怪盗団の初仕事
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
翌朝、俺は簡素な布地の敷物の上で起床した。昨日アイシーに案内されたこの部屋は、机とベッドだけが用意されていたが、怪盗団として生活するには十分な設備だった。むしろ今までの牢屋生活に比べたら、ここまでぐっすり眠れたことに感涙してしまいそうだ。
「さてと、今日から怪盗団の一員としてやっていくんだ。気を引き締めていかないと」
前足で顔をパシッと叩いて、朝から気合を入れる。朝の集会に参加するため、俺は部屋から出る。すると同じタイミングで、向かい側の部屋からヴァイス(アブソル)も姿を現した。一応挨拶しておくか…。
「おはようヴァイス、これから一緒に頑張ろうな」
「……」
何故かヴァイスは何も言わずに、こちらをチラッと見ただけで行ってしまう。おいおい、何か一言くらい返事してくれよ。朝から気分悪いぜ…。
そんなことがありながらも、俺は昨日自己紹介をした集会部屋に入る。既に他のポケモンが集まっていて、どうやら俺が最後のようだ。
「よし、全員揃ったな。早速だけど、今日の仕事の割り振りを行う。私の話をしっかり聞いておけよ」
副隊長のアイシーがそう言って、それぞれのポケモンに今日の仕事内容について話し出す。依頼書のような紙を持ちながら、真剣な様子で何かを説明しているようだ。しばらくして、アイシーがこちらに近づいて来て、いよいよ俺の初仕事が始まると思っていた。
「ムーン、アナタは…そうね。ファントムの仕事をサポートしてもらおうかしら。今日は彼の指示に従ってね」
…え、え〜っ!?よりによってコイツと一緒かよ!思わず俺は表情で不満を露にしてしまう。
「おいおい、そんな嫌そうな顔すんなよな。俺が先輩としてしっかり面倒見てやるから、気楽にしとけよ」
いつものように飄々とした様子で話すファントム。どうせ諜報部員なんだし、戦闘なんか大したことないだろ。俺の方が強いってことを分からせてやる!
怪盗団ギルドから出た後、俺は渋々ファントムの後をついていく。ちくしょう、同じ新入りのヴァイスとジャガン(モノズ)は単独で仕事を任されたのに、何で俺だけ…。
「ま、そう気を落とすなよ。あの二匹は元々、別のとこで似たようなことやってたしな。経験者優遇ってやつだろうな」
ファントムがニヤニヤしながら、俺をからかってくる。一応俺も昔は盗賊っぽいことしてたけど、一匹でコソコソやっていたので信用してもらえなかった。
「くそっ、俺のこと過小評価しやがって…。絶対ここから這い上がってやる!」
「へっ、頑張れよ新入り。おっと、そろそろ例の場所に到着するぞ」
さっきからファントムは、誰も通らない裏路地を進んでいる。一体この先に何があるというのか?
しばらくして、細長い路地を抜けていくと、高い壁に挟まれた一本の街道が見えた。その壁に沿うように、簡素な造りの家やお店などが建ち並んでいる。
「ダイヤモンドタウンの外壁と中層の壁に挟まれた、下層で最も賑やかで危ないと呼ばれる場所。それがここ、影通りと呼ばれる所だ。今日はここで仕事だからな、しっかり頼むぜ」
「さてと、今日から怪盗団の一員としてやっていくんだ。気を引き締めていかないと」
前足で顔をパシッと叩いて、朝から気合を入れる。朝の集会に参加するため、俺は部屋から出る。すると同じタイミングで、向かい側の部屋からヴァイス(アブソル)も姿を現した。一応挨拶しておくか…。
「おはようヴァイス、これから一緒に頑張ろうな」
「……」
何故かヴァイスは何も言わずに、こちらをチラッと見ただけで行ってしまう。おいおい、何か一言くらい返事してくれよ。朝から気分悪いぜ…。
そんなことがありながらも、俺は昨日自己紹介をした集会部屋に入る。既に他のポケモンが集まっていて、どうやら俺が最後のようだ。
「よし、全員揃ったな。早速だけど、今日の仕事の割り振りを行う。私の話をしっかり聞いておけよ」
副隊長のアイシーがそう言って、それぞれのポケモンに今日の仕事内容について話し出す。依頼書のような紙を持ちながら、真剣な様子で何かを説明しているようだ。しばらくして、アイシーがこちらに近づいて来て、いよいよ俺の初仕事が始まると思っていた。
「ムーン、アナタは…そうね。ファントムの仕事をサポートしてもらおうかしら。今日は彼の指示に従ってね」
…え、え〜っ!?よりによってコイツと一緒かよ!思わず俺は表情で不満を露にしてしまう。
「おいおい、そんな嫌そうな顔すんなよな。俺が先輩としてしっかり面倒見てやるから、気楽にしとけよ」
いつものように飄々とした様子で話すファントム。どうせ諜報部員なんだし、戦闘なんか大したことないだろ。俺の方が強いってことを分からせてやる!
怪盗団ギルドから出た後、俺は渋々ファントムの後をついていく。ちくしょう、同じ新入りのヴァイスとジャガン(モノズ)は単独で仕事を任されたのに、何で俺だけ…。
「ま、そう気を落とすなよ。あの二匹は元々、別のとこで似たようなことやってたしな。経験者優遇ってやつだろうな」
ファントムがニヤニヤしながら、俺をからかってくる。一応俺も昔は盗賊っぽいことしてたけど、一匹でコソコソやっていたので信用してもらえなかった。
「くそっ、俺のこと過小評価しやがって…。絶対ここから這い上がってやる!」
「へっ、頑張れよ新入り。おっと、そろそろ例の場所に到着するぞ」
さっきからファントムは、誰も通らない裏路地を進んでいる。一体この先に何があるというのか?
しばらくして、細長い路地を抜けていくと、高い壁に挟まれた一本の街道が見えた。その壁に沿うように、簡素な造りの家やお店などが建ち並んでいる。
「ダイヤモンドタウンの外壁と中層の壁に挟まれた、下層で最も賑やかで危ないと呼ばれる場所。それがここ、影通りと呼ばれる所だ。今日はここで仕事だからな、しっかり頼むぜ」
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