Halloweenの夜に

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 今夜は待ちに待ったハロウィン。遠いところから遊びに来てくれるポケモンをもてなすために、ずっと準備をしていたゴーストポケモンたちは、今か今かと玄関扉が開くのを待っているところでした。

 夕日もすっかり落ちて、ドンカラスが空を飛ぶ頃。重い扉がギィと音を立てて開きました。どんなポケモンが来るのかと思えば、そこにあったのは、あちこち割れたティーポットでした。なんだこれ? とゲンガーが拾ってぶんぶん振り回すと、中からやめてやめてと声がしました。

 びっくりして手を離すと、ティーポットは落ちましたが床に着く前ににゅっと出てきたものがクッションになって、割れませんでした。ティーポットの注ぎ口からもにゅっと姿を現したのは、液体みたいな不思議なポケモンでした。洋館に手紙を出し、遊びに来たのだというのです。名前はポットデス、紅茶が好きなポケモンです。

 あれは君だったのか。納得したランプラーは、こっちへどうぞとポットデスを招きます。大きく広い部屋のテーブルに座ってもらい、溢れんばかりのお菓子を楽しんでもらいました。ロトムが部屋の電気を消して、シャンデラがキャンドルに火をつけたなら、マジックショーの始まりです!

 部屋にステージが現れ、透明な箱が置かれています。中にはゲンガーがいて、自力では出られないということをアピールしていますが、ここから脱出するというのです。そこへゴーストがやってきて、更に鎖を巻いていきます
箱をガッチリ固めたら、シャドーボールをたくさん中に浮かべて、一気に箱にぶつけました。当然、箱はぺしゃんこです。けれども、そこにゲンガーはおらず、かわりにゴースがなんにもなかったかのように浮いています。ゲンガーはどこへいったのでしょう?

 ポットデスがあたりをキョロキョロしていると、ポットの影からゲンガーが現れました。脱出大成功です。ポットデスはすごいすごいと喜びました。三匹を乗せて、ステージは沈んでいきます。

 部屋には深く濃い青の光が広がって、次のマジックが始まります。壁や天井が岩場に変わり、まるで海の底のよう。上がってきたステージには、貝殻とお花が置いてあるだけなのに、不思議なことに、貝殻からは海の中の音が鳴り、音に反応して花の色がどんどん変わっていくのです。誰もいないのに音が鳴り色が変わる光景に、ポットデスは拍手を送りました。
 貝殻はプルリルとブルンゲルが、花はボクレーとオーロットがそれぞれ回収していきます。最後にプルリルが残していった貝が開いて、海の青さが部屋に満ちていきます。

 そこへ、ふわふわキャンドルが浮かんできました。炎が灯る間だけ、練りこまれた魂が実体化するのです。海の底なのにキュウコンが泳いだり、ダンゴロが流されていきます。ヒトモシの命令であっちへこっちへ泳ぎ、燃え尽きる時にはburstの特別サイズのビックリヘッドに巻き込んで、海の底に大輪の花を探せました。大きな花火にびっくりしたポットデスを見て、心底満足そうにくねくね踊り、burstはヒトモシを連れて退場しました。

 びっくりした拍子に後ろに転がってしまい、椅子にぶつかってポットデスは怪我をしてしまいました。でも大丈夫、ルナアーラがぎゅっと抱きしめて、いたいのいたいのとんでいけと呪文を唱えてくれますから。

 ステージがまた沈み、残ったのは壁と天井の岩場だけ。最後のマジックはこれらを綺麗な宝石に変えるというのです。ゴツゴツした岩場をギルガルドがちょっと深呼吸して振り向き切り落とすと、中から砂で磨かれて曇ったガラス片が散らばります。これをヤミラミが丸く丸く削ると、優しく光る宝石になりました。ヤミラミがポットデスに宝石になったガラスをわたそうとすると、フーパがリングに入れてしまいました。一個なんてさみしい、もっともーっと増えろ増えろ! もう一つのリングから、入れたガラスをポットデスが埋まるくらいに降らせて、フーパは笑いながらリングの向こうへ消えていきました。

 埋まってしまったポットデスを助けたのは、影だけの黒いカイリキーやカポエラーたち。マーシャドーが操るのを無視して勝手にステージに上がり、己のマッスルを見せつけるだけ見せつけて、闇に溶けていきました。ポットデスは気に入ったようで、ケラケラ笑いました。

 青い海は晴れ、部屋の電気がついて、魔法が解けるようにショーは終わりを告げましたポットデスは楽しかったと惜しみない拍手を送り、ゴーストポケモンたちは満足そう。さて、みんなで一緒にお茶にしようよ。

 スナバァとシロデスナがステージを片付けている間に、ポットデスが紅茶を淹れてくれました。場所を大広間に移し、みんなで仲良くティータイム。カゲボウズとジュペッタの操るぬいぐるみたちが、テーブルにお菓子や軽食、お皿も全部並べてくれます。ヒトツキはケーキを切り分けて乗せ、ミミッキュはショーの最中急いで作ったポットデスのばけのかわを着て、隣に座りました。

 ポットデスはガラルに住んでいるらしく、旅の話をみんなに聞かせました。ある日、本で古びた洋館があると知り、興味が湧いて遊びに来ることを決めたそう
毎日同じことばかりで退屈していたらしいのです。この洋館の雰囲気も、ゴーストポケモンたちのことも良く思っているようです。ムウマがニンゲンも住んでるというと、ポットデスは驚きました。

 そうそう、そのニンゲンの夢を使ってと、ムウマージが夢と現実を行き来した話をしました。ニダンギルが真っ二つになってしまったから、ミカルゲが悪夢で土台を作って、ギラティナが強い意志を集めて柱を作って、ダダリンが設置したり、ゴビットとゴルーグが道をしいて橋をかけたんだと。流石にポットデスも夢の世界は行ったことがないらしく、興味津々に話を聞いていました。

 バケッチャとパンプジンがこんだけ繋がってやっとだったんだよと広がってみせたり、後ろめたい気持ちを凍らせて作られた氷像が披露されたり、ジュナイパーとオドリドリの脱出劇が再現されたり、盛り上がります。

 話せばキリなしの楽しいティータイムも、そろそろ終わりが近づいていました。名残惜しいけれど、お別れです。デスマスとデスカーンは帰るまでに間に合ってよかったと、お土産にこの世のものとは思えないほど素敵な景色が見えるキャンドルを持たせました。

 ポットデスはゴーストポケモンたちに手を振って、フワンテとフワライドに付き添われて洋館を後にしました。ぷわふわ空に運ばれていくのを見送って、サマヨールは扉を閉めました。ヨノワールはさあみんな片付けをするぞと手を叩き、ヨマワルはめんどくさがって、バレないようにこっそり森へ逃げようとして……ヌケニンに見つかってしまいました。

 片付け終わるか終わらないかくらいの時間で朝が来てしまい、みんな部屋に戻っていきました。黒いガラガラは、少しだけ残った魔法と夢の残骸を、いつまでも眺めているのでした。


ハロウィンのおはなしは、これで全部おしまい
31日間、長い時間読んでくれて、本当にありがとう
素敵なHalloweenを過ごしてね!

Happy Halloween!

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