No.11 † 盗まれた仲間 †

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読了時間目安:25分
昔は本屋で漫画ばかり買っていたのに、深夜アニメがライトノベルが原作であること、そして興味を持って購入するとアニメで省略されている情景描写も読めて面白い事。
それに気づいた時、俺の読書の幅が広がった……にも関わらず!SSを投稿させていただいている時に、自分の作品にそういった情景描写の表現が活かされているかと訊かれたら、微妙なんですけどね。

はい!どうも、柔時雨です。

11話ですか。メンバーにコルボーさんが加わり、対話シーンも増えて、自分のアーシェがちょっと動かしやすくなってきました。

では、あまり長々と語ってもアレですし……
今回もまた、私の作品を覘きに来てくださった方々、どうぞ!ゆっくりしていってくださいね。
フィリア地方南方 ・ 『 リュベル 』。

ハイルドベルグから南下して森を抜け、眼前に広がる荒野をしばらく歩き続けていると見えてくるオアシス的な町。

この町から北や南を目指す旅人の方々は、この町で必要な物資を買い溜めし、これから待ち受ける荒野の旅を無事にやり遂げるための準備をするのだ。

リュベル ・ ポケモンセンター

「あら?コルボーさん……アーシェちゃんは?」
「ん?あぁ、何か本を買いに行くとか言って、さっき出て行ったぞ。アーシェに何か用事でもあったのか?」
「用事というほどのことでもないの……さっき、町で美味しそうなお菓子を買ってきたから、一緒に食べようと思って声を掛けようとしたんだけど、入れ違いになっちゃったようね。せっかくですし、先にお茶にしましょうか。コルボーさん。」
「ん?俺の分もあるのか?」
「当たり前です。私達、仲間じゃないですか。ちゃんと用意してますよ。」
「そっか……すまん。じゃあ、ありがたく頂く—————…………」

「コルボー!!居る!?」

「あらあら。」
「はぁ……そんなデカい声出さなくても聞こえてるぞ、アーシェ。」

私は2人の姿を確認して、急いで駆け寄った。

「コルボー!!怪しい奴、見なかった!?黒いスーツのビジネスマンみたいな奴!!」
「おまっ……すげえ汗じゃねえか。とりあえず、落ちつけ。悪いが、俺は今日、まだこのセンターから出てないんでな。」
「じゃあ、ティアは!?確か、買い物するとか言って出てたよな?」
「え……えぇ、確かに出かけてたけど……そういう人は見なかったわ。ごめんなさい。」
「そっか……くそっ!あの野郎!!どこに行きやがったんだ……?」
「アーシェ。とりあえず、何が遭ったのか教えてくれないか?」
「あぁ、うん。実は——————…………」

*****

~ 数分前 ~

リュベルの町・書店。

「へぇ……ホウエン地方のムロタウンの北西にある石の洞窟で、古代ポケモンに関する壁画が発見される……か。」

財布の中身と相談しながら、暇つぶし用の本を購入しようとしていた時である。

反対側から歩いてきたサラリーマンと肩がぶつかってしまった。

「おっと……失礼。」
「あ……私こそ、すまない。……うん。この本にしよう。おっちゃん、この本ちょうだい。」

そして、本を無事に購入した直後、私は腰周りの違和感に気付き……実際に確認してみて、予想が現実に変わった。

仲間が入った3つあるはずのモンスターボール……そのうちの1つが無くなっているという現実に……

*****

「——————……ってな事があったんだ!!本屋に入るまでは、ちゃんと3つあったし!!本屋の中でも、そいつとしかぶつかってねぇんだよ!!」
「はぁ……お前は何でこう……今度からお前単独での自由行動を禁止にしてやろうか?」
「まぁまぁ……それで、アーシェちゃん。誰が居なくなったのか確認したの?」
「あっ……まだだった。皆、出てこい!!」

