
「あっ、ちょっと!!はぁ……」
それだけ言ってカエンは逃げるように階段を駆け下りてしまった。ユウカには腑に落ちないことが多数あったが、下に降りなければ話が進まないのでユウカもカエンを追いかける。
階段を降りて、リビングに行くとカエンはすでに椅子に座っていた。ユウカもカエンと向き合うように反対側の椅子に腰を掛け……づらいので椅子の上に猫のように座る。
「じゃあ村の仕事について説明するぞ、村の仕事は“当番制”と“依頼制”の二つがあるんだ。んで今日やるのは依頼の方な」
「当番制と依頼制……それってどんな感じなの?あとリンゴもう一個ちょーだい」
はいはい、とカエンはバックから取り出したリンゴをユウカに向かって、机の上でそれを滑らせながら説明を続けた。
「そのまんまなんだけどな、当番制はポケモンごとにやる日が決まってる仕事で、ダンジョンへ食料とか生活に使うものを取りに行くんだ。そんときに持って帰った道具とかは全部倉庫に預けないといけないぞ。んで次は依頼制だな、こっちは誰かに頼まれた道具とかをダンジョンに探しに行くんだ。依頼するポケモンは誰かの親だったり友達だったりするな」
「それ村の仕事なの?」
リンゴをキャッチしたユウカは話を聞いている中で率直に思ったことをカエンに聞いた。
それに対し、カエンはうーんと唸って、
「んと、まずここの村には仕事以外の外出は基本禁止ってオキテ……まあルールみたいなのがあって、でもそれだと暇になるからいっそ当番じゃなくても外に行けるように仕事作っちゃえって、ん?倉庫に預けるのが嫌だってポケモンが言い出したんだっけ?うーーーーーん???」
と曖昧に答えた。どうやらカエンもあまり詳しくないようだ。
「おーい、はむっ、話続けて―?」
カエンが考え込んでしまったのでリンゴを食べ始めたユウカは声をかける。
「ん、ああごめんごめん。んで今日の仕事は依頼制、当番制は二匹じゃできないからな」
そう言いながらカエンは彼のバックから巻かれた紙を取り出し、ユウカに軽く直線状に投げつけた。リンゴを食べていたユウカは投げられた紙への反応が遅れたが、危なげながらもそれをつかみ取る。
「ナイスキャーッチ、今日やることはそこに書いてあるはずだから読んでくれ」
「せめて山なりに投げてよー……」
カエンに対し不満を言いつつついでにリンゴを食べつつユウカは受け取った紙を広げ、目を通し始めた。
「んーっと?“ユウカちゃんへ、昨日はよく眠れたかしらぁ?カエンが随分心配していたけどぉ……「全く大丈夫じゃなかったです」まあ大丈夫よねぇ。「死にかけました」それで、今日頼みたいことねぇ。「うんうん」あなたたちには“イツシキの森”っていう所で、「どこ?」ザロクのみ、ロメのみ、ウブのみ、ネコブのみ、タポルのみをそれぞれ三個ぐらい採ってきてほしいのぉ。「ふーん、それもあるんだ……」場所はカエンが知っていると思うわぁ、「あ、ハイ」それじゃあカエンのことよろしくねぇ。「はーい」”らしいよー」
「お、おう、めっちゃ喋るなお前……」
一体どこにツボったのか、カエンは笑いをこらえて震えながら反応してきた。笑うとこなんかどこにも無いはずなんだけど?
「ほら、頬っぺた膨らませてないでさっさと行くぞ」
割とすぐに平静を取り戻したカエンは椅子から離れ、玄関に向かって歩き出した。
その様子を見たユウカは急いで残りのリンゴを食べ切り、
「はいはーい!あっ、この紙置いといてもいいー?」
「ああ、早くしろよー」
カエンにそう返され、ユウカは今日の仕事が書かれた紙を机に放り投げ、速足で玄関へと向かっていった。

