脱獄計画

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 給仕のポケモンが牢屋に入ってきて、俺とエーフィの前にパンとスープを置いた。このポケモンを人質に取って、キリキザンに牢屋の出口まで案内してもらおうか?看守長のキリキザンなら、建物内を全部把握してるはずだし、俺たちを安全に脱獄させてくれるはずだ。

 「…何か良からぬことを考えていないかブラッキー?これ以上罪を重ねるなよ」

 「なっ!?そ、そんなことしねぇよ!ちゃんとここで反省するって!」

 「…悪いことをしてたのは否定しないんだな?
 夜な夜な上層に忍び込んで、主に探検家のポケモンの家に不法侵入して、金銭などを盗む事件が最近多発している。これにお前が関わっていると本部は見解しているが、本当なのかブラッキー?」

 確かに金を盗んだことはあるが、ほんの数回だけで俺は常習犯じゃない。やむを得ない事情があったからだ。

 「…さぁな。下層には多くの犯罪者が隠れ住んでいるし、それを率いる集団がいてもおかしくないぜ」

 「…ふむ、そうか。下層はそこまで治安が悪くなってしまったのか」

 残念そうに嘆くキリキザンの様子を見て、俺は思わずカチンときてしまった。

 「はぁ!?元はと言えば本部が徴税を定めたせいだろうが!俺たちは元々中層で不自由なく暮らしてたのに、ポケが払えなくなった途端に追い出しやがって…!」

 「兄さん、落ち着いて…」

 「どうせ探検税なんて、名目だけの金稼ぎだろ!もしレジェンズのルカリオさんが統治者になったら、税を撤廃して住みやすい町にしてくれるはずだ!」

 もはやそれは願望に近いものだった。憧れのルカリオさんなら、この町を救ってくれる!町中から英雄と呼ばれているこの人なら、きっと何とかしてくれる!
 しかし、俺の希望を奪うような言葉がキリキザンから告げられた。

 「ブラッキー…レジェンズは全員、本部の忠実な下僕だ。おそらく彼らは、今の町を変えてくれる希望にはならない」

 …え?

 「彼らが町のポケモンに優しく接しているのも、本部にそう命令されているからだ。本部内では冷酷な探検隊として活動している。彼らが探検隊として有名になっているのも、本部の裏工作があるからだ。
 表裏の力を持つ本部は、この町のほとんどを支配していると言ってもいい。いずれは下層に住む犯罪者たちを片付けて、何か恐ろしいことを…」

 ふざけんなよ…!

 「そんな話、信じられるかよ!ルカリオさん達は自分たちの力で、この街のヒーローになったんだ!そんなでたらめな事、俺は絶対に信じない!信じてたまるかよ!」

 「に、兄さん…あんまり大声出さない方が…」

 俺は必死にキリキザンの話を否定する。俺の憧れたルカリオさんが、実は虚像の姿だったなんて、受け入れるわけがない!直接本人に聞かない限り、俺はずっと信じ続ける!




 「誰か私の名前を呼んだか?」

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