No.04 ✝ 爆音を響かせ現れる君の名を、オレは知っている ✝

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読了時間目安:8分
ポケモンの小説を書きたい、ポケモンのゲームをしたい……カイリキーのように腕が4本あれば、それも実現できる!……と、思ったのですが、考える頭は1つなんですよね。
腕が4つあって、それぞれを両立できるほどの頭脳……ハッ!メガメタグロス……
心底、あのポケモンみたいになれたらなぁ……と思っている柔時雨です。

今回で4話目の投稿になります。

この物語が初めて覘きに来たという方も、前話から引き続き覘きに来てくださった方も
どうぞ、ゆっくりしていってくださいね。
AM 07 :: 00
シュンパテイア荘・食堂

ロビーでトウカと朝飯を食べていると、荘の敷地内に低く断続的なエンジン音を響かせて、1台のバイクが入ってきたようだった。

「何でしょう?郵便屋さんのバイク……エンジンが不調なんでしょうか?」
「いや……あの乱暴なオナラみてぇなエンジン音を出すバイクの持ち主を1人、オレは知ってる。」
「ぷふっ!乱暴なオナラって……言いたいことは、解りますけど……」

そんな話をしていると案の定、本館のインターホンが押されたようで、呼び鈴の音が館内に響き渡る。

「あっ、私が対応……」
「いや……オレが出よう。」

席から立ち、本館のドアを開けると、良く見知った茶髪の男性が立っていた。

「よぉ……相変わらず1人で寂しい生活してるだろうと思って、酒とつまみを買って来てやったぜ。早速、飲もうや。」
「こんな朝っぱらから酒なんて飲めるか。回れ右してそのまま帰れ。」
「相変わらず硬い野郎だなぁ……こっちとらイッシュ地方から帰って来たばかりなんだから、もうちっと優しくしてくれても……」

「ユウヤさん、お客様ですか?」

なかなか食堂に戻って来ないオレの様子を見に来たトウカの姿を見て、オレの前に立っている男性の顔が真剣な表情になる。

「ユウヤ……いくら女気の無ぇ生活してたからって……女児誘拐は立派な犯罪だぞ?俺が昔世話になったポリ公を紹介してやるから、自主することを勧めるぜ。」
「やめろ。憐れみを含んだ優しい目でオレを見るな。肩も叩くな!犯罪じゃねえよ!彼女……トウカは此処の住人だ。」
「え?あぁ……そういや、此処は共同生活用の施設だったか。」
「ユウヤさん、そちらの方は……」
「こいつは『 タクト 』。かつて、エルピス周辺で活動してた暴走族の総長を務めていた野郎で……悲しいことに、オレの幼馴染だ。」
「悲しいとか言うなよ。ナイーブな俺の心が傷ついちまうだろ?」
「てめぇが『ナイーブ』なんて性質かよ。」

◇◇◇

「どうぞ。」
「おぅ、悪いな。トウカちゃん。」

ロビーのソファに座ったタクトの前、テーブルの上にトウカがコーヒーの入ったマグカップを置き、そのまま向かいのソファに座ってるオレの隣に腰を下ろした。

「……で?どうだったよ、今回の旅行は?何か収穫はあったのか?」
「まぁな。バトルも観光も楽しんで来たし、この地に居ねえポケモンとも出会えた……ゲットはしてねえけどな。」
「何だ、そうなのか?暴走族総長だったお前が、ギャップ萌え狙いでエモンガでもゲットして来たってんなら、盛大に笑ってやるつもりだったのに。」
「言ってくれるじゃねえか……そういうお前はどうなんだ?トウカちゃんが入居してくれてる以外で、何か収穫はあったのかよ?」
「あぁ。新しいポケモンをゲットして、進化させた。今、庭園で自由に遊ばせてるけど……見るか?」
「おう。是非とも見せてもらいてぇなぁ。」

***

シュンパテイア荘・庭園

庭園を訪れたタクトはすぐに、オレの新しいメンバーに気付く。

「ハッサム……なるほど。無事にストライクをゲットできたんだな。」
「やっぱり分かるか。」
「そりゃな……カントー地方のセキチクシティにあるサファリゾーンを訪れた時は『 営業してない 』って嘆いてたし、ジョウト地方の自然公園で開催される虫取り大会に参加したときは『 出会えなかった 』って、逐一俺に連絡してきてたからな。」
「……そんなことあったっけかな?」
「んで……あの3匹がトウカちゃんのポケモンか。」