イツシキの森は一昨日ユウカが倒れていた滝つぼの、さらに奥の方に位置していた。
「やっと着いた……なんか村からあそこの滝に着くまでがこの前よりずっと長かった気がするんだけど……」
愚痴を漏らしたのはユウカの方だ。まだダンジョンに潜ってもいないのに、彼女の顔のいたるところには汗の玉が浮かんでいる。
「そりゃあ一昨日のダンジョンは避けて通たんだから当たり前だろ」
頭と尻尾を垂らしているユウカと比べ、そこまで疲れていないカエンはバックの中身を確認しながら何気ない調子でユウカの愚痴に答えた。それを聞いたユウカは少し驚いた様子で、
「ダンジョンって避けて通れるの?」
と聞き返す。
そういや知らないんだっけ、とカエンは苦笑して、
「あそこは村に帰るときは使えないんだけどな、ダンジョンは中にいるだけでいつもより疲れるし、階段が見つからないとずっと迷うことにもなるから、避けれるときは避けた方がいいんだ、ダンジョンごとにそういう抜け道があるから覚えておいて損はないぞ」
と返した。
カエンからの返答を聞きユウカは、へぇー、と感心したような声を漏らした。
息を整えたユウカは顔を上げ、改めて今日ダンジョンとして入る森を見つめる。森の木々の葉はほとんどが緑なのだが木の一本一本になっている実がかなり多く、それのせいなのか遠くから見ると、赤、青、緑、黄色、桃色といった様々な色が森全体を彩っているかのように見えた。
「きれいだねー……」
ユウカは目の前に広がる絶景に圧倒されていた。何となく、名前の“イツシキ”の由来がわかった気がする。安直だがこの森を表すにはふさわしいだろう。
そんなことを考えながらユウカが辺りを見回すと、
「……うん?かえーん……?」
隣にいたはずの猫がどこにも見当たらない。遮るものは木々しかなく、あまり鬱蒼とはしていないのでどこに行ったのだろうと思い、この森がダンジョンであるということを思い出す。
はぁ、とため息をついたところでユウカの脳裏にある考えが頭をよぎった。
不思議のダンジョンについてはまだよくわかっていないが、その性質の中にこんなものがあったはずだ。
・入るたびに地形が変わる。
・入ったら出るまで地形が変わらない。
……では、先に誰かがダンジョンの中に入った後、別の誰かが同じダンジョンの中に入った場合、どちらの条件が優先される?いや、もしどちらも適用されるとなると、先に入った誰かと後に入った誰かはそのダンジョンの中で会うことはできるのか?
「まってえええええぇぇぇ!!!」
現状起こりうる最悪の事態を想像したユウカは急ぎ足で目の前のダンジョンに突入した。


