10話ー2 ザマァみろバァーカ!!

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読了時間目安:13分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

離せって言ってんだろぅがッ!!!
リザードは怒鳴る。

「………くっ…!」
奇襲クソ野郎が返事をしない。

あ、こいつ。右手だけでオレを掴んでやがる…。左手はケガさせちまったもんなぁ。手が痙攣してるじゃねぇかこいつ。フッ。
「おい、クソピカチュウ。」
「……ッ! ……なんだよ! 俺が必死に助けてやってるのに…のんきにお喋りしやがって…! 」

「オレのこと、嫌いだろ? どうせ死ねばいいのにって思ってるんだろ?」
「あぁ、そうだぜ大大大超大嫌いだぜ。死ねばいいのにって思ってるぜ。」

……は? じゃぁなんで助けようとしてるんだこのクソチビ…!!

「死ねって思ってんならその手を離せよ!!! 勇者ぶってんじゃねぇゴミクズ偽善者!! オレは!! もう死にてぇんだよ! こんなクソみたいな人生! 死んで一からやり直してぇんだよ!!」





クソチビが口を開いた。
「……あっそ、それじゃぁ」





さようなら

と言われたような気がした。
突然、体が軽くなった。宙に浮いている感覚。オレはこれから死ぬんだなって思った。



どしん

「?! 痛っっ?!」
なぜか尻餅をついた。
穴の深さが浅かったのか…?! いや、そんなはずはねぇ! 底が暗くて見えないほどだから深さは200m以上あるはずだ! じゃぁ、なんで、オレは尻餅をついたんだ…?

オレはもう死んでいるのか…?
ははっ。



……っ?!
目を開けて周りを見渡せば…さっきまで見ていた公園、土砂崩れのようにグチャグチャになったビルの残骸。そして

目つきの悪そうなあのクソったれピカチュウが目の前にいる…!!

違う、オレは死んだんじゃねぇんだ。




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こうされたんだ。
















「ギャーッハッハッハーッ!!! カツオの一本釣り漁みたいだな!! 」
クソッたれピカチュウがオレをバカにしやがる…!! ってかカツオ釣り漁ってなんだ…?

「ザマァみろバァーカ!! お前が大嫌いだから命令に逆らってやったぜ!! 離せって命令されたから逆に引っ張ってやったぜ!! 殺せって命令されたから助けてやったぜ!! 悔しいかぁ? 命令無視される気持ちはどうだ? ギャーッはっは!! ざまぁみやがれハナクソ!!」


……は?
思わずリザードは立ち上がってクソッたれのむなぐらをガッ! っと本気で掴む。
「ふざっけんなクソが!! てめぇに助けられるくらいなら死んだほうがマシだぜ! なんで助ける必要があるんだ? 殺るならさっさと殺れよ。オレはなぁ…」

「てゆーかさ、俺の判断でお前の生死決めていいの?」
「……!」
他人の判断で自分の生死が決まってしまう。
そんな屈辱的なこと、されて嬉しいわけがないだろう。

「俺はそんなの死んでも嫌だね。だから助けた。」
「だ…黙れ黙れクソは黙ってろ!! オメェに何が分かるんだよ!! こんなクソみたいな人生! 早く死んで生まれ変わってやり直してぇオレの気持ちがわかるか! 分からねぇだろうな!」

「知ってるわけねぇだろこのハゲ! お前の気持ちとか興味ねぇし! 」

「な…ん…だ…と…クソチビ!! 」

「変わりてぇなら今から変われよクソハゲ! 変わりてぇなら自分で変えろ! 死んで変われるほど人生甘くねぇし! 今から自分の力で変わらなきゃ何回死んで生まれ変わったとしても同じ運命辿って後悔するだけだぜ! 今やれよ今っ!」

「…は?」

「死ぬなんてダッセェな。逃げ道なんか作ってんじゃねぇよ。」

て……
「てンめぇぇぇぇぇぇェェェーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!」




「るっせーなぁぁ!! グチグチ言ってないで! 前だけ向いて歩いてりゃいいんだよ!!」




「…………………!」
「…………………。」




「…………………!」
「…………………。」




「…………………!」
「…………………。」




「………………………………ぷっ。」
「…え?」

「アハハハハハハハハハハハハハハハ」
リザードが突然、笑いだした。なぜ。


「アッっはっは。ちきしょ~オレの完敗だぜ。」

「………はい?」
「オメェほんとすっげぇな。悔しいけどハッと気づかされちまったよ。」

んあぁ、そゆことね。
電気野郎の表情がほんの少しだけ緩くなった。

「おいチビ、なんでオレを助けたんだ? さっき言ってたのは冗談だろ?」

「なんでって……お前のことマジで大嫌いだったから本気で殺してやろうか迷ったけど、体が勝手に動いちまった。ってかチビって言うな。」

「………すげぇな、おめぇ。」

「うるせぇ黙れハゲ。俺は褒められるの大嫌いなんだよ」

「オレがおめぇの立場なら、手ェ離してたよ。」

「だからうるせぇ黙れステロイドハゲ」

「おいチビ」

「んだよるっせーなぁ!!」




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ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

そこでなぜキレる?!