私は残りのモンスターボールを一斉に投げた。
2つのボールが同時に開き、ワカシャモとフカマルが姿を見せる。

「ワカシャモにフカマル……ということは、盗まれたのはコマタナね。」
「どうしよう!?どうしよう、ティア!コマタナが……コマタナが!!」
「落ちついて、アーシェちゃん。」
「まったく……仕方ねえな。」

ソファに座っていたコルボーがゆっくりと立ち上がり、ポケモンセンターの外に出たので、私もその後を追う。

「コルボー?」
「お前達、仕事だ!!出てこい!!」

コルボーが投げた5つのボールが開き、エネコロロ、ビブラーバ、ヤミカラス、アブソル、ザングースが姿を見せる。


【 ビブラーバ 】
しんどうポケモン / 高さ : 1.1m / 重さ : 15.3kg / 地面 ・ ドラゴンタイプ
2枚の羽を激しく 振動させてさせて超音波を出し、獲物を気絶させた後、砂の中に生き埋めにして保存する。
ビブラーバの羽はまだ成長途中。長い距離を飛ぶよりも、振動させて超音波を出すほうが得意なのだ。
発生する超音波は人間も頭痛を起こす程の威力。一緒に居るトレーナーは耳栓が必要。


【 ヤミカラス 】
くらやみポケモン / 高さ : 0.5m / 重さ : 2.1kg / 悪 ・ 飛行タイプ
夜、姿を見かけると、不吉なことが起きると信じられ、忌み嫌われているポケモン。
不用意に後をつけていくと、迷わされて深い森や山道に置いてけぼりにされる。
光る物に目がない。ボスのためにキラキラ光る物を探している。
お宝を求めて、宝石を貯め込むガバイトの巣に忍び込むこともあれば、よくニャースと奪い合いになっている。
不吉の証と嫌われるが、仲良しのトレーナーにはキラキラ光る物をプレゼントする。
日暮れに目覚め、夕闇を飛ぶ。『 ヤミカラスが飛ぶまでに、家に帰れ 』 という諺もある。


【 アブソル 】
わざわいポケモン / 高さ : 1.2m / 重さ : 47.0kg / 悪タイプ
災いをもたらすと いわれるが、実際にはおだやかな性質。100年生きるといわれている長寿のポケモン。
険しい山岳地帯に生息し、滅多に山の麓には降りてこない。
角で災いを感知し、危険を知らせる時だけ人前に現れるという。
アブソルが人前に現れると、必ず地震や津波などの災害が起こったので、『 災いポケモン 』 という別名で呼ばれるようになった。
迷信がはびこる昔、災いをもたらすと忌み嫌われ、山の奥へと追いやられた。
老人は 『 災いポケモン 』 と呼び忌み嫌うが、災害を予知する力に関心が高まっている。


【 ザングース 】
ネコイタチポケモン / 高さ : 1.3m / 重さ : 40.3kg / ノーマルタイプ
何世代にも渡ってハブネークと戦ってきた。宿敵ハブネークとの戦いの記憶が体中の細胞に刻み込まれている。
普段は4本足で行動して いるが起こった時、戦う時は後ろ足で立ち上がり、前足の鋭い爪で攻撃する。
ハブネークの臭いを嗅ぐだけで全身の体毛が逆立つ。


「アーシェ。こいつ等にそのぶつかった野郎の特徴を詳しく伝えるんだ。確実に居場所を突き止めてやる。」
「え?あぁ……うん、それは良いんだけど……大丈夫なのか?」
「大丈夫。俺の育てたポケモンは、対象者捕獲用の技がある。まぁ……今回は捕獲じゃなく、発見だがな。警備員でもあるこいつ等ならやり遂げてくれるだろう。」
「ポケモンが……警備員?」
「そういえば言ってなかったか。俺の本職は警備員なんだよ。シンオウ地方のウラヤマって人の屋敷でなんだが。」
「あら。ウラヤマ氏の……」
「ティアは知ってるみてえだな。まぁ……それがどうって話じゃねえんだけど。仕事柄、こいつ等に手伝ってもらう事も多くってな。そのうち段々、それっぽい技を習得していった……いや、させていったんだよ。」
「そうだったのか。けどまぁ……そういう事なら……」