**********


「はあ……はあ……」
「おー、きたきた」
再度息を切らしているユウカが声のした方に顔を上げると、まさに猫といった感じで座っているカエンがいた。どうやら待ってくれていたようだ。いやまあ置いて行かれた時点でくれていたも何もないのだが。
「っつかなんでそんな焦って入ったんだ?……まさかすごく強そうなポケモンでもいたのか!!?」
「……おいてかれたから」
こっちの不安を知らずに見当違いな勘違いしてきたのでちょっと頭の血管が切れかけたけど、ということはつまり誰かがダンジョンに入ってるときは地形は変わらないということが恐らく常識、正直に言っても恥ずかしい思いしかしないだろうから、という思考を重ねた結果、ユウカは嘘ではないが一番の理由を隠した答えをできる限りの小声で呟いた。
しかしそこはやはり猫、カエンにはバッチリ聞こえていたらしく、
「あっ、そうだったのか、ユウカって意外とさみしがりなのか?」
割と悪気なくそう返されてしまった。
結局別口で恥ずかしい思いをしたユウカは気を紛らわすために辺りを見渡すと、ダンジョンに関してとあることに気が付いた。
「ここ……なんかこの前のダンジョンより狭いような……」
ような、どころではなく明らかに一つの部屋が狭い。ユウカたちは今部屋の壁際にいるのだが、四、五歩歩いただけで向かい側の通路に届きそうだ。
ユウカの独り言を聞いたカエンは、あぁ、と言って、
「ダンジョンごとにも色々特徴があるんだよ、ここは一つ一つの部屋が狭くて、落ちてる道具が結構多いんだ」
とユウカに説明した。
ほーん、とユウカが納得していると、向かい側にある通路から白と黒のギザギザ模様をしたポケモン、“ガラルジグザグマ”が歩いてきた。
……相も変わらずグルグル言ってこちらを警戒してきている。どうやらダンジョンのポケモンはどこにいても同じなようだ。
しかし相手のタイプには悪タイプがある。油断していると戦闘経験が浅く、またタイプ相性も不利なユウカが倒れてしまうと思ったカエンは早急にジグザグマを倒そうとするが、
「まって」
とユウカがカエンに声をかけた。
「私が戦ってみる」
それを聞き、カエンは驚いた表情をした。
「え?でもあいつ、悪タイプだぞ?技が通らないんじゃ……」
「だいじょーぶ」
不安が残るカエンに対し、ユウカは軽くそう言うと自身の体に青白い光を纏わりつかせ始めた。現状彼女が唯一使える技、“サイコキネシス”である。
それを見たカエンは苦い顔をして、
「暴走すんなよ?」
と釘を刺した。ちなみに彼は昨日ユウカのサイコキネシスを自分に絡めた奇跡の悪質タックルをもろにくらい、派手な爆発を起こして気絶した第一被害者である。普段のバトルなら別にいいのだが、今回の目的は木の実を集めること、こんな最序盤で体力を消耗している余裕はないのだ。
と、不安を募らせているカエンに対し、
「わかってる」
とだけ言い、目の前で警戒しているジグザグマに向かって走り始めた。
おいっ、とカエンが声をかけた時にはユウカは既に相当な勢いをつけてジグザグマの上を跳んでいた。
「ッ!?」
先程までそこそこ離れていたはずの距離を一気に縮められたジグザグマは、ねこだましを食らったようにひるんでしまう。
「せいっ!!」
「グギャァ!!!」
そして次に、物理法則を無視して体を空中で180度回転させたユウカは勢いそのままに後ろ蹴りを放った……つもりなのだろうが、
「昨日とあんまり変『ブオォン!!!』…」
カエンの呆れた声が余波の爆音でかき消されたが、彼の言う通り全くなっていないのだ。
まず跳んだ時の姿勢がフリーフォールでもしているかのような姿勢になっている時点でおかしい、もっとわかりやすく言うと素人感丸出しのフォームだったのである。おそらく今の攻撃の大部分は助走と回転の勢いが占めているのではないか、メチャクチャな蹴りを顔面にもろに食らったジグザグマが正面ではなく真横に吹っ飛んでいったのがいい証拠だ。ちなみに吹っ飛ばされたジグザグマは当然のごとく消滅している。
攻撃が終わった後も変な姿勢で宙にとどまっているユウカはそのままカエンにこう聞いた。
「どうだった!?」
「全く変わってないから石投げててくれ」


**********


「うー……」
昨日カエンが気絶している間に積んだ練習の成果を全否定されたユウカは、不服そうな声を漏らしながら辺りに落ちている道具を拾っていた。その中にはリンゴやカゴのみなど見たことがあるような物もあれば、炎のような形をした種や紫色の何かが巻き付いた枝など、今までに見たことのない物まで混じっている。
「ねえカエン―、これなにー?」
ユウカはそこそこ離れた所で同じように道具を拾っているカエンに質問した。
「どれだ?」
「これー」
「ええっと、“ばくれつの種”と“しばりの枝”だな、ばくれつの種は食べたり投げたりすると爆発して、しばりの枝は当たった相手の動きを止める効果があるぞ」
「ええっ!!?」
それを聞いたユウカは驚き、慌ててばくれつの種を……やさしく放り投げた。というかなんでこんなのが森の中にあるんだ。そもそも爆発する種とはなんだ?
「大丈夫だって、爆発といってもそこまで強くないし」
そう言いながらカエンは硬直しているユウカの横を通り、ユウカが落としたばくれつの種を四足歩行の前足で器用にバックの中に入れる。
「ほんとにー……?」
いまだ不安が残るユウカはそう言ったが、
「お前が起こす爆発より全然マシ」
と言われ、ぐうの音も出せなくなってしまった。