「んあ“―――っ”!!!!! クッソ! すっげーイライラしてきた! 一発殴らせろ!!」
「は?」
「俺はなぁ! 猛烈にお前を殴りたいから殴るッ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

突然である。電気野郎はエレキボールをリザードに向かって投げる!
「ふっ?!」
首をひねってリザードはギリギリでエレキボールを避ける!
避けた瞬間に電気野郎が急接近! 電気野郎は右手でリザードをガツンと一発殴る!

「痛ッてぇーーー!! 急になにすんだオメェ!」
「昨日の仕返しだぜ。俺はやられたらやり返さなきゃ気が済まねぇんだよ!!」

「器小っちぇぇぇぇ!!」

「やられたらやり返すのがこの俺のモットーだからな。器小さいとがどうでもいいから黙ってろ!」

「痛ッてぇなあ“あ”ぁ!!! こんなに強く殴ってねぇし!」

「意識ぶっ飛ぶくらいに殴っておいて『私は無罪です』だぁ? ふざけんじゃねぇ! あ“あ”あ“あ”ぁぁぁ! 無駄話したたらイライラしてきたぁぁぁ!!」

「無罪とは言ってねぇよ!! ってか意識飛ばしたのはオメェの奇襲が原因だろ! 正当防衛だし! 全部俺のせいにすんな!!」

「な“ん”だ“と”ク“ソ”ハ“ケ”ェェェェェ!!!!!!!」
「おぉ、ここでやんのかよ、やる気かよ、いいぜ上等だぜクソチビ!」


電気野郎とリザードはボコスカボコスカドンチャカと派手な喧嘩をしましたとさ。



3分後~


「はぁはぁはぁはぁはぁハァ………」
「ハァハァハァハァハァはぁ………」
二匹は仰向けになってぶっ倒れていた。

「ハァハァ…オメェさチビのくせになかなかやるじゃんかよ…ハァハァ」

「ハァハァ…誰がチビじゃゴルァ…ハァハァ…お前もう立てねぇのかよ…ハァハァ…弱っちぃなぁ…ハァハァ…俺はまだやれるぜハァハァ…」

「オメェそーゆーのはなぁハァハァ…ぶっ倒れた状態で言うセリフじゃないと思うぜハァハァ…」

「はは…俺もそうだと思ってたぜ…ハァハァ」


「「あはははははははは」」

「昨日は悪かったな。2対1なんて卑怯なマネしちまったな。」
「なに謝ってんだよ。むしろ俺は2対1って不利な状況のほうがテンション上がるんだよ。ってか俺も悪かったな。理由も知らずにクソ発言しちまったからな。」
「まったくぅ、しょーがねぇなー。今回は特別に許してやるよ。」
「上から目線で言うな。」


「「あはははははははは」」


「なぁチビ。名前教えてくれよ。」

「チビじゃねぇし。俺には電気野郎って名前が…」
「は?」
「やっべ…電気野郎って名前じゃなくてあだ名だった…」
「どーゆーことだよ」

「まぁ、なんというか…記憶喪失ってやつか?」
「まじ?」
「わりとマジ。」
「マジか。」
「まぁそういうことだ。お前は?」

「ゴウ・フィリップスだよ。」

「ほぇ~、火吹きそうな名前だな。」
「おうよ、ありがとよ。」
「それで? 連れのカメールは?」

「あいつはウォルズ・アグスリー。苗字覚えにくいだろ?」

「アグスリーが目薬(メグスリー)に聞こえて草生える。」
「その発想はなかったww」
「まったく…名前あるのが羨ましいぜ。」

「なぁチビ。」
「チビって言うのはマジでやめろクソハゲ。耳も身長にいれたらお前より背高いし。」
「だって電気野郎ってあだ名さ、言いにくい。」
「知るかよボケ! このあだ名はカイトが勝手につけたんだよ! 文句あるならカイトに言いやがれ!」