ほんの一瞬だったが、私は横目で見た男の特徴を覚えてるだけコルボーのポケモン達に話してみる。

そして……私の言葉を理解したのか、5匹のポケモン達は一斉に町の大通りの方に向かて行った。

「後は此処であいつ等の帰りを待てば良い。」
「うん……」
「じゃあ、私はアーシェちゃんの代わりに町の中を探してくるわ。相手の特徴も聞いたことですし。」
「ティア!?気持ちは嬉しいけど、お前のポケモンまで狙われたら……」
「その時はアーシェちゃんのコマタナと一緒に助けだすから大丈夫よ。これも1つの囮捜査……かしら。」
「…………ありがとう。でも、無茶だけはするなよ?ティアは私やスーパーマサラ人みてぇな体を持ってねぇんだから。」
「えぇ。充分気を付けるわ。それじゃ……行ってきます。」

~ 数十分後 ~

コルボーのポケモン達が戻って来るまでの間に、私は私服から修道服へと着替え、ベールを深々と被る。

「ん?アーシェ。お前……修道女だったのか?」
「いや、前にお世話になったトコロが教会でね……いずれ返そうと思ってたんだけど、結局返せなかったな……」
「そっか……お前にもいろいろ遭ったんだな。深入りして訊くつもりはないけど。」
「うん。そうしてくれると助かる。ありがとう、コルボー。気を使ってくれて……優しいな、お前は。」ニコッ
「お……おう。まぁ……何だ。礼は無事にお前のポケモンを取り戻した時に改めてしてくれ。」
「わかった……ん?」

しばらくして、私達の処にコルボーのヤミカラスが戻ってきた。

「ん?シャドウ……そうか。見つけたか……アーシェ!!お前はシャドウと一緒に先に行け!!」
「コルボーは?」
「俺は他のポケモン達を回収しないといけないし、ティアにもこの事を伝えないといけないからな。第一、今回の件はお前のポケモンのことだ。トレーナーのお前がしっかり片を付けてこい。」
「……うん。わかった!!えっと……シャドウ、頼む!!そいつの居る所に案内してくれ!!」

