No.15 - 2 † 大地の化身と海の守り神 †

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読了時間目安:23分
金、銀時代からカセットの容器に描かれる伝説のポケモン……個人的にディアルガが1番好きです。
ダイヤモンド、パールはもちろんダイヤモンドを購入しました。

— 数年後 —

柔 「ルビ、サファのリメイクが出る!?しかも、過去作の伝説のポケモンも出る!?よっしゃ!グラードン久々に使いたいし、オメガルビー予約しよ!」

オメガルビー 登場伝説のポケモン ・ パルキア
アルファサファイア 登場の伝説のポケモン ・ ディアルガ

柔 「orz 」

— 更に数年後 —

柔 「ウルトラサン・ムーンに過去作の伝説のポケモン登場!?よっしゃぁ!今回もルナアーラやな!」

ウルトラサン登場伝説のポケモン ・ ディアルガ / グラードン
ウルトラムーン登場の伝説のポケモン ・ パルキア / カイオーガ

柔 「orz 」

どうも!さっきぶりです、柔時雨です。
前回の今で此処で話すことは殆どありませんね。
ただ、続き物ですので、先に15-1を覗いてからこちらをお読みくださいませ。
サルスーラ ・ ポケモンセンター

「( ´ ・ ω ・)」
「ワカシャモのヤツ、アーシェをベッドに寝かせてから、ずっと傍を離れないな。」
「だって、その子はアーシェちゃんの1番のパートナーですもの。好きなようにさせてあげましょう。」
「……そうだな。それで?ナースさんはアーシェのこと、何て言ってたんだ?」
「ナースさんが言うには、幸いなことにアーシェちゃん、骨が折れたり、内臓破裂とかはしてないみたい。相手のポケモンのレベルが低かったのと、攻撃力に努力値を振っていなかったおかげ……とも。」
「そうか。それは良かった……が、結果としてはあまり良くないな。」
「えぇ。グラードンの復活。あのアリアって子は、おそらく……いえ、断言して良いでしょう。彼女は絶対にグラードンを制御できないと。」
「そうだな。結果、あの昔話同様植物も人間も枯れ果てる世界が再来する……と。」
「まだ……終わってない!」
「アーシェ!?何か言いたい事があるだろうけど、今は喋らない方が……」
「私のことはいい……!それより、今はグラードンを止めないと……フィリアだけじゃねぇ。最悪、他の地方にまで影響を出してしまう。」
「それはそうかもしれないけど……どうやって、あの古代ポケモンを止めるの?」
「グラードンだって……伝説や神と謳われていても、結局はポケモン……ポケモンの技で止められないはずはない。」
「アーシェちゃん……」

「皆さん!!こちらに居られましたか!!」

ポケモンセンター個室の扉が開き、町長さんが駆け寄ってて来た。

「町長さん……すまねぇ。グラードンの復活、阻止できなかった。」
「いえいえ、それを咎めに来たのではありません。事情は町の者やナースさんから伺いました。私が此処に来たのは、アーシェさんにお願いしたい事がありまして……」
「私に?」
「はい。アーシェさんには、この町の沖にある『 嵐の祭壇 』へ向かっていただきたいのです。」
「それって……アレか?グラードンの暴走を止めたポケモンが祀られてるとかいう……」
「その通りでございます。」
「けど……あそこって確か、『スキュラ海峡』の中心にあるんじゃなかったっけ?……とてもじゃないけど行けないよ。」
「あら?どうして?」
「その祭壇がある岩の孤島に行くには、その島の周囲で発生している6つの大きな渦潮を突破しないといけないんだ。何より、私の手持ちポケモンで波乗りを使える子が居ない。いや、仮に居たとしても、安全に突破できるかどうか……まぁ、逆に空からなら安全に島に行けるんだけど……」
「そういや、アーシェ……泳げるポケモンも、空を飛べるポケモンも、持ってなかったな。」
「うん。早い話、私は祭壇に行きたくないわけじゃない、行くための手段が無いんだよ。」
「そういう事……だったら、私のフライゴンを貸してあげるわ。」
「え?良いのか!?」
「もちろん。こういう時こそ助け合わなくっちゃ。仲間でしょ?私達。」
「ティア……」
「まぁ、お前が祭壇で何か用事をしている間、俺達が死ぬ気でグラードンの進行を阻止してやるから。お前は俺達を信じて、自分に任された仕事をしっかりやり遂げろ。」
「コルボー……ありがとう!!私、祭壇に行ってくるよ!」
「ありがとうございます。では……アーシェさん。こちらを……」

