洋館でマジックショーをやることになり、ミミッキュは魔法を探してトコトコ歩いていました。街中を進んでいくと、路地裏から声を掛けてくるポケモンがいます。この街に住んでいるミミッキュで、ばけのかわにはブラッキーを使っています。
ついていくと、そこはミミッキュだけが集まる集会所でした。皆思い思いのばけのかわをかぶり、自慢し合っています。洋館のミミッキュはそこで色々な話を聞き、メタモンでもないのにへんしんするポケモンの話に興味を持ちました。オボンの森でみかけるというので、早速向かってみることに。
オボンの森は洋館のある森よりも明るくひらけていて、その名の通りオボンがざんざら実っています。一年中実をつけるから食べ物には困らないようで、棲んでいるポケモンたちも、なんだかのんびりでおだやかな感じ。
一つとって齧っていると、やけに大きなフシギダネが通り過ぎて行きました。違和感を覚えてじっと見ていると、草むらに入った後オドシシになって走っていきました。驚いたミミッキュは、あれがへんしんするやつだと、後を追いかけていきました。
オドシシは、用心深く辺りを探ってから、洞窟へ入っていきます。ミミッキュもこっそりついていくと、オドシシがぐったり倒れていました。だけどなんだかおかしい。まるでばけのかわみたいに生気がありません。不思議に思って触ってみると、ぬいぐるみのような触り心地です。
あっ、見つかっちゃった。洞窟の奥から出てきたのは、リーフィアでした。話を聞くと、リーフィアは自分の容姿に自信がなくて、こうして着ぐるみを作ってもらっているのだそう。着ぐるみに入っていると、本当にそのポケモンにへんしんしたような気持ちになって、自分じゃない誰かになれてとても楽しいんだ。まるで魔法だよ。
そういわれて、ミミッキュはわかるよとうんうん頷きました。しばらく話をした後、絶対このことは内緒だよと約束をして、ミミッキュは洞窟を後にしました
。キミもピカチュウになりたいなら、着ぐるみを作ってくれるポケモンを紹介するよといわれましたが、断りました。
だって、ミミッキュはピカチュウみたいに愛される存在になりたいのであって、ピカチュウ自体になりたいわけではないのですから。ミミッキュは遊びに来るポケモンにかける別の魔法を探さなきゃとトコトコ洋館に帰ってくるのでした。
実はリーフィアの着ぐるみを作っていたのは洋館のジュペッタだったのですが、それはまた別のお話。
きょうのおはなしは、これでおしまい