No.05 † 旅立ちの時 †

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ポケモン新作……ソードとシールド、楽しみですね。

個人的に今、新作で気になることは……新しいポケモンより、過去作から連れて行けるポケモンとかより
(相棒のバシャーモの移動は無さそうなので、ちょっとそこは諦めてる)
ポケモンの卵厳選ができるかどうかなんですよねぇ。

新作のポケモンに登場するマホイップやアーマーガァなどのように特別なダイマックス?ができるポケモンを
野生だけで厳選するのって、結構過酷だと思うのですが……特別なダイマックスができるポケモンを親にして生まれたポケモンも、同じ仕様であって欲しいです。

さてと、どうも!柔時雨です。

今回はタイトル通り、今回が旅立ち回となります。
アーシェの冒険はここからだ……じゃないです!
これで終わりじゃないですよ!?まだ、まだ続きますよ!

ではでは、長々と失礼しました。
覗きに来てくださった方々、どうぞゆっくりしていってください。
教会1階 ・ 礼拝堂
私は借りていた部屋で荷物を纏めた後、礼拝堂に居たヴァン神父に話しかけた。

「おや、アーシェさん。荷物を纏めて……また、何処かへお出かけですか?」
「それなんだけど……神父様、話がある。」
「お話しですか?どうしました?そんなに改まって。」
「いや……その……急な思い付きなんだけど……此処を出て、旅をしようと思うんだ。」
「ほぅ、旅にですか。……理由を、聞かせてもらってもよろしいですか?」
「散々世話になっておきながら、勝手なことだって解ってるし、此処での生活が嫌になった訳じゃねぇんだ。ただ……今の私は世間知らずっつうのかな?自分よりポケモンバトルが強い相手の存在を知らないし、世界で何が起こっているのかも知らない。だから、己の見聞を広めるためとか言ったら……笑うか?」
「いいえ!とても素晴らしい事だと思いますよ。ですが……アーシェさんも薄々気付いているかもしれまんが、世界は危険でいっぱいです。」
「うん。それは何となく解る。平和な世界だけじゃねぇっとことはな。少なくとも、今のフィリアは治安が悪い。」
「ですので……貴方に、これを……」

そう言いながらヴァン神父は、タンスの中から小箱を出し、私に手渡す。
蓋を開けて中身を見ると、十字の形をした髪飾りが入っていた。こういうアイテムを、クロスっていうんだろうな。

「気休め程度ですが……あなたの旅に神の加護がありますように。」
「ヴァン神父……悪いな、あんたにはいつも貰ってばっかりだ。私の我が儘も聞いてくれて……ありがとう、大切にする。」

私は小箱を握りしめ、深々と頭を下げる。

「ヴァン神父……短い間だったけど、ありがとうございました!」
「はい、よく言えました。近くに来た時はまた、その元気な顔を見せてくださいね。」
「また……来ても良いのか?」
「もちろんです。旅路に疲れ、悩んだ時……限界を感じた時、いつでも戻って来てください。来る者は拒まず、去る者は追わずです。」
「そっか……わかった。それじゃあ、行ってきます。」

私はそう言いながら、教会の扉を押し開けた。

「ふふ……『 さよなら 』 ではなく 『 行ってきます 』 ですか。本当に……根は良い子なんですよね。そう……だからこそ…………」

アーシェが去った教会に、黒ずくめの男性が2人、窓を突き破って入ってきた。

「…………珍しいお客ですね。此処にはあなた方が望むような物は何もありませんよ?」
「聖職者なのに嘘はよくないですね……あるはずですよ?伝説のポケモンに関する聖典が……」
「仮にあったとしても、あなた方のような無法者に渡すわけにはいきません。あれはとても大切なものなのです。」
「ごちゃごちゃうるせぇな!何なら、此処をボロボロにしながら探したって良いんだぜ?」
「そんなことはさせません。此処はあの子が戻ってくる大切な場所……聖典共々、私の意地を通してでも守り抜いてみせましょう。」

* * * * *

教会を出発して、森と廃墟を抜け、変人橋が見える位置まで差し掛かったときである。

後方……教会のある森の方から爆発音が聞こえてきた。

「何だ?今の音……クヌギダマでも自爆したのか?いや、それにしては音がデカかったような……」

そんな独り言を呟きながら爆発音が聞こえた後方を見ると……遠方で黒い煙が昇っているのが見えた。

「あの場所は…………そんな、まさか!?」

何だ……?嫌な胸騒ぎがする……

私はまだ付けていない髪飾りの入った小箱を握りしめ、今来た道を急いで引き返した。

◆◆◆

~ 数分後 ~

立ち昇る煙を頼りに教会まで戻ってきた私は我が目を疑った。

つい先程まで何ともなかった教会が……炎に包まれている…………

「何でこんなことに……!?そうだ、神父様!!」

焼け焦げて脆くなった扉を蹴り飛ばし、同時に私の目に跳び込んで来た光景は……焼け崩れる礼拝堂。
そして、教壇に凭れ掛るように座っている神父様と、2人の不審者の姿だった。