私は町長さんが差し出した綺麗な鈴を手にした。

ジャパニーズの神社やお寺で『御神楽舞い』とかいうのを行う時に用いるような、小さな鈴がたくさん付いたアレだ。

「これを持って祭壇に降り立てば、きっと……神様が力を貸してくださるでしょう。」
「……わかりました。」

正直……私は修道女でもなければ巫女でも尼僧でもない。

そんな私に何ができるのか解らないけど……やれるだけの事はやってみよう。

グラードンによる惨劇を繰り返さないためにも。

◆◆☥◆◆

私はポケモンセンターから出るとすぐにティアから借りたフライゴンに跨り、急いで嵐の祭壇の方へ向かう。

フライゴンに跨って飛んでいる時にアリアのプライベートビーチがあった方角を見ると、グラードンが海の中を歩いて行く姿が目に入った。

いや、少し違う……グラードンが通った場所の海水は蒸発しており、少しずつ……でも確実に乾いた大地が完成している。


「急がねぇと……フライゴン!!頼む!!」
「(。`・ ω ・) ”」

私の呼びかけに頷いたフライゴンは、指示道理に飛行してくれ……何事も無く、嵐の祭壇に到着した。

「よっと……ありがとう。フライゴン。ちょっとそこで待っていてくれるか?」
「(。`・ ω ・) ”」
「さてと……」

私は町長さんからもらった鈴を取り出し、歩き回りながら2~3回振って鳴らしてみる。

「…………なんちゃって。こういうのって、神様に選ばれた人間がやらねぇと意味が無いよな……此処で祈祷してもいいんだろうけど、グラードンを足止めする人手は多い方が良いハズ。フライゴン!私をティアとコルボーの処へ運んでくれ。」

私は再びフライゴンに跨り、2人が頑張る戦場へと向かった。

**✝**

「おーほっほっほ!!やるだけ無駄ですわ!!グラードンの力、思い知りなさい!!」
「させないわ!!ドータクン!!ラスターカノン!!」

グラードンが口から発射した火炎放射とドータクンが発射したラスターカノンがぶつかり合う。

「今だ!!シャーリー、冷凍ビーム!!」

コルボーの指示でエネコロロが発射した冷凍ビームが、攻撃の最中で隙ができていたグラードンの腹部に当たった。

効果抜群ダメージを受けてグラードンの体が少しよろめき、背中に乗っていたアリアも少し慌てた表情を浮かべる。

「鬱陶しいですわね!!いくら頑張っても、普通のポケモンが伝説のポケモンに敵うわけがないのよ!!」

アリアが翳した紅色の玉が再び光出したかと思った瞬間……グラードンの体に変化が表れ始めた。

とても大きな鼓動が聞こえる中、グラードンの体がより巨大になり……体の黒いラインが、赤々と高熱で流れる溶岩によって、その形を変えていく……

自分の溢れんばかりの強大なパワーを解放させるかのように咆哮したと同時に地面から噴き出す数本の極太火柱……

その火柱の中心で、全体の形をそのままにより巨大に、力強く、グラードンの姿は変貌していた。

「これは……原始回帰!?」
「少し前にホウエンで確認されたっていうヤツか?くそっ……此処のグラードンも同じ恩恵を受ける事ができたってわけか。」
「さぁ!!グラードン!!あの目障りなポケモンとトレーナーを始末してしまいなさい!!断崖の剣!!」

