覆面パトカーでドライブ

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連絡nothing。やっぱりこんな特徴も無いような僕との記憶なんて綺麗さっぱりなくなってしまったのだろうか・・・それともあのルギアは別人だったのか・・・?いやいや、だってあのネックレスはオーダーメイドだからあれ一つしか作られてない・・・・あーあ・・・いつかは別れる時が来るとは言ってもこんな別れ方は凄く寂しい。下手すると死に別れよりも寂しいかも・・・それは言い過ぎか、こんな感じで一生あっちはあっちでこっちはこっちで生きていくことになるのだろうかね。・・・それよりこの場合はどのようにしたら良いんでしょうかね・・・?もしアキの記憶が全く戻らずあのまま連絡もしてこなかった場合はやはり夫婦としては成り立ってないわけで離婚届を提出しないといけなくなるのだろうか・・・?それと、行方が全く分からなくなってから7年経った場合はやはり失踪宣告と言う事で家庭裁判所だっけ?に届けを出さないといけないのか・・・?

「あー・・・あれから2日経ったけど全く連絡nothingだよー・・・コレじゃあもう無理なのかもしれないな・・・記憶を戻そうにも近くにいないと無理でしょ?・・・・それか後はあっちがどこかで頭でもぶつけてから記憶が復活したらなぁ・・・。」

ピンポーン♪

はっ?こんな時間に誰やねん。またこの前のリザードンだったり塀ぶっ壊したあのボスゴドラだったりしたら追い返したるわい。・・・ん?何だ・・・カズか・・・・この時間に何の用だ?

「よっ、仕事の前にこっち通りかかったらお前のアコード止まってたから帰ってきてるのかなぁ~って思ったから寄ってみたぞ。なんだなんだそんな辛気くさい顔して。ぁっ、奥さんと喧嘩したな?喧嘩して奥さん出て行っちゃったんだろ?お前もなぁ~少しはあいつの事も考えて見ろって。ちょっと邪魔するでー。」

「何勝手に人ん家上がっとるねん。それより何か用か?刑事だからって友達の家を家宅捜索って感じか?」

「冷たい奴っちゃなぁ~折角俺が料理届けに来てやったって言うのに・・ほら。それより・・・聞いたぞ、トオルの奥さんポケモンになったんだってな。ホンマ大変な目に遭ったな・・・それに出て行ったとなったらもうどうにもならんやろ?」

な・・・なぜその事を・・・周りの人間には誰にも言ってないのに・・!まさか・・・お義母さん!?あの人口軽いし何処でも喋り散らすからなぁ~・・・その可能性は十分あるな・・・あー・・やっぱり僕の運気はお義母さんが福岡の家に遊びに来た時から下がりっぱなしだったのかぁ~・・・。

「それで・・・・はぁ・・・まぁ良いや。大分話が伝わっちゃってるみたいだから言うけど、確かにアキはポケモンになって僕が買い物に行ってる間に誰かに連れ去られたのか忽然と姿を消した。・・・でも一昨日見つけたんだが・・・記憶喪失になってた・・・それで、僕は為す術も無くここにいるって訳よ。仕事も臨時休業だし外行っても店も開いてないしアレだからな・・・・。」

「そういう事情やったんか・・・スマンかったな・・・俺能天気なもんで・・・・てっきり周りから入ってきた噂だけであんな事言ってしまってな・・・。」

「それは分かってるから別に気にせんで良いよ。んでこれからどうするよ?朝まで飲み明かすか?」

「今日宿直やねん、最近警察にもぎょうさん色々な通報が掛かってきてなその都度出動だからもう体持たんわ・・・それよりちょっと俺とドライブせんか?」

・・・・家の鍵を閉めた後に外に止まっていた覆面車両のクラウンに乗り込む。中には無線機器やサイレンアンプ、パトランプ等が装備されていて物々しい雰囲気だ。何時もは外から見ている覆面パトカーも中に乗ってしまうとまた違う景色が見えてくる。カズはゆっくり発進すると大通りに向けて車を走らせた。

「いや~やっぱり車の中はええな。落ち着くし・・・何より話している内容が外に漏れにくいしな。・・・トオルの奥さんも連れ去られたか・・・コレで県内6件目やな、連れ去られたとかいなくなったとかの通報多いんやわ最近。その殆どがポケモンになった人だけが連れ去られてるって話やしな。」