「てっ……てめぇ等ぁぁぁ!!神父様に何をしたぁぁぁ!?」
「おい……戻って来たぞ。どうする?」
「適当に相手してさしあげなさい。聖典は手に入りました……私は先に戻って、報告しておきますので。」
「わかった。」

不審者のうち、2階に居た1人が既にボロボロに崩壊していたステンドグラスを割り、外に飛び出して行った。

「待てっ!!」
「おっと……あいつを追わせる訳にはいかんなぁ。」

外に逃げて行った奴を追おうとしたとき、残りの1人が私の前に立ちはだかる。

「くっ……そこを退け!!」

私は不審者を睨みながら、ボールを構えてアチャモを呼び出す。

「アチャモ、あいつに当てずに……あくまで牽制するために、火の粉!!」
「なっ!?」

アチャモが放った火の粉が、不審者本人を襲う。
これだけ燃えてしまっているんだ。もう、私1人の力での消火は間に合わない……今更火の粉を使ったところで、何も変わらないだろう。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「神父様!!」

私は教壇に凭れ掛っている神父様に駆け寄った。
近づいて気付いた……ヴァン神父の黒い礼服の腹部の辺りが、おそらく血……なんだろう。赤と黒が混ざり合って、そこだけ変色してしまっている。

「うっ……ごふっ……アーシェ……さん?」
「神父様!!此処で何が遭ったんだ!?あいつ等は……?」
「心配せずとも……アーシェさんには…………これは……私の……」
「この……女ぁぁぁ!!」
「え……!?」

振り返ろうとした私の背中に、漆黒の球体がめり込む。

「がっ……!?ぐあぁぁぁ!!」

衝撃により前半身を壁に叩きつけられ、痛みで軋む体をなんとか動かしながら振り返ると……引火した服を脱ぎ捨てた不審者が、冷たく鋭い眼差しでこちらを睨んでいた。

その横にはヨマワルがフヨフヨと空中を漂っている。


【 ヨマワル 】
おむかえポケモン / 高さ : 0.8m / 重さ : 15.0kg / ゴーストタイプ
どんなに厚い壁も通り抜ける。闇に紛れて歩き回る夜行性。
狙われたら最後。朝日が昇るまで、ずっと追いかけられることになる。
真っ赤な1つ目に睨まれると、屈強な大人でも体が竦んで動けなくなる。
子どもの泣き声が大好きで、悪い子を驚かせて泣かせる。
言いつけを守らない子どもを見つけると、夜中にどこかへ連れて行くといわれており、『 ママにしかられるような悪い子は、ヨマワルにさらわれる 』 という 言い伝えが残っている。


ヨマワルが放った黒い球体……なるほど、今……私が受けたのは、シャドーボールか。

ポケモンバトルは、いつから相手にダイレクトアタックが可能になったんだ?

「さっきの火の粉はちょっと焦ったぜ……女だからと思って油断してたら……調子に乗りやがって!!」
「うぐっ……あぁぁぁぁ……はぁ……はぁ……」

言葉を口から出したい……自分の思いを伝えたいのに……攻撃を受けた衝撃で、未だに呼吸が整わない。

「俺を恨むなよ……大人の世界に首を突っ込んだ自分が悪いんだ。」

不審者が指を 『 パチンッ! 』 と鳴らしたと同時に、ヨマワルが再びシャドーボールを放ってきた。

まだ呼吸が整わず、声が上手く出せない……狙いはアチャモか?くっ……守るの指示が出せない……

「ぐっ……くっ……!!」
「アーシェさん!!」

漆黒の塊が私を直撃する寸前、今にも死にかけていた神父様がよろめきながら、両腕を広げて私の前に立った。

直後……シャドーボールを受けた神父様の体が、私の後方の壁に叩きつけられる。

「…………っ!!」
「しっ……神父様!!」
「ちっ!死に損ないが……」
「てめぇ……よくも……!!」
「ん?」

私は深呼吸をして呼吸を整え、床や壁を頼りに何とか立ちあがり……燃え盛る教会の中、凍りつくような……相手を蔑むような瞳で不審者を睨む。

「何がどうしてこんなことになったのかは知らねぇけど……神父様に酷い真似をするような奴を許しておくわけにはいかねぇ!!」
「ふん……立つのがやっとなお前が吠えたところで、怖くも何ともないな……ハハハハハ!!」
「泣かす……てめぇだけは絶対に泣かせてやるっ!!」

