第6話 心通わす少女

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読了時間目安:6分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

シノバの森に珍しいポケモン、ルカリオがいると噂がありハーネス博士に引っ張られて来た。
ルカリオは俺も見たことが無いから見てみたいとは思ったけど、すぐに見付かるとは思ってもいなく面倒だった。

まさかリオルとニャスパーにこんなに直ぐに出会い、目当てのルカリオもそんなに時間掛からずに見付けれた事にも驚いたが、こんな森に銀髪の少女がいて、その子の前には…あの服装からハンターだろう。
そいつとのバトルに俺は目が釘付けになった。
少女はとても怒っていてその菫色の眼で俺達を射竦めた。
仲間だと思われた?
ハーネス博士はルカリオの手当てをして、リオルはその側で少女に向かって首を左右に振った事で少女はハンターに視線を戻した。

「トキヤ君、あの子を助けてあげた方がいいんじゃない?
二対一だし君がいればハンターなんか」

「怒って進化したニャオニクスに手助けは悪くないか?
俺なら一人で方をつけたい。
ピンチになったその時は入るから」

久々に見たポケモンの進化。
ニャオニクスはあの子の事が好きなんだ。
たぶんこのリオルもだろう。
始まるポケモンバトルにルカリオは博士に任して俺は見ていた。

ずっと浮かせていたデルビルをグラエナに当てた。
長時間サイコキネシスを続けるのは大変だろう。
あのニャオニクスは鍛えられている、バトルを見て分かった。
得意のサイコキネシスで身体を浮かせ一瞬でデルビルに近付きグロウパンチ。
攻撃よりも特攻が得意なはずのニャオニクスの攻撃技。
威力は弱いはずなのにデルビルは一発で気絶した。
可愛い顔して強い。
ハンターが馬鹿過ぎて一瞬で終わったが、サイコキネシスしながらのグロウパンチも中々凄かった。
ニャオニクスの鳴き声に頷いたり返事をしたりする少女に不思議に思いながらも、少女の指示も的確でどんなバトルをするのかもっと見てみたいと思った。

「トキヤ君、あの子強くない?」

「強いな」

「バトルしてみたい?」

「…一対一で誰も見てなかったらいいだろ?」

「まぁそうだけど、君とバトルしたいってトレーナー多いって事も覚えておいて欲しいな」

新人トレーナーの時は好き勝手にバトルして楽しかったのに今となっては簡単に出来ない立ち位置にいる。
本当に面倒くさい。
ポケモンは好きだしバトルも好きだ。
でも目立つのは嫌だし自由じゃないのも嫌。
溜め息を吐きながら俺は分かっているとハーネス博士に伝えた。
早く返上しよう、そう決めて向かってくる少女を見る。

満月の様に輝く髪が靡き菫色の綺麗な瞳が力強く光。
強く見えるその姿がルカリオを見て緩んだ瞬間、泣きそうな表情で駆け付けてくる。

「ごめんなさい、もっと早く来ていたら」

そう心配する少女にルカリオは目を配り「ガルル」と一鳴きして安心しきった顔付きで目を閉じた。
すぅーっと聞こえて来た寝息に良かったと呟いた。
表情が緩み笑みを浮かべルカリオをそっと膝に寝かせた少女の姿は絵に描いたような綺麗な光景だった。
俺に目線を上げ視線が合った瞬間、どきっと胸が高鳴った。

「貴方達は誰ですか?」

そう俺達を疑うかのように不安そうに見る少女に、そらそうだと理解する。
ハンターはポケモンを商品としか思ってない連中の集だ。
そんな奴等と会えば不安がるのも無理は無い。

「俺はトキヤで俺の横にいるこいつはポケモン博士のハーネス博士」

ぎょっと俺を見るハーネス博士。

「トキヤ君、君もしかして」

「うっさい、さっさと説明しろ」

「はい!」

博士にしては若い新米だ。
ニヤニヤして気味の悪い顔をした博士は、少女に振り返り話始めた。

「僕は色んなポケモンの研究や生態を調べるポケモン大好きな新米博士です。
今日はここにルカリオがいるという噂に調査しに来ました」

その言葉を聞き、寝るルカリオをぎゅっと自分の方に抱き寄せた少女。

「って言ってもさっきのハンターみたいに無理にゲッドしたいとは思ってませんから安心して下さい!
ルカリオなんて見ないものですからね、やっぱルカリオと言えば波動でしょうかね?
どこで波動を感知してどうやって波動を出すのかがとても気になりますね。
やっぱルカリオにはそう言うボソボソボソ……」

あぁ始まった。
ハーネス博士は気になり出すと一人で考え初めて一人言が始まる。

「こいつはこんな感じのポケモンには無害な変な博士だと思ってくれ」

その言葉にくすりと笑い頷いた少女。
ポケモンバトルする姿は綺麗で笑うと可愛いッ!?
…何考えてんだ、俺は。

「私はシーナ。
この森でポケモン達と暮らしてます」

シーナと言う少女の左右に、ニャオニクスとリオルが腰を下ろした。

「ニース、ありがとう」

胸にトンッと手を当てて自信ありげに鳴く姿に頷き笑うシーナ。

「キャン!」
「ニャーオ」
「キャンキャン!!」
「ニャニャ?」
「クゥ…ギャン!」

又始まった、たぶんニャオニクスがリオルをからかってリオルは怒ってる感じか。
シーナを中心に追っ掛けっこしてる二匹をシーナはそっとリオルを捉えて膝に座らした。

「ニースもからかわない。
次はルキがしようね」

座りながら見上げるリオルは、その言葉に嬉しそうに頷いた。
シーナの言葉には聞くニャオニクスだったが、膝に座るリオルが羨ましく足蹴りするがリオルはお構い無く陣取り鼻高々とした。
仲睦まじい姿は、ポケモントレーナーとポケモンとの枠を越え、人間同士語らうかのような信頼し合う者同士、家族の様に見えた。
好きなのだと伝わるその姿に、いい子なのだろうと微笑むトキヤを、にやにや笑って見ていたハーネス博士だった。

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