カントー三人旅

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翌朝、俺は旅をするための準備を始めた。
うどん屋の隣にある小さな家。ここで俺は、最低限の家具を置きながら住んでいる。昨日約束した後、俺は家で黒のリュックサックと身軽な上下の服を見つけて、十年前に集めたジムバッジケースも何とか見つけ出した。

ニビジム
ハナダジム
クチバジム
タマムシジム
セキチクジム
グレンジム

残りのヤマブキジム、トキワジムのバッジを手に入れれば、ポケモンリーグに挑戦できる。もう一度トレーナーとして、原点回帰をするのも悪くないか…。
白のTシャツに黒のジャケット、青いジーンズにスポーツシューズ。いい大人が今更こんな格好して旅をするなんて、やっぱり恥ずかしいな…。
ベルトにボールを六個セットして、家と店にしっかり鍵をかける。次戻ってくる時には、バッジを全部集めてあるはずだ。ちょうどその時、遠くからやって来るハンスとリーリエが見えた。

「やあグラン、どうやら準備万端みたいだね。僕もオーキド博士から許可をもらって、ポケモン調査員として町を巡ることになったよ!今でもバトルは弱いけど、僕と一緒なら様々な施設の利用が割引価格で受けられるんだ!」

「おはようございます!私もオーキド博士から、旅の餞別としてポケモンを一匹いただきました!私にとって初めてのパートナー…大切に育てます!」

自慢げに話してくるハンスの後ろに、モンスターボールをギュッと掴んでいるリーリエがいた。はたして俺は、この二人のテンションについて行けるだろうか?

「リーリエちゃん、オーキド博士からポケモンもらったのかい!?せっかくだから、ここで出してみてよ!」

「わ、分かりました!えっと、このボタンを押せばいいんですよね?」

リーリエがモンスターボールをカチッと鳴らすと、眩い光を出しながらポケモンが飛び出してきた。そして中から出てきたのは、茶色のモフモフした毛が特徴的なイーブイだった。

「へぇ、イーブイか。確かに初心者トレーナーには最適なポケモンだな。環境によって変化するポケモンだから、今後どうなるか楽しみだ」

「わぁ、すごく可愛いですね!はじめまして、これからよろしくねシャイン!」

「お、リーリエちゃんさっそくニックネームを付けたのかい?」

「はい、その方が愛着が湧くと思って、ここに来る前に考えました!太陽のように明るく、笑顔が似合う子になってほしいという願いが込められています!」

俺にはリーリエの方が太陽のように眩しく見える。むしろ眩し過ぎてサングラスを付けたいくらいだ。
俺も昔はこんな感じでポケモンにニックネームを付けてたなぁ…。今はもう違うポケモンになっちまったけど。

「それじゃあさっさと出発するか。まずはここから北にあるニビシティを目指そう」

俺を先頭に二人が続く感じで、いよいよカントー地方を巡る旅が始まる。

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