頷いたヤミカラスが再び舞い上がり、私はその姿を追うように走り出した。

* * * * *

ヤミカラスが案内してくれた場所は、リュベルの町からやや北東に位置する場所で、今は使われていない何かの工場が寂しげに放置されているような場所だった。

「此処に……あいつが……ん?」

大きな岩の陰に隠れて工場の方を見ると、その場に不釣り合いなサラリーマンが1人、工場内に入って行くのが見えた。

「怪しすぎる……ありがとう、シャドウ。私は先に行くから……お前はコルボーの所に戻って、皆を連れて来てくれ。」

ヤミカラスは強く頷き、再びリュベルの方へ飛んで行った。

「さてと……コマタナ救出作戦、開始といきますか!!」
「(。`・ ω ・) ”」

私はモンスターボールを投げて呼び出したワカシャモと共に、目の前にある錆びて脆くなった鉄の扉を一緒に全力で蹴り飛ばした。


「うぉぉらぁ!ダイナミック・エントリー!!」
「 ( # ゚ Д ゚ ) 」

「「なっ!?何事!?」」

私とワカシャモの奇襲に、倉庫内に居たサラリーマン2人がビクッ!と体を震わせた。

「ハレルヤ。此処に私の大事なポケモンを盗んだ野郎が居るみてぇだが……あぁ、そこに居たか。」
「お……お前、そうか!本屋に居た……」
「人のポケモンを盗むようなゲスにでも顔を覚えていてもらえて光栄だ。そこまで解ってんなら、話が早い……さぁ、私のコマタナを返してもらおうか!」
「そうはいかない!これもビジネスなんでね。上から命令されているのさ。 『 使えそうなポケモンを盗んで来い 』ってね。」
「だが……そうか。そのボールの中身はどこにでも居るようなコマタナか。利用価値は低そうですね……」
「人のポケモンを盗んでおいて、ケチつけてんじゃねぇ!!てめぇ等、何様のつもりだ!!」
「うるさいお嬢さんですね。たかがコマタナの1匹、またゲットすればいいじゃないですか。」
「そういう問題じゃねぇんだよ!そのコマタナは、このワカシャモや控えのフカマルと一緒に此処まで旅してきた私の大切な仲間なんだ!てめぇ等の偏見じゃ語れねぇこともあるんだよ!」
「 ( # ゚ Д ゚ ) ” 」
「口で言っても聞いてくれねぇなら、私も手段を選んでいられない。半ば強引に実力行使をしてでも、コマタナを返してもらうぞ!」
「ほぅ……やる気なのですね?この私達と。」
「おもしろい!素直に引き下がらなかったこと……後悔させてやる!」

そう言いながらサラリーマンたちが投げたボールが開き、パルシェンとウツボットが姿を現した。


【 パルシェン 】
2まいがいポケモン / 高さ : 1.5m / 重さ : 132.5kg / 水 ・ 氷タイプ
殻が非常に硬く、ナパーム弾でも壊せない。硬い殻で守るだけでなく、付いているトゲを飛ばしてくるので、かなり手強い。
飲み込んだ海水を後ろへ勢いよく噴射することで海の中を泳ぐ。トゲを発射する仕組みも同じ。
殻に付いた傷は、次第に盛り上がり、大きく鋭いトゲへと育つ。潮の流れが激しい海に生息しているパルシェンの殻のトゲは大きく鋭い。
ヤドンの尻尾が大好物。ときには陸に這い上がってまで、ヤドンを探すこともあるほど。
殻から抜けたトゲで作った槍が、狩猟民族の古墳から、たくさん出土する。


【 ウツボット 】
ハエとりポケモン / 高さ : 1.7m / 重さ : 15.5kg / 草 ・ 毒タイプ
ミツの香りで獲物を誘う凶暴な植物ポケモン。
頭に付いている長い蔓を、小さな生き物に見える動きで得物を誘い、近づいてきたところを、パクリと一飲み。
口の中に入れたものは、1日で骨まで溶かしてしまうという。
たくさんのエサを溶かした体内の溶解液は甘さが増して、もっとエサを集めやすくなる。
ジャングルの奥地にウツボットばかり居る地帯があり、行ったら2度と帰ってこれない。


「くっ……水と氷タイプのパルシェンがキツいな……けど、やるしかない!頼むぞ、フカマル!」

私の投げたボールが開き、既に外に出ていたワカシャモの隣にフカマルが姿を現す。

「ワカシャモ!パルシェンに二度蹴り!フカマルはウツボットに龍の怒り!」
「パルシェン!ワカシャモに氷の礫だ!」
「ウツボット。フカマルにグラスミキサーで攻撃してください。」

サラリーマン達の指示を受けたパルシェンがそこそこ大きな氷の塊をワカシャモに、ウツボットが木の葉を渦巻く風に乗せて放って来た。

ワカシャモは氷の塊を左側頭部に受けてしまったが、ダメージは思いの外無かったようで、そのまま殻を開いていたパルシェンの柔らかい本体に蹴りを2発決め込んだ。

同時に、龍の怒りとグラスミキサーがぶつかり合い……こちらの龍の怒りが掻き消されたものの、威力が若干弱まったグラスミキサーを、フカマルが受けてしまった。

「フカマル!!大丈夫か!?」
「 (。`・ ω ・) ”」
「このまま一気に畳み掛ける!パルシェン!フカマルに冷凍ビーム!!」
「させるか!ワカシャモ!フカマルとパルシェンの間に割って入って、守る!」