ゲンシグラードンが大地を揺らし、鋭利な刃を突出させてドータクンとエネコロロに襲いかかる。

「ドータクン!!」
「シャーリー!!」

「ワカシャモ、守る!!」

刃がドータクンとエネコロロを襲う直前、2匹の前に着地したワカシャモが大地の刃を受け流した。

「なっ……!?」
「よぅ。随分と派手に暴れてるじゃねぇか……アリア!!」

私はフライゴンの背中から下り、ワカシャモと一緒にグラードンの進行方向で干上がってできた地面の上に立ちはだかる。

「2人共、お待たせ。フライゴン、お疲れ様。」
「アーシェちゃん!!ありがとう、助かったわ!祭壇の方はもういいの?」
「今の私にできるだけのことはやってきた……はず。恩恵を受けられるか判らないけど、とにかく神頼みをする前に、私達でできるだけのことはやらないと!」
「そうだな……とりあえず、お前を信じてグラードンの進行を食い止めてやったぜ。一応、引き続き俺達も協力するけど……しっかり決めてくれよ。」
「あぁ!!任せろ!!」

私達の眼前で、グラードンに乗っていたアリアが悔しそうに拳を振り上げては下ろして、ゲンシグラードンの背中を叩く。

「きぃぃぃぃぃ!!どこまで……どこまで私の邪魔をすれば気が済むんですの!?アーシェ・バーンハルウェン!!いいですわ……あなたと、あなたのポケモンだけは!私のポケモンで地面を嘗めさせてさしあげましょう!」

そう言いながらグラードンの上でアリアが投げたボールから、再びガントルが姿を現した。

「頼む、ワカシャモ。私と一緒に、あのバカとグラードンの進撃を止めるぞ!力を貸してくれ!!」
「(。`・ ω ・) ”」

私の呼びかけに、答える様に力強く咆哮したワカシャモの体が青白い光に包まれた。

「ワカシャモ!?お前……!」

私の隣に居たワカシャモは光の中で一回り大きくなり……羽の生えていた腕は細くなり、逆に脚は毛が生えて太く、より屈強になり

頭の鶏冠だった部分が変形して2本の細い角へ変わり、頭の毛は全体的に後方へ長く伸び……

光が掻き消えた瞬間

私の相棒だったワカシャモは、バシャーモへと進化した。


【 バシャーモ 】
もうかポケモン / 高さ : 1.9m / 重さ : 52.0kg / 炎 ・ 格闘タイプ
アチャモの最終進化系。
戦いになると、手首から灼熱の炎を吹き上げ勇敢に挑みかかる。相手が手強いほど激しく燃え上がる。
強靭な足腰を持ち、30階建てのビルも楽々飛び越すことができる。
数年ごとに古くなった羽が燃えて、新しく しなやかな羽に生え代わる。
♂の方が頭部の羽が長く、♀の方が短い。


「やった………やったぁぁぁ!!おめ……おめでとう、バシャーモ!!」
「(。`・ ω ・) ”」
「ついに、アーシェちゃんのパートナーが進化したのね。おめでとう、アーシェちゃん。」
「ぐすっ……ありがとう!ティア!」
「ん?アーシェ、お前……泣いてんのか?」
「なっ……泣いてない!」/////

「……ふっ、ふふん……いくら進化したところで、私のポケモンには敵わない。このグラードンの前に倒れる運命なのですわ!!」

「頼むぞ、相棒。グラードンにブレイズキック!!」
「(。`・ ω ・) ”」

私の指示を受けたバシャーモが、ガントルの隣を素通りして、ゲンシグラードンの腹部に燃え上がる蹴りを決め込んだ。

相性的に有効打とはいえないだろうけど、日照りのおかげで炎技の威力が上昇している分、グラードンの体を少しだけ仰け反らせた。

「きゃああぁぁっ!!」
「ちっ!原始回帰して炎タイプが追加された分、思うようにダメージを与えられねぇな。」
「あら、アーシェちゃん。原始回帰を知ってたの?」
「実際に見るのはこれが初めてだけどな。その存在は本で読んで知ってたよ。」
「よくも下賤の輩の分際で、伝説のポケモンに……ガントル!何をやっているの!?早くそのバシャーモを止めなさい!岩落とし!!」
「させるか!バシャーモ、ガントルに二度蹴り!!」

攻撃を仕掛けようとしたガントルに素早く接近したバシャーモがガントルを蹴り上げ、追撃するように跳び上がった後……回し蹴りの要領で、ガントルをグラードンの腹部めがけて蹴り飛ばした。