私は傍に居たアチャモに優しい視線を向ける。

「アチャモ……今のトレーナーは私だけど、その前は……私と出会う前は神父様と一緒に此処で生活してたんだよな?」
「(。`・ ω ・) ” 」
「その思い出の場所が今、下衆に踏み躙られ、火を点けられて……おまけに神父様はボロボロだ。お前の中に、少しでも此処に思い出とかがあるのなら、頼むっ!!あいつをブッ飛ばすのに力を貸してくれ……私に!力を貸してくれ!!」
「(。`・ ω ・) ”…………!!」

私の呼びかけに頷き、力強く鳴いたアチャモの身体が、突然眩い光に包まれた。

「何だっ!?」
「ア……チャモ……?」

光に包まれながら……アチャモの体と鶏冠は一回り大きくなり、両手両足が発達していく。

四肢だけではない、爪も嘴も鋭くなっていく過程が目に見える。

そして——————……

光が掻き消えた瞬間、アチャモの姿は完全に変わっていた。


【 ワカシャモ 】
わかどりポケモン / 高さ : 0.9m / 重さ : 19.5kg / 炎 ・ 格闘タイプ
嘴から吐き出す灼熱の炎と、1秒間に10発繰り出せる破壊力抜群のキックで戦う。
戦いになると、体内の炎が激しく燃え上がる。鋭い鳴き声で相手を威嚇し、集中力を高める。
相手がギブアップするまで戦い続ける、強い闘争本能を持つポケモン。
野山を走り回って、足腰を鍛える。


「アチャモ、お前……おめでとう!!ワカシャモに進化したんだな!!」
「 (。`・ ω ・) ” 」
「よし……それじゃあ……」

私とワカシャモは、前方に居る不審者とヨマワルを睨みつける。

「進化したから何だっていうんだ!ヨマワル、もう1度シャドーボール!」
「ワカシャモ!進化して強くなった力を、あいつにお見舞いしてやれ!つつく!」

私の言葉に力強く頷いたワカシャモがヨマワルに素早く駆け寄り、嘴による渾身のつつくを繰り出した。

嘴をモロに受けたヨマワルが盛大に弾き飛ばされる。

「ヨマワル!ちっ……少し分が悪いか……仕方ない。戻れ、ヨマ——————……」
「逃がすかぁぁぁ!!これでトドメだ……ワカシャモ、火の粉!!」

不審者がボールを構えてヨマワルを戻すよりも先に、ワカシャモがヨマワルに火の粉を吹きかける。

全身を炎に包まれたヨマワルはしばらく苦しみながら宙を漂っていたが、やがて所々燃え落ちている床の上に力無く落ちて……そのまま戦闘不能になった。

「くっ!!不意の火の粉と、先程のつつくのダメージが響いたか……やむを得ん。ここは撤退——————……」
「てめぇ……これで済んだと思うなよっ!?」
「はっ!?」
「このっ……歯ぁ食い縛りやがれぇぇぇぇぇ!!」
「え……?ちょっ……まっ……!!」


ヨマワルをボールに戻して気が抜けていた不審者の顔面に、私の渾身の右ストレートが思いっきりめり込んだ。

「ぐっはあぁぁぁァァァァァァぁぁぁぁぁ!?」

殴られた不審者が錐揉みで舞いながら、窓ガラスを盛大に突き破って外まで吹っ飛んだ。

「はぁ……はぁ……うくっ……!!はぁ……はぁ……清々した……。」
「がっ……ごふぁ!!」
「神父様!!」

後方からの声に気付き、私は壁に寄り掛かっている神父様に急いで駆け寄る。

「神父様!!しっかりしろ!!すぐに此処から出て、医者に向かおう!!いや、その前に応急手当の方が先か?でも、それも外に出てから……」
「あー……しぇ……さん……」

口や鼻、頭から血を流し、目を閉じた状態の神父様が私を呼ぶ。

「何だ!?私は此処に居るぞっ!」
「申し訳ありません……少しでも、あなたの帰る場所を……心の拠り所を守ろうと思ったのですが…………」
「いや、そんな……建物なんて、また造ればいいだろ!それも、あんたが生きてりゃ、何とでもなるさ!」
「そう……ですね……ごふっ!」
「神父様!?」
「はぁ……はぁ……アーシェさん……最期に……あなたに会えて良かった……」
「なっ……!?何だよ、それ!!そんな全てを諦めたような台詞なんか聞きたくねぇ!!とにかく、此処を出よう!!ワカシャモ!ヴァン神父を担いでいく。手を貸してくれ!」
「 ( `・ ∀ ・)ゞ 」