部屋の中にある道具を全て拾ったユウカたちはその部屋から出て、ダンジョンの探索を始めた。
カエンを先頭に通路を歩いている途中で今度は普通のジグザグマと出くわし、試しにとユウカが言ってジグザグマをサイコキネシスで動けなくして、カエンがほのおのキバをジグザグマに放ってみると、ジグザグマは普通にダメージを受けた。どうやらユウカのサイコキネシスは普通の物理現象に対してはほとんどの衝撃を通さないが、ポケモンの技となると話は変わってくるらしい。というか法則性が全く見えない。これは本当にポケモンの技なのだろうかとすらユウカは感じていた。
その後もしばらく歩いているとユウカたちは階段のある部屋に出た。
「おーっし、じゃあ次の階に行くか」
「えっ?」
カエンが言った言葉にユウカは疑問符をつけて反応した。その理由は、
「まだウブのみとか一つも見つけてないけど……」
依頼されている木の実を一つも手に入れていないのだ。それなのに先に進むのはあまり良くないのでは……とユウカは思ったが、
「ここのダンジョンは階層によって落ちてる道具が変わるんだよ、あの木の実は奥の方に落ちてるからさっさと進むぞ」
そう返してすぐに、カエンはこのダンジョンの景観とは不釣りあいな階段を上り、消えてしまった。
そうなのか、とユウカは一人納得し、先のない階段を上り始めた。


**********


階段の一番上にたどり着いた瞬間視界が暗転し、気がついたら別の場所にいる、なかなか慣れることのできない感覚だ。幸い気分が悪くなることはまだないが、視界が暗転するのではなくぐわんぐわんと歪む形だったら吐いてすらいたのではないだろうか、とユウカは考えていた。
隣に目をやると、なにやら顔に緊張が走っているカエンがいた。
……
「どう
「しーっ」
ユウカはカエンに何があったかを聞こうとしたが強めに遮られ、原因はわかっていないが、カエンと同じように緊張し始める。
(あれ)
カエンがそう小声で言って前足を差し出した先を見てみると……いかにも強そうな“リングマ”が座りながら眠っていた。明らかに起こしてはいけない類のポケモンだ。
(あんなポケモンもいるの!?)
焦った様子のユウカはうろたえながらカエンにそう聞く。
(落ち着け、向こうはまだ眠ってるから起こさずに部屋を出ればだいじょ……)
カエンの声が途切れた。
何事だろうと思いユウカは周囲を見渡すと……通路に繋がっているところに“ゴニョゴニョ”が佇んでいた。それをみてもパッとしないユウカが首をかしげていると、
(おいっ、早くゴニョゴニョにサイコキネシス打ってこっちに持ってきてくれ!!)
小声ながらも強くカエンに言われたユウカは、それでもわからないといった感じで、
(ゴニョゴニョってそんな強いポケモンだっ『ドシン』
別の足音が聞こえた。
それを聞いた二匹……特にカエンは反射的に音のした方向を見ると、なんと別の通路から“ドゴーム”が入室してしまっていた。
ユウカはそれを見て、ゴニョゴニョはどういうポケモンだったか、なぜカエンはあそこまで焦っていたのか、これからなにが始まろうとしているのか、その全てを悟った。

……問題です。
今、この三つの通路とつながっている部屋には、あなた、パートナー、眠っているリングマ、ゴニョゴニョ、ドゴームがいます。
ゴニョゴニョ、およびドゴームの位置はあなたたちのいる位置からかなり離れています。あなた方が何か行動を起こした瞬間、彼らはすぐにでも動き出すでしょう。
さて、どうする?この後の展開も考慮したうえでお答えください。希望的観測はキャンセルだ☆

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