思わぬ追撃を受けたグラードンが腹部を押さえ、その場で立ち止まる。

「おぉ!今の攻撃は見事だな。」
「さすが格闘タイプ。動きのキレが良いわね。」
「今の攻撃でガントルを戦闘不能に追い込めただろうし………残るはグラードンだけだ!!」

私とティア、コルボーとそれぞれのポケモンがアリアの乗っているゲンシグラードンと対峙する。

そんな私達の後方から涼しい風が吹き抜けたと同時に、遠くの方から羽ばたきの音が聞こえてきた。

「ん?羽ばたきの音……?」

ふっと私が振り返った視線の先から高速で1羽の大型の鳥ポケモンが、こちらに向かって飛んできた。

鳥ポケモンといっても、その顔はどちらかというとドラゴンタイプのポケモンに近かったりする。

「このポケモンって……」


【 ルギア 】
せんすいポケモン / 高さ : 5.2m / 重さ : 216.0kg / エスパー ・ 飛行タイプ
海の神様と伝えられるポケモン。
翼を軽く羽ばたかせただけで、民家を吹き飛ばす破壊力を持っている。
ルギアが羽ばたくと、40日嵐が続くといわれている。
その強すぎる能力を持つため、深い海の底で静かに時を過ごすと伝えられる。


「やりやがったな、アーシェ……まさか、本当にルギアを呼び寄せるとは……」
「いっ……いや、そんな……偶然だと思いたい。あんな適当に鈴を鳴らしただけで、来てくれるなんて……」

私のいい加減な神楽舞いの効果なんかよりも、おそらく自分の生活する海が急に干上がりだして怒りによるものだろう。

ルギアは大きく口を開くと、圧縮された渦巻く空気の砲弾をグラードンに向かって放った。

エアロブラストをダイレクトに受けたグラードンが背中から音を立てて盛大に倒れた。


「何なの……何なんですの!!寄ってたかって……グラードン、しっかりなさい!!ルギアはこの際、無視ですわ!グラードン、アーシェのバシャーモに断崖の剣ですわ!!」

しかし、グラードンはアリアの命令を聞かず、眼前のポケモン達に向かって地震を放って来た。

「地震!?こらっ!言うことを聞きなさい!!」
「相棒!頼む!!」
「( `・ ∀ ・)ゞ 」

私の伝えたいことを理解してくれたバシャーモがティアのドータクンと、コルボーのエネコロロを両脇に抱え込んで……地面を強く蹴って跳び上がった。

私達人間は地震の揺れを体感したが……この日照りだ。津波の心配も無いだろう。

「なっ……!?なんて跳躍力なの!?」
「地震は地面に足さえ着けてなかったら、ダメージは受けねぇからな。バシャーモ!そのままグラードンにブレイズキック!!」

両脇に2匹のポケモンを抱えたまま、バシャーモは空中で燃え盛る蹴りを繰り出すが、グラードンの両手によって防がれてしまった。

そのまま押し返されたバシャーモが宙返りをして体勢を立て直し、無事に着地する。

「アーシェちゃん、バシャーモ!本当にありがとう。」
「ティアのドータクンも俺のシャーリーも無傷で済んだ。礼を言わせてもらうぞ。」
「ふふっ……バシャーモになって、いろいろできるようになって私も嬉しいんだ。よく私がして欲しいことを解ってくれたな。ありがとう、バシャーモ。」
「(。`・ ∀ ・)b☆」

ドータクンとエネコロロを開放したバシャーモの隣でルギアが大きく息を吸い込み、ハイドロポンプを発射する。

しかし、原始回帰したグラードンの特性 『 終わりの大地 』 のせいで、水タイプの技はグラードンに当たる前に蒸発してしまって、ダメージが通らない。

「ルギアの攻撃が……エアロブラストがあと1発でも通れば、きっとグラードンを倒せる。バシャーモ!ルギアの次の攻撃まで、グラードンの注意を引き付けるぞ!」
「(。`・ ω ・) ”」
「グラードン!いい加減にしなさい!アーシェのバシャーモに断崖の剣!!」
「させないわよ!!ドータクン!!ラスターカノン!!」

