No.5フェイント

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アラレの視点から…
もう、7年経つのか…
そろそろ、彼らに打ち明けてみても、いいかもしれない。

………

あの日は、とても綺麗に晴れていた。
「にほんばれ」の様な日差しの下で、俺たちは騒いでいた。
半日位ずっと、白イーブイとぶつかっていた気もするが…

午後になって、俺は一旦森から出て、ある場所へ向かった。
そこは、島で一番大きな、病院だった。

俺は、首にかけたパスを見せ、建物の奥へと進む。
ドアを開けると、そこには一人のルカリオがベッドの上で眠っていた。
彼の名は、疾風ハヤテといい、とにかく、俺は彼のことを信頼していた。

そんな彼が、なぜこんなことになってしまったのか。
それは、この日から更にひと月程遡る。

………
 
俺は、目の前に立つカイロスと睨みあっていた。
理由は…勝手に俺のきのみジュースを盗られたからだ。
今となっては、バカだったとしか、思えない、些細なケンカだった。
そして…
シザークロスを決められるも、何とか踏みとどまった。
反撃のフェイントをいれようとした。
だが、直前で 足元がふらつき…
俺は倒れた。
起き上がろうとしたが、その力も残っていなかった。
奴が、とどめとばかりに、腕を振り下ろす。
そのときは、もう終わりだと思った。
だが、結果は違った。
奴の身体が吹っ飛び、後ろにあった木に激突した。
顔を上げると。そこには、ハヤテがいた。
彼はその一撃で止めることはなく、連続でパンチを入れる。
カイロスは直撃を受け、更に遠くへ吹っ飛ぶ。
しかし、まだ倒れなかった。
反撃とばかりに、ハヤテの身体に突っ込む。
その一撃が、致命傷となった。
奴はそのまま、振り返りもせずに、その場を去っていった。

俺はすぐにハヤテを、ポケモンセンターへ連れて行った。
彼はかなりの重症で、この病院で入院することになった。
それから、毎日、ここへ通った。

………

そして、あの日もまた同じようにここへ来たのである。
ハヤテは、未だ目を覚まさない。
時間が来て、帰り支度を始めたときだった。
あの事件がおきた。
人間が、消えた。

誰も、彼らの手当てができなくなり、入院していたポケモンたちが、次々と、死んでいった。
三日後に、彼も、息を引き取った。

なぜ彼は死ななくてはいけなかったのか。
その日から、彼を失った悲しみに、だんだん俺は変わっていき、狂っている、と言われたりもした。
だが、同じくらいの仲間が、俺に手を差し伸べてくれた。


俺は、どうか、ハヤテに会いたい…
と、思っていたりする。

………

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