私の指示通りに行動してくれたワカシャモがフカマルの前に立ち、正面から放たれてきていた冷凍ビームを受け流した。

「ウツボット。ワカシャモにパワーウィップ。」
「しまっ…………!」

守るを終えて隙ができていたワカシャモの側面から不規則な動きで伸びてきたウツボットの蔓が、ワカシャモを勢いよく工場の奥の方まで弾き飛ばした。

「ワカシャモぉ!!」
「さぁて……残ったフカマルにとどめを刺すとするか。」

小さなフカマルの目の前に、ウツボットとパルシェンがジリジリとにじり寄ってくる。

「諦めない……絶対に諦めるもんか!フカマル、もう1度……龍の怒り!!」

私の指示を受けたフカマルが大きく口を開き、青白い炎を吐き出す。
放出された炎はにじり寄っていたパルシェンの本体に直撃し、そのまま勢いよく弾き飛ばした。

「うおぉ!?俺のパルシェンが……!」
「いくらパルシェンの体力が低いとはいえ、今の攻撃で倒せたとは思えない……パルシェンが戦線に復帰する前に、できるだけウツボットにダメージを……」
「させません。ウツボット、痺れ粉!」
「……っ!状態異常技も持っていやがったのか!!」

ウツボットから放たれた黄色い粉がフカマルに降り注ぎ……同時にフカマルが辛そうに膝をついた。

「うぅ……諦めたくない。でも、万策尽きた感が凄い……どうする?考えろ、私……!」
「考えるだけ無駄です。ウツボット、パワーウィップです!」
「くっ……!フカマル、砂……

「ジュナイパー!ブレイブバード!!」

「なっ……!?」

フカマルに攻撃を仕掛けようとしたウツボットの胴体に、崩壊した窓から滑空しつつ突っ込んできたジュナイパーが激突した。


【 ジュナイパー 】
やばねポケモン / 高さ : 1.6m / 重さ : 36.6kg / 草 ・ ゴーストタイプ
モクローの最終進化系。
わずか0.1秒で翼に仕込まれた矢羽を番えて放つ。瞬きの間に、勝負がついている。
精度は100メートル先の小石をも貫く程。絶対に外せない時は頭の蔓を引き、集中する。
基本的に用心深くてクールだが、不意をつかれると、大パニックに陥ってしまう。


「このジュナイパーは……?」
「はぁ……はぁ……アーシェちゃん!大丈夫!?」
「ティア!えっと……正直、あんまり大丈夫な状態じゃない。ちょっと戦力さを思い知らされてた。ワカシャモもフカマルも満身創痍で……コマタナもまだ、取り返せてない。」
「そう……大丈夫!後はお姉さんに任せて、アーシェちゃんは自分のポケモンを回復してあげて。」ニコッ
「ティア……」
「くそっ……まさか仲間が居たのか……!」
「あなた達、いい歳してこんな真似して恥ずかしくないの?まぁ、とにかく……アーシェちゃんのポケモンは返してもらうわよ。」
「おいおい……たかがコマタナ1匹だぞ?そっちの紅髪あかがみの姉ちゃんにも言ったけど、こんなどこにでも居る様なポケモン1匹に何をムキに……」
「それが解らないあなた達とこれ以上お話するつもりはないわ。ジュナイパー!向こうで起き上がっているパルシェンに影縫い!」

ティアの指示に従ったジュナイパーが羽を1本引き抜き、自分の翼を弓のように巧みに扱って引き抜いた羽を矢のように放った。

ジュナイパーから放たれた矢はパルシェンを貫き、真下にある影に突き刺さる。

「これで貴方のパルシェンは『バトルが終わるまで』ボールに戻すことができない。このまま警察の方々が到着するまでの間、大人しくしていてもらいますよ。」
「このっ……トドメをささないつもりか!くそっ……くっそぉぉぉ!!」
「……ここまでですか。全ての責任は彼に押し付けるとして、私は逃げるとしましょうかね。実際に、あのお嬢さんのコマタナを持っているのは彼なワケですし……」