「……カイトかぁ、あいつには悪いことしちまったなぁ。カルマって呼ぼうって決めたのはオレなんだよな。噂広めたのもオレ。あんなに噂が広がるなんて思わなかったぜ…」

「お前を怪我させちまったのにもちゃんと理由があるんだぜ。」

「…知ってんのか!?」

「おうよ。ちょっとだけな」






「…………そうだったのか……」

「今度会ったときはカイトに謝れよ。絶ッッ対に謝れよ!!!」
「はいはいよ、ウォルズも連れて謝りに行くよ。」


「誰かおれっちを呼んだかい?」
後ろから誰かの声がした。
電気野郎とリザードのゴウは後ろを振り向くと
「ウォルズじゃねぇか。ちょうどいいタイミングに来たな。」
カメールのウォルズがゼェゼェ言いながら走ってきた。
「ちょちょっと! さっきの地震大丈夫だったか!? ゴウが心配でおれっちずっとオマエ探してたんだ……あーーーっ!!! オマエは昨日のクソピカチュウ!! 何の用だ!!」

「何の用もねぇよ。」

「じゃっ…じゃぁゴウ! オマエなんでこんなクソとのんきにお喋りしてんだよ!?」

「おいおい落ち着けってウォルズ。さっき仲直りしたんだ。」

「えぇッ?! 仲直りしちゃったの?! えええええええ?! ……………ま、いいか! ゴウがそう言ってるんだし、おれっちもこれで勘弁してやるよっ!」

「だから上から目線で言うなっつてんだろ。」
「だーっはっはっは!! おれっちはいっつも上から目線だぜ!!」

「だったら俺も上から目線で言うぜ! ウォルズ! お前のせいで左手怪我したんだぜ。でも俺は親切だから今回は特別に許してやる。」

「だーっはっはっは!! 面白れぇヤツだなオマエ! 特別に今度ばあちゃんの育てたナスを食わせてやるよ! うちのばあちゃんはナス農家なんだぜ! みずみずしくてチョー旨いぜ!! ナスの天ぷらかおひたしにするか選んでおけよ!」

「へぇ…! 天ぷら食ってみてぇな…!」



「電気~どこ~?」
「電気~! 電気~! どこにいるの~?」
遠くからミルとカイトが聞える。
「あ、電気、ここにいたんだねー! なにしてt…」
「…………。」
「…………。」

ゴウとカイト、目が合ってしまい、気まずい空気が流れる…。

「……………カイト…あのさ…」
「そのっ…! 本当にごめんね…! あの時は気持ちが荒れてたんだ…!」
カイトが先に謝った。頭を深く下げて。
「………。」
先に謝われてしまった。
「…………こっちこそ、ごめん。オメェのこと知らずにオレは嫌なこと言ってたんだな。」
「カイト、おれっちもごめんって言っておくよ。嫌な思いさせちまったもんな…」



「ごめんね……ほんとにごめんね…! 怪我させちゃって…! 僕なんて謝ればいいか…」
「んだよこれくらい気にすんなって。泣くなよ泣くなよ鼻水垂れてる……泣きてぇのは俺のほうだてのに…」

「本当に……ごめんね…!」
「……オレも……ごめん…!」
両者から、涙がこぼれる。

俺たちはあえて背を向けて、その姿を見ないことにした。泣くところを見られるのは男として恥ずかしいからな。





「すげぇよな、カイトって。」
カイトは一番最初に謝る。俺の時もそうだったよなぁ。
「まったくよ。ほんとに。」
ミルもそうなんだってさ。





「なぁんだ~そーゆーことだったのか~それなら言ってくれてりゃおれっちも謝ってたのにぃ~」
カイトの過去の事情を電気野郎から聞いたウォルズは偉そうに言う。

「ってかさ、災害直後なのにオレら仲直りタイムってやばくね?」
「おっ、そうだよなww 俺らそろそろ仕事しに行くわ」
「今日は仕事休みじゃないの?」
カイトが言う。
「んなわけねーだろ! 俺たちは探検隊! かつ救助隊! 何するか分かってるよな?」
「きゅうじょおぉぉぉぉぉ!!」

「その通りだぜ。よっしゃぁ、災害の救助に行くか!」
「えぇ、そうね。」
「うん! そうしよう! えいえいおー!」
「おれっちも手伝うぜ!」
「まじ? サンキュー。」
「オレも手伝うよ。」
「ありがとな。」


こうして電気野郎たちは仲直り。

5匹で地震の被害にあったポケモンたちを救助しに行くのだ。


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