ページ1:少年達の誓い

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

サザンドラ)「異界見聞録第一章第一節、『白と黒を宿す者』。革命をもたらす者、輝石の光主。その一角、白の光主は己の内に秘める白の輝石と対象に、決して何物にも染まらぬ黒を宿す。その者、何者も恐れぬ勇気と決して揺らがぬ確かなる信念で星が本来辿るべき未来すら塗り変える―。」




ここはおだやか村。
都会とは少し離れたこの場所で、夢と希望を胸に抱き長い旅へ出発しようとしている二匹のポケモン―ミジュマルの少年とツタージャの少女がいた。
???)「いよいよだな。俺達も探検隊入団試験を受けられるようになるのは。」
???)「そうだね。今思えばあなたと出会ったのも、この時のためじゃないかな。」
???)「パール。あなたには魔力が全くないけど何故か魔導書グリモワールに選ばれた―。周りは鼻で笑っているけど、それでもあなたは本気でなれると思っているの?全ての魔法使いの頂点に。」
パール)「なれるさ。俺も魔導書グリモワールに選ばれたんだから。それに俺、本気で思ってんだ。諦めない限りは、夢は決して夢には終わらないって。だから俺は何があっても絶対に諦めない。どれだけ周りに笑われたり馬鹿にされてもな。ヒスイだってそうだろ?」
ヒスイ)「もちろん。あなたが夢を叶えるために一生懸命努力しているのは私が一番分かっている。」
パールとヒスイは拳を合わせて、3年前のあの時と同じように誓いあった。
パール)「俺は魔法使いの頂点に立って魔力を持たないポケモンの希望に。」
ヒスイ)「私は全ての魔法を研究して全てのポケモンが魔法を使えるように。」
パール&ヒスイ)「「どっちが先に夢を叶えるか、勝負!!」」



5年前、人間だったパールは突如、謎の力によってミジュマルに姿を変えられ地球からグラン・アルセリアスに連れてこられた。
そこで出会ったのがヒスイと村のポケモン達だった。
彼は元々は人間だったことを彼女達に伝えると、最初はこの世界が元々人間だったポケモンに支配されていることもあって警戒されていたが、3年前のある事件をきっかけに村の仲間として受け入れられるようになった。



3年前―。
村のポケモンA)「大変だ!!盗賊が…!!」
平和だった村に突如盗賊が襲ってきて村中が大混乱に陥った。
村長のポケモン)「今すぐ村中の魔法使いを集めろ!!それ以外の者は絶対に外に出るな!!」
村の魔法使いは果敢に盗賊に立ち向かったが、返り討ちにあってしまった。
そんな中―。
ヒスイ)「あなたどこへ行くの?!村長から絶対に外に出るなって言われているでしょ?!」
パール)「アイツらを止める…!!これ以上好きにはさせない…!!」
ヒスイ)「魔法も使えないくせにどうするつもり?!それにこれはこの村の問題!!よそ者が首を突っ込んでいい問題じゃない!!」
パール)「魔法が使えなくてもやってやるさ!!それに、村のポケモンだろうがよそ者だろうが関係ない!!困っているポケモンがいるのに、知らんぷりするなんて俺には絶対にできない!!」
ヒスイ)「ちょっと!!」
パールはヒスイの制止を振り切り、盗賊が狙っている魔導書グリモワールが保管されている魔道図書館へと走った。
パールは盗賊に果敢に立ち向かった。だが結果は当然―。
盗賊)「ククク…。魔力が全くないくせに、この俺様に楯突くとはナメられたもんだ…。」
パール)「ま…まだだ…!!」
ヒスイ)「やっぱり!!」
パール)「ヒスイ…!!」
ヒスイ)「あなた何考えているわけ?!死にたいの?!」
パール)「言っただろ…。困っているのに知らんぷりなんかできないって…。」
―ゴトン。
魔道図書館に保管されてある魔導書グリモワールのうち一冊が本棚を飛び出し、外壁と内壁の間へと落ちた。
パール)「何度だって立ち向かってやる…。」
そして、壁のレンガを押しのけて外に出ようとしている。
パール)「諦めないのが、俺の魔法だ!!」
次の瞬間―。
パールの前に一冊の魔導書グリモワールが現れた。
パール)「これは…魔導書グリモワール…?!」
ヒスイ)「何あれ…?!あんな魔導書グリモワール見たことない…!!」
彼が手にした謎の魔導書グリモワールから古びた剣が現れた。
魔導書グリモワールの裏表紙に描かれている星にはそれぞれ"誠実"、"夢"、"希望"、"愛"が含まれている。
五つ目の星には"幸運"が宿る。
そして、六つ目の星には…。




"悪魔"が、棲む―――――。




盗賊)「な…何なんだそれは…!!」
盗賊)「魔力のないクズがァアアアアー!!」
盗賊の鎖魔法がパールを襲う。
だが―。
パール)「~!!重い…!!だけど…。」
パール)「筋力を鍛えまくった俺には…。」
パール)「持ち上げられないわけがない!!」
パールは軽々と剣を持ち上げ、そして振り下げた。
すると、鎖魔法で生成された鋼以上の強度を持つ魔力の鎖が紙のように断ち切られた。
そう、この剣は―。
盗賊)「俺様の魔法を無効化した…?!」
ヒスイ)「すごい…!!」
魔力がないパールだからこそ、手に入れることが出来た―。
パール)「魔力がなくても、俺は魔法使いの頂点に立ってやる―!!」
アンチ魔法の魔導書グリモワール―!!
パールは盗賊に強烈な一撃をお見舞いした。
その瞬間、勝負は着いた。
パール)「勝った…のか?」
ヒスイ)「…。まだ完全には認めたわけじゃないけど、やるじゃない。」
パール)「ありがとう。少しはこの村の役に立ててよかったよ。あ、そうだ。」
パールは盗賊に手を差し伸べた。
パール)「ありがとうございました、いいバトルでした。アンタが悪者じゃなかったら、きっともっと楽しい勝負になっていたと思うけど…。」
パール)「もうこんな悪いことはやめて、ちゃんと真っ当な生き方をしろ。そうすれば俺はまた必ず戦ってやる。」
盗賊)「…。変な奴…。」
盗賊は、これからはこの村に手を出さないことを誓って村から去っていった。
ヒスイ)「ちょっと!!何やってるの?!」
パール)「何かまずかったか?」
ヒスイ)「まずいも何も、何で逃がしているのよ?!捕まえるチャンスだったじゃない!!」
パール)「悪者も弱者も、そうじゃなくても関係ない。俺は、救えるものは全て救うつもりだ。」
ヒスイ)「はぁ…ホント何考えてるか分からない!!」
ヒスイ)「でも気に入ったわ。あなた、さっき魔法使いの頂点に立つって言ってたわよね?」
パール)「ああ、そうだ。そうすれば、きっと俺みたいに魔力を持たないポケモン達にとって生きる希望になれるかもしれないからな。」
ヒスイ)「だったら私と勝負しない?あなたの魔法使いの頂点に立って魔力を持たないポケモンの希望になると言う夢と、私の全ての魔法を研究して全てのポケモンが魔法を使えるようにするという夢。どっちが先に夢を叶えるかを。」
パール)「ああ、勿論。」
ヒスイ)「約束よ。」
パール)「ああ、約束する。」




そして現在―。
パールとヒスイは村のポケモン達に見送られながら夢へと向かって一歩、また一歩と外の世界へ歩き出した。
パール)「それじゃあ、行くか!!」

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