第4話 ポケモンハンター

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

ルキとニースは何処にいる?
宛もなく探しても時間の無駄遣いだから、ルカリオお母さんなら分かると思いルカリオの家に向かった。
段々近付くにつれて音が聞こえてくる事に嫌な予感が強くなる。
ルキとニースよりもルカリオお母さんの方が危機的状態かもしれないと、走るスピードを早めた。
何かがぶつかり合う音、爆発音に次第に森中に響き渡っている。
これならニースもルキも気付いて向かってるはず。

お願い、無事でいて!

そう願いながら森の中にある広野に出た。
そこには威嚇声を上げて尻尾を逆立てるルカリオお母さんと、相対するように二匹のポケモンがいて、その後ろには二人の人間が笑みを浮かべていた。

「まさか本当にルカリオがいるなんてな。
ラッキーじゃねぇ?」
「あぁ、、さっさと倒れろや。
グラエナ、炎の牙」

走り出す黒い狼の様なポケモン、グラエナは口を大きく開き炎を纏った牙をルカリオに向かって噛み付こうとしていた。
ルカリオもそう簡単に噛ませるはずもなく避ける。

「兄貴、俺も行くぜ!
デルビル火の粉」

グラエナよりは小さな犬の様なポケモン、デルビルは口を開き避けたばかりのルカリオに火の粉を浴びせた。

「ガルルルッ!!」

後ろへ下がるルカリオに、チャンスだと言うようにトレーナーは発した。

「グラエナ、炎の牙」

目の前に迫るグラエナに、ルカリオは咄嗟に腕で防御した。
炎を纏う牙が腕に深く刺さる。

「ガルゥッ!!!」

目を見開き痛さに腕を振るうルカリオお母さんに私は近寄った。

「横ではなくって地面に向かって叩き付けて!」

ルカリオお母さんは私に気付くなり指示通り地面に向かって叩き付けると、「キャンッ」と鳴き声を上げ離れるグラエナ。
息が荒く膝を着き疲れを見せるルカリオお母さんに私は唇を噛み締める。

「人間?
ルカリオにトレーナーがいたのか!?」
「いや、モンスターボールを持っていないからトレーナーじゃねぇ」

私を上から下へと視線を落とし見る人間に寒気が走る。
私と同じ人間…会ってみたいと思ったけれどこの人達には嫌な感じがする。

「トレーナーでもないんだし、バトルに入らないでくれよ?
兄貴がゲットチャンス逃しちゃうじゃないっすか」
「このルカリオは駄目です。
この森を守る役目があるので、ルカリオ自身が着いて行きたいならいいですが嫌がっています!」

不快な笑みを浮かべる二人からルカリオを守る為に前に出たはいいけれど、人間の私にポケモンを相手に戦えない。
技もなければ癒す事しか出来ない、皆と同じポケモンだったならと強く思う。
私に唸るグラエナとデルビルは今にも襲い掛かりそう。

「ふっ、そんなのが俺らには関係ねぇ。
俺らが捕まえるポケモンはな商売道具なんだよ。
欲しいって客がいれば俺らはその為に捕まえる。
それが俺らポケモンハンターだ。
分かったか、嬢ちゃん」

不愉快極まりない話、自分勝手でしかない。
ポケモンが道具?
意志があって人間と同じ生きて生活している。
子供だっているのに、そんなポケモン達を道具だなんて。
この森に来て怒りというものを始めて抱いた。

「ポケモンは道具ではありません。
人間と同じく考えて、生きています。
子供だっているし生活だってしてるんです。
ポケモンは何かを守る為に技を覚えたのかもしれません。
そんな彼らとは違って技を持たない人間は、ポケモンよりもは劣っているんじゃないでしょうか?
この世界で技を持たないのは人間だけですから」

人間は弱いからこそモンスターボールを作り出した。
ポケモンと親しめる為になのか、ポケモンより優位に立ちたかったのか分からないけれど、ポケモンが側にいることで安心して進化が止まったのではないでしょうか?
人間は知性で優位に立ってるだけだからこそ、ポケモンを道具扱いしてはいけない。

「嬢ちゃん、あんた変な奴だな。
人間は上位だからこそ技なんか持たねぇ。
技なんて持たなくても何でもできんだからよ。
ポケモンは人間に勝てねぇから技を持って役立てんだ」

全く真逆の反論。
真実は分からないからそれが正解かもしれない。
でもその考え方だけは許さない。
役立てる?
手伝ってもらうの間違いでしょ?

「兄貴の言う通りだ!
さっさと退かないと痛い思いするっすよ。
デルビル、体当たり」

兄貴に乗っかり調子に乗る手下にも腹が立つ。
私に頭を向けて向かって来るデルビルに、早く来てっとルキとニールを強く思う。

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