私はワカシャモと一緒に神父様を担ぎあげる。

「諦めねぇ……絶対に諦めねぇぞ!!絶対に神父様を助け出す!!」
「アーシェさん……」

▼▽▼

燃えながら崩れて来る瓦礫をワカシャモが蹴り壊し、騒ぎを嗅ぎつけて集まった大勢の人達によって既に始まっていた消火活動の手助けもあり、私達は無事に教会から脱出した。

「はぁ……はぁ……危機一髪……さてと、此処から1番近いのは……森を抜けないで良い分、西方の町が近いか?すぐに病院へ…………」

そんな事を考えながら……私は、あることに気付く。

肩を貸しているため、私のすぐ耳元にある神父様の口や鼻から……呼吸の音が聞こえてこない。

「神父様……?神父様!?」

こちらに……異変に気付いたのか、ヤジウマの方々が私とヴァン神父の傍に駆け寄って来た。

私は神父様を地面の上に下ろし、顔を触り……手首を触り……胸に耳を当ててみる。

結果……体は熱を失い、脈も心臓も……止まっていた。

「うそ……だろ……?そんなっ……神父のくせに悪い冗談はよせよ…………っ!!うぅ……くぅぅぅ………うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

『 ヴァン神父様が死んだ 』

この現実を受け入れた時、私は久しぶりに悲鳴のように声を張り上げ、周囲の人の目を気にすることも無く大粒の涙を流して泣いて……


大切な人をまた1人失ったことを知った。


* * * * *


5日後……

私は焼け落ちた教会の前で1人、草の上に胡坐をかきながら、しばらく佇んでいた。

あの後……ヴァン神父の亡骸は遥か最西端の町 ・ 墓地の町 『 リコン 』 へと運ばれ、翌日に葬儀が丁重に行われた。

私も棺に入ったヴァン神父と共に馬車でリコンへと赴き、葬儀の後……ポケモン協会の人と少しだけ話す機会があった。

「アーシェ・バーンハルウェンさんですね?」
「………………そぅ……ですが……」
「この度の不幸、心中御察し致します。実は私は生前、ヴァン神父殿より、『自分の身に何か遭った時、現在一緒に暮らしているアーシェさんのことを気にかけてやってほしい』と頼まれておりまして……」
「まったく、あの人は……」
「アーシェさん。あなたはこれから、どうなさるのですか?我々に協力できることでしたら、何でも……」
「何でも?じゃあ、教会があった場所まで私を送ってくれねぇか?私は当初の目的通り、旅をしたい……そのスタート地点を、あそこにしたいんだ。」
「アーシェさん……わかりました。もし、旅先で何か困ったことがありましたら、いつでも我々を頼ってください。こちらが、連絡先になります。」
「ん……ありがと。」


……ってな感じの経緯を経て、此処まで送ってきてもらい、今に至る。

「神様……か。もし、あんた等が本当に居るってんなら、安らかに眠る神父様の魂をどうか天国へ導いてください。」

胸の前で十字を切り、手を合わせて心から神様に祈る。

今まで信仰心なんて持ち合わせていなかったのに、こんな時だけ都合のいい……と思われるだろうが、願わくば……ヴァン神父には天国でゆっくりしていてもらいたい。

「神父様……改めて言わせてくれ……短い間だったけど、本当にありがとうございました。この御恩は一生……忘れません。」

零れ落ちそうになる涙を堪え、五芒星が刻まれた十字架を模した髪飾りを付け……立ち上がった私は荷物を持ってセローナに向けて出発した。

木漏れ日に照らされ続ける、恩人との思い出の跡地を背にして……
先日、自分のウルトラムーンのチームを見返している時、どうもポケモン達が物理寄りに傾いていることに気付きました。
…………いや、結構前から気付いてました。

今作のアーシェはこんな感じで、作品の中では 『 まぁ、有りかなぁ…… 』 と、思うのですが、実際は特殊アタッカーも育ててみたい思いもあります。

……ただ、特殊アタッカーを上手く使えたことがないんですよねぇ……誰か、特殊アタッカーを上手く使う方法を教えてください。

さて!ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。

自分で今作を綴るに辺り 『 旅立ちという大きい節目だし、作るならこうだな! 』 と、初めて旅立ちの話を考えた時から、案は纏まっていました。
ヴァン神父……すまん。安らかに眠ってください。

そして!次回からは……ふふっ

それでは、ここまで読んでくださった皆さん、お疲れ様でした!
また次話で御会いしましょうです。

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