「悪いな。此処へ来る前に警察へ通報させてもらった。もう間もなく到着するだろうが……それまで、俺とも遊んでくれねえかな?」
「そんな……!?まだ彼女の仲間が……」

工場の入り口に立つコルボーの姿を確認したサラリーマンが脱力したように膝から崩れ落ちた。

「コルボー……ん?」

フカマルの手当てをしていた時、背後から自力で復活したワカシャモが駆け寄って来た。

「ワカシャモ!!良かったぁ……ウツボットに吹っ飛ばされてから戻って来なくて、心配したんだぞ!」
「(゚ Д ゚ ;)σ」
「ん?向こうに何かあるのか?」

私はワカシャモに案内されながら、フカマルを抱きかかえて工場の奥の方へと歩いて行く。

すると……そこには今まで全く見たことが無いポケモン……なのかな?ただジッと伏せの姿勢で、視線だけをこちらに向けている生き物が、鉄の檻に閉じ込められていた。


「こいつは……!?初めて見るな……可哀想に……ワカシャモ、二度蹴り!!」
「(。`・ ω ・) ”」

私の指示に従ってワカシャモが繰り出した蹴りが、鉄檻の扉を閉めている南京錠を蹴り壊した。

そのまま扉を開けて檻の中に入り、私はその生き物に駆け寄って、オボンの実を差し出してみる。

マスクで覆われた頭でどうやって食べるのか……木の実を差し出してから気付いたが、意外とすんなり木の実を起用に食べてくれたので、ちょっと安心。


同時に倉庫の外からパトカーのサイレン音が聞こえてきた。


*****


翌日

リュベル ・ ポケモンセンター

あの後すぐ、サラリーマン達は逮捕。
その後も倉庫内を警察の人達が調べると、人から盗んだポケモン達が入っているモンスターボールが入った段ボールが幾つも見つかり、それ等は警察の方々が総力を挙げてトレーナーIDとかいうのを調べた後、時間は掛かるものの、元のトレーナーへと返却していくらしい。

「はい、アーシェちゃん。コマタナの入ったモンスターボールよ。」
「おぉぉぉ……良かったぁ!お帰り。それと……ごめんな、コマタナ。」

私はティアからモンスターボールを受け取り、中に居るコマタナに語り掛ける。

「ティアとコルボーも本当にありがとう!コマタナが無事に戻って来たのは、2人のおかげだよ!」ニコッ
「うふふ。どういたしまして。悪用される前に助け出せて良かったわね、アーシェちゃん。」
「まぁ、一緒に旅する仲間である以上、協力も援助も惜しむつもりはねえが……できることなら、こんな事件は今回だけにしてくれよ。何というか……間抜けすぎる。」
「マヌケ!?」∑(゚ Д ゚ ;) ガビーン

確かにそうかも知れないけど……いや、実際そうなんだけど……!!

「コルボーはさぁ……もう少し、オブラートに包んだ表現を覚えたほうが良いと思います。」
「そうだな。お前が歳上の俺やティアに対して敬語か、歳相応の姿勢で話せるようになったら考えてやる。」
「歳相応……むぅ~………じゃあ、コルボーお兄ちゃん。お願いだから、私に対して優しい物言いで語りかけて?」
「……やめろ。何か……物凄い違和感が………」
「お前がやれって言ったんだろうがぁ!!」( # ゚ Д ゚ )
「あらあら。2人共、その辺で……ほら、お茶にしましょ?ね?ね?」