ドータクンが発射した眩い光を放つ光線が、バシャーモに向かって放たれた岩の刃を撃ち抜いた。

「うふふ。」
「くっ……邪魔を—————……」
「シャーリー!!猫の手!!」

その場に慌ただしく動いていたエネコロロが止まったかと思った瞬間、両前足を勢い良く振り下ろして、周囲を大きく揺るがすほどの衝撃を繰り出した。

私も目の前のグラードンが似たような行動をしているのをさっき見た。今のは地震のモーションだ。

「あ~……イルシオンに覚えさせてた地震が出たか。すまん、ティア。お前のドータクン、確か耐熱だったよな?」
「大丈夫。これまでアーシェちゃんのバシャーモが余計なダメージを負わないよう守ってくれていたし、ドータクンはまだ倒れてない。それに、猫の手の効果も知っているから気にしてないわ。」

そして、エネコロロが繰り出した地震はティアのドータクンと、ゲンシグラードンに襲いかかり……今までの蓄積ダメージと、唯一の効果抜群技を受けたゲンシグラードンが大きくよろめく。

「貴方達!!邪魔をしないで!!アーシェとバシャーモを攻撃できないでしょ!!」
「悪いが、それをさせねえのが俺達の仕事だからな。何より、悪いお嬢ちゃんには摂関が必要だろうし……なぁ?」

煙草を口から離し、白い煙を吹き出したコルボーがアリアを睨む。

「ひぃっ……!!」

「ルギア!!頼む!!」

「え……?はっ!!しまった!!グラードン!!すぐに迎撃を——————……」

地震を受けて体制を崩していたのと、紅色の玉を持つ指揮官であるアリアの判断が遅れたこと……

この2つの要素が合わさり、無防備な腹部にルギアのエアロブラストを受けたゲンシグラードンがアリアを乗せたまま、伏せるように倒れて戦闘不能となった。

*****

サルスーラ・ポケモンセンター

窓の外を眺めると、久しぶりの豪雨によって大地が潤いを取り戻しつつある。

あれから———……

意識を取り戻し、原始回帰した姿から元の姿に戻ったグラードンは私達とルギアをジッと見つめた後、ゆっくりと来た道を引き返し、最初に現れた岩壁の亀裂から更に地中奥深くへと戻って行った。

グラードンが去った後に残された本物の紅色の玉は、アリアが再び拾い上げる前にコルボーが回収。
そのまま、町長さんに手渡しで返却していた。

おそらく、今頃旱魃の神殿のあるべき場所に戻っているだろう。

ルギアはグラードンが地中奥深くへ戻って行くのを見届けた後、私の方を見てから自分の羽を器用に一本引き抜き、そのまま私に差し出した。

鋼のように硬いのに薄く透き通って軽い銀色の羽……

私がそれを受け取った後、ルギアは少しだけ微笑みながら再び舞い上がり、沖の方へと飛んでいった。

同時に、ルギアが去って行った方角の空に灰色の雲の存在を確認し……今朝、目が覚めた時には既に雨が滝のように降り注いでいて、現在進行形で今もまだ降り続いている。

ほんの少し、小降りになってきているようだ。

「そういや、私……アリアがあの後どうなったのか知らねぇんだけど……」
「あぁ。あのお嬢ちゃんなら俺が玉と一緒に神殿まで連れて行ったんだがな……町長さんや神官さんに謝罪もせず、勢いに任せて逃げて行ったよ。」
「あいつ……全然懲りてねぇみたいだな。」

