第三話 イーブイは手伝いたい

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今日は大掃除の日であった。寺に住む者35人全員で寺を含むエンジュシティの町全体をすべて掃除する。朝早くから街に落ちているごみを拾ったり、雑草をむしったり、寺の障子を張り替えたり、すべての掃除を終えて最後に街の厄払いをする。年に4回、季節が変わる時に行う。その中で一番大変なのが、寺の床雑巾がけだ。その作業に坊主が選ばれてしまった。あと同期の上田も選ばれてしまったそうだ。
「ひぇぇ手が凍えて死にそうだ」
季節は秋と冬の変わり目だ。冷えた水で手が悴んで動かなくなるほどだ。ゴム手袋をしたい気分だが、これも修行の一貫。手が凍結しようがやらなければならない。和尚様に「やり直し!」と言われない程度に手を抜こうか。

坊主はそう考えていた。

まだまだ、一人前の僧侶になるには修行が足りないようだ。

「ぬふううん!!!」
坊主は廊下を走って雑巾がけをする。廊下は全長20m。なんとその廊下は5つもあるのだ。まるで体力テストのシャトルランをしているような感覚だ。小中学生の頃は運動バカだからそこそこ良い記録を出すことができていたが、10年経った今は運動神経が悪いただの坊主だ。昔のような体力はない。坊主は汗をだらだら垂らした顔をタオルで拭って冷えたスポーツドリンクを片手に飲み干す。

「ハァハァあと半分…!」
坊主が雑巾がけを再開しようとした時だった。

「いっぶい~!」
癒し系の天使が現れた。現れただけでも坊主の体力は少し回復した。
「でも今は、邪魔だけはしないでくれよ~頼むぞ……。」
と言って坊主は雑巾がけを再開した。
「いぶい?」

イーブイは目の前にある湿った雑巾を見て

「いっぶい~♪」
坊主の真似をするかのように雑巾がけを始めたのだった。

「おまっっっっえっもっ?!手伝ってくれるのか?!」

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坊主は思わず鼻血がだらだら出てしまう。急いでティッシュを両鼻にねじ込んで雑巾がけを続けた。


同期の上田は
「ははっ、可愛いなこいつは。鼻血が出るのも納得がいくよ。でも、その鼻血まみれの床掃除はどうしようか。最悪の場合、和尚さんに殺されるよ」


うっ…!


坊主は焦りながら雑巾がけをした。床に染みた鼻血を綺麗にするのに3時間かかり、「掃除が遅い!サボっていただろう!罰としてあそこの荷物運び行ってこい!この煩悩坊主!」と和尚様に怒られたそうだ。




本日の勝敗
______________
坊主の負け
理由:鼻にティッシュを詰め込みすぎてさらに鼻血がでたから
______________

敗因そこなの?!

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