『アーシェ ・ バーンハルウェンさん。お預かりしているポケモン達の回復が終わりました。』

「あっ……終わったみたいだな。」

私はソファから立ち上がって、受付へと駆け寄り……ナースさんからワカシャモ達を引き取ろうとした時、ある異変に気付く。

さっき、ティアからコマタナの入ったモンスターボールを受け取って、ナースさんに預けたのはワカシャモとフカマルが入った2つのはずが……

ナースさんから戻って来たモンスターボールは3個……計算が合わない。

「え?あの……ナースさん。ボールの数、間違えてませんか?私の手持ちはこのコマタナと、ナースさんに預けたワカシャモとフカマルの3匹なんだけど……」

そう言いながら私はコマタナの入ったモンスターボールを受付カウンターに置いた。

「そちらは警察の方からアーシェさんのポケモンとして送られて来たのですが……少し、待ってもらえますか?」

ナースさんは私に差し出した3個目のモンスターボールを持ち、奥の部屋へと走っていった。

「どうした?アーシェ。また何かしでかしたのか?」
「いや、ナースさんに預けたポケモンが、増えて戻って来た。」
「どういうこと?」
「お待たせしました。どうやら、このポケモンの元々のIDやその他のデータが抹消されているみたいですね。」
「データが抹消?そんなことがあるのか?」
「はい。本来、ポケモンのIDというのは捕まえたトレーナのID番号がそのまま登録されるのですが……」
「裏工作か何かで弄った結果、そのIDが抹消されて、所有者未登録扱いになってるのか。」
「そういうことです。」
「でも、それならどうして警察の方はアーシェちゃんのポケモンだと?」
「IDが無く、他にもいろいろ調べた結果、アーシェさんとコンタクトがあると判明したそうで……」
「………ナースさん。この子を此処で出してみてもいいかな?」
「もちろん。構いませんよ。」

私はナースさんからモンスターボールを受け取り、そのまま軽く投げてみる。

宙を舞っていたボールが開き、中に入っていたのは……虫のような緑色の前足、黒っぽい色の胴体に、魚のような青い尻尾……頭に鉄製の独特なマスクを装着した……あの工場内で見つけた、初めて見る姿のあの子が姿を現した。

モンスターボールに入ってたってことは、一応ポケモンということで間違いないらしい。


【 タイプ:ヌル 】
じんこうポケモン / 高さ : 1.9m / 重さ : 120.5kg / ノーマルタイプ
ある任務のために開発されたポケモン兵器。重い制御マスクを着けており、本来の能力を出せない。
実験中に暴走したため、凍結された。
特別な力を秘めている。


「やっぱり……お前だったのか。」
「…………(。 ・ ω ・) ”」
「アーシェ……そのポケモンは?いや、そもそもソイツはポケモンなのか?」
「昨日の一件のステージとなった工場の鉄檻の中に居たんだ。衰弱してるのかと思ってオボンの実をあげたんだよ。」
「この子は……タイプ:ヌルね。元々、アローラ地方にあるエーテル財団で、何か特殊な実験のために作られたという話は聞いていたけど……」
「作られた……っつうことは、人工のポケモンなのか。道理で見たことねえ姿なワケだ……」
「えぇ。そのエーテル財団で以前、何かしらの騒動があったという情報を耳にしたことがあるし……おそらく、その時の研究員が数名、このフィリアへ逃れて、密に同じ実験をしていたのでしょう。」
「ということは……このヌルがもしかしたら、量産されているかもしれねぇのか?」
「可能性は否定できないわね。」
「そっか。でも!それと今、私の目の前に居るヌルとは関係ない。運命の悪戯か神様のお導きかは知らないけど、こうしてこの子は私の所に来てくれたんだ。だったら、私はこの子を大切にするよ。」

そして、ナースさんにこのタイプ:ヌルを引き取ることを伝え、ワカシャモ、コマタナ、フカマルとも対面させた。

他の3匹と比べて、頭1個か2個分ほど大きいタイプ:ヌル……人工的に生み出されたというその子は、ワカシャモ達に受け入れられ、ちょっとだけ嬉しそうにしているように見えた。
サンダーやライコウみたいに、各ソフトで1匹しかゲットできないポケモン達は、『 あぁ、伝説感あるなぁ 』と思うのですが
ストーリークリア後に手に入り、なおかつサン ・ ムーン、U サン ・ ムーンのチャンピオン防衛戦でグラジオが来た時
彼も使ってくるシルヴァディ……自分のシルヴァディと計2匹いるこの子は、確かに珍しいポケモンですが準伝ポケモンという感じはあまりしなかったです。

さて、ここまでお疲れ様でした。

そういうわけで、今回からアーシェの手持ちにタイプ:ヌルが加入 ・ 参戦です!
この子は他の3匹のポケモン達とは違って、なつき進化なので、割と早い段階でシルヴァディにしてあげられるかもです。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
また次話で御会いしましょうです。

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