逃げた先はおそらく、大都市・エルセア……今頃、自分のパパにでも泣き付いていることだろう。

自分の行いを正当化かつ美化しながらな。

「2人共~。ポケモンの回復、終わったわよ。」

ティアが持ってきたモンスターボールを受け取りながら、私は今後の行き先を考える。

「さてと……これからどうしよっか。此処でゆっくりしようにも海水浴できる状態じゃねぇし……ティアとコルボーは何処に行きたい?西?北?」
「あ……ごめんなさい。アーシェちゃん……その事なんだけどね、私……1度、地元に戻ろうと思うの。」
「えっ……!?どうして?」
「随分と急だな……」
「本当はまだアーシェちゃんやコルボーさんと旅を続けたいのよ。でもね……外交官として、今回フィリアで起きた事を私の仲間や上の人に報告しなくてはいけないの。」
「え……?マジで!?外交官って……ティアが!?」
「中々に良い役職に就いてるじゃねえか、ティア。道理で他国のことに詳しいわけだ。」
「うふふ。もう、茶化さないで。真面目な話、今回のグラードン復活という事件……現象は本当にレアなケースなの。ホウエン地方、フィリア地方でグラードンの姿と伝承を確認したわ。でも……世界は広い。探せば他にもグラードンとカイオーガの伝承、今回みたいなルギアという特殊な伝承もあるかもしれない……そして、それを復活させようとする人間や組織の事も……仮に復活したとして、どうやって止めるのか……ということを色々報告しなくちゃいけないのよ。特に、今回その場に居た私としては……ね。」
「なるほど……大変なんだな。」
「そうなのよ。国と国との友好関係を築いたりするだけが仕事じゃないのよ。」
「そういう事なら……それに、最初に約束したもんな。用事があるなら遠慮せずに戻ってくれて良いって。私の我儘でティアに迷惑かけたくないしな。」ニコッ
「アーシェちゃん……ありがとう。報告と……ちょっと溜まってると思う仕事を片付けたら、また遊びに来るわ。」
「うん!待ってるよ、ティア。」
「コルボーさん。貴方にも仕事があるのは知っているわ。でも……できることなら、アーシェちゃんに新しい仲間……友達ができるまで、一緒に居てあげてくれないかしら?」
「まぁ……こいつを放置しておくと、また危険な事をやり兼ねないだろうし……な。保護者は必要だろう。」
「子ども扱いすんな!!」
「うふふ。あっ……そうだ。」

ティアは何か思いついたかのように、1枚の紙切れにペンを走らせる。

「はい。アーシェちゃん。」
「これは……?」
「私の連絡先。アーシェちゃん、今は連絡手段を持ってないようだけど、いつかそういう機械を手に入れた時にでも登録しておいてほしいの。」
「うん。わかった。その時には必ず登録する……コルボーに見せても大丈夫?」
「えぇ。せっかく出会ったのだし、いつでも。」
「だってさ。良かったな、コルボー。」
「御気遣いどうも感謝致しますとでも言っておけば満足か?」
「うふふ。さてと……雨も止んできたことだし……」

気が付けば、雨は幾分か小降りになっており、ティアはポケモンセンターの外に出るとフライゴンを呼び出し、その背中に跨る。

「それじゃあ、2人共。行ってきます。」
「うん。行ってらっしゃい。」
「報告が義務ってのも大変だな……まぁ、お勤め御苦労ってことで、頑張って来いよ。」
「えぇ。」
「ティア。此処まで一緒に旅してきてくれて、ありがとう。とっても楽しかった!また会える日を楽しみにしてるよ。」ニコッ
「えぇ、私も楽しみにしてるわ。また会いましょうね。」ニコッ

硬く握手を交わした後、フライゴンが飛び立ち、沖の方へ飛んでいくティアを見送った後、私はコルボーに話しかける。

「それで、さっきの話なんだけど……コルボーは何処か行きたい場所とかあるのか?」
「ん?いや……正直、この地方の何処に何があるのか、まだ詳しくは知らねえからな。お前が行きたい場所があるならそこを優先で構わないぞ。」
「そっか……じゃあ、私が進路を決めさせてもらうぜ。」
「ということは、行きたい場所があるんだな。」
「うん。これから私達は……西へ向かいます。」
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。

さて……やっと……やっと、ワカシャモがバシャーモに進化しました!!
やったぁぁぁぁぁぁ!!15話でこれがやりたかったんだ!これで心置きなく相棒が使えるぅぅぅぅ!!

そしてもう1つ。6話からアーシェに同行していた、お借りしていたティアさんが離脱しました。
ただ、今後一切出ないなんてことは全くなく、ちゃんと時期を見て登場させていただくつもりです。
これは今、一緒に居るコルボーさんも例外ではなく、私のSSはお借りしているキャラクターの出入りが激しいことを、改めてご理解 ・ ご了承していただけたら幸いです。

さて、長々と綴ってしまいましたね。お付き合いありがとうございます。
また次話で御会いしましょうです。

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