オレとタクトの前方で、トウカがマホイップ、バニプッチと戯れ、ミツハニーから甘い蜜を受け取っている。

「タクト、お前のポケモン達も出してやったらどうだ?」
「いいのかい?んじゃ、遠慮なく……」

タクトが投げた4つのモンスターボールが開き、中からガオガエン、アーボック、ヨノワール、サメハダーが姿を現した。
彼のポケモン達に気付いたオレのポケモン達が集まってきて、バシャーモとガオガエンが久しぶりの再会に拳を打ち合わせていた。

「あら?あの4匹は……タクトさんのポケモンですか?」
「おう!相棒のガオガエンと、愉快な仲間達だ。」

トウカの3匹のポケモン達も、オレとタクトのポケモン達の輪に加わり、互いに交友関係を結んでいるようだ。

「しかし、あの面子を見てると……2年前を思い出すな。」
「あぁ、お前が俺を改心させようとして、1人で俺のグループの連中と……俺とポケモンバトルを繰り広げていた頃か。ははっ、懐かしいな。」
「そんなことしてたんですか……」
「おう。結果的に、俺のグループはユウヤに惨敗しちまってよぉ、自然消滅みてぇな感じで解散しちまった。」
「タクト。あれからもう2年経つ。そろそろ腰を下ろせるような安住の地を見つけたらどうだ?」
「ん~……そうだな……」

タクトが顎に手を当てて考える素振りをしながら、ポケモン達が集まっている場所を見る。

「ユウヤ。この施設にはまだ、空き部屋があるのか?」
「おう。今はオレとトウカしか居ないからな。」
「そうかい。んじゃ、せっかくの2人の楽しい時間に割って入る形になっちまうが……俺も此処に永住させてもらうとすっかな。もちろん、管理人のてめえが許してくれたらの話だが。」
「住人が増えて喜ばしいのに、拒否するワケないだろ。トウカ、此処の住人が1人増えるけど、問題無いよな?」
「はい、もちろんです!このシュンパテイア荘に新しい住人の方が、ポケモンが増えて賑やかになるのでしたら、私も嬉しいです。」
「そっか……ん?」

オレ達の話を聞いていたのか、トウカのマホイップがモモンの実を生クリームでデコレーションしたものを、タクトに差し出していた。
よく見ると、タクトの4匹のポケモン達も、オレとトウカのポケモン達と一緒に木の実を食べている。

「えっと……なぁ、親友。こいつぁ一体……?」
「気にすんな。マホイップの友好の証明みてえなモンだ。」
「マホイップには信頼する相手に、クリームでデコレーションした木の実をプレゼントする習性があるんです。どうぞ、受け取ってあげてください。」
「お……おぅ。こんな俺にも。木の実をくれるのか……ありがとうよ。」

タクトはマホイップから木の実を受け取り、豪快にかぶりつく。

「ん……美味いな。」
「トウカのマホイップにそこまでしてもらったんだ。まさか、やっぱり此処に住まない……なんて、言わないよな?」
「ちょっ……!?まさか、これ、賄賂かよ!?」
「違う、違う。それは純粋にマホイップの好意だから、安心して食え。」
「なるほど。このタイミングですと、そういう考え方もできてしまうんですね。マホイップ、今度からはもう少し後……私達のお話しが、ちゃんと終わってからプレゼントしましょうね。」

トウカの語り掛けに、マホイップは可愛らしく手を上げて返事していた。

「まぁ……せっかく受け入れてもらえてるんだ。それじゃ……さっきも言ったけど、これから此処に厄介になるぜ。宜しく頼むぜ、2人共。」
「おう!歓迎するぜ、親友。」
「こちらこそ。これから宜しくお願いしますね、タクトさん。」

オレ達の話を聞いていたポケモン達も、オレ達同等の賑わいを見せていた。

この日の夜、タクトの歓迎会が執り行われた。
昔はライバルとして……2年前は暴走族の総長としてオレの前に立ちはだかった幼馴染……親友の入居に、嬉しいと感じていたオレの酒を飲むペースは心なしか早いものになっていた。

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