奪われたもの

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 「ロケット団だって!?そんな馬鹿な…ロケット団は数年前に壊滅したはずなのに…」

 かつてカントー地方に暗躍した悪の組織で、シルフカンパニーを占領したことで大きなニュースにもなった。しかしそのロケット団は、レッドという一人の少年の活躍によって壊滅して、残党はジョウト地方に逃亡したという噂だけが残った。そのロケット団が復活したというなら、僕も黙って見ているわけにはいかない!

 「さっさとそのクルミルをよこせ!渡すつもりがねぇなら…行け、ルガルガン!」

 アレスの命令を受けたルガルガンは、クルミルを守っているリーリエに襲いかかる。ルガルガンの拳が直撃しようとした寸前に、僕はラッタにでんこうせっかを指示させて、ルガルガンの攻撃を中断させた。

 「ハ、ハンスさん!ありがとうございます!」

 「リーリエちゃん!奴らの目的はそのクルミルだ!僕達が何とかするから早く逃げて!」

 理由はよく分からないけど、アイツはなぜかクルミルを狙っている。リーリエさえ守っていれば大丈夫なはず…。

 「ほう…そのまま逃げるつもりか?それなら、このポケモンを徹底的に苦しめてやるよ…オラァ!!」

 そう言ってアレスは、倒れたままのハハコモリを思いっきり踏みつける。くそっ、あのハハコモリをこのまま見捨てるわけにはいかない。早くポケモンセンターに連れて行かないと…。

 「ク、クルルュ!」

 「あっ、駄目!」

 突然リーリエが抱いていたクルミルが飛び上がり、ハハコモリの方へ向かう。自分の母親が痛めつけられるのを見て、我慢できずに動いてしまったようだ。

 「自ら来てくれるとはな…手間が省けたぜ。褒美に捕獲ネットをくれてやるよ!」

 アレスは何かの装置を取り出して、クルミルに向けて網を発射する。僕とリーリエは、その様子を見ていることしかできなかった。

 「よし、これで任務完了だ。さっさとずらかるぞルガルガン!」

 「アオーン!」

 クルミルを捕獲したアレスは、ルガルガンと一緒にトキワの森から逃げ出した。その後僕たちは、傷だらけのハハコモリに近づいて、何とか息があることを確認する。

 「くそっ、僕がもっと早くハハコモリの救助をしていたら、こんなことには…」

 「もっと私に力があれば…皆を守れたはずなのに…」

 ハハコモリの前で懺悔をするように、僕たちは自らの非力さを悔やむ。そんな時、背後から誰かが駆け寄って来る音が聞こえた。

 「おーい、待たせたな!スピアー達は何とか追い払ったぞ。…っておい、そこに倒れてるポケモンぼろぼろじゃねぇか!すぐにポケモンセンターに運ぶぞ!」

 グランの言葉にハッとした僕たちは、傷だらけのハハコモリを助ける為に、ニビシティのポケモンセンターへ急行した。

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