負けたくないから

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今回はアリサ視点です。あと暗い場面があります。

スタンプラリーの旅を続けている私達。あの後は、とりあえず途中の町で一泊することに。そして、翌朝出発して旅を再開する。

次の町へと旅を続けている私達。その途中、ラルナはとあるポケモンとバトルするが、またしても負けてしまう。

「たいしたことないな。練習にもならない」

相手は冷たい言葉を残し去っていく。ラルナは無言でうつむいていた。

アリサ「ラルナ大丈夫......?」

私は心配して声をかける。ラルナは少し間を開けて大丈夫だよ......と答える。しかし明らかに元気がない様子だった。

とりあえず、私達は旅を再開する。一方、ラルナは考えこんでいた。

悔しい......何でバトルできないの
そして、その思いは
どうせ自分なんてダメなんだ......
という考えへ変わっていく
そもそも、ずっとそうだった
みんなに迷惑かけてばかり
努力が足りない?自業自得か......
もう、旅なんてやめよう
僕よりも、他のやつと旅した方がいい

ラルナは完全に落ち込んでしまう。そしてこんなことを言う。

ラルナ「ボク旅やめるよ......」
クーア「なんでやめるの?一回バトルに負けたから...?」
ラルナ「いいよ!帰るから!迷惑かけてごめんなさい!」

そして、思わずどっかへ走っていってしまう。

クーア「ラルナ!?」
アリサ「私追いかけるよ!絶対ラルナ見つけるから!」

幸い私はすぐにラルナに追いついた。

ラルナ「アリサ......?」
アリサ「悩んでるんでしょ!私に話してよ」

しかし、マリンは話そうとしない。

アリサ「話してよ......私達...仲間でしょっ!」
ラルナ「ボクなんてどうでもいいやつの話聞かなくていいよ」

そして、私はあることに気づく。なんか元気がないことにはなんとなく気づいていた。でも......ラルナはかなり悩んでいたんだと......落ち込んでいたんだと。一見、楽しそうに振る舞っても。

アリサ「なんで......そんなこと言うの?ラルナはどうでもいい存在なんかじゃない!」
ラルナ「アリサに何がわかるの?」
アリサ「確かにわからないかもしれないよ...ラルナが何考えてるかなんて」
アリサ「でも、つらいでしょ...それに、話さないとわかるものも何もわからないよ......心配しないで受け入れるから......一匹でかかえこまないで!」

ラルナ「ボクなんてダメで、いつもお姉ちゃんに頼ってばっかりで」
ラルナ「悔しい......何でなの?昔は普通にバトルしてたのに」
ラルナ「本当に悔しい...」

その後もラルナは話す。泣きながら......

アリサ「つらいよ。みんな活躍してるのに自分だけ全然活躍できなくて......バトルが好きなのに、バトルしたいのに、でもできないなんて」
ラルナ「すごい悔しいよ......」
アリサ「悔しくて悔しくてたまらなかったよね......」
アリサ「でも、本当に旅をやめていいの...?やりたいことだったのに?」
ラルナ「やめたくないよ......でも」
アリサ「バトルだって強くなれるよ......もちろんそう簡単じゃない...でも練習すれば...私も協力するから...もちろん無理しちゃダメだけど」
アリサ「ラルナはここで諦めていいの?妥協していいの?」

ラルナ「そんな訳ないよ......ボクはやっぱり旅続けたい......そして夢を諦めたくないよ...!」
ラルナ「だから、こんなことに負けない、そして前を向いて頑張るよっ」

アリサ「過去はもう、変えられない...でも、未来は変えられるんだよ」
アリサ「熱いバトル好きでしょ!冒険好きでしょ!また楽しもうよ」
アリサ「それに、みんなラルナの笑顔に助けられてるんだよ」

アリサ「だからその笑顔忘れないでね」

アリサ「クーアが待ってるよっ!行こうよ!旅を再開しようよ!」

そして、私とラルナはクーアの元へ向かう。

クーア「...ラルナごめん......大丈夫?」
ラルナ「大丈夫だよっ!クーアお兄ちゃん!」
クーア「よかった......って......というか私は女の子だから」
ラルナ「前回の仕返しだよっ」
アリサ「旅再開だね!」
ラルナ「さあ、フウトに負けないように頑張るぞ~!」
クーア(本当によかった...元気になってる)
ラルナ「なんたってボクはこの小説の絶対的主人公、完璧なヒーロー、国民的アイドル、完全無欠な世界の美男子ラルナだよ!」

ラルナがいつものセリフを言うと、クーアは少し笑う。

ラルナ「何で笑うの?どこがおかしいの?」

ラルナは不満そうに頬を膨らませて文句を言う。でもクーアは笑顔で答える。

クーア「それでこそ、ラルナだよ!」

そして、私達は次の町へと向かう。

続く......
忘れないで笑顔で

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