「そうなのか・・・?って通報している人いるん?なんか自分の家族や友達がポケモンになったって事を周りに言うと大変な騒ぎになりそうな気もするけど?」

「多い多い、やっぱり姿形は変っても中身は人間だった時のままやからな。やっぱり放っておけない人が多いんやろ。それに最近は平気でポケモンがうろついとるから特に何も思われてないで。それで話を戻すで。今回のポケモンパニックは誰かが仕組んだんじゃないかって話が持ち上がっとる。それも何かの薬品を使って人間をポケモンに変えていったんじゃないかってな?そこでトオルに相談なんやが・・・奥さんから何か聞いとらんか?些細なこと何でもええんや、頼む。」

「そうだな・・・あっ、そういえばポケモンになったばかりの時に買い物途中で急に何か虫に刺されたような感じになって眠気が来て気付いたらポケモンになったって言ってたな・・・虫に刺されたような感じで腫れてたって!」

「やっぱりそうか・・・。」

「やっぱり犯人の目星は付いとるん?それに人間に戻す研究も・・・」

「犯人はまだ全くわからん状態やな・・・それに無差別日本全国の至る所にいる人がポケモンになったんやから犯人がどこにいるかもわからんし下手すりゃ海外かもしれん、人間に戻せるかどうかも感染症研究所が実験しとるが今の所は絶望的やな。」

そうか・・やっぱり厳しいのか・・・僕はまた一人でほっそりと生きていくしかないのだろうか・・・厳しいぜ・・・。

車は幹線道路を南に向けて走っていく。通りには普段と同じように大型トラックやちらほらと商用車も見かけるようになってきた。街中にも明かりが少しずつ戻っていき以前と同じような状態にまで回復してきてはいるようだ・・・・ポケモンがいる事を除いては。


ガコンッ

途中の道の駅で缶コーヒーを買いカズと共にベンチに座り飲む。道の駅も国道沿いにある事から何時もならば車中泊組がいるはずだが流石にまだそれはいなかった。国道からはトラックが行き交う音が聞こえてくる、この道をまっすぐ4時間走らせれば福岡の家に着くんだがな・・・

「それでこれからどうするつもりなん?やっぱりあの家で奥さん待ち続けるん?」

「それが一番だろうな・・・でも仕事が再開したら福岡戻らないといけないし。でも・・・記憶が戻らないとまた一緒に暮らすのは厳しいだろうなぁ~・・・それに今日会った時も何というか・・キモい!!って言われたからなぁ~・・・ありゃ全く記憶ないよ。」

「そっか・・・・。」


あれから暫く色々と話していたが会話の内容はそれ程覚えていない。ただ、やっぱり僕と同じ境遇の人は多く居ると言う事だけが分かったと言う事だけははっきりと覚えていた。そうこうしている内に車は家の前に到着しヘッドライトを消す。

「ほな、また連絡するわ。あとな・・あまり自分追い込むなよ?何かあったら俺の携帯にすぐ連絡してきて良いからな?じゃあ今度はどこか飲みに行こうぜ!じゃな。」

そう言うと車はホイールスピンさせながら発進しあっという間に見えなくなってしまった。変らねぇな・・・あいつも・・・さてと、家に入って遅めの夕食と行くか・・・・?ん?今何か動いたよね・・・?

「何かそこにいるの・・・・?暗くてよく見えないな・・・?」

ちょっと家の中から懐中電灯持ってこよう・・そうしないとこの真っ暗の中を何か分からない得体の知れない軟体動物を探すのは至難の業だ。

「懐中電灯が・・・なかった・・・えぇ・・・・。」

しゃーない、アコードのヘッドライトで照らしてみるか。アコードのライトはHIDだからな、明るいぞ?ってそんな事思ってる場合じゃなかった。ん?何だろう・・・?駐車場の砂利と雑草が生えている所の瀬戸際辺りになんか青色?のなんか蛇みたいなのいるんですけど・・?何ですかコレ?・・・

「コレは・・・あっ・・・ミニリュウ・・・。」

えっ?なんで敷地内にポケモン倒れてるんですかー?なんで?さっき家を出た時はいなかったはずなのに・・・!って凄い怪我してますけど!!凄い傷だらけで所々血が出てる・・・でもどうなの!?触って良いの!?!?なんか素手で触るのはマズいんじゃないのかしら?!?!でもこのままだとこの子は死んでしまうかもしれない・・・・あー!!もう仕方ない!!車の中にある軍手で申し訳ないけど少し我慢して!!

僕はトランクから軍手を取り出しちゃっかりマスクをした後そのミニリュウを抱えて家の中へと連れ込んだ。

【登場人物】 小柏 カズマ
トオルの中学時代からの友人で、現在は県警生活安全課所属の所謂刑事。親が関西系という事もあり関西なまりが少々会話にある。時々トオルの様子を見に家や福岡まで会いに来ている位世話好きな人。

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